筒井康隆のレビュー一覧

  • 陰悩録 リビドー短篇集

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    表題の「陰悩録」電車に乗りながら読んでいたら、自分のきんのたま付近が、立っていられないほど痛くなってきました。

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    2017年05月24日
  • 聖痕

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    どうゆう結末になるのか、どんどん読み進めたいのに枕詞やら見た事ない漢字(読み仮名ふって、ページの左に用語の説明までご丁寧にありましたが)がぎっちりで、少しイライラしました。
    巨匠が古今の日本語の贅を尽くして・・・との事ですが読み難い。
    主人公の性器を切り取った変質者も、祖父を殺した弟も、会社の上司と職場の上の部屋で不倫するレストランのスタッフも、物語の終わりではなんだかみんな赦されていて、ファンタジーなのかな、コメディなのかな、私のココロが狭いのかな?と少し不穏になりました。

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    2017年03月28日
  • ビアンカ・オーバースタディ

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    お世辞にもお上品な内容とは言い難いが、先生ご乱心と言ったところだろうか。
    良くも悪くも古典的超展開SF。
    ビアンカの美少女設定が過剰すぎるような気がした。
    ビアンカマジキチなんじゃないかと思わなくもないが、ギャップ萌えとか言うのだろうか。
    未来人の断定の仕方が雑。というよりも、世の男性にとっては屈辱的な断定の仕方ではないだろうか?
    読んだことないがハルヒってこんな感じだろうか。
    作品内で披露される知識の幅の広さは異常。
    耀子は普通に犯罪に手を染めてるがそこスルーはヤバイ。
    でも何も考えないで読める感じは悪くない。

    巨大ガエルで一件落着→巨大ネズミヤバイのループは動物やシチュエーションを変えて

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    2017年03月18日
  • アホの壁(新潮新書)

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    会議で突然無関係のことを述べ立てる(たいていは自分の知識や体験の披瀝)、成功の夢に酔う、批判を悪意と受け取る、自分の価値観を過信する、専門外のことに口出しする...。
    これらが本書でいう「アホ」の姿の一例である。
    耳の痛いところも多くて、私なんぞは定期的に本書を読んで反省したほうがいいかも。
    批評家と作家の大喧嘩のメカニズムを解剖した部分を読むと、こんなへぼ記事でも、作家先生の目に入れば、プライドを傷つけてしまうかもしれない。
    くわばら、くわばら。

    ところで、この本は、ご本人もおっしゃるように、「俗流」フロイティズムに拠っている。
    人は欲望(多くは性的なもの)を、日常生活では抑圧しているけれ

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    2017年02月28日
  • 虚航船団(新潮文庫)

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    筒井康隆作品の、妙に人間臭いモチーフと、軽々と死ぬこと、最後が読点の極端に少なく混沌に落ちていく感じがどうにも苦手で、煙に巻かれたような気がしてしまう。
    パロディと比喩の境界、唐突な視点の切り替え、語句の繰り返し、年代がごちゃごちゃ、ページをまたぐ、作者の独白や思考が混入、、、手法としてはとても挑戦的で斬新。

    文章などが小説らしくなくて読んでる最中は面白いと思えないんだけど、のちに構成やそれぞれの登場人物(登場文房具?)の意味を考えていくと、深いものがあるなーと気付かされる。
    便箋と封筒の、他人から聞いたら何がなんだか分からない言葉の置き換え遊び、これがこの本全体にもあてはまって「違和感」を

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    2016年12月22日
  • アホの壁(新潮新書)

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    アホについて。身近なアホから戦争まで話は深刻になるんだけど、結局はアホがなければ人類はつまんないものだ、アホは素晴らしいというアホな結論に至る。

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    2016年11月12日
  • ビアンカ・オーバースタディ

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    ネタバレ

    ウニの生殖では満足できず、人口受精して人の生殖へ。それだけでは足りずに、人とカエルのキメラまで。ぶっ飛んだ話でさらっと簡単に読めました。

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    2016年08月12日
  • にぎやかな未来

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    旧版初版は昭和47年というからワシの産まれる前。短編集ゆえに好みもそうでもないのもあるが、それをおいても書かれた年代を意識せずに読めるのがまずすごい。SF的なのも多いが、今に至るも普遍的なネタだな、と思う。短編の面白さと難しさを楽しめる。

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    2016年07月14日
  • ビアンカ・オーバースタディ

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    筒井康隆だし、文庫になったし、読んでみるか〜なんて斜に構えて手に取った本。
    そしたら「時をかける少女」っぽくなってきて、さらには巨大カマキリが登場!
    わ〜、これ「虚航船団」じゃん!

    というわけで、そこからは手が震えつつ一気に読み進めました。この作品を読んで筒井康隆のほかの作品を読むもよし、筒井康隆の名前につられてこの作品を手に取るもよし。

    最後の最後に、かなり読者を意識した強いメッセージがあるあたり、おじいちゃんから孫へのプレゼント……といった感じのする本です。
    ただライトノベルっていうジャンルに挑んだってだけでなく、そういう意味でも筒井康隆の新境地な気がするなあ。

    新境地って、執筆当時

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    2016年06月06日
  • 愛のひだりがわ(新潮文庫)

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    まずジュヴナイルってなんぞや、YAみたいなものなのね。それなら許してもいいかしら、ずいぶんと大衆的な読み物だなぁという感じはする、でも筒井康隆の顔、こわいので、このひとすごい経験してきたんだろうな、とは思ったり。
    人がこんなにパタパタとRPGみたいに死んでゆく小説はあまり読まないので新鮮だった。
    父の最後の絶望的な様子ばかり現実的で、そこが好き。

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    2016年05月16日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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    ドタバタというか、狂った世界の
    リズムが合わない作品(表題作も)は、
    滑稽とは思えても趣味が合わない、
    場合によっては嫌悪感をも感じてしまう。
    その向こうに、(当時の)時代をどれだけ
    見透かして茶化す、天才の視点があっても。
    ちょっと、大衆に対する優越感を感じてしまうのかな。

    法螺話というが、
    隅に追いやられている人を笑いものにして
    隅に追いやっている人を滑稽に描きつつ
    実は両者とも笑いものにしている
    高みに立った風味が漂うよう
    感じているのかもしれない。

    鋭さに耐えられない、普通の感覚が
    壁・溝を作っているのかもしれない。

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    2016年01月13日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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     筒井先生お得意のスラップスティックがたくさん詰まった短編集。「ワイド仇討」のみ既読だった。
     パニックに陥った人間たちのドタバタ劇はどこか滑稽で面白く、クスリと笑わされることしばしば。だけどどの作品の裏にも世相への皮肉や切迫感、切なさや哀しさが潜んでいるので、ただのドタバタコメディで終わっていない、むしろ怖さすらうっすら感じる上質コメディだ。
     しかしなぜ自分がクリスマスイブにこの本を選んだのかはよく分からない…(笑)

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    2015年12月13日
  • ダンシング・ヴァニティ(新潮文庫)

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    明晰夢をひたすら言語化するスキルとバイタリティ。伊集院光が言うところの「脳汁を垂れ流す」状態か。「音楽」「フクロウ」とくれば、ツイン・ピークスも思い出す。

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    2015年10月18日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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    筒井康隆、久しぶりに読んだ。自分の言語感覚が世の中の流れを受けてずいぶんと保守化というか、スラップスティックな世界に対応するのが難しくなっていることに気づいた。もっと自由でいいはずだ。

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    2015年10月09日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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    なかなかなかなかでした。

    パロディなんです、日本沈没の。
    で、日本以外沈没したらこんな感じ?みたいなショートショートです。

    ぇぇーあり得ないーぃー

    って感じのショートショート続きで、宇宙人とか普通に登場しちゃうあたりがすごい大胆。

    読んでて、こんなんなっちゃって!?大丈夫?オチ?って、読者が心配しそうになる一冊です。

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    2015年09月25日
  • 男たちのかいた絵(新潮文庫)

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    チンチン立ちっぱなしのヤクザとか、犬と深い仲のヤクザとか、変なヤクザがいっぱい登場です。
    ヤクザのというか(男の?)渋さや悲しさ(聖書でいう原罪のような)を感じる短編集でした。解説が「中島梓」!昭和のあのころに気持ちの良いトリップでした。

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    2015年09月18日
  • 愛のひだりがわ(新潮文庫)

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    主人公の小学生の少女の一人称で語られるため、難しい漢字を使わず、使ってもルビをふって児童小説のような体裁なのだが、主人公の置かれた世界はハードでバイオレンスな、児童小説にはまったく似つかわしくない世界だ。
    主人公の少女は左手に障害があり、家庭環境に問題を抱えているが健気に生きている。そんな少女が母の死をきっかけに家を出て、いなくなった父を探しに旅をするロードストーリーなのだが、少女の左側には常に誰かが(それはまず犬からだった)寄り添って物語は淡々と進んでいくのである。
    各章のタイトルに登場人物の名前が冠してあり、章毎にその人物が少女の左側を受け持つことになる(一部違うが)。その人物たちの物語の

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    2015年09月18日
  • アホの壁(新潮新書)

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    ネタバレ

    アホとは言うけど人間だれしもがやってしまう行動を指摘し取り上げた本。完全にいなくなってしまうのもどうかと思うがしかし本書で取り上げられたアホが多いのも事実だと思う。読んでいて知らなかった、間違った使い方をしていたなんてことは多く、思わず関心してしまう部分もあった。

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    2015年08月16日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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    1962年から76年にかけて書かれた11本の作品が収められた短編集。

    解説にもありましたが、どれもかなり初期の作品なんだそうです。

    筒井作品といえば、ずいぶん前にテレパスの七瀬シリーズにハマってしまったことがありましたが、今回久しぶりに読んでみて、何ていうかSFの物凄さを思い知ったという感じです。

    ありそうでない話どころではなく、絶対にあり得ない話。馬鹿らしいと片付けるのは簡単だけど、つい先が気になって最後まで読んでしまう。そして本を閉じる頃には爽快な読後感に包まれる。そんな魅力に溢れた作品集です。

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    2015年05月24日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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    表題作は、以前読んだときと、印象が違ったな。付録の人物紹介が面白いからかな。どれも、60-70年代初出で旧いのだが、当時が見えて味わい深いな。最も、一番気に入ったのは、幕末ネタだが。

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    2015年04月24日