筒井康隆のレビュー一覧

  • 残像に口紅を

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    ページを追うごとに、音が一つずつ消えていくという独特の仕掛けが印象的な作品でした。完全にランダムではなく、構成を考えて選ばれているのだろうなと思いつつ、中盤までは意外と普通に読めてしまう日本語の柔らかさに驚かされました。

    物語の展開には「これはこの流れに必要なのかな?」と感じる場面もありましたが、この作品はストーリーそのものより“言葉が減っていく”という体験を味わうことが中心なのだと理解。文章が少しずつ不自由になっていく感覚は、ちょっとしたパズルのようでもあり、日本語って本当に面白いなと改めて思いました。

    読んでいてふと、藤子不二雄先生のSF短編集に出てきそうな題材だな、とも。アルファベットでは成立しにくい、日本語ならではの遊び方が長編として形になっているのがすごい。

    物語を追うというより、言葉が削られていく世界に身を置くような読書体験でした。こういう“言語そのものを使った実験”に触れられるのは貴重だなと感じました。

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    2026年06月02日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    10年くらい前に買って、一読したが内容をほとんど覚えていなかったので、再度読みました。ジャンルはSF、主人公はある都市から旅をして、いろんな土地を回って、終盤、故郷に戻り再び旅をする、言ってみればかなりスタンダードな構成だとおもう。でも、転移や壁抜け人間など、変わった人が出てきたり、主人公の手によって街を再興させてたり、この小説にしかない爽快感や面白さがあった。

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    2026年06月01日
  • 残像に口紅を

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    私には難しくてあまり理解できなかった。
    言葉が一つづつ消えていく設定に惹かれて購入したけど、よくわからないまま読み終えてしまった。
    読後感が想像と違った。

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    2026年06月01日
  • 残像に口紅を

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    ネタバレ

    途中から始まる官能小説にびっくり(笑)しかも激しいし長い…!
    実験小説ということで内容は特段面白いわけじゃないけど、筒井康隆独特の飄々とした人物描写がずっと面白かった。
    使える文字が減ってきた後半は難しくて少し流すように読んでしまったけどこんな厳しい制約の中で最後まで完走していてさすが筒井康隆だなと唸りました。

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    2026年05月31日
  • にぎやかな未来

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    1968年『にぎやかな未来 』は、筒井康隆の商業誌第一作の1960年『お助け』を含む、全41篇の名ショートショートを収録。あとがき解説には、あのショートの大家、星新一が投稿を寄せている。「彼こそが、わが国はじめての真の意味の大衆作家である」と締めくくる。著者の短編集は家の本棚に揃っているので、これからまだまだ再読が続く。

    41編の中、マイベストショートショート『腸はどこへいった』は、いまだに覚えていた作品であり、一番印象に残っていた。内容は実にくだらないのだが、そこが良い。あることがきっかけで、半年便通と尿意が無い青年のお話しである。この異常事態でも青年の体調がすこぶる良好なのは、彼の腸が「クラインの壺」になり異次元とつながることで、便と尿がすべて...腸を元に戻したらあら大変。

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    2026年05月28日
  • あるいは酒でいっぱいの海

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    装丁のゆるさとタイトルからして、飲酒系のエッセイかと思ったら、ショートショートだった!

    ショートショートは星新一の世界観しか知らなかったけど、筒井康隆の作品は、静かな臨場感が印象的だった。

    『消失』
    アメリカンジョークがきいていて面白い
    乗客の一員目線で楽しめた

    『ケンタウルスの殺人』
    宇宙空間ってのがミソなのは分かってたけど、犯人は当てられず

    『睡魔のいる夏』
    ビールが飲みたくなるし、こっちまで眠くなった

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    2026年05月27日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    ネタバレ

    旅こそが自らの人生で生きる意味。たとえその先に待つのが死だとしても。今よりも過酷な体験をすることとなっても。
    ラゴスの旅こそが人生なのだ。奴隷の中で、豊かな暮らしが得られてもそれよりも学問への探究や冒険が抑えられない。

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    2026年05月21日
  • 家族八景(新潮文庫)

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    他人の思考を読み取ることができる七瀬が、お手伝い先で様々な事件?に巻き込まれる。
    結構七瀬がドライな性格でびっくりする。
    特に最後の亡母渇仰は衝撃的な内容だった。。。
    ラストがこれでいいの?と思わず思ってしまった。

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    2026年05月10日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    今回は、七瀬以外の超能力者たちが出てきた。
    お手伝いさんをやめて旅をする七瀬。
    出てくる男性の思考がちょっと現代とそぐわなすぎて、これはおもしろいのか?どうか?よくわからなかった。
    ただ、七瀬を狙う謎の組織が気になる。
    あと、ノリオくんの学校どうするんだろう。それも気になった。

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    2026年05月10日
  • 読書の極意と掟

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    同著作、創作の極意と掟 より更にファン向けの内容。
    自身の読書遍歴と生活面で何があったかを併記していく流れ。
    あまり筒井康隆のパーソナルな部分を知らなかったので、あけすけに他の作家を称賛したりしていて意外だった。

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    2026年05月07日
  • 残像に口紅を

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    もしひとつの言語が消滅した時、惜しまれるのは言語かイメージか。
    結局この世界は、言葉で形作られているのだと思う。

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    2026年05月07日
  • 富豪刑事

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    『富豪刑事』は著者ならではのドタバタ感は否めない、4編のユーモアミステリー小説である。一方、超能力少女七瀬が活躍する『家族八景』は、家族の秘密を暴くなど...わりとしっかりした推理小説風だった。やっぱり好みは、一日の長があるユーモア小説かな。

    主人公の刑事大助が富豪でなければいけない理由はちゃんとある。豪邸で超有名人を呼びパーティを開いてみたり、小規模とは言え会社を突然設立してみたり、500万円の札束をばらまいてみたり、ホテル一棟やくざの貸し切りにするなど。金にモノを言わせて難事件を解決するのだった。しかしスカットするほど痛快ではないのはなぜなのだろう、ストーリーがつまらないんだよね。

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    2026年05月06日
  • 富豪刑事

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    金持ちの息子が財力で事件を解決する話です。
    とにかく金の使い方のスケールが桁違いなので、読んでいて爽快感があります。
    嫌味臭くない金持ち感も出てますし、楽しく読むことができました。

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    2026年04月27日
  • エディプスの恋人(新潮文庫)

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    七瀬3部作、1972年『家族百景』1975年『七瀬ふたたび』と読みすすめて、1977年『エディプスの恋人』でシリーズ完結。正直難解で読後の感想に困る。シリーズ1作目の『家族百景』のノリで読んでいると、間違いなく置いてけぼりにされる。それほど混とんとした内容である。まず表題の「エディプス」とは、フロイトが提唱した精神分析の基本概念であるからして...小難しいのだ。SF作家に恋愛小説風なストーリーを誰も求めていない。シリーズ2作目『七瀬ふたたび』とラストの数ページでやっと繋がったと思ったら、ありえない結末に不満。

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    2026年04月23日
  • カーテンコール

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    ショートショートに近い短編集。
    オチはどこだというばかばかしい作品から、しんみりする作品まで25編です。
    御大ももう卒寿ですか。
    集大成ともいえるタイトルで、帯にもおそらく最終作となっている。表題作の「カーテンコール」や「プレイバック」、息子さんのことを描いた作品など、過去を振り返るような内容なので、もしかしたらホントに最後なのかもしれない。

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    2026年04月21日
  • 残像に口紅を

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    なるほど、実験的小説。終わり方は流石。語彙の多さを実感するとともに、やはり選び抜かれた語彙で紡がれた物語がいいなと思うなど。

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    2026年04月20日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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    30年前の小説だったが、もう少し前の雰囲気を纏っていて、好きな感じだった。
    違和感というか、ちょっとできすぎてる部分はあったが、最後はすごいびっくりして何度もページを戻してしまった。

    改めてよく読むと、自分を表す表現だったり、人を示す言葉だったり、汎用性が高い言葉が多岐にわたって使われていたし、これはだれの発言かなどあまり意識せず読んでいたので驚いた。

    ラストも、なんだか悲しくなる終わり方だった。
    1番自分のことを見下してたのは、本人だったのかもしれないと思った。

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    2026年04月19日
  • エディプスの恋人(新潮文庫)

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    彼女が恐ろしいと感じた。

    彼も、頼央も。

    実際にこのような人達が存在するのかも。

    神を信仰しているあの人たちも本当に感じているのかも。
    あーこわいこわい

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    2026年04月16日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    七瀬シリーズ3部作、1972年『家族百景』1975年『七瀬ふたたび』1977年『エディプスの恋人』完結。手元に3部作全て揃っているので完結編が楽しみである。1部では家政婦の七瀬が悪党と闘いながら成長するお話しで、本作2部では能力者たちを狙う謎の組織との対決で幕を閉じる。そして七瀬は...3部作の大逆転を期待する。

    全体的に粗さが目立つストーリー展開である。能力者同士の出会いが不自然で、更に七瀬の成長をエロ描写で語らせるのは無理がある。なにより、七瀬たちを追い詰める謎の組織が突然現れて、読者を置いてけぼりにする。話としては面白いんだけど...その辺どうでしょう。

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    2026年04月13日
  • 残像に口紅を

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    予想以上に実験小説だった。
    使える音が少なくなっていくと、作中のセリフや描写が明らかに粗野なものとなっていく。

    前半は、読んでいる私たちにも馴染み深いものたちが消えていく。今まで目の前にあった料理や道具だけでなく、さっきまで楽しく会話していた人たちも消えていく。
    消えたことに対して、主人公は「何かがたった今消えたな」という感覚だけを持っていて、その感覚を頼りに今まで当たり前に存在していたものを思い出し、描写しようとする。
    章ごとに音が消え、次の章で、消えたものを別の言葉で描写しようとするシーンが毎回好きだった。

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    2026年04月11日