あらすじ
人類復活をかけて金星に飛ぶ博士、社長秘書との忍法対決、信州信濃の怪異譚……往年のドタバタが炸裂! 単行本未収録作も収めた、日下三蔵編でおくる筒井康隆ショートショート・短編集。
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Posted by ブクログ
全集は読んでいたのでその収録作は既読だが、コレクションが出たときはお金がなかったため読んでいなかったので助かる。殆ど初期のものなので、そんなには面白くない。クラリネット言語あたりは、リアルタイムで初出で読んでいて、未完なのがホントに残念なくらい面白い。驚いたのは、マッド社員シリーズが、ほんとに未来を先取りしてたことだ。zoom そのもののものまで出ている。SF作家の面目躍如たる。
Posted by ブクログ
筒井康隆『人類よさらば』河出文庫。
筒井康隆のショートショート短編集。久し振りの筒井康隆。
SF、ドタバタ、ナンセンスなどなど、よくぞこういう発想が出来るものだと感心してしまう37編を収録。
昔は、角川文庫や新潮文庫、集英社文庫など様々な文庫レーベルが筒井康隆の作品を刊行していたものだ。高校時代にかなりの作品を読み、友人らと作品を話題にしたものだ。
定価814円
★★★★
Posted by ブクログ
筒井康隆作品は殆ど読んだことがないのに比較的最近の文庫本が目についたので読んでみた。
文庫化漏れ作品を中心とした編集ものにしてはクオリティが高い。(正規作品をあまり読んでないので客観的な評価とは言えないが、たぶん。ビートルズでいうとPast Masters Volume1/2 といったところか。)
「悪魔の世界の最終作戦」と「黄金の家」の二作品が特によかった。
前者は、眉村卓との合作扱いとなっていて、眉村の「最終作戦」という作品の原稿用紙の裏に筒井が「悪魔の世界」という手書きの原稿を書き、そのままごちゃ混ぜで校正刷りされ、校正の時間がなかったのでそのまま掲載された、という設定。二作品の境目は何となくは分かるようになっていて、主題も、「最後の最後で記憶の改変に気が付く」という点で共通していて、不思議な読後感だった。
後者はわずか5頁の小品ながら、SFとしてはほぼ完璧といってよいのではないだろうか。
マッド社員シリーズ(Ⅰ〜Ⅴ) 更利萬吉の⚪︎⚪︎ものは発表年が1971年とは思えないくらい予言的で驚いた。
学生が会社を選別する形での就職活動や、在宅勤務におけるTeamsのようなWeb会議など、発表当時には影も形も無かったはずなのに、SF作家の想像力というのは大したものだ。そして、人間が想像できるものは人間は実現出来る、というテーゼが真実であることも透けて見えた気がする。