筒井康隆のレビュー一覧

  • エディプスの恋人(新潮文庫)

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    七瀬3部作、1972年『家族百景』1975年『七瀬ふたたび』と読みすすめて、1977年『エディプスの恋人』でシリーズ完結。正直難解で読後の感想に困る。シリーズ1作目の『家族百景』のノリで読んでいると、間違いなく置いてけぼりにされる。それほど混とんとした内容である。まず表題の「エディプス」とは、フロイトが提唱した精神分析の基本概念であるからして...小難しいのだ。SF作家に恋愛小説風なストーリーを誰も求めていない。シリーズ2作目『七瀬ふたたび』とラストの数ページでやっと繋がったと思ったら、ありえない結末に不満。

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    2026年04月23日
  • カーテンコール

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    ショートショートに近い短編集。
    オチはどこだというばかばかしい作品から、しんみりする作品まで25編です。
    御大ももう卒寿ですか。
    集大成ともいえるタイトルで、帯にもおそらく最終作となっている。表題作の「カーテンコール」や「プレイバック」、息子さんのことを描いた作品など、過去を振り返るような内容なので、もしかしたらホントに最後なのかもしれない。

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    2026年04月21日
  • 残像に口紅を

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    なるほど、実験的小説。終わり方は流石。語彙の多さを実感するとともに、やはり選び抜かれた語彙で紡がれた物語がいいなと思うなど。

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    2026年04月20日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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    30年前の小説だったが、もう少し前の雰囲気を纏っていて、好きな感じだった。
    違和感というか、ちょっとできすぎてる部分はあったが、最後はすごいびっくりして何度もページを戻してしまった。

    改めてよく読むと、自分を表す表現だったり、人を示す言葉だったり、汎用性が高い言葉が多岐にわたって使われていたし、これはだれの発言かなどあまり意識せず読んでいたので驚いた。

    ラストも、なんだか悲しくなる終わり方だった。
    1番自分のことを見下してたのは、本人だったのかもしれないと思った。

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    2026年04月19日
  • エディプスの恋人(新潮文庫)

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    彼女が恐ろしいと感じた。

    彼も、頼央も。

    実際にこのような人達が存在するのかも。

    神を信仰しているあの人たちも本当に感じているのかも。
    あーこわいこわい

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    2026年04月16日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    ラゴスは老いてなお旅に出て根っからの旅人なのだと感じた。それが羨ましいというか正直妬ましさを感じてしまった。
    奥の細道の月日は百代の過客にして行きかふ年も旅人なりを思い出した。
    社会に縛られている現代に旅人としてどれ程いいだろうかと思う。
    SFチックが強く時折、設定が大仰に感じてしまう事があり戸惑った。女性に一つの章に一人程のペースで好かれており少しくどいと感じてしまった。
    恐らく個人の好みの感じで自分は肌感合わなかったが面白いシーンもあったので中世ヨーロッパのファンタジーが好きな人はきっと面白いと思います。

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    2026年04月14日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    七瀬シリーズ3部作、1972年『家族百景』1975年『七瀬ふたたび』1977年『エディプスの恋人』完結。手元に3部作全て揃っているので完結編が楽しみである。1部では家政婦の七瀬が悪党と闘いながら成長するお話しで、本作2部では能力者たちを狙う謎の組織との対決で幕を閉じる。そして七瀬は...3部作の大逆転を期待する。

    全体的に粗さが目立つストーリー展開である。能力者同士の出会いが不自然で、更に七瀬の成長をエロ描写で語らせるのは無理がある。なにより、七瀬たちを追い詰める謎の組織が突然現れて、読者を置いてけぼりにする。話としては面白いんだけど...その辺どうでしょう。

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    2026年04月13日
  • 残像に口紅を

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    予想以上に実験小説だった。
    使える音が少なくなっていくと、作中のセリフや描写が明らかに粗野なものとなっていく。

    前半は、読んでいる私たちにも馴染み深いものたちが消えていく。今まで目の前にあった料理や道具だけでなく、さっきまで楽しく会話していた人たちも消えていく。
    消えたことに対して、主人公は「何かがたった今消えたな」という感覚だけを持っていて、その感覚を頼りに今まで当たり前に存在していたものを思い出し、描写しようとする。
    章ごとに音が消え、次の章で、消えたものを別の言葉で描写しようとするシーンが毎回好きだった。

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    2026年04月11日
  • 誰にもわかるハイデガー 文学部唯野教授・最終講義

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    すごい面白い。御大の真の狙いがどこにあったのかを想像するのも楽しい。この切れ味と凄さはネオ高等遊民さんですら難しいのではないか。いや本業の専門家では無理か...

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    2026年03月27日
  • 残像に口紅を

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    ことばが世界から無くなっていき、半分以上のことばが無くなってきたところから、自伝を始めた。「ことばが少ないからこそ自伝を綴れる様になった」とあり、制限されている中で、自由な時にできなかった事が出来るようになる事もあるんだなぁと改めた。最後になくなることばはなんだろう...

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    2026年03月27日
  • 残像に口紅を

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    TikTokでも話題になっていたし、筒井康隆も何冊か読んでいたので気楽な気持ちで読み始めたが、言葉がなくなっていくなかで言い回しが難解になり特に中盤は読むのに体力を使った。しかし作者の語彙力には感服した。

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    2026年03月27日
  • 残像に口紅を

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    ネタバレ

    森見登美彦さんのような不可思議さがある。独自のワールドすぎて途中ついていけなくなりそうだった。使える文字が制限されていく世界を描いている作者の大変さの方に意識が持って行かれてしまった。

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    2026年03月25日
  • 時をかける少女

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    表題『時をかける少女』他2編。学習研究社の1965年「中三コース」、1966年「高校一年コース」に連載される。1983年角川映画の原田知世、主演が有名である。芳山和子がテレポーテーションとタイムリープするお話し、その能力は、同級生の深町一夫が関係していた。40年前の中高生には驚きの展開だったのかな。

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    2026年03月24日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    普段ほとんど読書をせず、読むとしてもビジネス書くらいの私が、何となくもっと読書をしてみたいと思い立って、本当に久しぶりに読み終えた小説。

    たまたま、ラゴスが本に熱中する章があり、読書への向かい方の一例を垣間見ることができた気がする。そもそも本を読むとは何だろうか。映画やSNSを見るのではなく、本や読書することが好きとはどういうことか、と不思議に思っていたところだった。

    本を読むとなれば、どのジャンルを読むかも悩みどころである。もちろん、その時々で気分の乗る本を読むのが大抵だが、知識欲が高い時は、幅広いジャンルに目を向けて、網羅してみたくなることがしばしばある。ラゴスの場合は、異世界のそれこ

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    2026年03月23日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    ネタバレ

    面白いけど、俺は興味ないけど、色んな女に好かれちゃって困ってちゃうみたいなのが終始気持ち悪い。
    ゼーゼだけならギリ耐えられるけど、他にも色んな女が出てきて作者の性癖なんだろなーと言う感じがしんどい。
    かと思えば急に主人公がまともなことを言い出すからびっくりする。SF的なことだけ書いててくれてたら私にとっては完璧だったなー。

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    2026年03月22日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ラゴスの旅と人生を書いた話。
    物語は旅の途中から始まる。
    序盤で出会ったデーデという少女がこの先のラゴスの旅と人生に深く食い込んでくる。
    ラゴスは鉱山で七年奴隷に甘んじていたかと思えばポロではいつの間にか王になっている。妻が二人もできて子どもにも恵まれた。それなのに彼はまだ旅の途中にある。普通王になって妻子も出来れば旅は終わりそこに定住する人が大半だと思う。
    でもラゴスはポロを発つ。25年ぶりに故郷に帰ってもまた旅に出る。そこにはずっとデーデの影がついて回る。彼の旅は彼の人生そのものなんだろう。

    印象に残ったのはポロで読書三昧の生活をしていた時の「最先端の科学技術が一般庶民の生活感情と遊離す

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    2026年03月21日
  • ビアンカ・オーバースタディ

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    ☆2.5 涼宮ハルヒの影響
     ライトノベル読者の度肝をぬく始まりかたで、もはやエロなのだが、文章がうまいのですらすら読める。ラノベの文章はもっと粗雑だ。

     ヒロインのビアンカ北町の造形は一見奇妙だけど、涼宮ハルヒからの影響だと考へればいい。
     たとへば、第三章「怒りのスペルマ」のセリフだ。《わたしはずっと前、ちっちゃな頃から、宇宙人だの未来人だのが、わたしの前にあらわれてくれることを待ち望んでいたような気がするの》

     しかし内容は、SFの大家がものにしたといふこと以外、価値はない。最終的にカマキリvs人造カエル人間の戦ひになり、荒唐無稽なはなしになるだけだ。

     ラノベ好きがよんだら、卒倒

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    2026年03月22日
  • 残像に口紅を

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    ネタバレ

    同僚に勧められて。ギミックのある小説として紹介してもらい、試みとしてはかなり面白いし、自分の語彙力や注意力が試されるようで真剣に読んだ。
    初めに娘が三人消えてしまったけど、その後の展開で妻が妻という言葉によって存在が残るのなら、そもそも娘や長女という言葉が消えていない時点でいなくなってしまうのはおかしいのでは?と思ってしまい、やや不満を感じながら読み進めることに。音が消えていくことの実感としてのストーリー構成だとは思うが、娘たちはそんな簡単に失われる存在なの?とも納得できず。
    途中急に始まる官能小説には驚いた。確かに音とともに言葉やそのものが失われることで、どこまで男女の性愛を描けるかという実

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    2026年03月20日
  • 富豪刑事

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    ふざけてる筒井康隆。
    金で事件を解決するという設定の突飛さだけでなく、登場人物が読者に向かって喋りかけてきたりしてもうめちゃくちゃ。
    それが面白いのかと言われるとよく分からない。
    時間が解決すると飛び出してくる署長は愛らしくて仕方がない。おめでとさん。おめでとさん。

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    2026年03月17日
  • 残像に口紅を

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    ネタバレ

    言葉が一音ずつ消えていき、使える言葉が減っていく世界に、虚構とわかっていながら生きる、作家の佐治を描く。作品の内容というよりも、この題材を思いつき、最後まで書き切ったことに執念を感じた。全66章であるが、40章あたりまではさほど違和感なく読めていたのも、文才と工夫のなせる技だと感じた。

    最後についている、この小説を題材にした論文の要約も面白い。3箇所ほど誤って消えた文字を使っていたらしく、その少なさにも驚いた。

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    2026年03月15日