筒井康隆のレビュー一覧

  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    ネタバレ

    面白かったけど、物語後半になるにつれて難しい内容が増えるから集中力がいる。思ったよりラストが地味だった。壮大な物語だったのに、ラストに向けて盛り上がりが減った気がする。でも最初の得体の知れない感じはドキドキして楽しかった。私が思っていたSFではなかった。時間の流れがはやすぎでびっくりする。

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    2025年08月11日
  • 残像に口紅を

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    ネタバレ

    このような形で喪失を描くことができるのか、というまさに唯一の体験だった。タイトルにある「残像に口紅を」のフレーズは早々に回収され、そのどうしようもない儚さが胸を打つ。その美しい余韻もそこそこに主人公は突き進む。家族らが消失した時点では、それでもまだ残っている言葉に恵まれていたのだと思い知らせるためだけのような、世界が崩れてゆくその先。つぎつぎに自分以外が消えていく世界は第三部にもなると次第に駆け足になり、最終的には行為や擬音だけが残り、それすらも「ん」に終着する。両脇から崖が迫りきて、ついには奈落にのみこまれたかのように。
    裏表紙に「その後の著者自身の断筆状況を予感させる」との文句があったが、

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    2025年08月10日
  • 短篇小説講義  増補版

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    読む側にとって短編小説は1話完結のドラマを見るようなもので気楽なのだが、そうか、書き手にとってはそんな厄介なものなのかと態度を改めたくなった。例に挙げられていたのは読んだことのない作品が多く、ネタバレされても是非読んでみたいと思うものばかりだった。

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    2025年08月10日
  • 残像に口紅を

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    ネタバレ

    世界から文字が消えていくと小説内でもその文字が使えないという、ありえないくらいの技術の高さを感じました。
    個人的には官能的表現部分からいきなり講演会会場に飛んだ辺りから、この世界に対する解像度や理解度にギャップを感じ、没頭することができませんでした。
    自分の興味のないものや人は名前を知らず、名前を知らないことでこの世界から消えず、最終的には自分にとって興味のないものだけが残る、という展開が面白かったです。

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    2025年08月08日
  • 時をかける少女

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    ネタバレ

    平仮名が多い
    なぜそこが平仮名なのか
    『かの女』とか『ゆり返しがくる』とか『かんしゃくもちの』とか他にも平仮名だらけで読みづらいと思ってしまう、内容はおもしろかったけど短編なのでそこまで感情移入ができず
    『時をかける少女』こういう話だったんだ!と感心
    ラベンダーの香りがなくなる世界がきてしまうのは悲しいけど文明が発展してそうで夢があるなぁ
    普通に戻りたい主人公ががんばる
    『悪夢の真相』怖いと思うことの原因を探る、一応原因ってあるんだね
    『果てしなき多元宇宙』色々な世界線へテレポート?してしまう、どの時代も少しづつ変わってて変

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    2025年08月04日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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    解決部分がページまで記載されている丁寧さ。読んでいくと違和感はけっこうはっきりしているので辿り着きやすいけれど、犯人がトリックをどうこうするよりも読者向けのトリックのほうが楽しいので良かった。

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    2025年08月03日
  • 時をかける少女

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    ジュブナイルの空気感ってこんな感じだったんだな、と実感出来る作品。角川映画色・大林監督ワールドが付く前の粗削りな甘酸っぱさが読後感として残った。

    他のジュブナイル小説は読んだ事はないが、藤子・F・不二雄の短編SFと親和感があった。

    高久書店にて購入。

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    2025年08月02日
  • 残像に口紅を

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    本書は昔から有名。最近でもSNSで話題になって店頭に平積みされていた。1989年刊行で内容は結構時代を感じる描写が多い。女性の扱い方など今なら批判を浴びそうだ。
    主人公は作家でありキャラクターも作家が描く作中の小説の登場人物の一員であると理解していたり、かなりメタフィクションの要素が強いが、はじめからそれを明らかにしているので割と受け入れやすい。
    前半は筋も面白さもあったが後半はただ言葉の縛りでエッセイを書いているだけになっている。前半は面白い。

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    2025年08月01日
  • 文学部唯野教授

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    初めて書泉グランデに行った際に気になって手に取った作品。
    筒井康隆ってめっちゃ有名な人なんだ…。「時をかける少女」とか「ラゴスの旅」とか色々知っている聞いたことのある作品をたくさん書いているみたいだけど読んでみるのは実際には初めて!かなり昔の小説みたいだけど、全然そうは感じさせないような文章。(でも自分自身が、かまいたちの夜とか平成初期の大学生をモチーフにしていた作品ばかり読んでいたのも原因かも。自分の大学生活はコロナ時代だったから大学生に対しての解像度が平成初期が鮮明なのかもしれない)

    文章の構成が章ごとに講義が設定されている、が、しかし講義が抽象的で難しすぎる笑
    これは、読ませるために作

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    2025年07月31日
  • 時をかける少女

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    3つの短編が収録されているけど『時をかける少女』だけ読んだ。

    細田守版映画が好きすぎるけど原作も好き。

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    2025年07月28日
  • 家族八景(新潮文庫)

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    人の思っていることや考えていることが
    全て手に取るように分かってしまう
    特殊な能力(テレパシー)を持った 七瀬。

    そんな七瀬は8つの家庭へ
    それぞれ女中(お手伝い)としてお仕事するお話。

    七瀬のテレパシーや
    その家族がそれぞれ思っている事や
    抱えているものが細かく書かれているため
    怖いけど面白かったです!

    そんな能力が現実にあったらと思うと
    少し怖いなとも思ったりしました…!

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    2025年07月26日
  • 残像に口紅を【分冊版】 3

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    ランダムで消えるならばまだ話を作りやすいのかもしれないがそれでも会話を成り立たせるのは神経を使うな。朝がもうないんだな。

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    2025年07月22日
  • 残像に口紅を【分冊版】 2

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    1巻を読んだ時は気が付かなかったが原作者を見て驚いた。それと同時になるほどと納得もした。いったいどこまで続けるのか。

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    2025年07月22日
  • 残像に口紅を【分冊版】 1

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    真っ先に思い出したのは幽遊白書の禁句だという人間がいったいどれだけいるのだろう試みとしては面白いと思う。

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    2025年07月22日
  • 人類よさらば

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    筒井康隆作品は殆ど読んだことがないのに比較的最近の文庫本が目についたので読んでみた。

    文庫化漏れ作品を中心とした編集ものにしてはクオリティが高い。(正規作品をあまり読んでないので客観的な評価とは言えないが、たぶん。ビートルズでいうとPast Masters Volume1/2 といったところか。)

    「悪魔の世界の最終作戦」と「黄金の家」の二作品が特によかった。

    前者は、眉村卓との合作扱いとなっていて、眉村の「最終作戦」という作品の原稿用紙の裏に筒井が「悪魔の世界」という手書きの原稿を書き、そのままごちゃ混ぜで校正刷りされ、校正の時間がなかったのでそのまま掲載された、という設定。二作品の境

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    2025年07月13日
  • 残像に口紅を

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    設定はかなり面白いと思ったが、
    話の内容が微妙だった
    ただ、若者には言葉の種類が圧倒的に足りないと思った
    一つの言葉に対する表し方、種類を増やしたいと思った

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    2025年07月12日
  • 時をかける少女

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    「時をかける少女」、「悪夢の真相」、「果てしなき多元宇宙」の3つの短編作品。

    2作目途中で「時をかける少女」とは繋がっていないと気づく。

    百田氏の「輝く夜」。
    こっちの短編の方が、オモロかったかな。

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    2025年06月24日
  • 堕地獄仏法/公共伏魔殿

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    SFの設定をベースにしているけれど、人間が極限状態で発狂していく様子など、どこか滑稽だがリアルでもあり、読んでいて癖になる面白さだった。

    16編の短編が収められているが、どれも60年代に書かれたものとは思えない。
    「ひとの愚かさが変わらないかぎり、筒井康隆の小説は面白い。つまり、筒井康隆の小説は永遠に面白いのである。」という裏表紙の一文にうなずいてしまう。

    ロボットがやたら干渉してきてうるさいとか、10分間を何度も繰り返すタイムリープもので、ただ人々がおかしくなっていく話、大学生VS予備校生の話、長生きできる錠剤の争奪戦‥
    どの作品も、スケールが大きいのか小さいのかわからない感じがツボだっ

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    2025年06月18日
  • 時をかける少女

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    ネタバレ

    放課後の理科室で謎の薬品の匂いをかいだことをきっかけに、場所と時間を跳躍する能力を身に着けてしまった少女が何とかしようと奮闘する話。その他「理由がわからないけど恐いもの」の原因を突き止めようとする少女の話、突然パラレルワールドに迷い込んでしまった少女の話、計3話。
    今さら僕が何か書くまでもなく日本SFの金字塔である。今のSFの基準で見ればいずれも典型的でベタな展開ではあるが、それだけ多くの作品に影響を与えた古典ということなのだと思う。「ドラゴンボールを今の人が読むとベタで退屈な展開に見える」というのを思い出した。

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    2025年05月31日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    父のおすすめで読んでみました。
    1作目とは違い、エンタメ小説的な面が強いように感じます。
    楽しかったけれど、心打たれるような読書体験は得られませんでした。
    ただ、ゆっくりとこの小説が生まれた意味を探ろうと思います。

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    2025年05月06日