【感想・ネタバレ】恐怖のレビュー

あらすじ

おれは殺される! 次に殺される! でも誰に? 静かで文化的な姥坂市で起きた連続殺人事件。閨秀画家の絞殺にはじまった殺人犯の狙いはどうやら、町に住む文化人を皆殺しにすることらしい。作家の村田勘市は、臆病な性格が災いして、次第に半狂乱に追い詰められていく。犯人は何者か? 何のために殺すのか? 謎解きのサスペンスにくわえ、「恐怖とは何か?」という人間心理の奥底に鬼才・筒井康隆がせまる異色傑作ミステリー! 不気味な目次も必見です。

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Posted by ブクログ

「筒井康隆」の『恐怖』を読みました。
「筒井康隆」の作品は、本年3月に読んだ『日本以外全部沈没』以来ですね。

-----story-------------
姥坂市で起きた連続殺人事件。
犯人の狙いはどうやら、町に住む文化人を皆殺しにすることらしい。
「次に殺されるのは俺だ」、作家の「村田勘市」は次第に半狂乱に追いつめられていく。
一体犯人は何者なのか?
謎解きのサスペンスに加え「恐怖とは何か?」という人間心理の奥底にせまる異色傑作ミステリー。
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「筒井康隆」作品って、10代の頃に読んだSF作品のイメージが強いのですが、本作品は恐怖を題材としたミステリー作品です。

相変わらずユーモアに溢れた、それも相当に黒いユーモアたっぷりの文体で「筒井康隆」らしい作品でしたね。

次に殺人犯に狙われているのはオレかもしれない、、、

もしかしたら身近なコイツが殺人犯かもしれない、、、

じわじわと恐怖が迫ってきて、徐々に精神が蝕まれていくシーンが、ユーモア溢れる文体で上手く描写してあると感じました。

読者という立場から、面白おかしく読めましたけど、自分が狙われているかもしれないと思うと、同じような心理状態に陥るのかもしれませんね。

「アガサ・クリスティ」の名作『そして誰もいなくなった』等ミステリーの定番が引用してあるのも興味深かったなぁ。

ミステリー色よりもホラー色の強い作品でした。
まずまずですかね。

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2022年04月06日

Posted by ブクログ

 文化人を標的にした連続殺人事件がきっかけで恐怖にさらされる文化人・村田が主人公のお話。犯人が誰であれば筋が通るか、あるいは推理小説として面白いかなどを考えるメタミステリの要素と、「恐怖」とは何なのかを考える哲学的要素、どちらも楽しめる。恐怖に怯える人たちが筒井さんらしく誇張して描かれていて笑えるのだけど、ところどころこちらまで不気味な気持ちになった。やっぱり、実体として目に見えないものや、よく分からないものって怖い…。

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2015年12月13日

Posted by ブクログ

恐怖とは、
ググッとのめり込めるおもしろい小説で、ちょっと日帰りで京都に行った往復の電車で読み切ってしまいました。恐怖を驚愕・戦慄・仰天に分類したところは納得ものです。筒井さんはもっとはじけた結末を作ると想像してましたが、案外頷けるものでした。

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2015年03月18日

Posted by ブクログ

レトロチックな雰囲気の中で進んでくのに、現代っぽいところもあって。独特の世界観に惹かれます。トリック的な部分はあんまり無いけどこういうのが実は怖かったり…恐怖です

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

作家が住む街で連続殺人事件が起こり「次は自分が殺されるかもしれない」と感じ、その恐怖で生活がどんどんおかしくなる話。

んー。
犯人探し的なミステリーという感じではない
殺されるかもという恐怖はなんとなく軽薄で
どこか滑稽なギャグみたいな雰囲気で

先が気になってあっという間に読めた、という意味では楽しめたのかもしれないが、読み終わってみたときに残るものは少ない。

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2020年03月12日

Posted by ブクログ

忙しい時期が続いているので、筒井康隆御大作品の大ファンなのにもかかわらず、買っただけで読んでいないものが何冊かある。
しかし、この作品、何気なく冒頭を読み始めたら先が気になって、読んでしまった。

何より、連続殺人事件の設定がすばらしい。
いくらでも妄想が膨らむ。

以下、ネタバレ注意。








































多くの方が書いているように、ミステリーとしての結末は無難な感じ。作中人物があれやこれやと想像した犯人像のさらに上をいくダイナミックな仕掛けを期待していたのでその点は少々拍子抜け。
もうひとつのテーマの「恐怖」の追求も、過去の筒井作品での突き詰め方からしたらやや消化不良。もっと多くの枚数で、さらに恐怖な状況に主人公を置いて、主人公が発狂するまでをじっくりと味わいたかった。

とはいえ、作品が短く終わっている分だけ、それらの部分は読み手がいくらでも妄想する余地があるという意味では、ほどよい分量、ほどよい味付けの作品なのだろうと思う。

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2018年10月23日

Posted by ブクログ

登場人物に読み手が共感して感じる恐怖と言うより、登場人物の行動や内心を読み恐怖を感じるシチュエーションやその種類を理解する、恐怖の考察を小説にした様な本であった。

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2017年12月10日

Posted by ブクログ

筒井の発想はいつも新鮮である。本作品は筒井流のオリジナル・ミステリーである。本文でのアガサ・クリスティーなどのミステリーの言及も興味深い。爆笑はなかったが、他の筒井作品ともかぶる点が楽しめた。ミステリーとしてはそこそこのできである。

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2015年03月17日

Posted by ブクログ

ミステリというより筒井先生に「恐怖とはなんぞや」という講義を受けているような内容。おもしろいとかおもしろくないではない。

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2012年05月21日

Posted by ブクログ

疑心暗鬼で臆病で発狂という筒井康隆らしいミステリ。話が面白い反面、薄く字がでかいので、あっという間に読めてしまって物足りない。「邪眼鳥」の方が好み。

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2012年02月09日

Posted by ブクログ

ミステリーorホラーかと思いきや、
恐怖を覚える人間の心理が延々と書き連ねられる一作。
ある意味肩すかしでもあり、
人が恐怖をつのらせていくプロセスが楽しくもあり。

ただまあ、もう少しストーリーとして
まとまってほしかったかもなぁという気も。

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2011年07月18日

Posted by ブクログ

東京出張の際に、伊丹空港で購入。
歸途の機上で讀み了へた。

この作品、タイトル通り、恐怖がテーマである。
姥坂市で連續殺人事件が發生するが、被害者は姥坂市の文化人ばかり。
犯人は姥坂市の文化人に怨みを持つ人間らしい。
主人公の作家は、文字通りの恐怖にをののくのであつた。

犯人は誰かといふミステリーの味はひとともに、ホラー小説の雰圍氣も横溢してゐる。
また、筒井ならではのスラプスティックな感覺も堪能できる。
薄手の本だが、なかなか盛り澤山で樂しめる。


2004年4月10日讀了

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2009年10月04日

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