筒井康隆のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
忘
なんだか面白くなってきたところで,いきなり包丁で切り落とされてしまったような終わり方。
もっとロマンスがあったり,すべてが繋がっていくのかと思った。
淋しいのは,会えなくなることより,忘れられてしまうことより,忘れてしまうことかもしれない。 -
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唯野教授個人は饒舌な小男、モラルも低くて女子生徒に手を出したりする俗っぽさ。周りのキャラクターも小便を漏らしたり、小狡い性格だったり、全然立派な人物はいない。
大学教授たちの世界は政治根回し、足の引っ張り合いばかりで期待ほど勉強していない。
でも講義はとても面白い。欄外に及ぶ知識の深さ、紹介される本は膨大で、文学理論は全てはわからないけど、読みやすく砕けた表現になっている。難しいから参考文献をもっと読んでもう少し知識が増えてから読んだらまた面白いかもな。
毎章唯野をめぐるドタバタしたエピソードで始まり、講義で終わる話の型も決まっている。
斉木が蟇目と衣服を調えながら研究室から出てきたあたりから -
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タイトル作品を含めた筒井康隆作品集。なんというか、この人はまさに「天才」というよりは「奇才」と呼ぶべき人なのかもしれないと改めて思う。ストーリーとしての面白さを持ったまま、文学を、日本語を、常識をことごとく(いい意味で)おちょくってくる。評判高い「鍵」もさることながら、個人的には「死にかた」「三人娘」あたりもとても良かった。一見荒唐無稽なストーリーの中に、何か人間の本質をえぐるような、そんなエッセンスが散りばめられている。
今では問題視されるような表記もたくさんあるけど、ある意味これも筒井康隆節といえばそうなわけで。本好きは、一度読んでおいて損はないと思う。 -
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さすが「SF御三家」の一人!
ミステリー作家ではない事を逆手に取った書き方!面白い!
別に映像化などは、意識してないかもしれんけど、これが映像化された時、どうなるか思い浮かべてしまう。
(実際に、テレビでは、深キョン主演で映像化。アニメにもなった)
富豪刑事…金に物を言わせて解決するとか笑けるけど、誰も困らんのならアリやと思うわ。
もっと大きな事件にお金使う方が良いのかもしれんけど、こういう普通の事件に使うからこそ面白いんやろな。
各話とも、吉本新喜劇のように同じ流れで始まる。で、富豪刑事がお金を…
まっ!弱い人の為にドンドンお金使ってな! -
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「残像に口紅を」で筒井先生熱が呼び戻されたのだけど、一気に読んでしまってすぐに冷めてしまうのももったいないので、ちょっと時間をあけてこの本を本棚から引っ張り出してきた。
どの小説もアイロニカルで痛快。1960~70年代の日本をシニカルにとらえているのだけど、当時から50年以上経ってもその皮肉が色褪せてないのがすごい。50年経った今なら、当時をふり返ってシニカルに書くことはたやすいだろうけど、筒井先生は当時同時進行でそれをやってのけてるのがすごい。
そして、50年経った今の日本に対しても、これらの小説にこめられた皮肉がそのまま適用できてしまうかもと感じられ、とっても反省させられたりもした。 -
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2014年から2017年くらいにかけて行われた筒井康隆が自作について語るトークショーや対談集をまとめた一冊。筒井康隆の素晴らしい記憶力と、インタビュアーである編集者の博覧強記ぶりによって、どのように名作の数々が生まれたのかを知ることができるし、当然その誕生の背景も様々な面白おかしいエピソードに彩られている。
個人的に一番面白かったのは2008年に発表された「ダンシング・ヴァニティ」の誕生秘話であった。本作は”差異と反復”という言葉そのものであるように、ストーリーが微妙に差異を孕みつつ繰り返す反復されて生きながら進んでいく。
その背景には、新潮社に対して試しに原稿料を半額で良いと言ったら、先方 -
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おもしろかった。
AIという言葉こそ使われないものの、発達しきった人工知能が人間の欺瞞をあばく話がいくつかあって(いじめないで、やぶれかぶれのオロ氏など)すなおに笑える。「時越半四郎」は、AIではないけど、やはり日本人の不可解な思考回路を笑いとばす話で最後にちょっとしんみり。しかし、これ、1966年初出だから50年以上前だけど、今も変わってないどころかいっそうひどくなってるんじゃない?
「しゃっくり」はタイムループの話。このアイディアだけで長編も書けるのにね(北村薫の『ターン』とか)。最後に憑き物が落ちたようになる人々がおかしい。
「慶安大変記」は、初出が高3コースだったという大胆さが笑え