恒川光太郎のレビュー一覧

  • 滅びの園

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    スタープレイヤーのようながっつりファンタジーと思いきや、そこにそこはかとないSF要素。
    ユートピアとディストピアが交互に描かれてそれぞれの世界の人物に共感するものの、やはり意図せず放り込まれただけなのに見知らぬ大勢のためにと絶望に突き落とされる鈴上に幸せに過ごしてほしいと思ってしまう。
    プーニーの語感の可愛さと存在の気持ち悪さを思いつき同居させるのは流石。

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    2025年03月10日
  • 竜が最後に帰る場所

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    ネタバレ

    短編ですが、時間も空間も広がりがあって、お話が終わった後もあの描かれた世界は続いていくんだろうなと感じさせられました。
    特に中盤以降の3篇が好き。
    「夜行の冬」は錫杖の音に導かれる旅、「鸚鵡幻想曲」は鸚鵡の鮮やかさにやられるけど結構シビア。
    アサノは命取られなくても、この先まともに生活は出来なそう。怯えて暮らすんだろうな、それは長く続くから死よりも苦しそうです。
    そして「ゴロンド」。恒川さんの描く人でないもののお話は壮大で好きです。ファンタジーかつ、自然の厳しさ美しさが感じられます。人間のことだろう〈毛無し猿〉の醜さ滑稽さも。

    角川ホラー文庫の恒川光太郎作品ですが「上品な文章だね」と言われて

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    2025年03月08日
  • 金色機械

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    ネタバレ

    恒川さんの小説は、『夜市』をはじめ短編が多く、自分も好んで読んでいたが、こちらは長編(しかもそれなりに分厚い)。冒頭は江戸時代の遊郭で、遊郭の主である男と、遊女としての面接を装って侵入してきた何やら訳ありの女が相対する緊迫感のあるシーンからはじまり、今後の展開にわくわく。その後、それぞれの視点の物語(生い立ち)が入り乱れる(ある意味「短編集」とも言えるかもしれない)。進むにつれて、恒川小説に欠かせない怪異の存在が見え隠れするが、今回は「金色様」なるロボット?で、物語の時間軸からすれば、未来から来た存在であるようだ。発想に驚きつつ、この設定・背景に馴染むのか?という若干の心配を持ったが、ややコミ

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    2025年02月10日
  • 秋の牢獄

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    ★3の中。

    ホラー&SF&ファンタジー。

    短編3作。

    ・秋の牢獄
      時に囚われる。

    ・神家没落
      家に囚われる。

    ・幻は夜に成長する
      幻に囚われる。

    薄暗くて寂しい感じが持ち味。
    きっと同じアイディアを持った誰かが書いてもこんなふうにはならないんだろうな。
    それが個性か?
    この書きっぷり。そこはかとなく美味でした。

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    2025年01月31日
  • 雷の季節の終わりに

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    「夜市」から「秋の牢獄」と読み
    「雷の季節の終わりに」

    現世から隠された異世界“穏(おん)”で暮らす
    少年賢也
    その世界では春夏秋冬の他に雷季と呼ばれる季節がある

    恒川さんは数ページあるいは数行で
    現世でないどこかへあっさりと引き込んでしまう
    その世界に現世との儚い繋がりを持たせるところも今まで読んだ作品と共通して
    ファンタジーでありながら幻想を見させる
    角川ホラー文庫だけど、ホラー感は低めかなと

    少年は穏から 現世へと逃亡する
    そこで 関わる 闇番とか穏からの使者等の
    現世との関わりの部分が 浅いのかな?
    読みながら納得する間合いが必要だった
    穏の世界観だけでも良かったかも

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    2025年01月30日
  • スタープレイヤー

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    ネタバレ

    最初は主人公がどんな願いを叶えるのかわくわくしながら見ていましたが、自分の足を痛めつけた犯人に復讐しようとしたり、だんだんと戦争の話になってしまって、最後のほうはあまり楽しめなくなってしまいました。

    結局、足を痛めつけた犯人も犯行理由は分からないし、彼とのやり取りのシーンが必要だったのかもよく分からなかったです。

    でも夕月さんが死者を蘇らせた時はこの後争いが起こるだろうなってヒヤヒヤしたり、スターボードを取られた時はどうなるんだろうってドキドキして、そういうシーンは読んでいておもしろかったです。

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    2025年01月02日
  • 滅びの園

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    恒川光太郎の中でも今作はSFというイメージが強い。恐ろしくも楽しい読書体験。こういうものを映像化してもらいたいものだ。

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    2024年12月14日
  • スタープレイヤー

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    「フルムメアが審査して通れば願いを確定できる」

    願いを使用することなく結果がわかるんだから、実験や研究不要でこの世界のルールをすべて解き明かせるわけだ。

    すべての金属を移動できたことから考えるに、酸素などの分子や電子、素粒子にいたるまで自在に操ることも可能(恐ろしい)。マクロ方面では惑星や銀河を丸ごと複製できる(かもしれない)。軌道エレベーターや恒星間宇宙船、タイムマシンなど、近未来SFファンなら泣いて喜ぶことでしょう。

    物理だけではない。人の心をいじれるのか? ドラえもんやガンダムは呼べるのか? ミクロ化や巨大化は? 自分をネコに、他人をネズミに変えられる? 魚人族、鳥人族、ネコ耳お姉

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    2024年12月05日
  • スタープレイヤー

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    ネタバレ

    ちょっと、詰め込めすぎかと。
    異世界これた自由と自分の復讐劇から国家戦争につながるけど、それがあれよあれよという間に、ではなく、別の話みたいになってるのが残念。
    復讐したい犯人に意外性はないし、その後そいつが呼ばれたりもしない。ミステリー作家なのに色々繋がらないでぷつぷつ途切れてる。
    あと、実はできることは「コピー」と「削除」の2つだけっていう設定かと思って、この世界ならプログラムできそうだなぁって感心して読んでたのに、「透明化」とかでてきて解せん…。それがありなら最後にもっとおもろい願いしてよ主人公。この世界のこともめちゃ謎のまま終わる。
    ファンタジーが苦手なだけ……?
    ヘブンメイカーも読ま

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    2024年11月27日
  • 竜が最後に帰る場所

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    遠い、遠い昔、私たちの祖先はそこからやってきた。そして私たちは今、そこに戻る最中。そこはあまりにも遠く、一匹の寿命では到底辿り着けない。だから何世代もかけて、私たちはその土地を目指している。私たちは、私たちの血が求めるままに、風の中にそこへの道を見つけ出す。百の島を超えて、千の島を超えて、その土地を目指す。一匹では無理でも、遠い子孫がいつかそこに辿り着くために。

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    2024年11月08日
  • 秋の牢獄

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    表題作を含む三編を収録した短編集。 

    簡潔な言葉で紡がれる、幻想性を帯びた不思議な物語に魅了されました。

    自分が気づいていないだけで、日常のすぐ隣に異世界に通じる何かがあるのかもと、想像することが怖くもあり、楽しくもあります。

    表題作をベストに挙げる方が多いような気がしますが、個人的にはノスタルジジックな雰囲気と、登場人物の心の中に潜む、狂気のような感情の対比が印象的な、「神家没落」が好みです。

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    2024年10月19日
  • スタープレイヤー

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    ネタバレ

    さくっと読める爽快ファンタジー!

    現実世界で変わり映えのない日々を過ごしていた女性がある日突然異世界に飛ばされる。
    そこではどんな願いでも叶う夢みたいな世界✨

    ストーリーの始めはそれでも現実味があって、わざわざ恨んでいた人を懲らしめるのに2スターも使うなんて、読み終わった今考えてみると勿体無いなあって思うし、スタープレイヤー初心者だったなあと。

    そこからだんだん話が壮大になっていくのが面白くて、どんな原始社会でも起こり得る戦争や国政波乱を描きながら、ラストには建国まで行き着いて…!
    そうやって徐々にファンタジー世界が広がって、主人公の夕月姫の人間的な成長や自問自答も垣間見えたのがストーリ

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    2024年09月25日
  • 無貌の神

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    無貌の神 普通
    青天狗の乱 普通
    死神と旅する女 良かった
    十二月の悪魔 面白くない
    廃墟団地の風人 良かった
    カイムルとラートリー 普通

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    2024年09月21日
  • 竜が最後に帰る場所

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    相変わらず唯一無二の世界に連れて行ってくれる話ばかりです。ただ、この本の話は自分にはどれもそこまでささらなかったかも…『夜行の冬』が私は好きでした。

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    2024年08月25日
  • 秋の牢獄

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    随分前に読んだ記憶。表題作の記憶はほとんどないんですが、『神家没落』は自分には結構衝撃な話だったので、今もよく覚えています。オチもぼんやりと覚えてる。この作家さんの話は色んな面白い設定があって、それが自分にカチッと合う話だと何年経ってもすごく覚えてるけど、そうじゃないと全く忘れてる笑

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    2024年08月25日
  • 箱庭の巡礼者たち

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    【自身が物語の主人公であることを
    自覚して人生を生きなさい
    きっと誰かが見ている

    そのうえで
    やりたいことをやりなさい
     
    若さなどいずれは終わる 
    老いるまで旅立たなかったものが
    老いてから旅立つかどうか】

    壮大な物語でした

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    2024年08月14日
  • 金色機械

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    ネタバレ

    【2024年154冊目】
    大遊郭の主である熊吾朗の元に、ある日一人の女がやってくる。女郎に身をやつすためにやってきた訳でもなさそうなその女は、言葉を発する度に黒き煙を滲ませる。熊吾朗には殺意の霧が見えるのだが――女が語ったのは数珠繋ぎの因縁の物語であった。

    最初は熊吾朗と遥香を巡る物語かと思って読んでいましたが、思ったりよりも壮大な物語でした。結構登場人物が多いのですが、こことここが繋がるのね!なるほど!とわかりやすく、一体どこに着地するのかしらと、ある程度の予想をつけながら読んでましたが、予想外でした。大体そう。

    結局金色機械とは何者だったのか、月から来たのであればなぜやってきたのかはわ

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    2024年08月12日
  • 竜が最後に帰る場所

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    タイトルに惹かれて読んだ。
    最初の話、何…?としか思えなくて読むのやめようかと思ったけど「鸚鵡幻想曲」「ゴロンド」が面白かった。

    鸚鵡幻想曲、アサノは使命感で「解放」してるんだろうけど、意思ある相手に対して無機物としか思ってなさそうで怖い。独りよがりのアサノが気付いてないだけで宏のようなパターンは今までもあったんじゃないだろうか。
    あそこでアサノを始末しておけば良かったのに…とか思ってしまった。最後の出会い方が鸚鵡の誘導によるものとはいえ、ひまわり畑の背景もあってなんだか神秘的だった。

    「ゴロンド」って本のタイトルじゃないんだ…最初の爬虫類の誕生みたいな描写でヤモリとかかと思ってた。そうい

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    2024年08月02日
  • 白昼夢の森の少女

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    ネタバレ

    11の短編集。怖いまではいかないような不思議な話が多く、ときどきホラーが挟まる。

    好みだったのは「銀の船」という未成年者だけ乗ることができる時空船の話。労働がなく歳を取らず病気にもならないなんて、乗船してしまう人が多いんじゃないかと思う。
    この話のよいところは、船の主の暇つぶしで乗船者を増やしていると明かされるところ。地上での人生を捨ててきた者たちの覚悟に対してまったく見合わない、なんの意味もなくなんの救いもなくて良かった。この船に乗れたこと自体が十分救いになった者もいるかもしれないが。

    全体で感じたのは作品内での時間の流れが早いこと。時はあっという間に過ぎていき無常ではあるが、すべては人

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    2024年06月09日
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集

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    【収録作品】
    小野不由美「芙蓉忌」(『営繕かるかや怪異譚 その弐』角川文庫)
    山白朝子「子どもを沈める」(『私の頭が正常であったなら』角川文庫)
    恒川光太郎「死神と旅する女」(『無貌の神』角川文庫)
    小林泰三「お祖父ちゃんの絵(『家に棲むもの』)角川ホラー文庫)
    澤村伊智「シュマシラ」(『ひとんち』光文社文庫)
    岩井志麻子「あまぞわい」(『ぼっけえ、きょうてえ』角川ホラー文庫)
    辻村深月「七つのカップ」(『きのうの影踏み』角川文庫)

    粒ぞろいと思う。

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    2024年05月18日