あらすじ
ある日、上空に現れた異次元の存在、<未知なるもの>。
それに呼応して、白く有害な不定形生物<プーニー>が出現、無尽蔵に増殖して地球を呑み込もうとする。
少女、相川聖子は、着実に滅亡へと近づく世界を見つめながら、特異体質を活かして人命救助を続けていた。
だが、最大規模の危機に直面し、人々を救うため、最後の賭けに出ることを決意する。
世界の終わりを巡り、いくつもの思いが交錯する。壮大で美しい幻想群像劇。
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恒川先生初読み。
異世界や異生物が登場するSF小説。時に前置きなく世界観が提示されるため、すぐ物語に引きこまれた。
個人的に世界観の説明や理屈がないのは読みやすくて嬉しい点でしたが、気になる人もいるかな?
物語の命題は自分の人生と自分以外の人生、どちらを優先すべきか、というなかなかシビアなもので、最後までどちらになるのか、ハラハラしながらの読書。面白い小説でした。
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久しぶりの恒川先生作品です。
第一章では不思議な世界に迷い込む展開から「夜市」
や「スタープレイヤー」を思い浮かべましたが、第二章以降は全く違った切り口で進み、特に第四章からの怒涛の展開に引き込まれました。ラストは…いろんな感情が一度に押し寄せてあふれてきました。
個人的にはプーニー災害対策本部の略し方か妙につぼにはまりました。
とてもおもしろかったです。
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助けて欲しいくらい読み終わったあとの謎の喪失感に襲われている。私も誠一のいたユートピアに存在していたかったのかも。なんかすごい作品を読んでしまった感がする。
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恒川さんの不思議な小説が好きで、文庫が出たら買うようにしてる。
しばらく目につく所に置いていつでも読めるようにしていたのだけど、読書から少し遠ざかっていて放っていた。
東京に行く時鞄にいれて、3泊のあいだに読むことができた。
恒川さんのお話は不思議で繊細で優しい世界観があって、ほかのSF小説にない穏やかな気持ちで読めるのがいい。
そしてやりきれない、答えがでないもやもやしたものが残る。けれど、それも心地よく感じるから不思議。
滅びの園は何人もの目線で描かれていて、それぞれの正解があってそれぞれが信念をもっている。
それでいいんだろうな。お互いのことなんて理解なんてしなくていいんじゃないかなって思う。
とても面白かった。
たくさんの人に読んでほしいと思う。
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プーニーという可愛い名前に関わらず、凶悪なものに立ち向かったり取り込まれた人であったり、、、
どちら側からの視点でも正義であったり、守りたいものがあったり複雑な心境に陥ること必須です。
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主人公は現実に疲れたサラリーマン。突然メルヘンなファンタジー異世界にいっちゃった!と思ったら、地球は大変なことになっているし、地球の危機を救う鍵を握ることになってるしであまりの急展開にびっくり。
主人公が囚われている世界も、現実世界もどっちも異世界めいていて、終末へ向かう閉塞感と妙なゆるさが感じられて不思議な気分になるお話だった。
だからこそ、結末でこんなに泣いてしまうとは予想してなかった。めちゃくちゃ面白かった。
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中2感あふれるタイトルとカバーに惹かれました。滑稽なほど平和な妄想世界の描写と、ラストの現実世界の絶望とのコントラストが切ないです。キャラも良かった…。一気読みでした。
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この作家さんの作品のどれを一番に読もうかなと思った中で、タイトルと表紙が一番キャッチーだったので選びました。
最初から最後まで息詰まる選択の連続で目が離せず、なおかつ、どの登場人物も思考と行動がよどみなく軽快で、楽しく一気に読めました。
個人的には、笑いを取ろうとして書いてあるのかな?と思う箇所がちょっとだけあるところが好きです。
これから他の作品も読み漁ってみたいです。
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あらすじを目にしてから読み始めたら、想像と違う始まり方で意表を突かれた。
異界と地球、それぞれに生きる登場人物の視点の切り替わりが、ファンタジーとSFを行ったり来たりしているみたいで独特な雰囲気。
プーニーが現れてから人々の営みが死と隣り合わせになり、様々なことが制限される状況は、3.11後やコロナ禍を思い起こさせる。
プーニーの生体や異界の仕組みなどについては科学的な解説があまりなく、ふんわりしている。しかし、社会がどう変わったかという描写は細やかでリアリティがあるので、世界観に説得力が生まれているように感じた。
鈴上さんに対する印象が、物語が進む中でどんどん変わっていくのは、バイアスに関する思考実験みたいに思えた。それくらい、複雑な立場のキャラクターだった。
彼だけが結果的に何かを成し遂げることなく終わったのは、自分が本来生きるべき世界と向き合って足掻くだけの未練がなかっただけ、というのが哀しい。
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タイトルと装丁が魅力的で気になっていた作品。
プーニーという地球外生命体?が突如現れる。平凡な主人公がプーニーに取り込まれ、理想郷のような夢の世界で核となり幸せに生きて行く。
地球では、プーニーにより多くの犠牲が出ており、プーニーとの適合者が地球を守ろうと奮戦。
主人公と地球人、お互いに今生きている場所を守りたい。それぞれの大切な場所、でも、どちらか一方を守るともう一方の世界は滅びてしまう。
現実か幻かではなく、自分が大切に思う生活を守り抜きたい人々の群像劇でした。
突飛な設定であるも、とてもわかりやすい文章のため、すぐにこの世界に入り込むことができた。
恒川先生の物語は、どこか恐ろしくて優しい、日常の延長線上にあるような、紙一重な非日常。
自分だったら、主人公と同じ選択をしてしまう気がする。
地球では、人間同士のいざこざで被害拡大
地球にとっての異物は、人間なのだなと改めて感じる。きっと、どんな人が取り込まれても、この結果になるのではないか。
みんな同じ様に、何かしらのストレスを持ち、お金と言う概念に縛られて生きている。でも、プーニーの中の世界は、お金に価値はなく、欲しいものはなんでもある、そして優しくて穏やかな人と自然に囲まれて生きていられる。毎日の変わらないささやかな幸せ。
1番欲しいものを手に入れるには、他の多くの人の犠牲に目を瞑らないといけないけれど、それに抗うことができるのだろうか。
残酷なのに目の離せない世界のお話で、夢中で読んでしまいました。
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どう感想を抱いているのか言語化するのが難しい。
地球を覆うクラゲのような「未知なるもの」
地球はプーニーという軟体有機物により滅びつつある。
地球で生き抜こうとする地球側と、
「未知なるもの」にて自分の理想郷に住む鈴木誠一。
「未知なるもの」を倒す条件は、鈴木誠一が絶望すること。
そのために妻子や友人を皆殺しにした地球と、
明らさまに地球を見下す誠一と
善悪の区別が曖昧で、自分だったらと考えさせる作品だった。
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『秋の牢獄』以来、恒川作品五作目。なんとなーく惹かれて購入。基本ファンタジーは読まないのだが、恒川さんの世界観は特別。ただのファンタジーではなく[+α]の世界観が多いからかも…。この作品(+SFっぽいかな?)はタイトルからは恐ろしい感じを受けたが、実際読んでみると——その"異界"は理想郷だと感じた。嫌な人間はいないし、不幸なことも起きない。それが……。
なんとも言えぬ読後感。彼は最後、どうなってしまったのか?とても良い作品でした。星四つ半。
P.S.某ゲームのキャラクター、プリニーを思い浮かべたのはわたしだけじゃないはず…笑。
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登場人物一人一人に魅力があり、とても引き込まれる文章だった。一気読みした。
特に、鈴上がプーニの核の部分に作り出された幻想世界おおまつり群で、そこの住人たちと仲良くなり、どんどん生活に溶け込んでいく様子が面白かった。また、人間対プーニ戦では、地球側の人間からみた幻想世界での様子(魔物たちが襲ってくる、核を壊さないと地球がダメになる、人がたくさん死んでいる)と、おおまつり群側の人々にとっての様子(街の住人が少しずつ行方不明、魔物(突入者)が強くなってきた)などの対比があり、どちらにも感情移入してしまう。鈴上の自分のおおまつり群(幻想世界)を守りたいという気持ちも分からなくもないが、その幻想のせいで、地球ではたくさんの人が死んでいるしなあ、、って感じ。てかそもそも、プーニってなんだったん。
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面白すぎて一気読みしたけれど、この消化しきれない想いをなんと感想に書くべきかと思っていた。
最後の一節に全てが詰まっているように感じた。
『誰もが当たり前の美を生きている。私たちはまだ若く、あらゆる希望に満ちていて、何もかもを信じて疑わない。』
この世で生きる以上、みんなが損を被らずに幸せにいられる100点の解は存在しない。
その場における損害が最小になる解が存在したとして、その損害をすべて自分や自分の大切な人が引き受けるとして、私たちはそれを許容できるほど合理的じゃないし、大人じゃない。
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初版の単行本は2018年のもの。持ち運びやすい文庫で読んだ。
『金色機械』『スタープレイヤー』シリーズに通じるような、
それぞれのキャラクターの視点を渡り歩きながら進んでいく大きな物語。
結局、究極の悪というものはなく、
その時の状況で選択した結果がそれぞれに積み重なり交錯して世界が動かされていく。
今作も、未知の存在がもたらす異様な世界の設定の中に、
人間のもつ普遍的な要素がいたるところに絡んで、リアリティを生んでいく。
魅力的な登場人物が次々と出てきて、それが遠く繋がりあう。
結果を出したあとに詳細が語られる形も、
より重層的に話が絡み合い、読む側の気持ちを複雑に混ぜていく。
恒川さんの本を読んでいていつも思うのは、設定よりも人間の怖さの方だ。
そして使う言葉のちょうどいい、加減。
だから私は続けて読んでいけるんだよねー。
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鈴上誠一は自分の事しか考えておらず嫌いだったが、もしあのような現実ともいえる生活、妻子との幸せな日々を送っていたら、自分は核を破壊する行動に出れただろうか。
たぶんそれはNoで、8年もそのような生活を送っていたらどちらが現実かと言われたら現在の妻子のいる生活が現実の世界にしか見えない。
情も妻子の方に湧くし、地球の事は考えはするが行動には移せず誠一と同じことをしそうだ。
自分がどう生きるかが大切だな。
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結末まで読むと、帯に書かれている「わたしの絶望は誰かの希望」(うろ覚え)というアオリの意味が良くわかった。
あらすじは地球側の目線で書かれているので主人公は聖子なのかと思ったが、主人公はいない、または登場人物全員が主人公なのだろうか。ともかくあらすじを考えた人に拍手。
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感想の前にひと言。
「不意に手にとり購入したけど、読んでたらすでに読んでたことに気がつく。」
うっかりというか、間抜けでした…。
まあこんな間抜けなわたしですが、こういう本とのずれた出会いも、読後の心境が過去と違うという発見(過去より成長してたらいいなぁ)があったのでこれもアリだったと思いたい笑。
長々と個人事情をすみません。
感想は本当に簡潔に。
『自分ならばどうしたら正解なのかわからなかった、正解なんてなさそう…』
人を狂わし異物に変化させる、突如として地上に現れた「プーニー」。
ことの発端で一章の主人公、鈴上誠一。
二章の相川聖子。
三章、野夏旋。
四章が大鹿理剣。
未曾有のプーニー災害の中で、渦中の人物が変わり、視点ももちろん変わる。
タイトルの滅びの園も、紙一重だと思った。
「もし」なんて言葉、生きてる中でカケラも意味ないと思う反面、それが全てで考えるという価値はそこしかないかもとも思う。
ちょい書いててわからんくなってきた(^^;
とても気持ちが揺らいだ作品でした。
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気付けば異世界に迷い込んだと思いきや、
実は謎の生物に囚われ幸せな世界を夢見せられていただけだった。
しかし、そんな中地球にはプーニーと呼ばれる謎の生命体が蔓延り、耐性がない人は近くにいるだけで死んでしまうし、世界もどんどんプーニーに飲み込まれていった。
幸せな世界で生き続けたい人間と、プーニーによる地獄を味わっている人間とが争うという
どちらが正解とも不正解とも分からない物語だった。
少し後味は悪いが、
正義と悪は視点によって変わってしまうということがよく分かるし、どちらにも感情移入してしまった。
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この人にダークな世界を描かせたら、
秀逸だということをすっかり忘れていた。
最初は安心して安穏とした気分で読んでいたのだが、段々と暗雲が立ち込めてきて…そして、どんどん暗さに拍車がかかってゆく。
なんて救いがなく絶望的なのだろう。
この絶望感の破壊力は半端ない。
恐怖感や衝撃を淡々と描くことで、冷徹さが増している。
鈴上は、ただ幸せになりたかっただけだと思うのに。
彼に希望ある気持ちがあると、現実世界が災厄に見舞われるという、最悪な世界観。
気持ちがすっかり憂うつになりました。
胸を太い釘で打ち付けられたかのような、鈍い痛み。
悪夢を見そうで今夜は怖い。
やはり恒川光太郎氏は凄い…!
Posted by ブクログ
自分はどちらだろうか考えながら読みました。
未曾有の危機に陥った世界の中で、救う力を持った人たち、その危機を無意識に起こしてしまった人。
世界中が滅ぶと聞いても、自分にとっての世界が別にあるのなら、どうなってもいいと思うのかもしれない。そう思わせたのは周りであり、彼自身なのかもしれない。
人を救うために行動に移せる人たちも、人と同じ姿をした何かを殺すのは普通の神経では出来ないはずで。
正しさって何だろうと最後に思わされます。みんなにとって幸せの定義も悪の定義も違う限り、ぶつかるのは必然で、わかりやすい大義名分をつけて、どっちを優先するか、ということになるのでしょうか。
やり切れないラストですが、登場人物たちそれぞれの思いと行動に、一緒になって考えさせられました。
Posted by ブクログ
SFってそんなに読まないんだけど、結構楽しかった。
プーニーがもし地球に降り立ったら私はどういう立場の人間になるのだろう?耐性が低すぎてあっという間に死ぬのか、耐性が高くて人助けをしていくのか、それともその世界に飲み込まれるのか…。
Posted by ブクログ
初の恒川光太郎。SFって感じで、あまり得意ではないが、よくこんなこと思い付くなという驚きのストーリー。鈴上の身勝手さにイライラした。解説のオメラスから歩み去る人々が気になった。
Posted by ブクログ
スタープレイヤーのようながっつりファンタジーと思いきや、そこにそこはかとないSF要素。
ユートピアとディストピアが交互に描かれてそれぞれの世界の人物に共感するものの、やはり意図せず放り込まれただけなのに見知らぬ大勢のためにと絶望に突き落とされる鈴上に幸せに過ごしてほしいと思ってしまう。
プーニーの語感の可愛さと存在の気持ち悪さを思いつき同居させるのは流石。