恒川光太郎のレビュー一覧

  • ジャガー・ワールド

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    ネタバレ

    絶対面白いだろうなと思ってた!
    マヤ文明が舞台の話。

    いつの間にか異世界に入ってて、その世界のルールに振り回される話が恒川さんの特徴で、今作もその通りな話で最高です。
    食人、生贄、王政と現代からすればこんなの完全に異世界ですから。
    登場人物を現代人の喋り方にしてるのが、日常から異常さを際立たせてて良いですよね。心臓を抉り出して捨てた人体を食うの嫌だわ〜うちの子なんか嫌がって食べないもんとかどんな会話やねんって笑っちゃいます。
    マヤ語を完全な日本語にするとか無理だろうし、取っ付きにくいであろうキャラクター同士のやり取りを分かりやすく崩しすぎてもないのが上手い。

    主要なキャラクターが固まってて

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    2025年12月28日
  • 異神千夜

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    不思議で少し怖い、少し怖くて不思議、そんな狭間の程よいところを突くのがとても上手い。こればかりはセンスのなせる技としか言いようがない。
    「風天孔参り」と「金色の獣、彼方に向かう」が実に素晴らしいと言いたいところだがこの短編集に収められた四本とも甲乙つけ難い。怪談ともホラーとも違う、恒川光太郎ワールドとしか言いようのない世界は最初の一行で目を惹かれて気づくと夢中になって読みふけっている。いつまでも淫していたい。

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    2025年12月21日
  • ジャガー・ワールド

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    こいつもカタルシスやなぁ。読後の余韻。
    滅びの園レベル。いいものを読みました。ちょっと口調が現代寄り過ぎな感じはあったけどw

    個人的に気に食わなかったのは、最高神官同士の弁論の際、ヘルマスをはじめ散々公平に審査するとか豪語してたくせに、ウェラス文字の件が逆鱗に触れたことでカザム・サクを殺してる件。どこが公平やねん。思いっきり私情で殺してんじゃん。ドルコやスレイよりも実力的に圧倒的強者として描かれたキールなど、ウェラス族は一線を画した存在みたいになってるけど、むっちゃ人間なのね。

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    2025年12月15日
  • 月夜の島渡り

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    沖縄を舞台にしたホラー小説。
    7つのお話に、それぞれ妖怪やら魔物が出てくる。しかし、解説の黒史郎さんも書いていましたが、ホラーというより異界譚のようだ。 
    昔話のような物語もあり、おばあちゃんが話してくれているような、なんともいえない感じですが、物語は面白く引き込まれました。
    沖縄には、石敢當やシーサーなどの魔除けも多いし、御嶽などの神聖な場所や離島などでは禁足地になっているとこも結構ある。やはり、沖縄は観光だけではなく、こちら方面でも魅力をかんじました。
    恒川氏の本は、夜市以来2冊目ですが、2冊とも面白かったです。

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    2025年12月14日
  • 夜市

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    「夜市」は一歩間違えば戻れず死と隣り合わせの状況であるのに、淡々としていて重々しくないため、放課後ちょっと不思議な世界に足を踏み入れた感覚で読める。「風の古道」は踏み入ってはならない場所を冒険しているワクワク感と徐々に繋がっていく恐怖に引き込まれて、一つの映画を見終わったような気持ちになった。 闇の市場や神々の通り道という存在が身近に感じられる表現力と、誰もがわかる綺麗な伏線回収、まだ不思議な世界にいるような独特の後味があり、どちらも一度読むと忘れられない物語。

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    2025年12月13日
  • ジャガー・ワールド

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    恒川光太郎久々の新刊である。
    マヤ文明を舞台にした、多様な身分、価値観を持つ人々が起こす王国の崩壊を描いた長編クロニクル。

    鈍器本でありながら軽快な文体と爽快な物語があっという間に結末まで連れて行ってくれる。
    その中で、生贄の賛否や国のあり方が作品を通じて議論されてきた。後半の賢者二人による論戦は圧巻である。ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』の論戦を彷彿とさせる。

    物語の濃密さもさることながら、この作者は物語の結びがあまりにも美しい。遠大で壮大な時代の流れを感じさせる読後感。『スタープレイヤー』シリーズや『箱庭を巡る巡礼者たち』が好きな方は是非手に取って欲しい。

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    2025年12月12日
  • 夜市

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    【未開封の箱磔の箱】
    【老化が早く進む薬】
    【首】
    静かな夜市では
    穏やかならぬ物が出品されている

    はたして必要になる時は来るのだろうか…

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    2025年12月11日
  • 夜市

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    ホラーというよりファンタジー的な内容
    2篇とも幻想的な異世界に迷い込んだ人間、という内容だけど、どこか物悲しさを感じさせる雰囲気に圧倒される

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    2025年12月10日
  • ジャガー・ワールド

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     小さな島で過ごしていた少年の平穏な日々は、エルテカ王国の襲撃によって壊れてしまう。捕獲された少年は生贄として館に囚われの身となってしまうが、謎の女性の助けを経て、新たな生活の場を得るようになる。やがて成長するとともにエルテカで暮らすようになった彼は、遠国パレンザへの遠征のために組織された大軍勢の一員となる。そこで彼はひとりの男に目をとめる。軍団長の中のひとりが、父親を殺した男だったからだ。復讐心を抱きつつも遠征ははじまり――。

     というのが本書の導入。導入どころか、長い長い物語の導入の導入くらい。マヤ文明に材を採った架空の国家を舞台にした歴史ファンタジーで、ある程度、中心となる人物はいるの

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    2025年12月09日
  • 雷の季節の終わりに

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    寂寥感。
    変わらないものを見ているのに、自分はもうそこにいられない。子どもは大人になり、気づけば時の流れに取り残されたような感覚になる。
    そんな作品だと感じた。

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    2025年12月09日
  • ジャガー・ワールド

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    登場人物一人一人の背景、心理描写がしっかり描かれていて、どの登場人物にも愛着がもてました。
    善と悪だけでは割り切れない不条理さや矛盾の中で苦悩していく人物や、自身の正義を貫き通す人物、など人物の数だけ考え方と視点があり、共感したり自分なら、、と考えながら読めました。
    それぞれの戦法も面白かったです。

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    2025年12月08日
  • 月夜の島渡り

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    かなり好みのファンタジー作家の恒川光太郎さん。
    7つ全ての話が沖縄を舞台としていて、読んでいて異界に迷い込んでしまったような感覚になりました。
    そして毎度のことですが、恒川光太郎さんの作品はファンタジー要素だけではなく、必ず現実との繋がりがあります。
    (別人の中に魂だけが蘇る主人公が、実際に起きた沖縄での戦争に巻き込まれたり…)
    異世界に浸っていたらいきなり現実に落とし込まれたり、逆に現実から異世界に引きづり込まれたり…
    現実も遠くない位置に”異界”が存在している沖縄に、魅了されっぱなしでした。
    また、一面に広がるサトウキビ畑や亀甲墓、突如現れる「わん」「えー」などの方言など、どこか独特な沖縄

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    2025年12月08日
  • 夜市

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    初・恒川先生の本です。不思議な世界観に引き込まれ、恒川ワールドが一気に好きになりました。これまでこういった世界観には触れてきてなかったなと思っていましたが、たった今、梨木先生の『裏庭』が好きで何度も読み返したことをなぜか思い出しました。どことなく雰囲気が似てるように感じます。お世話になっている大切な人にいただいた、大好きな本です。

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    2025年12月04日
  • 雷の季節の終わりに

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    ネタバレ

    何も残らないのに何かが残る感覚。
    恒川光太郎の作る他では感じられないざわざわしたワードが大好き。
    風わいわい、空棲生物、闇番、どれもがここでしか知らない気持ち悪さがある。

    トバムネキの心臓は今もどこかで廻っているのだろうか。最後にトバを笑った風わいわいの呪いが怖かった。

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    2025年12月04日
  • ジャガー・ワールド

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    想像力にあふれ
    壮大で独創的な世界を
    平易な言葉で丁寧に導いているから
    道に迷うことなく
    時には戦士となり
    また時には国王となり
    物語の登場人物たちとともに
    冒険しているような気分だった。
    ファンタジーでありながら
    人間の本能や欲望をあぶり出し
    さらけ出させ
    なぜ人は戦うのか?
    と何度も問いかけられるようだった。
    最後のページを閉じ
    古の長い旅を終えたとき
    その百億の暦の果てを
    さーっと風が吹き抜けていった。

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    2025年12月03日
  • ジャガー・ワールド

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    架空の国、エルテカ
    生贄にする人間を捕獲する部隊に捕まった少年・スレイの物語から広がるエルテカ存亡のお話

    思想、取捨選択、生き死に
    物語に出てくるそれら全てが、それぞれの登場人物に描かれた生まれ育ちや立場に裏打ちされている

    ひとつひとつの因果の糸が大きな川の流れのようになって、一国の歴史に繋がる様を見せつけられた

    一国の存亡というマクロな話なのに物語はほぼ人物に焦点が当たっているミクロさ
    読み進めていくうち、坂道を動き出したら止まらないかのように人々を巻き込んで「国」が転がっていく
    え、大丈夫?そっちでいいの?気づいたらブレーキもないしハンドルもなくて、どうすんのこれ?みたいな

    群像劇

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    2025年11月30日
  • 猫ミス!

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    猫が出てきて幸せそうならもうなんでもハナマルにしちゃうけど。
    やっぱ長岡弘樹さん作品は良かった!
    知らない作家さんだと、菅野雪虫さんも良かった!
    芦沢央さんと恒川光太郎さんはもともと好きなので…

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    2025年11月29日
  • ジャガー・ワールド

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    ネタバレ

    この物語は、たぶん、あなたが想像しているような「単純な復讐劇」じゃない。

    もちろん、血と、炎と、激情はある。
    でも、その場面に至った人物のそれぞれが 深く掘り下げられている

    「見かけ」だけじゃない人生の奥深さを、遠慮なく見せつけてくる。

    淡白な文体。

    次の瞬間、何が起こるか分からない。

    まるで、この世界を支配する法則が、唐突に切り替わるように。ページをめくる手が止まらないのは、その静かな筆致の向こうに、人生の真実が詰まっているからだ。

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    2025年11月29日
  • ジャガー・ワールド

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    ネタバレ

    マヤ文明、生贄、国の滅亡と重いテーマではあるけれど、登場人物みんな魅力的で、それぞれの関係性や繋がりも深掘りされていてのめり込んでしまいました。
    だからこそ旧知の仲だったり、かつては同志だった人たちがそれぞれの考える正義や信じる道を選んだ結果争うことになってしまうのがとてもやるせなかった。
    和解してほしい人たち、この人は生き延びてほしいと思った人がどんどん命を落としていく…
    生い立ち、立場、選択、何かがどこかで違っていたら全く違う人生を歩んでいたかもしれない。
    ファンタジーだからといって死んだと思っていた人が終盤になって実は生きていました!と登場するなんてご都合展開もなく、命を落とした人はそれ

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    2025年11月23日
  • ジャガー・ワールド

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    ネタバレ

    登場人物各々の人生が眩かった。呆気なく死んでいったイチ雑兵にも人生があったんだろうなと思いが巡る。彼らの生まれや立場が違えば、また違った歴史もあったのかな。どの人物をとっても、より深く知りたいと思える。死霊大槌は怖い。重くてデカいけど本棚に居てほしい一冊。

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    2025年11月21日