恒川光太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ絶対面白いだろうなと思ってた!
マヤ文明が舞台の話。
いつの間にか異世界に入ってて、その世界のルールに振り回される話が恒川さんの特徴で、今作もその通りな話で最高です。
食人、生贄、王政と現代からすればこんなの完全に異世界ですから。
登場人物を現代人の喋り方にしてるのが、日常から異常さを際立たせてて良いですよね。心臓を抉り出して捨てた人体を食うの嫌だわ〜うちの子なんか嫌がって食べないもんとかどんな会話やねんって笑っちゃいます。
マヤ語を完全な日本語にするとか無理だろうし、取っ付きにくいであろうキャラクター同士のやり取りを分かりやすく崩しすぎてもないのが上手い。
主要なキャラクターが固まってて -
Posted by ブクログ
恒川光太郎久々の新刊である。
マヤ文明を舞台にした、多様な身分、価値観を持つ人々が起こす王国の崩壊を描いた長編クロニクル。
鈍器本でありながら軽快な文体と爽快な物語があっという間に結末まで連れて行ってくれる。
その中で、生贄の賛否や国のあり方が作品を通じて議論されてきた。後半の賢者二人による論戦は圧巻である。ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』の論戦を彷彿とさせる。
物語の濃密さもさることながら、この作者は物語の結びがあまりにも美しい。遠大で壮大な時代の流れを感じさせる読後感。『スタープレイヤー』シリーズや『箱庭を巡る巡礼者たち』が好きな方は是非手に取って欲しい。 -
Posted by ブクログ
小さな島で過ごしていた少年の平穏な日々は、エルテカ王国の襲撃によって壊れてしまう。捕獲された少年は生贄として館に囚われの身となってしまうが、謎の女性の助けを経て、新たな生活の場を得るようになる。やがて成長するとともにエルテカで暮らすようになった彼は、遠国パレンザへの遠征のために組織された大軍勢の一員となる。そこで彼はひとりの男に目をとめる。軍団長の中のひとりが、父親を殺した男だったからだ。復讐心を抱きつつも遠征ははじまり――。
というのが本書の導入。導入どころか、長い長い物語の導入の導入くらい。マヤ文明に材を採った架空の国家を舞台にした歴史ファンタジーで、ある程度、中心となる人物はいるの -
Posted by ブクログ
かなり好みのファンタジー作家の恒川光太郎さん。
7つ全ての話が沖縄を舞台としていて、読んでいて異界に迷い込んでしまったような感覚になりました。
そして毎度のことですが、恒川光太郎さんの作品はファンタジー要素だけではなく、必ず現実との繋がりがあります。
(別人の中に魂だけが蘇る主人公が、実際に起きた沖縄での戦争に巻き込まれたり…)
異世界に浸っていたらいきなり現実に落とし込まれたり、逆に現実から異世界に引きづり込まれたり…
現実も遠くない位置に”異界”が存在している沖縄に、魅了されっぱなしでした。
また、一面に広がるサトウキビ畑や亀甲墓、突如現れる「わん」「えー」などの方言など、どこか独特な沖縄 -
Posted by ブクログ
架空の国、エルテカ
生贄にする人間を捕獲する部隊に捕まった少年・スレイの物語から広がるエルテカ存亡のお話
思想、取捨選択、生き死に
物語に出てくるそれら全てが、それぞれの登場人物に描かれた生まれ育ちや立場に裏打ちされている
ひとつひとつの因果の糸が大きな川の流れのようになって、一国の歴史に繋がる様を見せつけられた
一国の存亡というマクロな話なのに物語はほぼ人物に焦点が当たっているミクロさ
読み進めていくうち、坂道を動き出したら止まらないかのように人々を巻き込んで「国」が転がっていく
え、大丈夫?そっちでいいの?気づいたらブレーキもないしハンドルもなくて、どうすんのこれ?みたいな
群像劇 -
Posted by ブクログ
ネタバレマヤ文明、生贄、国の滅亡と重いテーマではあるけれど、登場人物みんな魅力的で、それぞれの関係性や繋がりも深掘りされていてのめり込んでしまいました。
だからこそ旧知の仲だったり、かつては同志だった人たちがそれぞれの考える正義や信じる道を選んだ結果争うことになってしまうのがとてもやるせなかった。
和解してほしい人たち、この人は生き延びてほしいと思った人がどんどん命を落としていく…
生い立ち、立場、選択、何かがどこかで違っていたら全く違う人生を歩んでいたかもしれない。
ファンタジーだからといって死んだと思っていた人が終盤になって実は生きていました!と登場するなんてご都合展開もなく、命を落とした人はそれ