恒川光太郎のレビュー一覧
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これはホラーなのでしょうか?
私には、ノスタルジックな美しい物語に思えます。
表題作の「夜市」も「風の古道」も、気付いたら異世界に迷い込んでいるというお話。
『となりのトトロ』や『バケモノの子』のような、子どもの時にだけ出会える不思議な世界。
もしかしたら、そういう入り口はどこかにあるのかもという気になってきます。
子どもの頃に、「そんなことあるわけないじゃん」てことを、よく言っていたあの子の言動‥‥ホントのことだったりするのかもしれない、なんて思ったり。
大人になったら皆、忘れてしまうけれど、夜祭のあの屋台の向こう、神社のあの林の向こう、何があるのかな?でもちょっと怖いな、けど覗いてみたいな -
Posted by ブクログ
ネタバレ現代では、「神隠し」は、口減らしや犯罪を覆い隠すための共同体の語りとして機能していた、という解釈を耳にする。それでも、神隠しが確かに存在すると、心のどこかで感じる人は多いのではないだろうか。
現実の中にも時折、「ここは通らないほうがいい」と感じる場所が現れるように。
そうした感覚にぬるりと入り込んでくるのが、この本だと思う。
だからこそ不思議と懐かしく、「私もその世界を知っている」と思いながら読み進めた。
「夜市」に登場する女友達は、突如現れた不可思議な空間に対する恐怖や驚きがあまり描かれておらず、やや違和感があった。「風の古道」の登場人物たちからは、人の世界と神の世界との狭間を漂う、現実 -
Posted by ブクログ
ネタバレ幽民奇聞
「鬼婆図探訪」、「夢狒々考」、「最後のキ」、「すすき野原の先で」の中編・短編集です。
物語は日本の古代から続く”キ”という集団の流れとして語られます。
恒川氏の小説は陰惨でありながら、後味が悪くないところが好きです。
今回の物語も、実際にあったかもしれない物語としてすっと入っていくことができました。
世の中が情報的に均一になっている今、情報の揺らぎから現れる”キ”のような不可思議が物語の中だけしか生き残れないのが少し寂しい気がします。(陰謀論なども同種の情報の揺らぎなのかもしれませんが、竹蔵はそちらの方にはあまり関心が向きません。)ほの暗い中で不可思議なことに怖れる感覚も、大切な気