恒川光太郎のレビュー一覧
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ネタバレ人の道を、ほんの少しだけ外れたところ。
そこに立って、生きている人たちがいる。
その人情と合理性のバランス。
冷たくもあり、
でも、どこか優しい。
これが、作者の通奏低音なのだと思う。
舞台は、明治だったり、
西洋だったり、
現代だったりするけれど、
今回は「和もの」。
代表作の『夜市』と、
どこか同じ匂いがする。
暗くて、怪しくて、
でも、ただ怖いだけじゃない。
その世界を描くのが、
この作者は、ほんとうに上手い。
たぶん、主人公が子どもであることが多いからだろう。
低い視線。
夜は、大人よりも、ずっと大きい。
提灯の明かりも、
路地の影も、
世界のほうが、子どもを包み込んでし -
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美術商の武田は幕末の生まれで去年死去した画家の遺した絵を検分するために、その邸宅へと向かうことになった。その武田に同行する男がいた。彼は鶯谷玄也。民俗学者をしている彼は、明治の中頃までは確かにいた存在である〈キ〉について調べているらしい。〈キ〉は鬼とは違っていて、また妖怪の類ともすこし趣きが違うみたいで……。
縁はどこにでもあって、そして思いもよらない場所でも繋がっている。一読して、まず言葉が頭に浮かびました。謎めいた存在である〈キ〉を巡って展開される物語は、ときおり壮絶で血腥い光景を浮かび上がらせながらも、つねにどこか切ない余韻があるのが印象的でした。去年の末頃に出版された同著者の『ジ -
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大好きな恒川さん作品!!こ、こわーー!!!!こわい!!!!ちょっとメタバース的な?緩やかに繋がっている世界線の人たちの話で、それぞれ短編なんだけど、さまよえる絵描きが、森へっていう話がこわすぎた。『…かもしれませんね』みたいな余韻あると、読み手がどう捉えるかで幽霊系ともサスペンス系ともとれて恐怖のジャンルが変わるのがやばい(語彙力)し、どれだとしても結局怖い。夜に読むな、トイレ行けなくなる。それと、見たらいけないものがそこにありそうな予感とか緊張感を描くのがうますぎる。まじで。でもこういうこわさを表現する作家がわたしはほんとうに好きです!!!!
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ネタバレマヤ文明やアステカ王国を下敷きにした、架空の古代文明の物語。
家族を殺され、儀式の生贄にされそうななった少年、スレイが主人公。運良く助け出され、数奇な人生を歩んでいくことになる。
600ページ以上あり、あまりの分厚さに怯んでしまう。が、面白くてサクサク読める。
スレイは、状況に応じて柔軟に事に対処できる能力があり、飄々と、たくましく生きていく様がとても良い。
他の登場人物も魅力的だ。エルテカ国の横暴な王、謎めいた神官、スレイの親の仇ですら、悪いだけではない、様々な側面を見せてくれる。皆が、それぞれの思想、正義で動いているから、勧善懲悪ではなく、混沌としていて面白い。
話し言葉が今風なのも