恒川光太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ホラーだと身構えていましたが、怖いというよりは、不思議な異世界の夜の市場に迷い込んだようなファンタジー感があってワクワクしました。恒川さんの描く独特な世界観や文章の雰囲気がすごく好きで、どんどん先が気になって一気に読んでしまいました。
でも、物語が進むにつれてまさかの展開になり、本当にびっくり。
特にラストの、もう元の世界には戻れないんだと突きつけられるような終わり方は、すごく辛くて胸の奥がゾワゾワとしました。読み終わった後も、あの夜市の空気感がずっと頭から離れません。
向こう側の世界にめっちゃ行ってみたいめっちゃ気になるが、絶対に行かない。帰ってこれないと嫌だから。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2つの物語が描かれている。
1つ目は夜市。
2人の人間が夜市に行く話。
そこには昔、お兄さんが夜市から出るために弟を人攫いに売った。何年か後、お兄さんは大金を持って弟を買いなおそうとした。
だが、弟は売られた後、逃走し、若さを売り、お爺さんになっていた。そのおじいさんが、夜市を案内してくれた人だった。
2つめは古道というところに小学生2人の男の子が入り、出るまでにとある古道で産まれたため、一生、古道から出られない少年と出会う。
色々あって、小学生の1人が死んだ。
結果は生き残った小学生は家に帰り、死んだもう一人の小学生は生き返らせることができず、
幽霊として古道の先に歩いて行った。
妖 -
Posted by ブクログ
約170ページで、2つのお話が書かれています。読みやすいボリュームでした。
どちらのお話も、うすーく繋がっているような表現がありました。
この2編のお話の読後感は、どちらも切ないです。決してバッドエンドではないんですが、手放しでは喜べない終わり方でした。
独特の世界観があります。その場の風景や主人公たちの心情を表す表現がそうさせているように感じました。また、「学校蝙蝠」や「永久追放者」、「人攫い」などのネーミングセンスがそうさせているようにも感じました。
この本はホラー小説を薦める文脈の記事かなにかで見つけて読んだのですが、ホラーというよりファンタジーのような印象を受けました。
この著者 -
-
Posted by ブクログ
地図を見た途端、うわぁ、ファンタジーだったか!!と頭を抱えたが、なんとか読み切った。言いたいことはなんとなくわかった。
孝平はトラックに幅寄せされたところで記憶が途絶えていて、日本どころか世界のどこにも見えない場所で目覚めた。死者の国だという。
孝平の友達の佐伯は大学に行き、法学部に入る。佐伯が華屋律子に交際を申し込んだ翌日殺された。佐伯は大学を休学。砂浜で妙な男の差し出したクジをひき、スタープレイヤーという世界に放り込まれる。10個の願いを叶えてくれるらしい。家とオアシスを作り、華屋律子を生き返らせることも可能らしい。華屋律子と藤沢市を召喚する。
孝平、智美、新文、瑠璃は街の探検を始め -
Posted by ブクログ
最初に、太陽を維持するために人間の心臓を捧げる儀式が出てきて、佐藤究さんの『テスカトリポカ』を思い出した。テスカトリポカはアステカ神話、ジャガーワールドはマヤ文明、どちらもメキシコを含むメソアメリカ。
帯にある通り、滅びゆく国の物語なのだけど、人間の物語とも言える。
今、世界が平和じゃないから余計に心に響いた。
とてもとても興味深くて、ぐんぐん読めた。
そして、たくさんたくさん考えた。
フォスト・ザマとカザム・サク、神官同士の論戦部分は特に考えさせられた。
国を為すのは難しい。
本を読むたびに思うことだけど、政治家はこういう〈人間について書かれた歴史小説〉を読むべきだと思う。
色々な人