恒川光太郎のレビュー一覧

  • 夜市
    ノスタルジックで幻想的
    はるかな時を超えて独自の理と掟が支配し続ける空間
    そこは異形の者が闊歩し、こちらの世界では交わるはずのない者と邂逅する場所 
    通常彼の世界に立ち入ることは能わない
    ただし ふとしたはずみに異世界への扉が開くときが 何かの気まぐれのように 道がつながるときが来る。

    これは 知...続きを読む
  • 滅びの園
    恒川さんの不思議な小説が好きで、文庫が出たら買うようにしてる。
    しばらく目につく所に置いていつでも読めるようにしていたのだけど、読書から少し遠ざかっていて放っていた。
    東京に行く時鞄にいれて、3泊のあいだに読むことができた。

    恒川さんのお話は不思議で繊細で優しい世界観があって、ほかのSF小説にない...続きを読む
  • 夜市
    小説を読んだ、っていう感覚じゃなくて不思議な体験をしたっていう感じ。暗い、不気味で、だけど後に引く仄暗さだとかトイレに行けなくなるような怖さでもなくって。暗いトンネルの中で体験をして、読み終わったらトンネルを抜けたような感じ。
    すごく面白かったです。
  • 夜市
    読みやすい文章ですが、どこか暗い雰囲気と凛とした緊張感が漂います。ファンタジーとホラーの間の絶妙なところ。もう何度も読み返してる、本の中で1番好きかもしれない1冊です。
  • 夜市
    読み終わった後に、「今夜もどこかで夜市が開かれているのだろうか」といった薄寒さと高揚感を感じる作品だった。
    子供の頃、夜道を一人で歩いていた時の非日常感、冒険感を思い出した。
  • 夜市
    オチが想像ついてしまって飽き飽きしている人に読んで欲しい。幻想的、非日常的な物語を探している人にはピッタリな一冊。恒川さんの他の本が気になる。
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集
    現代ホラー小説傑作集。これまた全部再読なのだけれど、傑作揃いというほかのないセレクションです。
    かるかやシリーズの「芙蓉忌」、実はシリーズ他の作品に較べると印象が薄かったのですが。再読してみると、なかなかに怖いしひっそりとした切なさも感じる名作でした。なによりこのアンソロジーがこの一編で幕を開け、そ...続きを読む
  • 夜市
    秋の牢獄もそうだけど、人あらざるものの世界、人が踏み入れてはいけない領域を表現するのがとても巧く、どんどん引き込まれる。また、どこか日本の原風景、哀愁、ノスタルジックさを感じるのも魅力。ちなみに表紙が美しい。書斎の本棚に飾って宣伝してます。
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集
    現代ホラーの傑作が揃った短編集。全編おすすめといえる高い完成度の1冊です。「芙蓉忌」は古い家屋の隙間から見える女に魅入られた話。女が誰か探る途中、警告を受けるも男はもはや止まる事が出来なくなり…
    謎の猿を追う「シュマシラ」も良い。
  • 夜市
    何度も読み返しています。
    作品の中に哀惜ただよう描写がとても好きで、ホラーというジャンルではありながらも、切ないヒューマンドラマがあります。
    繊細な情景描写もあり、夏の終わりのような感覚がつのります。
    展開もあえて察しやすくされているからこその切なさが余韻をもたせてくれる、本当に好きな作品です。
  • 滅びの園
    壮大で美しい幻想群像劇と言う通り、素晴らしい作品。SFファンタジー要素もあり面白かった。わたしの絶望は、誰かの希望。色々考えさせられた。
  • 夜市
    2篇とも面白い

    日常と隣り合わせにある非日常
    彼岸には彼岸のルールがあり此岸のものは従うしかない
    淡々と語られるあの世の情景

    夜市と古道
  • 化物園
    あーー
    また好きな作家さんを見つけてしまった

    面白かった!
    最後の方のファンタジー系は少し違うな、と思ったけどこれがこの作家さんの本懐なのかしら
  • 無貌の神
    恒川ワールドを堪能。
    不穏な空気がふんわりと漂う静かでダークな世界観。スッと入っていける。雰囲気を大事にゆっくり読みたい気持ちに反して、面白くて一気に読んでしまった。
  • 夜市
    不思議さ、不気味さ、不穏さ、そのバランスが絶妙なダークファンタジー。読みやすい文章なのに、ありありと情景が浮かぶ。美しい世界観を堪能した。
  • 竜が最後に帰る場所
    『秋の牢獄』に続き、恒川作品四作品目。タイトルに惹かれて購入。どの短篇も良かったが——特に「夜行の冬」「鸚鵡幻想曲」がお気に入り。前者はホラー版『夜ピク』とでも言いましょうか。歩く度に世界が変わり、もし自分だったらと——いろいろ考えさせられます。後者は発想がぶっ飛んでて、まさかあんなことになるとは—...続きを読む
  • 箱庭の巡礼者たち
    これでこの作者の作品を全て読んでしまった
    本作も世界の広がりを感じる作品

    繰り返し出てくるモチーフがある

    複数の世界が繋がる
    世界を旅する人々 我々にこっそり混じる
    もう一度 人を信じるということ
    ゲームのような明確な運命
    滑稽な可愛い しかし 未知なるもの

    どのモチーフも居心地が良い
  • 滅びの園
    プーニーという可愛い名前に関わらず、凶悪なものに立ち向かったり取り込まれた人であったり、、、
    どちら側からの視点でも正義であったり、守りたいものがあったり複雑な心境に陥ること必須です。
  • 秋の牢獄
    恒川光太郎さんの作品は「夜市」が好きで、フォローさせてもらってる方の感想でこちらも手にとりました。

    結論から言うと『良い』。

    読んでホラー感は薄いけれども、いざその境遇になることになったらもちろんゾッとする。

    不思議は不思議なまま置いておきながら、納得してしまうお話が心地よく感じてしまう。

    ...続きを読む
  • てのひら怪談 ずっとトモダチ【試し読み】
    スマホやSNS、夜間の塾といった最近の子供の事情を暑かった作品が目新しかったです。正直、文体は少し大人向けの作家さんも混じっており、そのせいか内容的に少し子供向けとしては上級の怖さかなと思いました。