恒川光太郎のレビュー一覧
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久しぶりにファンタジー小説を読みました。
分厚くてずっしりと重い鈍器本なので、覚悟を決めて読み始めましたが、余白が多くて1ページ当たりの文字数が少ないので思ったより読みやすいです。
エルテカ国という巨大な国家が衰退して滅びるまでの物語です。マヤ文明とアステカ文明を下敷きにしていて、祭壇に生贄を捧げる文化があり、人間が殺されて生贄にされたり食人の風習があるのですが、描き方が淡々としていて残酷さはあまり感じません。
多くの登場人物たちの行動は、分かると思うところと分からないと思うところがあり…そういうところに人間らしさを感じました。こういう話は、愚かで残虐な現王と心優しく賢い新勢力の戦い…という -
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ネタバレ現代から見たら野蛮で未開な風習のある古代マヤ文明
その中で生きる人々を感じる中で、現代社会だって未来から見たら野蛮で未開なんだろうと感じる
当然とされていることを疑い、自分も誰かを犠牲にして、誰かの権利を蔑ろにして生きているのではないか。
古代マヤ王国人から見ても野蛮で、食糧として日常的に人肉を食する部族の一員だったドルコ
王国に捕らえられ言葉や暦、信頼できる人物との出会いや戦いを経て、彼は変化し最後は最高神官からの脅しにも屈しない
彼の変化はそのまま人類の変化のようであり、その変化は良いことなのかという疑問を投げかける
学び、知ることを始めたらもう元に戻ることはできず、進むしかない
進む先 -
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ネタバレ大好きな恒川光太郎の長編。読んでみたかったけど前まで長編が苦手だったからずっと読めずにいたのを、とうとう読んだ!最後の願い何にするのかなって思ってたら、「願いをとっておくこと」だったのが、すごく良い!!しかもそれって自分で叶えられることだから、スターを消費しない願いの叶え方でもある。夕月は、今後の人生で実際にスターを消費せずに終わっても別に構わないとも最後には思っていて、それがなんというか、あんた強くなったね…!って言いたくなった。笑 願う→叶えるの段階から、また一段階自由になった感じの解放感があって、願い続けながら生きることの素晴らしさもあるなって思えた。しかもちょうど夕月と同じ年齢のこのタ
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マヤ文明を舞台にしたファンタジー。神への生贄、凄惨な戦争など残虐と思えるシーンがかなり多いのにもかかわらず、いい意味で案外と軽く読める作品でした。
生贄の運命から救い出されたスレイ。百戦錬磨の戦士シベリア。聡明な神官フォスト、と魅力的なキャラクターがいっぱいです。それぞれの運命に翻弄され、しかしそれに抗い自分なりの道を貫こうとするさまは、誰も彼もがカッコよくて。生贄の文明や命のやり取りをする儀式戦争も、今の世の中からすると野蛮で残酷としか思えないのだけれど。世界観としては必要なものとしてすっと頭に入ってくる印象でした。
やがては滅亡へと向かっていくエルテカだけれど、悲嘆というよりはすっきりした -
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2025.11.10
待ちに待った恒川さんの新作!
3年以上新作も出ないし連載もなさそう?だったので心配しつつも期待していました。
やっと新刊が出るー!と思ったら、マヤ文明のファンタジー!?ナナメ上すぎました。
スタープレイヤー、ヘブンメイカー(ジャガーワールドが好きで未読の方はぜひ読んで!)が大好きだったので、また恒川さんのファンタジーに出会えて嬉しい。
壮大なんだけど、どこか淡々と進む登場人物たちの人生。登場人物が多いのに場面転換がスムーズだから違和感なくストーリーが続いていくので600ページ超えですが2日間であっという間に読めました!しかし単行本はソフトカバーとはいえ重かった。文庫本 -
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ネタバレ確かにファンタジーだけど今まで読んだことのないファンタジーだ!これは何!とまず思いました。
精霊がいる洋風な世界観だったり、妖怪や鬼が出てくるようやな和風なファンタジーが多いなかで、「マヤ文明」のファンタジー小説。
マヤ文明×ファンタジーってこんなにハマるんだ!と驚きました。
生贄や、月の満ち欠けを重要視する世界観。
生贄を手に入れるために引き起こされる争い。
ファンタジーというと読みやすかったり、
どちらかといえば明るいイメージを持たれがちだと思います。
しかし本作はめちゃめちゃ骨太なファンタジー。世界観はもちろん作り込まれていて、その上で冒険したり争ったり。普段ファンタジーを読まないでも人 -
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表題作「夜市」も「風の古道」も、ホラーというより幻想的な物語。現実のすぐ隣に異界があるような、不思議で少し怖い世界観に惹き込まれた。どちらの物語でも、子どもたちは理不尽で悲しい出来事に巻き込まれていくけれど、その中で見せる選択や迷いに人間らしさが滲んでいて心に残る。
解説にあった「行きはよいよい、帰りは怖い」という言葉がまさにぴったりで、読みながら何度もぞっとした。異界と現実の境が曖昧に溶け合うような描写も印象的で、怖さと同時に切なさも感じる。
決してハッピーエンドではないのに、最後には不思議とすがすがしさが残る、余韻の深い物語だった。 -
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ネタバレ恒川さんのお話おもろいなー!ファンタジーと現実の入り交じったお話を得意とされているんですかね?あんまりないタイプのお話が多くて、読んでいて先が分からず楽しいです。文章も好きです。
今回のお話は話の繋がっていない短編集でしたが、どれも面白かったです。むしろ表題になっている竜が最後に帰る場所がいちばん面白くなかったまである(言い方悪くてすみません)。そのため星を減らしましたが、最後のやつ以外どれも好きな作品でした!母親を殺した人間を洗脳して善良な殺人犯に仕立て上げるやつとかめちゃ好きですね。世にも奇妙な物語じゃないですか。
恒川さんの作品は2つ目なんですが、全部読んでみたいなぁとおもうくらいに好感 -
Posted by ブクログ
続けて恒川光太郎の本を読んでる。これも短編集で全て良かったけど素直にラスト2話の「カイムルとラートリー」「廃墟団地の風人」が好き。もちろん他のものも楽しかった。帯の文章を見てはじめて、はじめて読んだ夜市から感じていたこの懐かしさは遠野物語だと思い至った。原因やその後なんておそらく誰も知らない知る必要もないがそこにある不思議なことがふんわり包むようなやさしい文章で書かれている、他の人が書けば苦しくなるような話もその書き方(視点)のおかげで距離感を持って感じられる、どうにかできる話ではなかったのだと。さみしいけど懐かしくて優しく感るのは読んでいる側が「何かできたのではないか」と思わされずに済む、あ
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Posted by ブクログ
ブラボ〜!!
ホラーのジャンルに位置づけられているけど
こわい…不気味…という感情以外を
味わうことができ
なんて魅力的な世界観!!
なんでも売っている不思議な市場の『夜市』
幼いときに不思議な夜市の世界に迷い込む
元の世界に戻るときに 幼い弟と引き換えに
“野球選手の才能”を手に入れる…
少しずつ夜市の記憶も
幼い弟の名前の記憶も曖昧になっていく…
かわいかった幼い弟を夜市に
置いてきてしまった罪悪感
もう一度 弟を取り戻すために
夜市へ訪れる固い決意
自分が妖怪に売られていくのではないかと
感じる恐怖感
様々な想いが交錯し…
読み終わるとどこかノスタルジックな
余