恒川光太郎のレビュー一覧

  • 白昼夢の森の少女

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    ひたすら読みやすい。意味がとりやすい。なんでこんなに読みやすいんだ。

    視点や感情や驚きなど何か得るものがある小説というわけではなく、ただただ不思議な話。真相が明らかにされることも少ない。しかし読んでいる間の快楽がすごい。

    好きな話は、「白昼夢の森の少女」「銀の船」「傀儡の路地」。

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    2025年08月26日
  • 化物園

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    何とか読み進めて最後の章まで行ったが、正直に言うとそれまであまりこの本にハマれていなかった。もちろん話が面白くない訳ではなく、単に自分が求めていた恒川光太郎さんの世界観ではなかったというだけだが。しかし、最後の章 音楽の子どもたちの出来がそれまでの思いを全て払拭してくれるくらい素晴らしかった。何なら作者の代表作 夜市 にも引けを取らないくらい面白かった。
    あらすじ 外界から遮断された世界(妖精の国) で生活していくには、管理人的立ち位置である風喎が満足するような演奏を行う必要がある。十二人の少年少女は物心着く前から孤立した世界で暮らし、楽器と向き合っていくが、やがて自由を求める者が現れ

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    2025年08月15日
  • こわい話の時間です 六年一組の学級日誌

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    恩田さんの秀逸。
    「象の眠る山」田中啓文
    「とりかえっこ」木犀あこ
    「誕生日のお祝い」田中哲弥
    「おぼえているかい?」黒木あるじ
    「能面男」恒川光太郎
    「爪に関するいやな話」牧野修
    「骨もよう」篠たまき
    「猫屋敷に気をつけて」我孫子武丸
    「六年一組の学級日誌」恩田陸

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    2025年08月13日
  • 無貌の神

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    登場人物は繰り返し選択を迫られ、それは一度きりの運命ではなく、
    別の形で何度も現れる試練のように感じた。
    「未来が良くなると分かっていても、刀を振り下ろすことができるか」という問いのようなものを感じ、
    これは単なる勇気や残酷さの問題ではなく己の使命/宿命/存在意義をかけた選択であって業のよう。
    その選択が次の世界を形作ると知りながらも、果たして自分は手を下せるだろうのか?と考えてしまう。

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    2025年08月13日
  • 夜市

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    ホラー文庫となってるけど、怖い話ではないのでぜひ一度読んで貰いたいオススメ一冊。
    世界観・ストーリー展開が面白かった。
    淡々と静かに引き込まれていく感じがいい。
    ホラーというより、不思議な話に近い。

    ●夜市
    ●風の古道  …の2作品。
    どちらも日常から不思議な場所に迷い込んでしまったようなストーリー。
    『風の古道』は勝手にジブリ雰囲気(千と千尋の神隠し、トトロあたり)を感じた。未舗装の田舎道とか…平成初期の小学時代を思い出しました。

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    2025年08月10日
  • 夜市

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    めっちゃ好き、私の幻想小説の入り口の本なんだけど木のようなその場から動けないものから生き物まで繊細に描写する
    そう言う細かさが幻想小説なのに想像しやすい!っていギャップを作ってると思う。

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    2025年08月05日
  • 白昼夢の森の少女

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    ネタバレ

    全編通して幻想と現実の境界を揺るがすような物語が静かに、心を侵食してくるような作品だった。

    物語の多くには「死」の影がつきまとうが、それは決して単なる恐怖の演出ではなく、
    人の内面にある弱さや欲望、そして無意識の衝動を映し出す鏡のように感じる。

    登場人物たちが一様に、淡々とした態度のまま、しかし確かな「好奇心」に突き動かされて、
    踏み入ってはならない領域へと足を踏み込んでしまうという点。
    その「一歩」の先にあるのは、異世界であったり、どこか歪んだ現実であったり、時には犯罪や狂気の世界であったりする。
    そして誰もが持っている「知りたい」「確かめたい」という衝動をひしひしと感じさせる。

    そう

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    2025年07月26日
  • 竜が最後に帰る場所

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    ネタバレ

    明らかに現実とは異なるはずの世界にも関わらず、
    ふと「自分がその世界の中にいたのではないか?」と錯覚させるような、
    不思議な感覚をもたらす作品だった。

    「鸚鵡幻想曲」は、「自分とは何か」という根源的な問いを突きつけるように、
    自分もまた「ある集合体の一部」なのではないか、
    今この形をしている自分がやがて何かによって「解かれる」日が来るのではないか、
    そしてまた、別の集合体として「再構成される」ことを無意識に願っているのではないかと、そんな想像を誘った。

    作中の鸚鵡たちは、人間には掴めるが鳥には掴めない何かを象徴していた。
    日々当然のように受け入れている「身体」や「存在」は、案外脆く、
    実は

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    2025年07月06日
  • 化物園

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    最も好きな幻想作家の一人恒川光太郎の作品集。文庫化されたので再読。まず「ケシヨウ」なる魔にまつわる短編が五編。しかしケシヨウという魔物の話ではなく人間の醜さいやらしさどうしようもなさを描いていて幻想味は薄め。何がどうなったのやら曖昧模糊とした結末のものもある。そして寄る辺のない「リュク」という少年が、聖者として崇められる人物(じつはダウォンなる妖魔)に導かれる物語。みなしごの人生の行き着いた先にえもいわれぬ感動が。最後は「風禍」なる不思議な存在が生み出した異界に育つ音楽の子供達の物語。このように美しく不思議な異界を想像力で創造し多くの言葉を重ねないにもかかわらず豊かに紡ぎ上げる恒川の筆力にうっ

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    2025年06月20日
  • 化物園

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    ネタバレ

    ケシヨウと呼ばれる人ならざるモノが、関わる七つのお話。
    なんでこの本のタイトルが、「化物園」なんだろうと、読みながら考えてましたが、ケシヨウ視点から見た人間が「化物」だから「化物園」なのかと。
    前半は禍々しい話ばかりでしたが、最後の2篇はいつもの不思議な世界、恒川ワールドでした。
    やっぱこの人の作品面白いわ!

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    2025年06月12日
  • 竜が最後に帰る場所

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    ネタバレ

    恒川光太郎さんの最重要短編集。
    シンプルにどの話も面白かった!
    恒川光太郎さんはホラーという括りでジャンル分けされていることが多いが、ジャンルの幅を超えた幻想小説家であると思う。
    恨んだ相手を殺す能力があると言っている”だけ”かもしれない相手との、少し不穏さを感じさせる現実味のある作品「風を放つ」
    かつて家族を殺した犯人を、洗脳により正義のヒーロー”グラスゴースト”に仕上げて殺人をさせるという復讐劇「迷走のオルネラ」
    最初の二作はSFとは言い切れない現実味のあるストーリーだ。
    数日おきに”夜行”についていきあらゆる世界線を旅する「夜行」
    擬装集合体の人間が拡散され二十匹の鸚鵡となり生きていく話

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    2025年05月06日
  • スタープレイヤー

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    最愛の作家の一人恒川光太郎作品。『ヘブンメイカー』が未読だったので、それを読むために再読。氏の作品は初期の、和風で土のにおいのする作品――「夜市」「風の古道」『草祭』『雷の季節の終わりに』などをこよなく愛しているので、実はこの『ヘブンズメイカー』、初読の時あまり気に入らなかったのだけれど、なんと愚かだったことか! 再読してみるとやっぱめためた面白い。言葉だけで異世界(それもなんとも魅力的な)を構築する輝く想像力と、少ない行数で芳醇な物語を紡いでみせる手腕に脱帽。やはり恒川は凄い。自分恒川光太郎と津原泰水を読める時代に生きていて本当によかった。津原氏の新作はもう読めないけれど、恒川氏にはもっとも

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    2025年03月18日
  • スタープレイヤー

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    ネタバレ

    ある日、くじ引きで一等賞を当てた主人公。異世界に飛ばされて10の願いを叶えられるスタープレイヤーとして生きていくことが描かれたファンタジー小説。

    すごく読みやすくて読む手が止まりませんでした!
    世界観もとっても好きでした☺︎

    主人公がスターの使い道について悩む姿が描かれていて、いざ10の願いを叶えるとなると難しいなと思った

    スタープレイヤーは地球に帰ることを願うとどうなるんだろうか、すでに地球にはもう1人の自分がいるから今の自分が消えてしまうのではないか、と言う疑問はどうなったんだろう…?もっと広がった世界について知りたいなと思った

    でも、続編があるみたいだから、この世界がもっと詳しく

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    2025年02月17日
  • ヘブンメイカー

    匿名

    購入済み

    面白かった!

    スタープレイヤーを読み、すぐにこちらも読みました。
    スタープレイヤーより少し複雑で、ミステリ要素もあり、とても面白かったです。
    異世界転生モノは食わず嫌いだったのですが、そういう方も楽しめるんじゃないかなと。
    あらすじ紹介だけ見ると、何万番煎じやねんと思われそうですが、そんなことありませんでした(紹介文で損してる感じがw)。
    興味のある方は、スタープレイヤーから読み始めることをオススメします。

    #ドキドキハラハラ #感動する #アツい

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    2025年01月04日
  • スタープレイヤー

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    読みやすすぎないか?恒川光太郎。
    読みやすいとは言っても、薄っぺらさはないし。
    どこか、「頑張って読み終わるために読む」という本が今まであったけど、恒川光太郎はまじでさくさく進む。気づいたら何十ページも読んでいる。
    今年は本当に面白い小説をたくさん読めていてまじで嬉しい楽しい幸せ。
    読んでないけど、半ば面白い確定している「面白本の貯金」が今年どんどん切り崩されていく。
    来年どうなんねん。貯金というか貯本がなくなるぞ。

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    2024年12月16日
  • 白昼夢の森の少女

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    初めてこの作者の作品を読んだのですが、
    日常の延長のファンタジーで無理なく世界に入り込めました。
    ショートでもそれぞれの世界観にずっと入れました。

    個人的に飛行船の話が1番好きでした。

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    2024年09月26日
  • 金色機械

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    恒川光太郎初読。章によって主人公や時間が入れ替わり、読み進めていくほど真実が明らかになっていく。淡々とした文章から人の感情が読み取れ、なんとも切ない気持ちになる。ありそうでなさそうな話で非常に好み。

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    2024年09月25日
  • 白昼夢の森の少女

    購入済み

    幻想の世界へ。

    「白昼夢の森の少女」と「銀の船」が特に魅力的でした。
    恒川先生の物語は、自分だったらどうするかと考えてしまいます。それも、絶対こうする!という答えが出せないところが悩ましいです。
    いつもの日常にも、幻想の世界にも、同じだけの価値があると感じます。

    #深い #感動する #切ない

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    2024年09月13日
  • てのひら怪談 ずっとトモダチ

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    ネタバレ

    児童書だからグロはほぼなし
    結構SFとかファンタジー色強めのSSも入ってて楽しかったです。
    最後の方に現実世界にくるかも系のお話がありました。苦手な人は要注意

    好きな話
    ・シロヌリ様
    ・吉野環ちゃんを知っていますか

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    2024年07月11日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    「家が呼ぶ」に大興奮して以来、すこしずつ朝宮運河さん編纂のアンソロジーを買い集めている。今作も大興奮!

    ✂-----以下ネタバレです-----✂








    はじめに収録されたタイトルドンピシャの「恐怖」は、短くもラストにドキッとする極上の作品。最初からこの作品…もう期待しかないが、続くは小松左京「骨」。じっくり掘り進められた恐ろしく壮大な情景が、蘇る記憶とともに一気に駆け抜ける大迫力に感動…。
    「夏休みのケイカク」「正月女」は現代の割と身近な景色を思い浮かべつつ読み進めていたけど、オチに違ったカラーのダークさがあり面白い。
    今回すごく好きだった「ニョラ穴」は、SFチックな作風。日本のこ

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    2024年06月28日