恒川光太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレジャガー・ワールド
マヤ文明をモデルにした、その文明や国々の興亡を巡る大河小説です。総ページ632ですが、大きな物語の展開や登場人物たちの冒険でわくわくしながら一気に読み切りました。
マヤ文明にはなかったキリスト教のような半生贄と友愛を説く宗教をからませることで、恒川氏の人類観や世界観も垣間見ることができます。そして、多くの登場人物がそれぞれの生を全うする様子から、生きるということはどういうことか?や文字は人々に便利さをもたらしたが、それは本当に人が生きる上でプラスになっているのか?などの問をつきつけてきます。
竹蔵は、数奇な運命にもまれながら最高神官を経て王にまでなるフォスト・ザマと、軍神 -
Posted by ブクログ
ネタバレ恒川光太郎によるマヤ文明ワールド。
ただただ面白い。同作者の「金色機械」のマヤ版みたいな印象を持ちましたが、あちらに比べていろいろ伏線というかお話が絡みあうみたいな感じもそれほどはしなかったしコメディっぽさも皆無ではあったけど、それでもなお面白い。マヤ文明に対する興味深さがあり、そして圧倒的な読み応え。星5以外つけようもない。
もともと独特な異世界感が持ち味の作家さんだと思っていましたが、マヤという実際に存在した世界に対してもその持ち味は健在。このボリュームのある一冊にして「読み終わるのがもったいない」と思わせる傑作でした。
個人的にはフォスト・ザマの最期が・・哀しくもしびれました・・・ -
Posted by ブクログ
これは戦士(ジャガー)の物語だ…。良すぎ…。
復讐の物語でもなく、戦争の話でもなく、ただ自分の正義をぶつけ合う「戦士」の話なんだよこれは…。
拳の戦士もいれば、未来の戦士もいるし、思想の戦士もいるわけで、こちらを立てればあちらが立たぬという…これが戦…
個人的にはやっぱり戦闘狂シベリアの話が大好き。「戦いあっての人生だよなあ?」って戦うのほんまにかっこいいです。でもただのバーサーカーじゃなくて自分の中での戦闘の美学みたいなものもちゃんとあって真の戦士だと思った。
人物も複数出てくるし時代も場所も違うんだけどさすが恒川光太郎さん、ごっちゃにならずにすっとはいってきてサクサク読めた!
てか、恒川 -
Posted by ブクログ
タイトル『それはそれはよく燃えた』の1文から始まるショートショート集。
ネットの炎上、恋心、火事など、こんなものまで「燃える」のかと思える作家25人の25作を1冊の本で読めるのはとても贅沢。
でも後味は25作25様で、ほっこり甘いものもあれば苦々しいもの、ざらっと心地悪いものなど本当にさまざま。
クイズノックのファンなので河村拓哉さん目当てでこのシリーズを読み始めたが、矢樹純さん、三津田信三さんなど、このシリーズは毎回新しい作家さんと出会えて、読書の幅が広がって嬉しい
私は総じてホラーが好きなので、今回の『それはそれはよく燃えた』はぞくっとする話が多くて、とても好み。不穏で悲しくて残酷 -
Posted by ブクログ
2025年年越しに選んだのは本書。
100シリーズ夜市だけ読もうと思ったが風の古道も評判がいいという事でこちらを。
夜市は日本ホラー小説大賞を取り直木賞候補に。ホラーというより和風ダークファンタジー。
幼少時は無知ゆえか時に残酷な事をする。される。どうするか決めていいのは自分自身。
気になるのはなぜ、裕司はいずみを選んだかな。
売買目的であるのはわかるけど。高校生の時、付き合ってたのは彼女なのかな…
ずいぶんと古い作品であるが、私達は有限だと分かってるから老いない心の持ち主は好まれるのだと思う。だから生きていけたしこれからも生きていけると思う。
寂しさは夜に残しながら。
風の古道は夜市と同 -
Posted by ブクログ
ネタバレ絶対面白いだろうなと思ってた!
マヤ文明が舞台の話。
いつの間にか異世界に入ってて、その世界のルールに振り回される話が恒川さんの特徴で、今作もその通りな話で最高です。
食人、生贄、王政と現代からすればこんなの完全に異世界ですから。
登場人物を現代人の喋り方にしてるのが、日常から異常さを際立たせてて良いですよね。心臓を抉り出して捨てた人体を食うの嫌だわ〜うちの子なんか嫌がって食べないもんとかどんな会話やねんって笑っちゃいます。
マヤ語を完全な日本語にするとか無理だろうし、取っ付きにくいであろうキャラクター同士のやり取りを分かりやすく崩しすぎてもないのが上手い。
主要なキャラクターが固まってて -
Posted by ブクログ
恒川光太郎久々の新刊である。
マヤ文明を舞台にした、多様な身分、価値観を持つ人々が起こす王国の崩壊を描いた長編クロニクル。
鈍器本でありながら軽快な文体と爽快な物語があっという間に結末まで連れて行ってくれる。
その中で、生贄の賛否や国のあり方が作品を通じて議論されてきた。後半の賢者二人による論戦は圧巻である。ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』の論戦を彷彿とさせる。
物語の濃密さもさることながら、この作者は物語の結びがあまりにも美しい。遠大で壮大な時代の流れを感じさせる読後感。『スタープレイヤー』シリーズや『箱庭を巡る巡礼者たち』が好きな方は是非手に取って欲しい。