恒川光太郎のレビュー一覧
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秋真っ盛りのこの時期に読むことをずっと前から計画していたので、銀杏並木の木の下で読んでみた。
11/7から一日も進まなくなってしまった世界線での生活の中に、どこか青春めいたものを感じる「秋の牢獄」
1人では出ることができない家を舞台に、予想としない角度からの急展開が繰り広げられる「神家没落」
祖母から受け継いだ魔法を持った少女の絶望を描く「幻は夜に成長する」
ホラー小説としてよく名の挙がる「夜市」も読みましたが、その時と同様に恒川光太郎さんはただ怖いだけで終わらない物語を描く作家だな思いました。
3つは全く違う内容ですが、それぞれにある種の”切なさ”を内包されているため、怖くてゾッとしつつもノ -
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ネタバレ久々に恒川光太郎を読む。こんなに面白かったけ?っていうぐらい世界に入り込んでスイスイサクサクと読めた。
危うく一家心中に書き込まれかけた小学生のタカシ、ワゴン車でカフェを営むユナという謎の女性に助けられて不思議な雰囲気の南の島にやってくる…という表題作から始まり、このタカシとユナが出てくる(端役の場合もあり)短編が続いていく形式。
南洋のファンタジー系ホラーの雰囲気をまとう各編。東シナ海あたりにありそうな島を舞台に、ちょっとユルめに民俗学的伝承感のあるホラーっぽい雰囲気が、夏の蒸し暑さにちょうど良く、残暑厳しい9月に読めて良かったなとも思った。 -
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あとがきに「デビュー以来、どこかの媒体で発表はしたものの、本には収まらずに埋もれていた作品」とありました。
とても短い話から、そこそこに長い話まで、10話の短編集です。
今回も、際限ない恒川さんの想像力のおかげで、次々と違う世界に連れて行かされ、振り回され驚き続け、そして終わる。あっという間に読んでしまいました。
私は、「銀の船」と「夕闇地蔵」が好きです。夕闇地蔵の地蔵助は、現実でいうところの視力の悪い少年。相手の形は、炎の形状で認識する。美醜の区別はつかない。ってとてもいいと思いませんか?私も大切なところだけが見える人間になりたいです。 -
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子供向けだけど容赦なく怖い。舞台が小学校になってたり主人公が小学生なだけで内容はガチなホラーだった。
むしろ子供がひどい目に遭うのが苦手な人には大人向けホラーよりずっときついかも(基本的に想定読者と同年代の小学生が怖い目に遭うので)
ホラー作家の皆さんは大人向けに書いてるときと同じくらいの出力出してるし、児童書作家さんは本気で子供怖がらせようとしてるし。
普段児童書とか読まなくても、質の高いホラーショートショートがたくさん読みたい!って人にも強く強くおすすめします。
収録作の中では、短い中で不気味な世界観をリアルに描き出した『おだんご当番』『ぢんぬるさま』、行間に二人の関係性がぎっしり詰ま -
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1、風を放つ
小さな瓶の中に収められた、小さなつむじ風。それは持ち主が恨んだ人を殺せる力を持つ。その瓶をもしかして恨みを買ってしまったかもしれないマミさんが持っている話。結局それだけで何も起こらなかったのですが、ふんわり怖かったです。あれ?もう終わったの?というところもよかったです。
2、迷走のオルネラ
悲惨な経験をした少年が気の毒でした。これは科学的に証明できない要素がたしか出てきませんでした。なので実際にあってもおかしくはない話でした。人間の執念が怖かったです。
3、夜行の冬
お散歩をして帰ってきたら別の人生になっている話。以前「ミッドナイトライブラリー」で似たような展開を読みました。その -
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「古入道きたりて」「焼け野原コンテニュー」「白昼夢の森の少女」「銀の船」「平成最後の落とし穴」「布団窟」…
好きな短編ばかりだった。
ジャンルで言うとSFホラーだと思う。
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恐怖と哀しみがまじりあう、恒川光太郎を味わう短編集。
異才が10年の間に書き紡いだ、危うい魅力に満ちた11の白昼夢。人間の身体を侵食していく植物が町を覆い尽くしたその先とは(「白昼夢の森の少女」)。巨大な船に乗り込んだ者は、歳をとらず、時空を超えて永遠に旅をするという(「銀の船」)。この作家の想像力に限界は無い。恐怖と歓喜、自由と哀切―小説の魅力が詰まった傑作短編集。文庫書き下ろしの -
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前作『スタープレイヤー』が面白かったので読んでみたが、面白かった。
やっぱり読みやすいし、読んでいて疲れにくい。
主に2人の視点で話が展開されるけど、特に佐伯の方は、人間らしい黒い部分だったりが見えたりして、個人的に共感できるところもある一方、物語を通して成長も見られ、なかなか良いキャラクターだなと思った。(人としてではなくて、あくまでキャラとして良いという意味です)
設定は前作と同じなので二番煎じにならないかなと思ったけど、同じようにワクワクさせられたし、この先どうなるんだろう、と展開に適度な刺激もあり引き込まれた。
終盤では「そうきたかー!」と言う展開もいくつかあり、最初から最後までずーっ -
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久しぶりの読書。
久しぶりの恒川光太郎 。夏になると彼の作品が読みたくなる。ので、未読だったこちらの短編集を。
やっぱり彼の描く異界と、現実世界とが交わる時の滲むように曖昧な境界の表現が大好きだ。
七篇の中でも特に『弥勒節』が気に入った。序盤に森で老婆に会うシーン、死者と語らっているとは思えない不思議な空間だった。
読んでいてなぜか、『草祭』に出てきた天化が読みたくなった。膨大な数の声と人生とが胡弓に吸い込まれていく様が、なんだか天化の盤上を眺めていた時の感覚に近かったのかもしれない。
表題作の『月夜の島渡り』はラストに向かって収束とも、救いのあるループの再回転ともとれる演出がとても心地よ