恒川光太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
恒川さんの不思議な小説が好きで、文庫が出たら買うようにしてる。
しばらく目につく所に置いていつでも読めるようにしていたのだけど、読書から少し遠ざかっていて放っていた。
東京に行く時鞄にいれて、3泊のあいだに読むことができた。
恒川さんのお話は不思議で繊細で優しい世界観があって、ほかのSF小説にない穏やかな気持ちで読めるのがいい。
そしてやりきれない、答えがでないもやもやしたものが残る。けれど、それも心地よく感じるから不思議。
滅びの園は何人もの目線で描かれていて、それぞれの正解があってそれぞれが信念をもっている。
それでいいんだろうな。お互いのことなんて理解なんてしなくていいんじゃないかなって思う。
とても面白かった。
たくさんの人に読んでほしいと思う。 -
Posted by ブクログ
現代ホラー小説傑作集。これまた全部再読なのだけれど、傑作揃いというほかのないセレクションです。
かるかやシリーズの「芙蓉忌」、実はシリーズ他の作品に較べると印象が薄かったのですが。再読してみると、なかなかに怖いしひっそりとした切なさも感じる名作でした。なによりこのアンソロジーがこの一編で幕を開け、そしてラストが「七つのカップ」で優しく終わるという構成も素敵なのですよね(ラスト一歩手前が「あまぞわい」でとことんどんよりしたあとだというのもまた)。
小林泰三さんの「お祖父ちゃんの絵」をセレクトするというのもまたなんとも。これ、最初に読んでいるうちは「お祖母ちゃんの絵」の間違いじゃないの? って思うんですよね。それがタイトルの意味を知った時、なんという酷い意味なんだ、と。小林泰三作品にしてはまだましだと思ったのが、良い意味で裏切られた作品でした。 -
購入済み
スマホやSNS、夜間の塾といった最近の子供の事情を暑かった作品が目新しかったです。正直、文体は少し大人向けの作家さんも混じっており、そのせいか内容的に少し子供向けとしては上級の怖さかなと思いました。
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Posted by ブクログ
秋真っ盛りのこの時期に読むことをずっと前から計画していたので、銀杏並木の木の下で読んでみた。
11/7から一日も進まなくなってしまった世界線での生活の中に、どこか青春めいたものを感じる「秋の牢獄」
1人では出ることができない家を舞台に、予想としない角度からの急展開が繰り広げられる「神家没落」
祖母から受け継いだ魔法を持った少女の絶望を描く「幻は夜に成長する」
ホラー小説としてよく名の挙がる「夜市」も読みましたが、その時と同様に恒川光太郎さんはただ怖いだけで終わらない物語を描く作家だな思いました。
3つは全く違う内容ですが、それぞれにある種の”切なさ”を内包されているため、怖くてゾッとしつつもノスタルジックな気持ちになるという、不思議な読書体験ができました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ久々に恒川光太郎を読む。こんなに面白かったけ?っていうぐらい世界に入り込んでスイスイサクサクと読めた。
危うく一家心中に書き込まれかけた小学生のタカシ、ワゴン車でカフェを営むユナという謎の女性に助けられて不思議な雰囲気の南の島にやってくる…という表題作から始まり、このタカシとユナが出てくる(端役の場合もあり)短編が続いていく形式。
南洋のファンタジー系ホラーの雰囲気をまとう各編。東シナ海あたりにありそうな島を舞台に、ちょっとユルめに民俗学的伝承感のあるホラーっぽい雰囲気が、夏の蒸し暑さにちょうど良く、残暑厳しい9月に読めて良かったなとも思った。 -
Posted by ブクログ
あとがきに「デビュー以来、どこかの媒体で発表はしたものの、本には収まらずに埋もれていた作品」とありました。
とても短い話から、そこそこに長い話まで、10話の短編集です。
今回も、際限ない恒川さんの想像力のおかげで、次々と違う世界に連れて行かされ、振り回され驚き続け、そして終わる。あっという間に読んでしまいました。
私は、「銀の船」と「夕闇地蔵」が好きです。夕闇地蔵の地蔵助は、現実でいうところの視力の悪い少年。相手の形は、炎の形状で認識する。美醜の区別はつかない。ってとてもいいと思いませんか?私も大切なところだけが見える人間になりたいです。 -
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子供向けだけど容赦なく怖い。舞台が小学校になってたり主人公が小学生なだけで内容はガチなホラーだった。
むしろ子供がひどい目に遭うのが苦手な人には大人向けホラーよりずっときついかも(基本的に想定読者と同年代の小学生が怖い目に遭うので)
ホラー作家の皆さんは大人向けに書いてるときと同じくらいの出力出してるし、児童書作家さんは本気で子供怖がらせようとしてるし。
普段児童書とか読まなくても、質の高いホラーショートショートがたくさん読みたい!って人にも強く強くおすすめします。
収録作の中では、短い中で不気味な世界観をリアルに描き出した『おだんご当番』『ぢんぬるさま』、行間に二人の関係性がぎっしり詰まってる『ひと口飲んだらまた遊ぼ』、読者を巻き込むようなぞっとする仕掛けの『おかわり怪談』『吉野環ちゃんを知っていますか。』が特にお気に入り。 -
Posted by ブクログ
1、風を放つ
小さな瓶の中に収められた、小さなつむじ風。それは持ち主が恨んだ人を殺せる力を持つ。その瓶をもしかして恨みを買ってしまったかもしれないマミさんが持っている話。結局それだけで何も起こらなかったのですが、ふんわり怖かったです。あれ?もう終わったの?というところもよかったです。
2、迷走のオルネラ
悲惨な経験をした少年が気の毒でした。これは科学的に証明できない要素がたしか出てきませんでした。なので実際にあってもおかしくはない話でした。人間の執念が怖かったです。
3、夜行の冬
お散歩をして帰ってきたら別の人生になっている話。以前「ミッドナイトライブラリー」で似たような展開を読みました。その人生に満足したらそのまま居着いていい。飽きたら再チャレンジ、ということですが、そうなるとそこそこ満足した人生に巡り会えても、ひょっとしてもっと素敵な人生が待っているのでは?と欲が出てきそう。
いろいろな人生を渡り歩く設定も面白かったですが、夜行の途中に脱落して闇に飲まれるシーンが怖かったです。
4、鸚鵡幻想曲
本書では、これが1番面白かったです。始まりと途中と最後でどんどん話が変わっていきます。集合体は、どうしてこんなこと筆者さんは思いつくのでしょうか?どんな想像力をしているのでしょうか?鸚鵡が元人間だったから少し喋れて、大介に報復するシーンで、老婆が祈祷したりして、人間ってなんか滑稽に思えました。
5、ゴロンド
完全なファンタジーでした。
毛無し猿、ことヒト。
ゴロンド目線からうかがえる毛無し猿はなんだか無駄な争いばかりを繰り返し、
これもまたなんだか人間って馬鹿馬鹿しいな。無駄なことばかりやっている、と感じました。
完全なファンタジーなら好きだけど、現実社会での話の中にいきなり科学的に説明のつかない要素が出てくると途端に冷めてしまう私でしたが、恒川光太郎さんのホラーは全然冷めないです。むしろ本当に面白いです。現実とそうじゃない事を融合させる展開がうまいのかなあ。「そんなことありえないでしょ」ということも普通に淡々と書いていらっしゃるので、そこなのかなあ。
もっと恒川光太郎さんの独特の世界に浸っていたいので、他の作品も読んでみようと思います。