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Posted by ブクログ 2023年12月01日
『秋の牢獄』に続き、恒川作品四作品目。タイトルに惹かれて購入。どの短篇も良かったが——特に「夜行の冬」「鸚鵡幻想曲」がお気に入り。前者はホラー版『夜ピク』とでも言いましょうか。歩く度に世界が変わり、もし自分だったらと——いろいろ考えさせられます。後者は発想がぶっ飛んでて、まさかあんなことになるとは—...続きを読む—○○シーンは想像しただけで鳥肌モノでした…。解説を読み「…嗚呼、なるほどなぁ」と。まだそれほど数を読んではいないが、どの作品も本当に独特な世界観でこの著者にしか描きえない作品なんだと感心しました(^^) 星四つ半。
Posted by ブクログ 2023年08月13日
1、風を放つ
小さな瓶の中に収められた、小さなつむじ風。それは持ち主が恨んだ人を殺せる力を持つ。その瓶をもしかして恨みを買ってしまったかもしれないマミさんが持っている話。結局それだけで何も起こらなかったのですが、ふんわり怖かったです。あれ?もう終わったの?というところもよかったです。
2、迷走のオル...続きを読むネラ
悲惨な経験をした少年が気の毒でした。これは科学的に証明できない要素がたしか出てきませんでした。なので実際にあってもおかしくはない話でした。人間の執念が怖かったです。
3、夜行の冬
お散歩をして帰ってきたら別の人生になっている話。以前「ミッドナイトライブラリー」で似たような展開を読みました。その人生に満足したらそのまま居着いていい。飽きたら再チャレンジ、ということですが、そうなるとそこそこ満足した人生に巡り会えても、ひょっとしてもっと素敵な人生が待っているのでは?と欲が出てきそう。
いろいろな人生を渡り歩く設定も面白かったですが、夜行の途中に脱落して闇に飲まれるシーンが怖かったです。
4、鸚鵡幻想曲
本書では、これが1番面白かったです。始まりと途中と最後でどんどん話が変わっていきます。集合体は、どうしてこんなこと筆者さんは思いつくのでしょうか?どんな想像力をしているのでしょうか?鸚鵡が元人間だったから少し喋れて、大介に報復するシーンで、老婆が祈祷したりして、人間ってなんか滑稽に思えました。
5、ゴロンド
完全なファンタジーでした。
毛無し猿、ことヒト。
ゴロンド目線からうかがえる毛無し猿はなんだか無駄な争いばかりを繰り返し、
これもまたなんだか人間って馬鹿馬鹿しいな。無駄なことばかりやっている、と感じました。
完全なファンタジーなら好きだけど、現実社会での話の中にいきなり科学的に説明のつかない要素が出てくると途端に冷めてしまう私でしたが、恒川光太郎さんのホラーは全然冷めないです。むしろ本当に面白いです。現実とそうじゃない事を融合させる展開がうまいのかなあ。「そんなことありえないでしょ」ということも普通に淡々と書いていらっしゃるので、そこなのかなあ。
もっと恒川光太郎さんの独特の世界に浸っていたいので、他の作品も読んでみようと思います。
Posted by ブクログ 2023年07月30日
奇譚・SF・ファンタジーなどにカテゴライズされる5つの短編集。
SFといっても宇宙的なものはなく、強いて挙げれば登場人物が描く漫画が作中作になっていて、その舞台が花が咲き誇る月面ってところぐらいかな?
とにかく着想が珍妙で面白い。
何か変わった小説を読みたい時や、複雑なプロットが面倒な時にサクサク読...続きを読むめるのでおすすめしたい。
Posted by ブクログ 2022年05月18日
恒川光太郎作品、初読です。
カバーにある通り、本屋でまず夜行を少し読んでみたところ、不思議と惹かれたので購入しました。
後書きにもありましたが、全体として
現実→ファンタジーへとどんどん染まっていく感じが読んでいてとても不思議で心地よかったです。
この方の作品について特に魅力だと感じた点が二つあ...続きを読むります。
ひとつは、情景描写力です。
細かく述べられているわけでもないのですが、なぜか情景がはっきりと、俯瞰的に脳裏に浮かびます。
読んでいてとても快適といいますか、楽しめました。
『夜行』では冬の闇のしんとしたしずかな空気感、しかしどこか不穏で寂しいような感覚が。『鸚鵡幻想曲』では、気が違ってしまったかのようなおかしな人間と対峙した時の緊張感や生温い温度を感じ、その度に驚きました。
こう、臨場感があると言うよりかはやはり俯瞰して、落ち着いて第三者視点で、しかし没入できるような、どこか安心して読むことができる快適さがありました。
もうひとつは、話の節々に「人生だな」と感じられる表現や構図が散りばめられていることです。
うまく言えないのですが、『夜行』の、はっきりとした目的を持っていないにも関わらず抱く「置いていかないでくれ」という漠然とした焦り、「もっとより良い環境がひとつ先にあるような気がしてしまう」という縮毛の娘や主人公の根拠のない期待。『ゴロンド』の、翼が生えどこにでも行けるほど知性も体躯も発達したゴロンドと何も変わっていないウーガーの比較、池の中から一生出ることもなく生を営む兄弟たちを「不幸だとは思わない、そっとしておこう」と嘲笑することもなく思うことができるゴロンド。ゴロンドは特に「人生」を感じる部分が多かった。
池の中で一生を終える彼らも、外に出てきたがそこから進化しないウーガーも、成長できたゴロンドも、環境によってその生き方が、あり方が決められているだけ。ふと池から出られることに気づかなければ。シンの鳴き声が聞こえなければ。案内してくれる仲間に出会っていなければ。さまざまな運が重なり、生物はそこで出会い手に入れた環境で生を営む。そこには優劣などないはずだが。
うまくいえませんが、ファンタジーなのに(特に後半)、ファンタジーであるが故なのか、非常に自分の人生や周囲の環境、今の世間に通ずるところを感じ、没入して読めつつもさまざまなことに思いを巡らせることができました。
私が最後に帰る場所はどんなところだろう。自分で選び、決めることができるのだろうか。何かのきっかけで狂気に呑まれ、誰かの手により導かれてしまうのだろうか。それともより良い場所を探して、現状では満足できず歩き続けるのだろうか。
最後には、めでたしめでたしとどこかの村の壁画で見つけられたいものです。
毛無し猿より。
特に印象深かったのは、「迷走のオルネラ」と「ゴロンド」でした。
「迷走のオルネラ」で、つきあっていた頃は煩わしかったコジマアヤカの「君はどう思う?」が、後に手紙で見た時、もの凄く懐かしく嬉しく感じたのに自分でも驚きました。
「ゴロンド」は、何世代にもわたり最後に帰る場所へと飛び続ける竜という、と...続きを読むてつもないロマンが書かれています。竜になって、空を(もしかすると宇宙をも?)飛んでみたくなってしまいました。
上記の2話は、ふとした拍子に思い出してしまう程気に入ってしまいました。でも、どのお話も素晴らしいです。一度読み始めると止められない本でした(^^)
Posted by ブクログ 2015年06月15日
五編入った幻想短編集。今回は特に奇想が目立ち、バリエーション豊かな作品集になっている。
「風を放つ」
どう解釈してよいのか戸惑う話ではある。現実から踏み出さずにすんだ物語。妙な余韻を残す作品。
「迷走のオルネラ」
力と正義を問いかける強いテーマ性のある物語。インパクトありますね。復讐譚で、ダーク...続きを読むヒーローの物語でもある。こんな作品も書くんだなぁ。主人公の恋人となるコジマアヤカが、主人公と全く異なる考えを持っていて主人公に与える影響も含めて魅力的。恒川作品ではこういう普通の人として魅力的なキャラクターは珍しいんでないかな。
「夜行の冬」
見てはいけない夜行様に着いていくとその先には。平行世界を扱ったSFホラー。現象と、新しい世界に惹かれていってしまう主人公たちの姿に怖さともの悲しさを感じた。これ好きです。
「鸚鵡幻想曲」
偽装集合体とそれを解体できる男という面白い設定で、前半だけでもショートショートとして完成しているのですが、後半が予想つかない幻想的な物語でこれまた面白い。読後感も非常によくお気に入りの作品。
「竜が最後に帰る場所」
謎の生物の主観で、誕生からのサバイバルをドキュメンタリー風味に描くおとぎ話。読んでるだけで楽しい系の作品ですね。
Posted by ブクログ 2023年07月21日
よく分からない世界へ連れていってくれる作家という印象の恒川さん。幻想的でありながらも現実的でもある読み口は独特でやはり他では例を見ない人だと実感。面白かったのは「夜行の冬」と「鸚鵡幻想曲」前者は百鬼夜行のテイストにリセットものをくっつけた感じでこの人の得意とする恐ろし系物語。怖さと幻想さのバランスが...続きを読む絶妙で良かった。後者は発想が素晴らしい奇妙な作品。星新一さんらしさはあるがそこからもうひとひねり加えている所に凄さがある。これがめちゃくちゃに面白い。奇妙なので面白いとしかいえないのがもったいないくらい面白い。
Posted by ブクログ 2023年01月05日
夜市に続く2冊目の短編集。5つの短編が収録されていて、1つ1つは本当にすぐ読み終わる短さ。
読んでいて、不思議な感じのする世界観に引き込まれてどんどん先を読みたくなるものの、最後は「あれ?結局どう言う話だったの?」という感じで終わるものが多かった印象。
ただ、読んだ後の、このちょっと取り残された感は...続きを読むある意味癖になりそうな、この作者の短編作品における特徴なのかなと思った。
ただ、最後のゴロンドのドキュメンタリーのような話は本当に何だったのだろう…?笑 とても不思議だった。
Posted by ブクログ 2022年08月28日
恒川光太郎氏の書く本を読めば読むほどにはまっていく。
5編からなる短編集だが、後半の作品にいくにつれてどんどんと引き込まれていった。
夜行の冬、鸚鵡幻想曲、ゴロンドの3編は特に面白かった。
Posted by ブクログ 2022年07月19日
久々に読んだ恒川さんの本。
最近途中挫折することが多いので、絶対面白くて読み切れるもの、と思い選んだ。
間違いなし!
やっぱり面白い。1話目は普通目だけど、2話目からは恒川さんワールド。
先が読めないし、人の心の描き方が絶妙!
少し怖くてどこか妖しく美しい感じ。
ダークなファンタジーにハマってしま...続きを読むう。
オルネラは心の動きや展開が面白くて、鸚鵡の話はよくこんな事思いつくなぁーという面白さ。
Posted by ブクログ 2022年06月05日
とても面白かった。
なんだか怖いのに少し懐かしくて優しい感じ。
子供の頃感じていたような思いなのかな。
親切な人はその都度いてくれて、だから悲しくても救いはある。
人と怪異が触れ合うのは少しの時間。
少し寂しいけれど、また会えるんじゃないかって思う。
Posted by ブクログ 2022年05月28日
よくわからないけど、そのわからない感じが心地いい恒川作品。
どの短編も発想が面白くて非現実的な話とは思えないほどしっかりしてるから不完全燃焼なく納得できる。
夜行の世界観が私は好きだった。爽やかで静謐な空気がある。
Posted by ブクログ 2021年08月30日
5つの趣の違う短編集。夜市、無貌の神に続いて読んだので最初社会派な作風にびっくりしました。現実感のある話のほんの少しの違和感から始まり、最後には竜となり帰る。5つの短編を通してどんどん幻想世界へ入っていく流れが面白いです。中でも『夜行の冬』『鸚鵡幻想曲』が傑作。色々な恒川作品が読めて楽しかったです。
Posted by ブクログ 2020年10月22日
この人独特の世界観が好きな人にはたまらない。 ホラー感が微塵も感じず、ファンタジーと言うか幻想を上手く文章にした感じ。 この作家はいつも残酷なシチュエーションを誇大せず淡々と何時でも誰にでも起こりうと思わせる感じで描く所ががとても共感が持てる。 京極夏彦や村上春樹にも通じる心地いいマンネリ感。
Posted by ブクログ 2019年12月27日
現実を生きながら、ふと幻想に足を踏み入れるような短編集。
すぐそこに広がっているかもしれない知らない世界に想いを馳せ、胸をときめかせたり恐怖に怯えたりする。本の中でそういう体験ができるのは幸せなことだ。不思議な満足感の中読み終えた。
特に「夜行の冬」が好みだった。歩かなくてはならないから歩いている...続きを読むなんて、まるで人生のようだ。
Posted by ブクログ 2019年10月13日
76
うん、面白い。さらさらと読みやすい。
日常を非日常に帰る手腕が自然で、いつのまにか引き込まれる。
短編5作入ってるけど、どんどん人間の世界から離れていくのがおもしろかったな~。
忘れてしまうだろうっていう一言がいい。
お気に入りは、
迷走のオルネラと鸚鵡幻想曲。
オルネラは最初よくわからん...続きを読むな~という入りから、徐々に紐解かれていく感じがいい。こういう復讐もあるのね。
鸚鵡幻想曲は、発想が素晴らしい。触りたくなっちゃう。
こんなアイデアどっから出てくるのよ、しかも作者は最初の不審者に話しかけられるからどんどん書き始めたらしいし、筆が踊って作品が勝手にできるとはまさにこのことかな。
20191013
Posted by ブクログ 2019年08月27日
2014/2/5恒川先生初挑戦。あっと言う間に読めました。ファンタジストの評判に違わぬ傑作。個人的には後ろ3作。特に「夜行の冬」が好きでした。★4
Posted by ブクログ 2018年12月30日
初めて恒川光太郎さんの作品を読んだ。
表紙がとても綺麗で、読んでみたくなって手に取った。
短編集と言う事もあるが、文章や描写がとても綺麗で読みやすく、自分のように初めて読む人も読みやすいと思う。
初めて読んだが、この作者さんは色の描写がとても上手だと思う。
他の著作も読んでみたいと思わせる作品だった...続きを読む
迷走のオルネラ
最初はとても胸糞悪いと思いながら読んでいたが、主人公の少年(まぁ後々大人になる訳だが)が、よく頑張ってやってくれたので、スカッとした
最後の解放って言うのは何なんだろう、ナルミと言うアイドルは誰なんだろう、宗岡と何らかの関わりがあるのではと思わずにはいられない、ここまで読むと。
夜行の冬
季節も相まって、雪国住まいの私は、とてもリアルに感じることが出来た
冬の夜と言うのは、本当にとても静かで静かで…積もった雪に何でも吸い込まれていくような、そういう錯覚に陥る…
そんな雰囲気の話
過去と未来を取り替え続ける、と言う発想が良いと思った
鸚鵡幻想曲
何かの物体が、他の何かが集まって出来ているとかいう、そんな発想はなかった
そしてそれを解放する青年と、実は集合体だった青年の話
そっちかよ!!!!みたいな衝撃の展開で、思わず声が出てしまった
そして、解放させられてしまった青年のその後、そして解放する青年のその後。
私は解放させられてしまった青年の後日談が読めてよかった
この短編が一番好き
ゴロンド
ゴロンドが初めて陸に上がった時の描写が、とっても綺麗だった。
ゴロンドと仲間たちがとても可愛らしく、暖かい気持ちになった。
おたまじゃくしの話だと思って読んでいたが、もっと壮大なスケールの話だった。
Posted by ブクログ 2016年11月08日
収録作品の5作全てが、それぞれ違った味を出していて面白かった。恒川さんの作品は、派手さはないが、静かな面白さがある。
恒川さんで一番好きな話は秋の牢獄。
Posted by ブクログ 2016年06月13日
恒川作品のなかで最初に読んだ本。短編5つ。最初のお話があまり好みでなかったから微妙だったかなって思ったけど、後半の3編がほかの恒川さんの作品にも多い、不思議で独特の雰囲気を持っていて、とても好みだった。
「鸚鵡幻想曲」がとくにすき。
Posted by ブクログ 2016年01月23日
『風を放つ』
『迷走のオルネラ』
『夜行の冬』
『鸚鵡幻想曲』
『ゴロンド』
の5編からなる短編集
『風を放つ』では、あるあると共感できる人間味や日常のなかにちょっとだけ出てくる不思議な存在の表現がうまいと思いました。上手に余韻を残す終わり方がおおい恒川さんですが、この作品の終わり方には少しインパ...続きを読むクトが少なすぎると感じる方も多いかも。
『迷走のオルネラ』は恒川さんらしからぬミステリチックな作品で、他作では『蛸漁師(南の子供が夜行く所)』に近い感じだと思います。主人公の行いを善とするか悪とするか…ゾクゾクさせられる作品。ぜひ作中の漫画を読んでみたい…。
『夜行の冬』はパラレルワールドの出現するSF的な物語なのですが、近代的な機械などが出てくる訳ではなく、恒川さんらしい『風の古道(夜市)』のような幻想的な雰囲気、ダークファンタジー的な要素がある作品で、今までにない作品だったと思います。
『鸚鵡幻想曲』は上の3つの作品に比べ、イメージ的に明るくなってきます。開放する者によって、人間を止めなければならなくなった主人公が、鸚鵡として生きる。人間の主人公が一転鸚鵡になって物語が進んでいくスタイル、終わり方まで、素晴らしい作品だと思います。
『ゴロンド』は人間ではない、伝説の生物のお話。物語に目的らしいものはなく、成長してゆく様子や自然界の生死をリアルに表現してあって、もしかして本当にいるのではないかと思わせてくれる様な素敵な作品。
少しづつ人間から離れた話になり、少しづつ明るい話になっています。作者の意図を思案しながら余韻に浸れる良い作品でした。
Posted by ブクログ 2022年11月19日
前作南の子供が、個人的に低評価になってしまったので、期待して閲覧。
夜行の冬、鸚鵡幻想曲はそれぞれ一冊で読みたいくらい面白かった。
特に夜行は、行く先々でのエピソードを連作短編集で作ってほしい。
それくらい設定が良かった。
Posted by ブクログ 2022年11月08日
ファンタジーだけど自分が知らないだけで実際にはあることなのかもしれない。そんな短編集。とてもきれいな文章で読みやすく、きつい内容のものもあるのに穏やかで水彩画のようだと思いました。
風を放つ
比較的日常に近いところでのファンタジー。マミさんがなんだか本当に存在しているのかわからないふんわりした妖精...続きを読むのような感じなのと読後感もなんだかふんわり。
迷走のオルネラ
DVが物語の中心なのでやや手に汗握る展開からスコーンと静かな蒼い月に意識を持っていかれる。最後は春の暖かな空気にまた持っていかれるがラストは考えさせられる。
夜行の冬
絵画的でもありホラー的でもあり。冬の美しさとグロテスクな闇とパラレルワールドと。短編なのが惜しい、もっと読みたいと思いました。
鸚鵡幻想曲
この本は読み進めていくにつれて、より現実離れしてくる仕掛けなのでしょうか。本当ならえぐいわーという感想をもってもおかしくないのにすんなり受け入れている自分がいるのは、私が鳥好きだからかこの作品の力なのか。
ゴロンド
ダーウィンがきたの小説版を読んでいるよう。すっかりゴロンドの生活にひきこまれました。そしてこの本のタイトルに結びつくのですね。動物を飼っていると彼らの人生や運命に対する悟りに感服することがあるのですがそれらが細やかに描かれていて訳もなく感動しました。ラストは、そっかそうだよね!とストンと腑に落ちた気持ち。
Posted by ブクログ 2021年02月22日
まだ2冊目なのでつかみ切れていないのですが、皆が口を揃えていう「異世界に連れていかれる」という言葉に納得してしまう作品でした。
気に入ったしちょっと怖かったのが「夜行の冬」異形の者について行ったばかりにパラレルワールドを旅し続ける事になった者たち。もっと良い世界を望んで今ある幸せで満足出来ない辺りは...続きを読む分かるかも。
「ゴロンド」は竜と言われる爬虫類が、どじょうのような幼体から、逞しい竜になり旅立っていく物語で。壮大で可愛らしく、夢中で読みました。この話が題名の元になっているんですね。
Posted by ブクログ 2017年04月26日
デビュー作の『夜市』が私の好みだった恒川光太郎。ジャンルとしてはホラーファンタジーだけど、後者の要素が強く、とても幻想的。本作はこれまでの作品とかなり異なり、不思議な世界に連れて行ってはくれません。個人的にはイマイチだったけど、短編5つのうち、元来の著者を思わせるのは「夜行の冬」。奇抜で面白かったの...続きを読むは「鸚鵡幻想曲」。鸚鵡(おうむ)20羽で出来た人間なんて、誰が想像できましょう。(^o^;
Posted by ブクログ 2017年03月17日
恒川光太郎さんの作品を読むのはは3作品目!
日常の裏側に潜んでいそうな不思議な世界に何故か癒されます。
ゴロンドは最初カエルの話かと思っていました。
Posted by ブクログ 2016年05月27日
短編集。タイトルが素敵。
「夜行の冬」が一番好き。夜行に一度ついて行ってパラレルワールドに行ってしまったら、それがどんな環境だろうと、さらに他の世界が見たくなってしまうだろうな。でも、元いた世界に帰れないのも辛いかも。
オルネラと鸚鵡も面白かった。
作品たちを読み進めるごとに、世界の彩度と温度が上が...続きを読むって行く気がした。
Posted by ブクログ 2016年06月19日
先日のいしいしんじさんに続いて、久しぶりの恒川さんです。
様々なタイプの5つの短編が収められています。
最初の短編で「アレ?」。ごく短いものですが、ファンタジー的要素がほとんど無いのです。後で解説を読むと純文学誌に掲載された作品のようです。どうも「風の古道」のイメージが強くて、驚いてしまいました。
...続きを読む3つ目の短編「夜行の冬」が「風の古道」に近いイメージです。真っ赤な帽子とコートを着て錫杖を持った"ガイドさん"に連れられた人々が毎夜並行世界を渡り歩き、遅れると背後の闇に潜む何者かに取りこめれてしまう話です。
一つ一つの話は十分に面白いのですが、なにかまとまりに欠け、印象が薄くなってしまったのが残念です。