恒川光太郎のレビュー一覧

  • 月夜の島渡り

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    沖縄を舞台にしたホラー小説。
    7つのお話に、それぞれ妖怪やら魔物が出てくる。しかし、解説の黒史郎さんも書いていましたが、ホラーというより異界譚のようだ。 
    昔話のような物語もあり、おばあちゃんが話してくれているような、なんともいえない感じですが、物語は面白く引き込まれました。
    沖縄には、石敢當やシーサーなどの魔除けも多いし、御嶽などの神聖な場所や離島などでは禁足地になっているとこも結構ある。やはり、沖縄は観光だけではなく、こちら方面でも魅力をかんじました。
    恒川氏の本は、夜市以来2冊目ですが、2冊とも面白かったです。

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    2025年12月14日
  • 雷の季節の終わりに

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    寂寥感。
    変わらないものを見ているのに、自分はもうそこにいられない。子どもは大人になり、気づけば時の流れに取り残されたような感覚になる。
    そんな作品だと感じた。

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    2025年12月09日
  • 月夜の島渡り

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    かなり好みのファンタジー作家の恒川光太郎さん。
    7つ全ての話が沖縄を舞台としていて、読んでいて異界に迷い込んでしまったような感覚になりました。
    そして毎度のことですが、恒川光太郎さんの作品はファンタジー要素だけではなく、必ず現実との繋がりがあります。
    (別人の中に魂だけが蘇る主人公が、実際に起きた沖縄での戦争に巻き込まれたり…)
    異世界に浸っていたらいきなり現実に落とし込まれたり、逆に現実から異世界に引きづり込まれたり…
    現実も遠くない位置に”異界”が存在している沖縄に、魅了されっぱなしでした。
    また、一面に広がるサトウキビ畑や亀甲墓、突如現れる「わん」「えー」などの方言など、どこか独特な沖縄

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    2025年12月08日
  • 雷の季節の終わりに

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    ネタバレ

    何も残らないのに何かが残る感覚。
    恒川光太郎の作る他では感じられないざわざわしたワードが大好き。
    風わいわい、空棲生物、闇番、どれもがここでしか知らない気持ち悪さがある。

    トバムネキの心臓は今もどこかで廻っているのだろうか。最後にトバを笑った風わいわいの呪いが怖かった。

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    2025年12月04日
  • 猫ミス!

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    猫が出てきて幸せそうならもうなんでもハナマルにしちゃうけど。
    やっぱ長岡弘樹さん作品は良かった!
    知らない作家さんだと、菅野雪虫さんも良かった!
    芦沢央さんと恒川光太郎さんはもともと好きなので…

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    2025年11月29日
  • 金色機械

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    ネタバレ

    伝奇SF。再読ですが、何度読んでもこの世界に取り込まれてワクワク読んでしまいます。面白かった。
    長編でも、寂しさを覚える読後感は変わりません。
    地球に降り立った金色様の、永い幕引き…と思うと大変寂しい。
    相手や自分を、許す許さない…がぐらぐら揺れ続けるのも良かった。

    「筋か。この世の恐ろしいところはな、筋などというものは、本当はどこにも存在しないのだ。ただ、筋を通した、通っていないと当事者とその周囲の者がいうだけでな」

    不思議な力を持つ遥香のことを邪険にせず、謎すぎる存在の金色様のことも邪険にせず「違う種類の神様だけど」みたいに接するお年寄りたち、おおらかだなぁ。
    日常と異常が無理なく共存

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    2025年11月09日
  • スタープレイヤー

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    普段、SFもファンタジーもあまり読まないけど、これは面白かった!

    主人公が何も持たない中年女性っていうのがよい。
    前半と後半でガラッと印象が変わるのもいい。
    最初は自分の欲望を満たすために願いを使っていた夕月が、願いの正しい使い方に気づく瞬間がよかった。

    ご都合主義的な展開の本はあまり好きじゃないけど、これはちょっとほろ苦い感じも噛ませてる感じが好き。

    続編も気になる〜!

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    2025年10月20日
  • 秋の牢獄

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    11月7日という一日を繰り返し続ける女性の視点で展開されるわけだが、
    同じ日が延々と続くという奇妙な状況は、単なる怪異ではなく、むしろ自分達が日々の中で無意識に支えにしている「明日がくる」という希望の「脆さ」を浮き彫りにしているように思う。

    死後の世界を誰も知らぬように、自らの有限な肉体と時間の束縛の中でもがきながら生きている。
    それでも、1日の終わりに「いろいろあったが、悪い一日ではなかった」と思えるならそれはひとつの救いであり贅沢な事なのだと本編を読んでそう思う。

    「幻は夜に成長する」は醜悪かつ後味の悪い「人間の怖さ」を描きながらも、どこか登場人物が見せる夢幻のような美しさが作中には漂

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    2025年10月19日
  • 化物園

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    ネタバレ

    タイトルから化物がたくさん出てくる話かと思ったけど、その化物は人間のことを指していることが読んでいくうちに理解できた。

    人間の中にある形にならない思考や狂気が何かのきっかけで出現するとき、他人からみると理解できない化物に映る。
    前半はそこに狂わされる人と巻き込まれる人の話。
    後半は帯にもある「人間を飼う」ことで生まれる世界への違和感と問題提起に思えた。

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    2025年09月25日
  • 化物園

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    「人と化物の境界線」がどこにあるのかを考えさせられた。
    登場人物は人の皮を被った化物なのか、
    それとも化物のように醜い心を持った人間なのか、その判別すら曖昧になっていく。
    結局のところ恐怖の根源は外側にある異形ではなく、人間の奥底に潜む狂気や醜さそのものであると感じさせられる。

    作中では「ケシヨウ」と呼ばれる魔物が怪しく徘徊し、まるで本編の深淵へのガイドのように登場するのが強く印象に残る。

    ケシヨウは人間の負の感情を感知して姿を現し、
    そのおぞましさは鏡のように人間の心の闇を映し出しているように思う。
    災厄を生み出すのは常に人間の側であり、ケシヨウはそれに引き寄せられる存在に過ぎないのかな

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    2025年09月24日
  • こわい話の時間です 六年一組の学級日誌

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    ネタバレ


    子供向けながらも、大人でも面白いということと、好きな作家が何人か書いていたので読んでみた。面白かった。特に最後の恩田陸のはすごかった…。


    「象の眠る山」田中啓文
    象眠山(ぞうみんやま)というのが出てくるので、象?ガネーシャ?と連想させておいて、正体は昆虫。最後のオチも、もしかしたら寄生されたかも、というもの。
    それでも、UMA的な存在や、横道という解説キャラが出てくるので面白かった。横道が解説して助けてくれる、便利すぎるキャラ。

    「とりかえっこ」木犀あこ
    人頭(じんとう)という怪異。出現条件がピンポイントすぎる。何か元ネタがあるのか?50.65センチというのは人の肩幅?何から来てるんだ

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    2025年08月28日
  • 白昼夢の森の少女

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    ひたすら読みやすい。意味がとりやすい。なんでこんなに読みやすいんだ。

    視点や感情や驚きなど何か得るものがある小説というわけではなく、ただただ不思議な話。真相が明らかにされることも少ない。しかし読んでいる間の快楽がすごい。

    好きな話は、「白昼夢の森の少女」「銀の船」「傀儡の路地」。

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    2025年08月26日
  • 化物園

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    何とか読み進めて最後の章まで行ったが、正直に言うとそれまであまりこの本にハマれていなかった。もちろん話が面白くない訳ではなく、単に自分が求めていた恒川光太郎さんの世界観ではなかったというだけだが。しかし、最後の章 音楽の子どもたちの出来がそれまでの思いを全て払拭してくれるくらい素晴らしかった。何なら作者の代表作 夜市 にも引けを取らないくらい面白かった。
    あらすじ 外界から遮断された世界(妖精の国) で生活していくには、管理人的立ち位置である風喎が満足するような演奏を行う必要がある。十二人の少年少女は物心着く前から孤立した世界で暮らし、楽器と向き合っていくが、やがて自由を求める者が現れ

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    2025年08月15日
  • こわい話の時間です 六年一組の学級日誌

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    恩田さんの秀逸。
    「象の眠る山」田中啓文
    「とりかえっこ」木犀あこ
    「誕生日のお祝い」田中哲弥
    「おぼえているかい?」黒木あるじ
    「能面男」恒川光太郎
    「爪に関するいやな話」牧野修
    「骨もよう」篠たまき
    「猫屋敷に気をつけて」我孫子武丸
    「六年一組の学級日誌」恩田陸

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    2025年08月13日
  • 無貌の神

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    登場人物は繰り返し選択を迫られ、それは一度きりの運命ではなく、
    別の形で何度も現れる試練のように感じた。
    「未来が良くなると分かっていても、刀を振り下ろすことができるか」という問いのようなものを感じ、
    これは単なる勇気や残酷さの問題ではなく己の使命/宿命/存在意義をかけた選択であって業のよう。
    その選択が次の世界を形作ると知りながらも、果たして自分は手を下せるだろうのか?と考えてしまう。

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    2025年08月13日
  • 月夜の島渡り

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    ネタバレ

    観光地としての沖縄ではなく、
    むしろ異界の入り口としての沖縄の姿をまざまざと見せつけられたような感覚に包まれた。
    土着の信仰と幻想、そして現実とが絶妙に融合し、そこにしかない「気配」が漂っている。

    恒川光太郎の描く沖縄は、単なる舞台装置として存在するのではなく、
    そこに生きる人々の日常と深く結びつきながら、非日常を自然に溶け込ませている。
    その空気感は、まるで幼い頃にだけ感じられた「何か」、例えば黄昏時に遠くでじっとこちらを見つめている妖かしのような存在を想起させる。

    作中に発現する怪異は、人間の善悪や理解を超越して、ただ「そこに在る」。それらは時に恐ろしくもあり、時に優しくもある。意味の

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    2025年07月29日
  • 白昼夢の森の少女

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    ネタバレ

    全編通して幻想と現実の境界を揺るがすような物語が静かに、心を侵食してくるような作品だった。

    物語の多くには「死」の影がつきまとうが、それは決して単なる恐怖の演出ではなく、
    人の内面にある弱さや欲望、そして無意識の衝動を映し出す鏡のように感じる。

    登場人物たちが一様に、淡々とした態度のまま、しかし確かな「好奇心」に突き動かされて、
    踏み入ってはならない領域へと足を踏み込んでしまうという点。
    その「一歩」の先にあるのは、異世界であったり、どこか歪んだ現実であったり、時には犯罪や狂気の世界であったりする。
    そして誰もが持っている「知りたい」「確かめたい」という衝動をひしひしと感じさせる。

    そう

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    2025年07月26日
  • 竜が最後に帰る場所

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    ネタバレ

    明らかに現実とは異なるはずの世界にも関わらず、
    ふと「自分がその世界の中にいたのではないか?」と錯覚させるような、
    不思議な感覚をもたらす作品だった。

    「鸚鵡幻想曲」は、「自分とは何か」という根源的な問いを突きつけるように、
    自分もまた「ある集合体の一部」なのではないか、
    今この形をしている自分がやがて何かによって「解かれる」日が来るのではないか、
    そしてまた、別の集合体として「再構成される」ことを無意識に願っているのではないかと、そんな想像を誘った。

    作中の鸚鵡たちは、人間には掴めるが鳥には掴めない何かを象徴していた。
    日々当然のように受け入れている「身体」や「存在」は、案外脆く、
    実は

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    2025年07月06日
  • ヘブンメイカー

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    面白すぎる

    前作 スタープレーヤーからスケールアップ
    物語も重層的になり

    作者の持ち味
    残酷さ
    淡白さ
    現実と幻想の突然の切り替え
    が遺憾無く発揮される

    この作者の作品は全て読んでいるが どれも本当に素晴らしいと思う

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    2025年06月21日
  • 化物園

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    最も好きな幻想作家の一人恒川光太郎の作品集。文庫化されたので再読。まず「ケシヨウ」なる魔にまつわる短編が五編。しかしケシヨウという魔物の話ではなく人間の醜さいやらしさどうしようもなさを描いていて幻想味は薄め。何がどうなったのやら曖昧模糊とした結末のものもある。そして寄る辺のない「リュク」という少年が、聖者として崇められる人物(じつはダウォンなる妖魔)に導かれる物語。みなしごの人生の行き着いた先にえもいわれぬ感動が。最後は「風禍」なる不思議な存在が生み出した異界に育つ音楽の子供達の物語。このように美しく不思議な異界を想像力で創造し多くの言葉を重ねないにもかかわらず豊かに紡ぎ上げる恒川の筆力にうっ

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    2025年06月20日