あらすじ
異才が10年の間に書き紡いだ、危うい魅力に満ちた10の白昼夢。人間の身体を侵食していく植物が町を覆い尽くしたその先とは(「白昼夢の森の少女」)。巨大な船に乗り込んだ者は、歳をとらず、時空を超えて永遠に旅をするという(「銀の船」)。この作家の想像力に限界は無い。恐怖と歓喜、自由と哀切―小説の魅力が詰まった傑作短編集。文庫書き下ろしの掌編「ある春の目隠し」も特別収録!
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ひたすら読みやすい。意味がとりやすい。なんでこんなに読みやすいんだ。
視点や感情や驚きなど何か得るものがある小説というわけではなく、ただただ不思議な話。真相が明らかにされることも少ない。しかし読んでいる間の快楽がすごい。
好きな話は、「白昼夢の森の少女」「銀の船」「傀儡の路地」。
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全編通して幻想と現実の境界を揺るがすような物語が静かに、心を侵食してくるような作品だった。
物語の多くには「死」の影がつきまとうが、それは決して単なる恐怖の演出ではなく、
人の内面にある弱さや欲望、そして無意識の衝動を映し出す鏡のように感じる。
登場人物たちが一様に、淡々とした態度のまま、しかし確かな「好奇心」に突き動かされて、
踏み入ってはならない領域へと足を踏み込んでしまうという点。
その「一歩」の先にあるのは、異世界であったり、どこか歪んだ現実であったり、時には犯罪や狂気の世界であったりする。
そして誰もが持っている「知りたい」「確かめたい」という衝動をひしひしと感じさせる。
そうした人物像が、物語全体の幻想性と絶妙に絡み合い、息苦しいほどのリアリティを生み出している。幻想世界にただ美しく浸るのではなく、有機的で湿った何かが絡みついてくるような読後感があった。
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初めてこの作者の作品を読んだのですが、
日常の延長のファンタジーで無理なく世界に入り込めました。
ショートでもそれぞれの世界観にずっと入れました。
個人的に飛行船の話が1番好きでした。
幻想の世界へ。
「白昼夢の森の少女」と「銀の船」が特に魅力的でした。
恒川先生の物語は、自分だったらどうするかと考えてしまいます。それも、絶対こうする!という答えが出せないところが悩ましいです。
いつもの日常にも、幻想の世界にも、同じだけの価値があると感じます。
Posted by ブクログ
あとがきに「デビュー以来、どこかの媒体で発表はしたものの、本には収まらずに埋もれていた作品」とありました。
とても短い話から、そこそこに長い話まで、10話の短編集です。
今回も、際限ない恒川さんの想像力のおかげで、次々と違う世界に連れて行かされ、振り回され驚き続け、そして終わる。あっという間に読んでしまいました。
私は、「銀の船」と「夕闇地蔵」が好きです。夕闇地蔵の地蔵助は、現実でいうところの視力の悪い少年。相手の形は、炎の形状で認識する。美醜の区別はつかない。ってとてもいいと思いませんか?私も大切なところだけが見える人間になりたいです。
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「古入道きたりて」「焼け野原コンテニュー」「白昼夢の森の少女」「銀の船」「平成最後の落とし穴」「布団窟」…
好きな短編ばかりだった。
ジャンルで言うとSFホラーだと思う。
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恐怖と哀しみがまじりあう、恒川光太郎を味わう短編集。
異才が10年の間に書き紡いだ、危うい魅力に満ちた11の白昼夢。人間の身体を侵食していく植物が町を覆い尽くしたその先とは(「白昼夢の森の少女」)。巨大な船に乗り込んだ者は、歳をとらず、時空を超えて永遠に旅をするという(「銀の船」)。この作家の想像力に限界は無い。恐怖と歓喜、自由と哀切―小説の魅力が詰まった傑作短編集。文庫書き下ろしの掌編「ある春の目隠し」も特別収録!
古入道きたりて
焼け野原コンテニュー
白昼夢の森の少女
銀の船
海辺の別荘で
オレンジボール
傀儡の路地
平成最後のおとしあな
布団窟
夕闇地蔵
ある春の目隠し
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『白昼夢の森の少女』がとっても気に入りました。
諸星大二郎の『生物都市』を思い出しました。
いずれも人間ではなくなっちゃうけど、なんだか幸せそうだなぁって思います。
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夜市の恒川光太郎さんの作品
夜市が好きならば間違いなく楽しめる
独特な恐ろしくも美しい様々な世界観の中で
少し不思議で少しゾッとするような物語が展開される
色々な種類の話が長さもバラバラで詰まった短編集なので
一つ一つ新鮮に楽しめました
Posted by ブクログ
【2025年44冊目】
ある日、私は蔦に飲み込まれた。そこから先は自我を保ちつつ、植物として生きている。同じように蔦に飲み込まれた人々の思いが伝わってくる。食欲も性欲も睡眠欲もない。夢の中で楽園にだって行くことができる。それでも「人間」は人間の尺度で私たちを同情し、罪を測ろうとするのだ――表題作を含む11の短編集。
友人に勧められた一冊。これぞ恒川光太郎ワールドと言いたくなるような、独特の世界観が展開される話ばかりで、めちゃくちゃ楽しんで読みました。
SFやファンタジーまではいかないけれど、どこか非日常な物語ばかりで小説の醍醐味だなと思える話が詰まっています。巻末に作者による簡単な説明が付与されているのもいい。
私は、「古入道きたりて」「白昼夢の森の少女」「銀の船」「傀儡の路地」「平成最後のおとしあな」が好きでした。
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不思議で怖い短編とショートショート。
とても現実離れした出来事なのにリアリティがあるのは、作中の世界で生きる人の見るものや感じ方、社会の対応に真実味があるからだと思う。
幽霊が出るわけでもないのに怖い。人ならぬ何かが人を襲う怖さや、人が人ならぬモノに成り果てる怖さ、今生きるところから離れる怖さ、色んな怖さと怖いけれど心惹かれる不思議さに魅入られてしまう。
特に白昼夢の森の少女は秀逸だと思った。
そうなりたいと思ってしまった。なってはいけないと作中で禁じられたから、諦めるけれど。
Posted by ブクログ
やっぱり恒川さんの小説大好き‼︎
この世界観がたまんないのよね。
幻想的で不思議な世界だけど、もしかしたら本当に存在してるのかもっ!と思ってしまうのよね。
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読み進めていくうちに不思議な感覚で異界にどんどん浸っていく。面白いのであっという間。怖くもあり、幻想的であり、不思議な世界観が広がっていてこれぞ恒川ワールド!
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作者独特の夢みてるようなフワフワ感が味わえる短編集。恒川作品を読んでる人にはBonus Trackみたいな本…かな?テーマが統一されてる訳では無いのでバラエティパックみたいな?私は楽しめました。
Posted by ブクログ
恒川光太郎さんらしい、夢の中にいるような不思議な感覚をもたらしてくれる作品集。
ファンタジーにも関わらず、どの物語も誰かの体験談を聞いているようで、リアリティがあるのが流石だと思った。短編とは思えないくらい満足感のある一冊。
「焼け野原コンティニュー」「銀の船」が特に好き。
Posted by ブクログ
これぞ恒川さん!という作品と、うーんという作品と織り混ざってる一冊。
私が好きなのは古入道きたりて、白昼夢の森の少女、銀の船、夕闇地蔵、ある春の目隠し
ある春の目隠しについては状況がドラマのように目に浮かぶしなんとも言えない読後感を感じた。
共通して言えるのはこの世界観と発想とその緻密な設定、さすがすぎます。これだからやめられない
Posted by ブクログ
幻想と奇想のなかに漂う独特の抒情。
人の生き方や罪、生と死、そして自由を時にブラックに、時に寓話的に映し出す恒川さんの魅力がつまった短編集です。
あとがきによると、様々な媒体で発表したものをとにかく一冊にまとめたものらしく、収録されている作品のバリエーションは、これまで読んだ恒川作品の中でも特に幅広く感じました。
個人的にこれまでの恒川さんらしさを感じたのは表題作の『白昼夢の森の少女』『銀の船』『夕闇地蔵』の三編。
突然現れた蔦によって町一体が絡め取られ、植物と一体化してしまった少女と人々の姿を描いた表題作『白昼夢の森の少女』
永遠に様々な時代を行き来する船に乗り込んだ少女を描く『銀の船』
普通の人とは違う世界の色を見る少年を描いた『夕闇地蔵』
いずれの短編にも感じるのは現実と地続きの異界。どこか超然とした冷静な語り口で紡がれる幻想や異質な風景。そして人間の業。
夢うつつのときに見る幻のような儚く美しい物語世界は、まさに“白昼夢”のように感じます。そうした世界の美しさのなかに垣間見える人間の業があまりに対照的で、
でも対照的なのにそれを無理なく物語の中に両立させているのが、恒川さんの作品の良さであり、独特の抒情につながっているのではないかと思います。
そうした恒川さんの魅力が存分に感じられる短編もあれば、それとはまた雰囲気の違う作品も数多く収録されています。
崩壊した世界で記憶を失った男を描いたロードノベル風の作品『焼野原コンティニュー』
鞠になってしまった少年を描いた掌編『オレンジボール』
人を自由に操る人形を抱えた謎の女“ドールジェンヌ”。彼女に憑かれた人々を描いた『傀儡の路地』などなど。
様々な媒体から集めたことだけあって、一読した当初は「恒川さんってこんな作品も書くのか」と意外にも思いましたが、読み終えてみるとどの作品にも恒川さんらしさを自分は感じました。それは読後感が似ているからかもしれません。
何か切ない気持ちになったり、懐かしい感情になったり。そして何かを問いかけられているような気持ちになったり。でもその問いかけの答えは作品からは見つからない。末答だからこその余韻が自分の心に引っ掛かり、作品をより味わい深くする。
様々な恒川ワールドが見られる一方で、その芯にあるものは変わらない。それを認識した作品でした。
Posted by ブクログ
この空気感が好き……どのお話もとても好き……(うっとり)
一貫したテーマもなく、時代もジャンルも長短もまちまちの短編集。どれもそれぞれに味があるのですが、個人的に特に好きだったものをピックアップして簡単に。
・古入道きたりて
ホラーと言えど怪異事態に怖さは感じず、夜の山の美しさに引き込まれる、全体的に切なく優しい一作。「古入道」は、ダイダラボッチみたいな存在なのかなぁ。そして和菓子がテーマのアンソロジーに収録されただけのことはあり、おはぎが無性に食べたくなりました(笑)
・白昼夢の森の少女
表題作。時間経過の長さといい、コミュニティの広がり方と言い、スケールはすさまじいのに、ひっそりと儚い印象を受けるこの感じ……恒川さんだなぁ。本当に「緑禍」などという現象が起きたら、作中にあるとおり、そこに加わりたいと切望する人が後を絶たないでしょうね。
・傀儡の路地
「都市伝説」めいた怪異に、主人公だけでなく、全国にも悩まされている人がいて、被害者の会を結成してしまうところがユニーク。そうか……あとになると自分でも理解できない「魔が差した」とか「気まぐれ」とか「思いつき」は、みんなドールジェンヌの仕業なんだな、と思うと、面白いような怖いような心持になりました。
Posted by ブクログ
壮大で幻想的なめくるめく世界が淡々と語られる恒川作品ばかり読みたい人にとっては、収録作品のいくつかはオチがないという点で肩透かしを喰らわされるものかもしれない。私は他人が見たとりとめのない悪夢の話を聞いたりするのが好きなので、そういうのが好きな人には楽しめるかもしれない。
いずれにせよ表題作は、他の作品のファンであればきっと気にいると思います。
Posted by ブクログ
表題の「白昼夢の森の少女」がよかった。現実では人間が植物に取り込まれたと、大変なことになっているのに、当の本人たちはどこか他人事のようで、自分と距離を置いて話していて、どこかふわふわしている。他の緑人と意識が繋がっており、1/1人はなく1/数千人の意識だからなのかと思うが、不思議な雰囲気。
「焼け野原コンティニュー」も印象に残る。プラズマドラゴンにより焼け野原になった世界で、主人公は記憶を失い甦る。当てもなく歩く中で出会う人、見たものから記憶を少しずつ思い出すが、また命を失い「コンティニュー」となる。なぜ記憶を失い甦るのか、これはいつまで続くのか、読み終わった後に虚しさが残る。
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(星2.5)読み返す価値があるなと思ったのは「焼け野原コンテニュー」「白昼夢の森の少女」「 夕闇地蔵」 くらい。最近恒川光太郎が全然面白くなくて懐疑の目を向けているので、1度「夜市」「草祭」を読み返して本当に自分が恒川光太郎が好きなのか、自分の感覚が学生時代と変わってしまったのか、恒川光太郎の作風が変わってしまったのか確かめる必要があるなと思っている。(化物園を読んだのですが面白かったです)
Posted by ブクログ
11の短編集。怖いまではいかないような不思議な話が多く、ときどきホラーが挟まる。
好みだったのは「銀の船」という未成年者だけ乗ることができる時空船の話。労働がなく歳を取らず病気にもならないなんて、乗船してしまう人が多いんじゃないかと思う。
この話のよいところは、船の主の暇つぶしで乗船者を増やしていると明かされるところ。地上での人生を捨ててきた者たちの覚悟に対してまったく見合わない、なんの意味もなくなんの救いもなくて良かった。この船に乗れたこと自体が十分救いになった者もいるかもしれないが。
全体で感じたのは作品内での時間の流れが早いこと。時はあっという間に過ぎていき無常ではあるが、すべては人間の物差しで進むのではないという感覚になって、大きな時の流れを感じて癒される。
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この人のいい意味で何だったんだろうと思わせる作品が詰まった本作
そんな中でも海辺の別荘で、傀儡の路地、夕闇地蔵
この三つはとっつきやすい気がして良きでした
とっつきやすさとにくさを併せ持ついい本です
Posted by ブクログ
表題作も良かったけど、特にお気に入りなのは「銀の船」。
特殊な世界のルールを作るのが上手いよなぁ。独自のゲームもやりたくなってしまう。
神様の気まぐれでたまに客に紛れてるくだりが良かった。オチも好き。
Posted by ブクログ
常川光太郎としては、内容もページ数も小粒な作品の集まった短編集だった。ホラーというよりSFよりの作品が多く面白かったが、永遠に埋もれてしまう可能性がある作品を集めて文庫化してくれたことが喜ばしい。
Posted by ブクログ
『夜市』を読んだとき、その妖しい光景が目の前に広がるようで魅了されました。本作の第1話『古入道きたりて』でそれを思い出し、1冊まるごと没入間違いなしだと思ったけれど、この第1話より気に入る話は最終話までついぞ出て来ず。ノスタルジーを感じるホラーというよりも、もう少し新しい印象を受けます。あとがきを見てみると、著者の意向のみで書いたというよりは、テーマを与えられて書いたものが多いよう。
『夜市』のほうが好きとはいうものの、やはりこの著者の文体には引き込まれます。昭和、平成、それぞれのキャッチフレーズを考える。
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2022年、3冊目は、恒川光太郎の編集モノ。単著未収録の短編、掌編、11編収録(3編は、アンソロジーで既読)。自分はランダムに読みススめました。
今回は、気になったモノを幾つか紹介。
白昼夢の森の少女:表題作。植物に侵食された少女の話。人と植物(樹木)との時間感覚、死生感の違い。
傀儡の路地:ドールジェンヌ、彼女が抱えた人形の言葉には、どんなに理不尽でも、抗うコトが出来ない。個人的感覚だが、ラストに向かい、主人公の切なさが増して行く。
銀の船:あらすじ割愛。コレは既読作で、もぅ5回以上再読してる、何度読んでも色褪せない大好物。恒川光太郎との出会いの一編、その思い入れも含めて。
ダーク・ファンタジー、SF、実話怪談等々、ヴァラエティーに富んでいるが、全体的な統一感はない。
★★★★☆評価と迷ったが、掌編
にあまり入り込めず、「『夜市』の次は
これを読め!」の帯叩きが納得いかず、★、-1。