恒川光太郎のレビュー一覧

  • 箱庭の巡礼者たち

    Posted by ブクログ

     八歳の夏、ぼくの住む町に百年に一度と呼ばれるような大雨が降り、母が行方不明になった。大雨の翌日、ぼくはがらくたの集まりの中に、妙な「箱」を見つける。数日後、気配がしてその箱を開けると、中には箱庭ができていた。鳥が飛び、熊のような動物が歩き、人間たちがみな生きて動いていた。その翌日、母の遺体が見つかった。その箱庭の中に、母に似ている人物を見つけた。いったいこの箱はなんなのだろう……。

     ということで本作は、五つのジャンルをゆるやかに越境していく短編とその間に挟み込まれた断片によって、やがて大きな広がりを見せていく連作短編集になっています。個人的に好きなのが、「箱の中の王国」と「短時間接着剤」

    0
    2026年03月03日
  • 幽民奇聞

    Posted by ブクログ

    若き民俗学者・鶯谷玄也は、鬼とも妖怪ともいわれる超常の集団「キ」の痕跡を追ううち、不可思議な物語と数奇な因縁を知り…。「鬼婆図探訪」など全4編を収録する連作集。

    恒川光太郎作品のうち本作はダークな色合いの作品。「キ」をめぐる数奇な因縁は、ややこじつけの感もあったけれどなかなか興味深く、中盤以降は一気読みした。恒川ワールド全開。
    (A)

    0
    2026年03月03日
  • 滅びの園

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    恒川ワールド、とても楽しかったです。
    自分が鈴上誠一だった場合、愛する妻子がいる状況だったらそうせざる得ないよなと思いました。
    最後、絶望を味わる際に言われた、鈴上さんと野夏さんが違うのは、地球の地獄を見たかどうかと言われ少し納得はしました。
    プーニー現象と昨今のコロナ禍が被るところがあり、想像の世界でとても楽しく読むことが出来た小説でした。
    恒川ワールド最高です。

    0
    2026年03月02日
  • 箱庭の巡礼者たち

    Posted by ブクログ

    受け継がれていく生命の物語

    この物語には、転生という表現だけでは括れない、生命の連鎖が描かれている。あとがきを書いた方も言っていたが、始まりは、何気ない日常のシーンだが、全く想像できないラストが待っており、途中途中も、突飛な展開があり、前の話とテイストが違うため最初戸惑うが読み進めていくうちにすぐに納得させられてしまう。
    「箱」から始まる物語だが、この作品はおもちゃ箱のようで、わくわくする展開にずっと引き込まれっぱなしだった。

    0
    2026年02月28日
  • 雷の季節の終わりに

    Posted by ブクログ

    ホラーらしいがダークファンタジーの長編小説。
    長編なのかあらすじで風わいわいとともに旅に出るのはわりと読み進めてである。
    丁寧に伏線を回収していくので展開が気になる。
    それに、描写がごちゃごちゃ書いていないからなのか頭に文章が通る。
    ダークファンタジーにRPG構成…夜市や風の古道も準拠する。
    謎が残るのだが、はっきりとしない余韻が心地よい。

    0
    2026年02月26日
  • 夜市

    Posted by ブクログ

    ホラーとファンタジーの良いとこ取り
    風の古道なんかに雰囲気似てるな〜と思いながら読んでたけど、千と千尋の神隠しだ!

    0
    2026年02月26日
  • スタープレイヤー

    Posted by ブクログ

    ありえない設定なのに、現実味を帯びて、読み進めるたびにハラハラドキドキ。休日の1日で読み切ってしまいました。
    久しぶりに引き込まれる本でした。
    読みたかった本が読めて良かった。

    0
    2026年02月22日
  • 幽民奇聞

    Posted by ブクログ

    久々恒川先生。
    勧善懲悪ものだった。
    自分たちのなかの仁義や正義に則って生きるキの人々。現代では滅んでしまったのが残念

    0
    2026年02月21日
  • それはそれはよく燃えた

    Posted by ブクログ

    たくさんの作家さんの作品が一度に楽しめる1冊
    最初の1行は全員一緒なのに、ゾッとしたり、考えさせられたり、驚いたり、意外な結末だったり…次は何が燃えてしまうんだろうと気になるし、短編集なのでサクサク読めた

    私が好きなのは『黄金の森の神様』『燃えろ恋ごころ』『怪物どもの棲家』『レヴナント』『人形供養』

    『忌物を燃やす』は鳥肌たったなぁ…

    0
    2026年02月21日
  • 幽民奇聞

    Posted by ブクログ

    恒川光太郎が戻ってきた。

    最近の作者はSFやファンタジーに趣向があり、初期作品の雰囲気は影を潜めていた。
    そんな中、『ジャガー・ワールド』に続けて世に出た本作は初期の恒川光太郎を想起させる物語だ。
    伝承や民族史を主題に、“日常の背後にある世界“が存分に描かれている。類似作品は『草祭』だろうか。
    この頃の作品も好きだが、あの頃の恒川光太郎を求めている人に是非手に取って欲しい。

    0
    2026年02月17日
  • 幽民奇聞

    Posted by ブクログ

    人の道を、ほんの少しだけ外れたところ。
    そこに立って、生きている人たちがいる。

    その人情と合理性のバランス。
    冷たくもあり、
    でも、どこか優しい。
    これが、作者の通奏低音なのだと思う。

    舞台は、明治だったり、
    西洋だったり、
    現代だったりするけれど、
    今回は「和もの」。

    代表作の『夜市』と、
    どこか同じ匂いがする。

    暗くて、怪しくて、
    でも、ただ怖いだけじゃない。
    その世界を描くのが、
    この作者は、ほんとうに上手い。

    たぶん、主人公が子どもであることが多いからだろう。

    低い視線。
    夜は、大人よりも、ずっと大きい。

    提灯の明かりも、
    路地の影も、
    世界のほうが、子どもを包み込んでし

    0
    2026年02月17日
  • 幽民奇聞

    Posted by ブクログ

    よくある「影の人々」もの、といえばそうなんだけど、設定もよくある感じだけど、ひとりひとりの関係性や心持ちや情景が積み重なってとても厚みのある物語だった。奇抜じゃないのがむしろ良くて、長い旅の夢を見てたみたいだった。

    0
    2026年02月16日
  • 幽民奇聞

    Posted by ブクログ

     美術商の武田は幕末の生まれで去年死去した画家の遺した絵を検分するために、その邸宅へと向かうことになった。その武田に同行する男がいた。彼は鶯谷玄也。民俗学者をしている彼は、明治の中頃までは確かにいた存在である〈キ〉について調べているらしい。〈キ〉は鬼とは違っていて、また妖怪の類ともすこし趣きが違うみたいで……。

     縁はどこにでもあって、そして思いもよらない場所でも繋がっている。一読して、まず言葉が頭に浮かびました。謎めいた存在である〈キ〉を巡って展開される物語は、ときおり壮絶で血腥い光景を浮かび上がらせながらも、つねにどこか切ない余韻があるのが印象的でした。去年の末頃に出版された同著者の『ジ

    0
    2026年02月12日
  • ジャガー・ワールド

    Posted by ブクログ

    国が終わる瞬間、宗教が始まる瞬間に立ち会えた感覚。
    生贄を捧げるという祭儀自体をやめることが野蛮なことと言われる世界。
    視点が変わるごとにそれぞれの登場人物が好きになる。

    0
    2026年02月09日
  • 真夜中のたずねびと(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    大好きな恒川さん作品!!こ、こわーー!!!!こわい!!!!ちょっとメタバース的な?緩やかに繋がっている世界線の人たちの話で、それぞれ短編なんだけど、さまよえる絵描きが、森へっていう話がこわすぎた。『…かもしれませんね』みたいな余韻あると、読み手がどう捉えるかで幽霊系ともサスペンス系ともとれて恐怖のジャンルが変わるのがやばい(語彙力)し、どれだとしても結局怖い。夜に読むな、トイレ行けなくなる。それと、見たらいけないものがそこにありそうな予感とか緊張感を描くのがうますぎる。まじで。でもこういうこわさを表現する作家がわたしはほんとうに好きです!!!!

    0
    2026年02月06日
  • 幽民奇聞

    Posted by ブクログ

    この本は個人的に夜市に匹敵する程最高の1冊でした。文章、言葉選び、ストーリー、全てが良すぎた上に最後の最後でやってくれます。切なさと、どこか闇が残る素晴らしい作品。

    0
    2026年02月03日
  • 滅びの園

    Posted by ブクログ

    恒川先生初読み。

    異世界や異生物が登場するSF小説。時に前置きなく世界観が提示されるため、すぐ物語に引きこまれた。
    個人的に世界観の説明や理屈がないのは読みやすくて嬉しい点でしたが、気になる人もいるかな?

    物語の命題は自分の人生と自分以外の人生、どちらを優先すべきか、というなかなかシビアなもので、最後までどちらになるのか、ハラハラしながらの読書。面白い小説でした。

    0
    2026年02月02日
  • 幽民奇聞

    Posted by ブクログ

    『風の古道』や『金色機械』など、これまでの恒川先生の作品を思い出す話だった。でも、新しい。
    ユーモアと殺伐さと感動が入り混じっていて、一言では言い表せない読後感だった。

    0
    2026年02月01日
  • 化物園

    Posted by ブクログ

    恒川氏の小説のエッセンスが詰まっており、洗練された内容のイメージである。それぞれの短編は国、地域、時代が異なるが、最後まで読むと繋がっていることがわかる。本のタイトルは充分に検討された結果だと思うが、違ったタイトルの方が良かったように思う。

    0
    2026年01月28日
  • スタープレイヤー

    Posted by ブクログ

    異世界転生…というより異世界転送モノの小説ってあったんですね…異世界転生ものは都合が良すぎてあんまり読んでこなかったけど、これは現実的なこととの塩梅が丁度良くて面白かった。

    オープンワールドのチャット付きのゲームやってる気分にもなる。

    0
    2026年01月24日