恒川光太郎のレビュー一覧

  • 無貌の神

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    ネタバレ

     過剰に飾り立てることのない平易な言葉で、淡々と行を変えていく短い文章で、ぞくりと背筋が寒くなる独特の雰囲気を出すのが恒川さんの本領だなぁ、と。恒川さんの短編集らしい短編集だなぁ、と、ご満悦になれる読み心地でした。

     表題作「無貌の神」は、その世界の物を食べたら帰れなくなる、超常的存在を殺めた者がその役目を引き継ぐなど、題材として目新しいものではないのですが、寂れた集落に漂う空虚感が空恐ろしい。
     「青天狗の乱」は、怪奇の大部分が人づてに聞いた話をまとめたものという点と、「怪奇ではなく、全ては作られたものかもしれない」という可能性を残しているという点で、他とは少々異なる趣。
     個人的に今巻で

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    2020年06月24日
  • 無貌の神

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    面白かったです。短いけど世界観が凄くて引き込まれました。もっとホラーかと思ってたけどそんな事はなく、民俗伝承、時代劇、SF、童話的な話まで多彩で、幻想的な短編集です。色々な話があるので作品ごとに評価はわかれるけど、死神と旅する女、カイムルとラートリーが良かった。廃墟団地の風人、カイムル〜はハードではあるけどどこか牧歌的な雰囲気で似た作品があれば読みたいな、恒川さんの他の作品も読んでみます。

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    2020年06月12日
  • 無貌の神

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    今回はほぼ暗黒童話。最後の話がほんのり明るい。巻末の解説がベタ褒めだがわかりやすかった。イア!イア!

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    2020年06月10日
  • 金色機械

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    ネタバレ

    おもしろかった。その一言に尽きる。

    この方の作品は初めてだったので、先入観がなかったのもよかったのかも。とにかく、文体が読みやすい。人間の業に迫るような内容なので、決して軽くないはずなんだけど、なんだろ、かるい。いい意味で。軽やか。登場人物が多く、それぞれの物語が時系列もバラバラに切り替わって、混乱するかと思いきや全くそんなことなかった。とにかく先が読みたくてどんどんページをめくってしまった。この感覚久しぶり!純粋に楽しめた。

    第67回日本推理作家協会賞受賞作だそうですが、推理小説とは思えなかった。時代小説とも違う。SFといえばそうだけどちょっと違う。すこしふしぎ小説とでもいえばいいのか?

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    2020年05月24日
  • 無貌の神

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    ホラーというよりファンタジー。粒揃いの6編ですが、中でも「死神と旅する女」と「カイムルとラートリー」が気に入りました。

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    2020年05月10日
  • 無貌の神

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    本作品の白眉は『死神と旅する女』
    謎の男達に殺されそうになる女の子?
    度胸という性格で助かるものの謎の男と旅する事に?

    まぁ好みだと思います。



    何故か恒川氏の初期の作品を思い出しました。



    表紙が何故か豪華に見えるのは私だけでしょうか?

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    2020年05月06日
  • 金色機械

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    ネタバレ

    江戸時代を舞台としたSFファンタジー。
    バラバラの時間軸と登場人物がつながると
    切ない物語に仕上がる。
    読後はお祭りが終わってしまったような
    寂しい気持ちに。
    時代物は苦手ですが、問題なく読めます。
    抜群に面白いエンターテインメントです。

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    2020年05月04日
  • 金色の獣、彼方に向かう

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    ハズレなし作家、恒川光太郎の「金色の獣、彼方に向かう」を読んだ。黄金の鼬を中心にした短編集。やはり、面白く、ザワザワとする怖さがあった。次がすぐに読みたくなる希少な作家だ。

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    2020年01月20日
  • 竜が最後に帰る場所

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    ネタバレ

    現実を生きながら、ふと幻想に足を踏み入れるような短編集。

    すぐそこに広がっているかもしれない知らない世界に想いを馳せ、胸をときめかせたり恐怖に怯えたりする。本の中でそういう体験ができるのは幸せなことだ。不思議な満足感の中読み終えた。
    特に「夜行の冬」が好みだった。歩かなくてはならないから歩いているなんて、まるで人生のようだ。

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    2019年12月27日
  • 異神千夜

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    ネタバレ

     4つのお話からなる物語。
     ある場所において言い伝えられている伝説や伝承といった類のものは、もしかしたら本当に昔は存在していた何かから起こったものなのかもしれないというような感覚。
     内容は全く違うが、米澤穂信著「リカーシブル」を思い出した。
     不穏なだけでも神秘的なだけでもない、歴史においてごく当たり前に存在していた金色の獣の話。面白かった。

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    2019年06月30日
  • 雷の季節の終わりに

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    筆者の得意な別世界と現実の話。
    ホラー感は薄いが不思議なファンタジーで、読みやすく面白い。
    最近立て続けに筆者の小説を読んだがはずれはなかった。

    賢也はこれからどんな日常を送るのだろうか…

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    2019年04月23日
  • 雷の季節の終わりに

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    ネタバレ

     冬と春の間に神の季節である雷季が存在し、現実世界とはずれた場所にある地図にも載っていない「穏」という場所。情緒豊かな田舎でありながら、秘匿された土地であるが故の闇を孕んでいて、世界観に浸れた。
     雷の季節に姉を失い「風わいわい」に憑かれた賢也が闇番と打ち解け、夜な夜な「墓町」に通うところは、ちょっぴり悪いことをしているようで、同時に他人に誇れるような秘密で、冒険心をくすぐられた。
     正当防衛としてナギヒサを刺殺してしまった賢也が「穏」を追われて物語は茜という少女視点に移る。二人の関係性は、分かりやすく仄めかされていたが「雷の季節に攫われた姉」という部分が謎として残り続けたので楽しめた。
     現

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    2019年04月01日
  • 金色の獣、彼方に向かう

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    久々に読んだ恒川作品は、やはり面白かった。ホラーという枠内に収まらない爽やかさや切なさ。でも怖くもある。そしてそれが両立するものだと思い知らされる。

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    2019年03月16日
  • 金色機械

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    恒川光太郎さんには珍しい長編小説。
    おとぎ話や昔話はこうしてできるのかも、と思わされる物語でした。SFと時代小説が違和感なく一つのものになってて素晴らしかったです。

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    2019年03月04日
  • 金色機械

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    こちらもクリスマスに友達からプレゼントで頂いた本の1冊です。

    私がSF好きなの知ってて送ってくれたのだけど、こちらはSFと言うよりなんか時代SFファンタジー活劇って感じのお話でした。

    恒川光太郎さんの小説で時代物で、漢字の名前が多く最初はなかなか入り込みにくかったのですが、読んでいくうちに金色様って言う完全無垢の存在や、それを取り巻く一族の運命と定めの中で、沢山の登場人物の繋がりや生き様が、物語の時間を前後しながら解き明かされていく様に、ついつい引き込まれてしまいました。

    よく読んでないと、登場人物の繋がりがわからなくなりそうなので、何度も頁を戻って確認する事が多かったですw

    金色

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    2018年09月15日
  • 異神千夜

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    異世界続きw
    短編4つ。

    最後のだけ読んだことあった・・・と思ってたら、『金色の獣、彼方に向かう』の改題だった・・・ってことは再読じゃん!?

    覚えてないワタシってどうよ?大丈夫か?(^_^;)

    以前読んだ時の感想は・・・期待外れだったらしいw
    今回はそうでもなかったな。
    やっぱ、夏と異世界は合うのかも?w

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    2018年07月22日
  • 猫ミス!

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    猫が出てくるアンソロジー。どれも良かった。全部猫目線かと思ったらほとんどが人間目線。「オッドアイ」の少年二人が爽やかでよかった。死んだ猫の目の色を確かめるのがお話のポイントだけど、白猫のオッドアイの確率は高いと思うのでどうなんだろ。

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    2018年04月16日
  • 猫ミス!

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    猫が絡んだミステリー集。小松エメルの「一心同体」が面白かったかな。秋吉理香子の「呪い」はオチが予想できるけど、それでもじわりと来るイヤミス。さすがですね。

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    2017年11月29日
  • 猫ミス!

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    猫とミステリーの相性がいいのはその内面が謎に満ちている(何考えてるかわからん)からではないでしょうか。
    アンソロジーなのでどれもミステリーとしては薄味ですが、ストーリーに猫である必然性が(ある程度は)あるので、猫小説としては全然ありでしょう。
    でも恒川氏の『猫どろぼう猫』はホラーです。すげー浮いてる。怖い。
    あと、表紙がダサい。

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    2017年10月21日
  • 走る?

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    14人の新進気鋭の作家たちが、Number Doに寄稿した「走ること」に関する短編集。走る気になる作と、ならない作があるが、作家さんたちがランナーという訳ではないので仕方ない。でも、その著者なりの「走る」ということの考え方がなんとなくわかり面白かった。

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    2017年09月17日