恒川光太郎のレビュー一覧

  • 金色機械
    異次元に連れて行かれてしまう作家No1との誉れも高いですが、この本もまさに別の世界に連れ出されてしまう本であります。
    江戸時代なのに金色のロボットと思われる物体が重要人物(物質?)となっています。なかなか無い展開で戸惑いますが、滑らかに物語に入って行けます。
    謎の金色様を巡って展開する超展開の江戸時...続きを読む
  • 無貌の神
    裏表紙にも書いてあるように「暗黒童話」という言葉があってる。
    「死神と旅する女」が一番好きでした。

    気づいたらその世界に入り込んだような感覚で読めるのは恒川さんだけだなぁと思った。
  • スタープレイヤー
    34歳の冴えないバツイチ女性が主人公っていうのに、驚きと親近感(年齢が近いので…笑)を持って一気に引き込まれた。
    作者の本は初めて読んだが、ホラー、ミステリ作家らしいという前情報を頭に入れて。
    前半の主人公の心情の動きや、スターの使い方のリアルな描写に、彼の別のホラー作品も読んでみたいと思った。
    ...続きを読む
  • 秋の牢獄
    読みやすい本だった。自分が知らないだけで、もしかしたらこうゆう体験をしている人がいるかもしれないというゾワッ感がある。
  • 無貌の神

    恒川光太郎の世界観

    夜市を読んでからずっと恒川光太郎という作家が気になっていました。この本も面白いけど、夜市が星5つだとすると、こちらは4つかな。でも、独特の世界観に魅了されます。
  • ヘブンメイカー
    ある日突然見知らぬ土地に呼び出された人々。そこには誰も住んでいない新しい街があった。誰が作ったのか?自分たちはなぜそこにいるのか?
    開拓しながら街を発展させつつ、その謎に迫っていく。
    1作目のスタープレイヤーで描かれなかった呼び出された側の状況や心情も詳細に書いてありこちらも楽しく読めた。私も一緒に...続きを読む
  • 竜が最後に帰る場所
    この人独特の世界観が好きな人にはたまらない。 ホラー感が微塵も感じず、ファンタジーと言うか幻想を上手く文章にした感じ。 この作家はいつも残酷なシチュエーションを誇大せず淡々と何時でも誰にでも起こりうと思わせる感じで描く所ががとても共感が持てる。 京極夏彦や村上春樹にも通じる心地いいマンネリ感。
  • 金色機械
    雰囲気のある短編を多く創っている著者、がっつりした長編は初めて読んだが、とても読み応えがあった。
    敢えて取っ散らかる形で書かれていた時空が終盤に向けて収斂していく様は、美しくさえある。

    作品全体に関しては、通底する大きなテーマ、のようなものが感じられなかったのが少し残念。
    高い構成力を備え、リーダ...続きを読む
  • 無貌の神
    たんたんした短い文章で世界を作り出す恒川さん。表題作はこれぞ、という世界観。全体的にいい意味で裏切られた。
  • 金色の獣、彼方に向かう
    「異神千夜」「風天孔参り」「森の神、夢に還る」「金色の獣、彼方に向かう」の4編。
    元寇を舞台にした「異神千夜」で巫術師の女が連れて来た神の使いの鼬。そしてサンカになったと思われる異国人たち。それが残り三編に繋がって行くようです。もっとも繋がりは弱く、それぞれ独立した短編です。

    結局、恒川さんの最大...続きを読む
  • 月夜の島渡り
    珍しい、沖縄を舞台にしたホラー。
    沖縄の自然、精神性、夜、方言…
    沖縄という舞台でしか醸成できない、ぬるくて畏怖の念を覚える空気感を、各短編ごとに、見事に描いていた。
  • スタープレイヤー
    ファンタジーなんだけど、妙にリアルな感じがする話。むしろリアルが入り込むことで超次元的な力が引き立つのかな?

    主人公の心の成長という部分で、過去の回想は必要なんだろうけど、ちょっと長いなという感じ。
    ただ、ラナログの話もだけど、いろんな世界を行ったり来たりしながらというか、多視点的に読めるのは、フ...続きを読む
  • 金色機械
    「きんいろきかい」と読む。
    この本を読むときは、じっくりと腰を落ち着けて、その世界にどっぷりとはまりながら読むのがよい。


    江戸時代。

    人が生まれ、死んでいく。
    人生の糸が複雑に絡み合い、結ばれ、断ち切られ、生と死を繰り返しながら歳月が流れ、やがてそれが新しい世を造る。

    生命というものを持たな...続きを読む
  • 雷の季節の終わりに
    現世から隔離された隠れ里「穏」に暮らす少年が、とある秘密を知ったことで穏を追われ、少年に取り憑く「風わいわい」と共に旅に出る。
    やはり恒川さんが描く異界は憧れを抱くほどに美しく魅力的!
    とにかく一つ一つの設定やディティールの発想力に惚れ惚れする。
    この不思議でたおやかな世界観にいつまでも浸っていたく...続きを読む
  • スタープレイヤー
    他の方もおっしゃってますが、
    れいわ にびびりました。さすが恒川さん

    普通に面白いですいいないいな
  • 無貌の神
     過剰に飾り立てることのない平易な言葉で、淡々と行を変えていく短い文章で、ぞくりと背筋が寒くなる独特の雰囲気を出すのが恒川さんの本領だなぁ、と。恒川さんの短編集らしい短編集だなぁ、と、ご満悦になれる読み心地でした。

     表題作「無貌の神」は、その世界の物を食べたら帰れなくなる、超常的存在を殺めた者が...続きを読む
  • 無貌の神
    面白かったです。短いけど世界観が凄くて引き込まれました。もっとホラーかと思ってたけどそんな事はなく、民俗伝承、時代劇、SF、童話的な話まで多彩で、幻想的な短編集です。色々な話があるので作品ごとに評価はわかれるけど、死神と旅する女、カイムルとラートリーが良かった。廃墟団地の風人、カイムル〜はハードでは...続きを読む
  • 無貌の神
    今回はほぼ暗黒童話。最後の話がほんのり明るい。巻末の解説がベタ褒めだがわかりやすかった。イア!イア!
  • 金色機械
    おもしろかった。その一言に尽きる。

    この方の作品は初めてだったので、先入観がなかったのもよかったのかも。とにかく、文体が読みやすい。人間の業に迫るような内容なので、決して軽くないはずなんだけど、なんだろ、かるい。いい意味で。軽やか。登場人物が多く、それぞれの物語が時系列もバラバラに切り替わって、混...続きを読む
  • 無貌の神
    ホラーというよりファンタジー。粒揃いの6編ですが、中でも「死神と旅する女」と「カイムルとラートリー」が気に入りました。