恒川光太郎のレビュー一覧
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ネタバレ・猫どろぼう猫
化物園はこういう雰囲気という自己紹介的な作品だと感じた。短い物語ながら伏線も回収されて快感だった。
・窮鼠の旅
ケシヨウは関係ないのだがホームレスを飼いならして一緒に自殺しようとしたが結局1人で自殺した女が不思議すぎる。最期ケシヨウに立ち向かうかの様に終わったが彼はどうなったのだろうか…窮鼠猫を噛むとも言うが果たして…
・十字路の蛇
一番好き。十字路の彼が誰なのか、単に浮浪者なのかなのか、味方なのか敵なのか、ほれが明かされていく過程が気持ち良く、部外者ヅラしていた主人公が突然舞台に上げられる様は読んでいて驚きとともに爽快感があった。
・風のない夕暮れ、狐たちと
完成度が高すぎてこれを単体で出しても賞賛されそうだなと思った。化物園は総じて物語の回収が見事。この作品も最終的に女が欲に目が眩んでしまうのも、久多可が妖であると示唆されるのも読んでいて気持ち良い。
・胡乱の山犬
幼い時の悲惨な性体験のせいで、性を感じず力で優位に立てる幼子にしか興味が持てない人というのは実際に居そうだと思った。そして昔の倫理観であればこういった話も実在したのではないかと思ってしまった。そしてケシヨウの正体はこの幼子なのではないかと思う。
・日陰の鳥
この作品だけ書き下ろしということもあってか特筆するようなことはなかった。
・音楽の子供たち
この作品の中で唯一西洋ファンタジーぽい作品。「術理はなに?」で建物であったりピアノなどの道具であったりが開放されていくのは面白い。そして人に術理がかけられているのではないかなどホラーの様な要素もありとても良かった(そこは深堀されなかったが…)その気になればもっと長編で書けそうであるし見たいと思った。 -
Posted by ブクログ
【2025年44冊目】
ある日、私は蔦に飲み込まれた。そこから先は自我を保ちつつ、植物として生きている。同じように蔦に飲み込まれた人々の思いが伝わってくる。食欲も性欲も睡眠欲もない。夢の中で楽園にだって行くことができる。それでも「人間」は人間の尺度で私たちを同情し、罪を測ろうとするのだ――表題作を含む11の短編集。
友人に勧められた一冊。これぞ恒川光太郎ワールドと言いたくなるような、独特の世界観が展開される話ばかりで、めちゃくちゃ楽しんで読みました。
SFやファンタジーまではいかないけれど、どこか非日常な物語ばかりで小説の醍醐味だなと思える話が詰まっています。巻末に作者による簡単な説明が付与されているのもいい。
私は、「古入道きたりて」「白昼夢の森の少女」「銀の船」「傀儡の路地」「平成最後のおとしあな」が好きでした。 -
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2014年第67回日本推理作家協会賞
この作品は、犯人を推理する小説ではないんです
そして、読み始めてこれは土瓶さんの好きなタイプだと思いました
複雑で濃いんです
私は浅はかにも移動のお供にしてしまい
7割は読んでいた状況だったのですが
混乱してしまい、邪道に年代順に読み直しました
決してマネしないでください
全十章からなるこの小説は
各章年代が明確に表示されながら
物語は年代順に進んでないのです
これは作家さんの思惑通り読み進め
最後に200年ほどの江戸時代ファンタジーを
読み解くところに醍醐味があるのだと思います
今まで読んだ恒川さんの古民家ホラーの
“古民家”の時代
まだ夜は闇の時代
山里には秘密があり
異形の金色機械金色様は、もはやムーンから
もしや近代日本以前には
このファンタジーは真実と紙一重だったのかもしれません
金色様をめぐる禍ではなく
人の禍の結末を金色様が見届けたのではと -
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解説にもあったが、人間社会からどんどん離れていくように物語が並べられている。
故に、人間社会のドロドロや、人間関係の胸糞さから、順に解放されていくので、読後感は結構良い。(恒川作品は虐待やイジメやらの描写がわりとキツイ…)
人間社会は弱い者でもひとまず生きられる。しかし、そのかわりに弱い者には過酷で残酷な生を強いられる。
一方、獣?の世界は弱肉強食、過酷な自然と戦わねばならないが、人間のような弱者に向けられるドロドロした悪意や敵意はない。
どちらが幸せというわけではなく、そういうものだろうけれど、獣の世界はやはり強い。
「鸚鵡幻想曲」ではそういう人でない(なくなった)モノのしたたかさ、本当に弱者に向けられる目があって、一番読後感が良かった。
(世界観的には「夜行の冬」が良いのだが、あれは人間世界の酷薄さが一番滲み出ているので…) -
Posted by ブクログ
ネタバレ登場人物一人一人に魅力があり、とても引き込まれる文章だった。一気読みした。
特に、鈴上がプーニの核の部分に作り出された幻想世界おおまつり群で、そこの住人たちと仲良くなり、どんどん生活に溶け込んでいく様子が面白かった。また、人間対プーニ戦では、地球側の人間からみた幻想世界での様子(魔物たちが襲ってくる、核を壊さないと地球がダメになる、人がたくさん死んでいる)と、おおまつり群側の人々にとっての様子(街の住人が少しずつ行方不明、魔物(突入者)が強くなってきた)などの対比があり、どちらにも感情移入してしまう。鈴上の自分のおおまつり群(幻想世界)を守りたいという気持ちも分からなくもないが、その幻想のせいで、地球ではたくさんの人が死んでいるしなあ、、って感じ。てかそもそも、プーニってなんだったん。