恒川光太郎のレビュー一覧

  • 金色の獣、彼方に向かう

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    「異神千夜」「風天孔参り」「森の神、夢に還る」「金色の獣、彼方に向かう」の4編。
    元寇を舞台にした「異神千夜」で巫術師の女が連れて来た神の使いの鼬。そしてサンカになったと思われる異国人たち。それが残り三編に繋がって行くようです。もっとも繋がりは弱く、それぞれ独立した短編です。

    結局、恒川さんの最大の魅力は異世界を作りだす能力ですね。
    美しく、切なく、もの哀しく、どこか胸がうずくような世界。
    それが、時にSFっぽい『金色機械』だったり、ノスタルジックな本作や『夜市』だったり、色々とあるのですが。
    物語を描くためにそれに合った舞台を準備するのが普通な気がしますが、恒川さんの作品は舞台=異世界を完

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    2020年09月22日
  • 月夜の島渡り

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    珍しい、沖縄を舞台にしたホラー。
    沖縄の自然、精神性、夜、方言…
    沖縄という舞台でしか醸成できない、ぬるくて畏怖の念を覚える空気感を、各短編ごとに、見事に描いていた。

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    2020年09月08日
  • 金色機械

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    「きんいろきかい」と読む。
    この本を読むときは、じっくりと腰を落ち着けて、その世界にどっぷりとはまりながら読むのがよい。


    江戸時代。

    人が生まれ、死んでいく。
    人生の糸が複雑に絡み合い、結ばれ、断ち切られ、生と死を繰り返しながら歳月が流れ、やがてそれが新しい世を造る。

    生命というものを持たない金色様は、昔、月からやってきたそうだ。外見は(おそらく)C3POのようで、チャーミングなところもあり、でもとても身軽でとても強い。金色様はこの世の移り変わりを、様々な人に常に寄り添いながら見守ってきた。

    この物語は、手で触れただけでそのものの命を奪うことができるという不思議な力を持つ遙香という女

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    2020年08月13日
  • 無貌の神

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    ネタバレ

     過剰に飾り立てることのない平易な言葉で、淡々と行を変えていく短い文章で、ぞくりと背筋が寒くなる独特の雰囲気を出すのが恒川さんの本領だなぁ、と。恒川さんの短編集らしい短編集だなぁ、と、ご満悦になれる読み心地でした。

     表題作「無貌の神」は、その世界の物を食べたら帰れなくなる、超常的存在を殺めた者がその役目を引き継ぐなど、題材として目新しいものではないのですが、寂れた集落に漂う空虚感が空恐ろしい。
     「青天狗の乱」は、怪奇の大部分が人づてに聞いた話をまとめたものという点と、「怪奇ではなく、全ては作られたものかもしれない」という可能性を残しているという点で、他とは少々異なる趣。
     個人的に今巻で

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    2020年06月24日
  • 金色機械

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    ネタバレ

    おもしろかった。その一言に尽きる。

    この方の作品は初めてだったので、先入観がなかったのもよかったのかも。とにかく、文体が読みやすい。人間の業に迫るような内容なので、決して軽くないはずなんだけど、なんだろ、かるい。いい意味で。軽やか。登場人物が多く、それぞれの物語が時系列もバラバラに切り替わって、混乱するかと思いきや全くそんなことなかった。とにかく先が読みたくてどんどんページをめくってしまった。この感覚久しぶり!純粋に楽しめた。

    第67回日本推理作家協会賞受賞作だそうですが、推理小説とは思えなかった。時代小説とも違う。SFといえばそうだけどちょっと違う。すこしふしぎ小説とでもいえばいいのか?

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    2020年05月24日
  • 金色機械

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    ネタバレ

    江戸時代を舞台としたSFファンタジー。
    バラバラの時間軸と登場人物がつながると
    切ない物語に仕上がる。
    読後はお祭りが終わってしまったような
    寂しい気持ちに。
    時代物は苦手ですが、問題なく読めます。
    抜群に面白いエンターテインメントです。

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    2020年05月04日
  • ヘブンメイカー

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    大変面白かった。
    人間はどこまでいっても欲深い。どんな力を獲得しても、それを止めることはできない。
    コロナ禍の今もそれは顕になっている。

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    2020年04月22日
  • ヘブンメイカー

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    今はやりの異世界転生ものに似て非なる本。
    ラストのどんでん返しはちょっと良かった。
    途中の恋物語はなるべくしてなったが、彼女はなんとなく嫌い。

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    2020年03月13日
  • 月夜の島渡り

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    沖縄を舞台にしたホラー小説。

    じめっとして暑い雰囲気があります。

    恒川氏の小説は夜市が代表作として挙げられることが多いですが、ホラーの雰囲気としてはこの本の方が好きです。

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    2020年02月20日
  • 金色機械

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    ネタバレ

    読むのに時間がかかった、物語の流れが緩やかだとつい雑念が入り込んでしまう、それはそれでいいのだが。
    柔らかい美しい文体で野生的な盗賊たちの生活が描かれているが「金色様」は何か異界の夢物語めいていた。

    恒川さんの、現実から幻想的な世界に滑り込んでいく物語が好きで読んでいるが、長編は初めてで少し勝手が違った。
    時系列どおりに進むのではなくて登場人物が現れるごとに、それが生きてきた過去から話が進む。時間の往来があってから、現在に合流する。

    全編を通して恒川ワールドの雰囲気が続いていく。
    はみ出し物の盗賊たちは殺しもやれば子どもの誘拐もする、情け容赦のない場面もあるが、それも全て絵物語のようで、続

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    2020年01月20日
  • 金色の獣、彼方に向かう

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    ハズレなし作家、恒川光太郎の「金色の獣、彼方に向かう」を読んだ。黄金の鼬を中心にした短編集。やはり、面白く、ザワザワとする怖さがあった。次がすぐに読みたくなる希少な作家だ。

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    2020年01月20日
  • ヘブンメイカー

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    欲の無い人間はいない。
    それが本能的なものなのか、自分の中にあるものなのか、外にあるものなのか。
    それぞれ意図は違えど欲には変わりない。
    欲は強い。
    個人が願う細やかな欲でもバタフライ効果が起こるのだから、よっぽど慎重であるべきだ。
    が、欲は暴走しがちだ。
    誰もが全員満足する願いは無い。
    だからこそ、協力や努力という過程が必要。
    結果を得たければ、面倒事は避けて通れない。
    改めて考えるきっかけをもらえた。
    面白かった。

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    2019年12月14日
  • 異神千夜

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    ネタバレ

     4つのお話からなる物語。
     ある場所において言い伝えられている伝説や伝承といった類のものは、もしかしたら本当に昔は存在していた何かから起こったものなのかもしれないというような感覚。
     内容は全く違うが、米澤穂信著「リカーシブル」を思い出した。
     不穏なだけでも神秘的なだけでもない、歴史においてごく当たり前に存在していた金色の獣の話。面白かった。

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    2019年06月30日
  • 金色の獣、彼方に向かう

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    久々に読んだ恒川作品は、やはり面白かった。ホラーという枠内に収まらない爽やかさや切なさ。でも怖くもある。そしてそれが両立するものだと思い知らされる。

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    2019年03月16日
  • ヘブンメイカー

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    ネタバレ

     あらすじだけを見ると、いかにも使い古された陳腐なこの設定を、ここまで込み入って深い話に昇華出来るのが流石の一言。ただの冒険とは違う、「開拓」ファンタジーというワクワクした要素も持ちつつ、要所要所では恒川さんらしい、幻想ホラーのうすら寒いような怖さが滲みます。
     「スタープレイヤー」視点に一貫していた第一作目とは違い、今回は「呼び出された人」や「最初からこの世界にいる人」の視線でも話が展開され、それらが終盤にはきっちりと一つの話に集約されていくので、それがまた新鮮でした。
     このシリーズの楽しみの一つが、「何でもできる」登場人物たちが願いを叶える時のアイデアや工夫。今回ならば願いの保険や条件付

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    2018年12月21日
  • 月夜の島渡り

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    今回は全て沖縄でのお話し。
    沖縄も京都とは違う異世界への入口がそこかしこに
    さりげなく口を開けてるって感じがしてます
    その期待を十分すぎる程に淡々と時に優しく
    時に不気味に 時に理不尽に異界へと誘います。
    これが好きなんですよぉ~
    7つの不思議なお話です。
    「クームン」と「私はフーイー」がお気に入りです。

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    2018年11月03日
  • 異神千夜

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    異世界続きw
    短編4つ。

    最後のだけ読んだことあった・・・と思ってたら、『金色の獣、彼方に向かう』の改題だった・・・ってことは再読じゃん!?

    覚えてないワタシってどうよ?大丈夫か?(^_^;)

    以前読んだ時の感想は・・・期待外れだったらしいw
    今回はそうでもなかったな。
    やっぱ、夏と異世界は合うのかも?w

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    2018年07月22日
  • 猫ミス!

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    猫が出てくるアンソロジー。どれも良かった。全部猫目線かと思ったらほとんどが人間目線。「オッドアイ」の少年二人が爽やかでよかった。死んだ猫の目の色を確かめるのがお話のポイントだけど、白猫のオッドアイの確率は高いと思うのでどうなんだろ。

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    2018年04月16日
  • ヘブンメイカー

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    スタープレイヤーの続編を期待して読んだら時間を遡っていた。スタープレイヤーよりも昔の話。一瞬だけ期待外れの感じがあったような気がしたかと思えば、一作目同様すぐにお話の中に引き込まれた。前回も今回も、導入はあんまり盛り上がらないけど、最終的には、あぁ面白かった、という読後感になるのが不思議。まだまだ続くと良いのだけれど。
    180217

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    2018年02月19日
  • 猫ミス!

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    猫が絡んだミステリー集。小松エメルの「一心同体」が面白かったかな。秋吉理香子の「呪い」はオチが予想できるけど、それでもじわりと来るイヤミス。さすがですね。

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    2017年11月29日