【感想・ネタバレ】金色の獣、彼方に向かうのレビュー

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Posted by ブクログ 2015年09月01日

「男ってね、一生懸命、恰好つけているけど、徹底的に挑発すると、最後は爆発しちゃうのよ。本質的に馬鹿なのね。」

著者の描き出す、少し不気味で不思議でなつかしいような幻想の世界が大好き。なんだけど
↑こんなフレーズまであるなんて。どびっくり。
博多が舞台の御話は歴史と織り交ぜてあり(どこまで真実かわか...続きを読むんないんだけど)
今後こういった歴史小説の分野も読んでみたいと思った!

とにかく今回もはずれなし。

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Posted by ブクログ 2020年09月22日

「異神千夜」「風天孔参り」「森の神、夢に還る」「金色の獣、彼方に向かう」の4編。
元寇を舞台にした「異神千夜」で巫術師の女が連れて来た神の使いの鼬。そしてサンカになったと思われる異国人たち。それが残り三編に繋がって行くようです。もっとも繋がりは弱く、それぞれ独立した短編です。

結局、恒川さんの最大...続きを読むの魅力は異世界を作りだす能力ですね。
美しく、切なく、もの哀しく、どこか胸がうずくような世界。
それが、時にSFっぽい『金色機械』だったり、ノスタルジックな本作や『夜市』だったり、色々とあるのですが。
物語を描くためにそれに合った舞台を準備するのが普通な気がしますが、恒川さんの作品は舞台=異世界を完成させるために、その中の物語が作られているような気がするのです。
恒川ワールドに浸って一気読みでした。

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Posted by ブクログ 2020年01月20日

ハズレなし作家、恒川光太郎の「金色の獣、彼方に向かう」を読んだ。黄金の鼬を中心にした短編集。やはり、面白く、ザワザワとする怖さがあった。次がすぐに読みたくなる希少な作家だ。

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Posted by ブクログ 2019年03月16日

久々に読んだ恒川作品は、やはり面白かった。ホラーという枠内に収まらない爽やかさや切なさ。でも怖くもある。そしてそれが両立するものだと思い知らされる。

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Posted by ブクログ 2016年06月14日

金色機械、スタープレイヤーと恒川ワールドが薄れてきてご無沙汰でしたが、久しぶりに堪能させてもらいました。やはりこの人の作風はこうでないとなぁ。

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Posted by ブクログ 2016年05月24日

4篇の連作短編集。「異神千夜」が一番面白かった。蒙古襲来がモチーフというと、「アンゴルモア」が浮かぶが、それともまた違って、不思議で怖い話だった。金の獣つながりの短編集かと思ったが、どちらかというと樹海も深くつながっているような気がする。「風天孔参り」に出てくる風天孔に私も入ってみたい気がした。

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Posted by ブクログ 2015年09月21日

鼬 イタチ にまつわる
不思議なお話し
短編4話

恒川さんらしいストーリー❗️
不思議なだけじゃなくて
伝えたい事がしっかり存在するところが
私は好きです
読み出すと止まらないのが
この人の作品だ。。。

この人の本は、全部読みたいです。

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Posted by ブクログ 2015年06月14日

金色の獣に関わる、時代も人物も異なる怪奇幻想譚が四編。人間のどろどろした部分や凄惨な出来事が描かれるのに、丁寧な筆致には落ち着きと優しさまで感じる。
一編目が元寇を題材にした時代ものだったことで、金色の獣にまつわる壮大な大河小説要素のある連作を期待してしまったので、そこはちょっと物足りなさはあった。...続きを読む
とはいっても一編一編は文句なしに面白い。

「異神千夜」
鎌倉時代、元寇の裏で起こった怪奇譚。戦乱に巻き込まれた商人の辿る数奇な運命。重厚な歴史ホラーということで、作風の広がりを感じた。四編で最も印象的な作品。

「風天孔参り」
樹海の側でレストランを営む主人公は、一人の若い女性の訪れをきっかけに、樹海で起こる超常的な自然現象『風天孔』と、そこに飛び込もうとする集団の存在を知る。設定が面白い。もの悲しさと清涼感のある物語。

「森の神、夢に還る」
森に棲む謎の存在『わたし』はたまたま目に止まった若い女性ナツコに憑依して森を出て、都会でナツコの人生を眺め楽しむ。ナツコの出会うトラブル、そして凄惨な『わたし』の過去。暗い物語なんだけど、優しさに包まれたよい話でもあり、それぞれの物語、二人の友情に涙。

「金色の獣、彼方に向かう」
町自体が怪奇譚の宝庫という舞台で、少年が、少女と出会い、そして賢い金色の鼬のような生き物と出会うことで始まる不思議な体験。爽やかファンタジーな雰囲気が、だんだんと暗い色を帯び始める。墓を掘る老人が魅力的な存在で、もっと彼の物語を読みたいと思いました。

全体通してもっともっと怖くおぞましくできるところをあえて抑えている印象。闇を見つめて怖いと感じるかどうかは読む人に任せようということなのか。この飛び出しすぎないバランス感はすごいけど、もう少し抑制せず飛び出したところを見てみたいという気もする。

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Posted by ブクログ 2015年02月17日

 何度でも言いますが、好きです恒川さん作品……! 鼬の存在を陰に日向に彷徨わせる、ホラーテイストが強めのファンタジー短編四作。いずれもおどろおどろしい凄惨なシーンが生々しく描かれているのに、吐き気を催させられるようなこともなく読めるのは、物語全体に漂う神秘的な雰囲気の所為でしょうか。
 恒川さんの作...続きを読む品は、作品によって全く違う世界を飛び回ることが出来るのが良いですよね。冒頭の自然描写を頭に思い浮かべて、その物語の舞台を想像するところから始めるのが毎度の楽しみです。
「森の神、夢に還る」の二人称語りが印象的で、語り手の優しさが滲むようですごく好きでした。

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Posted by ブクログ 2015年01月28日

本を手に取って、
いきなり引き込まれる感じが心地いい。

下手すると何ページ読んでも引き込まれないこともある中、(同時期に読み始めた「村上海賊の娘」がこのパターン。そして途中で挫折!すごく期待してただけに残念。。)
恒川さんのお話はほとんどはずれなく
「次へ次へ」という気持ちにさせてくれる。
わたし...続きを読むにとってのポテチ作家さん。

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Posted by ブクログ 2015年01月26日

2015年5冊目。
2015年読み初めの『スタープレイヤー』に続く恒川光太郎。
今回は(連作?)短編集。
窮奇/鎌鼬、風/竜巻、憑依、神通力、金色の鼬……etc、といったところが、キーワード。
「異神千夜」
鎌倉時代、元寇を舞台に繰り広げられる窮奇/鎌鼬のエピソード。普段、時代、歴史小説の類は読まな...続きを読むい自分だが、いきなり引き込まれました。設定のためか、これまでの作風とは一番異なっているように感じた。
「風天孔参り」
風天孔という、竜巻のような現象を追う一団の物語。そして、岩渡は……。『秋の牢獄』や、『竜が最後に帰る場所』の「夜行の冬」に近い感覚。
「森の神、夢に還る」
書簡体で綴られた、憑依譚。少々、ミステリー仕立て。
「金色の獣、彼方に向かう」
金色の鼬を介した神通力の話。
後半二編は『夜市』『雷の季節の終わりに』に通じる恒川光太郎流、少し人間的にドロっとした部分が含まれる、ダーク・ファンタジー感あり。
先に読んだ『スタープレイヤー』とのベクトルの違いには驚かされるが、ドチラも、ハードルを軽く飛び越える面白さ。解説にあるように「恒川作品に駄作なし」。
現在、積読の『金色機械』も楽しみだ。

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Posted by ブクログ 2014年12月26日

金色の正体となるイタチに纏わる4つの連作短編物語。
ちょっと怖い土地に伝わる昔話のテイストで、
もののけやあやかしはこんな風に日本に伝わったのかな…と想像を巡らせて読むのも楽しかったです。
妖怪が憑くのは人間の心の闇につけ込むというのは定石。
神の禁忌に触れる様な静かな畏怖が堪らなく面白い。
「風天...続きを読む孔参り」が1番作者らしい作品で好きでした。

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Posted by ブクログ 2014年12月13日

さらさらと読み流せる。軽いといえば軽いのだけど、けっして読み応えがないわけではなく。脳裡に次々と情景が浮かぶ喚起力のある文体で余韻が好い塩梅だった。

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Posted by ブクログ 2014年11月17日

 時代を超え跳梁する獣とそれに惑う人々の姿を描いた作品を4編収録した短編集

 昨年読んだ『竜が最後に帰る場所』で恒川さんの作風が少し変わってきたような印象を受けたのですが、解説によるとそれは意図的だそうですね。

 異界を作品の舞台としてきて恒川さんですが、今作も舞台は現実の世界。そこに一匹の不思...続きを読む議な鼬がはいることでそうした現実世界が恒川ワールドに変貌します。

 一話目の「異神千也」は元寇の時代が舞台。現実、それも過去の時代が舞台というだけで恒川さんの作風が変わったなあ、という印象を受けるのですが、
作品を読み終えた時に残る冷やかさは他の恒川作品と共通するものがあると思いますし、
人や時代の残酷さを前面に押し出さず物語の根底に敷いて、静粛と少し張りつめたような空気感を貫き通しているのも恒川さんらしいと思います。

そうした「異神千夜」から時代を超えて語られる物語はどれも共通した空気感があるように思います。不思議で美しく妖しい獣と現実の残酷さを描いた物語たちは、芸術的とさえ言えるように読んでいて思いました。

 解説によると一話目で伝説が生まれ、本を読み終えるときその伝説はどこかへ消えて行ってしまったような物語にしたかったそうです。

 でもその伝説は今もどこかに息づき、例えばどこかの山の奥に、もしかすると自分の家と家の狭い隙間に、今も息づいているのではないか、
そんな風に読み終えて思いました。

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Posted by ブクログ 2014年11月15日

不思議な力を持つ存在をテーマにした4本の作品集。

ホラー感は期待の半分くらいでしたが、さらっと読めて楽しめました

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Posted by ブクログ 2021年10月31日

再読。面白かったです。
金色の獣、作中では鼬か鎌鼬っぽかったけど、「鼬行者は筒に入れてた」というので管狐を思わせたし、あるお話では巨大だったりしました。
中国から窮奇という邪神が渡来してきたのが始まりなのかな。「異神千夜」は博多が舞台で元寇があるので身近でした。方言がそれほどおかしくないのは沖縄に住...続きを読むまれてるからかも。歴史に上手く怪異を組み込んだ作品が好きなので楽しく読みました。
「風天孔参り」も好き。風天孔に入った人はどうなるんだろ…救済なのか永遠の絶望なのか単なる消滅なのか、明らかにされないところが死と同じで気になりました。
4篇とも獣は出てくるけど、それぞれテイストが違っていました。気付いていないだけですぐ側にありそうな闇や畏怖。恒川ワールド、好きです。

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Posted by ブクログ 2020年10月22日

安定の内容。ただ、この作家の短編物を続けて読みすぎたか、段々読んでるだけになって心に残らなくなってきた。 やはり読む時期や間隔で感想がだいぶ変わってくる。 少し間隔を空けるか長編ものを読むかにするかな。

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Posted by ブクログ 2020年09月21日

人智を超越した金色の鼬にまつわる短編4本。元寇を扱った時代小説のような一本目に面食らったが、読み進めればやはり幻想と怪奇の恒川ワールドだった。
山中に現れる光る竜巻を探す自殺志願者の集まりを描いた『風天孔参り』の、穏やかな死の気配が特に心に残る。

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Posted by ブクログ 2018年12月24日

異神千夜 元寇が物語の舞台となる話、このネタで長編一本で読みたいなぁと思ってしまうのは私だけでしょうか?

風天孔参り そんな孔が有るのなら私もその孔の向こう側へ行ってみたい。登場人物達から少しだけ人間の嫌な部分を見せられた。

森の神、夢に帰る いくつかの話がうまく重なり合っている!これぞ常...続きを読む川光太郎といえる良作!

金色の獣、彼方に向かう 表題作、不思議な獣と少年の出会い 猫の墓掘り 鼬行者など不思議なワードに境界があやふやとなる。

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Posted by ブクログ 2018年08月16日

金色の鼬にまつわる話。山の外れにあるレストランの店主が山を巡り歩くグループと出会う「風天孔参り」が一番好き。

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Posted by ブクログ 2016年06月23日

毎度の恒川ワールド。
掲載順と発表順は違うようだけど、
時空を超えてゆるくつながる世界。
でも今回はそれがかなりピンポイントで、
言葉だけが短編をまたいでいるようにも感じた。

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