恒川光太郎のレビュー一覧

  • 白昼夢の森の少女

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    『夜市』を読んだとき、その妖しい光景が目の前に広がるようで魅了されました。本作の第1話『古入道きたりて』でそれを思い出し、1冊まるごと没入間違いなしだと思ったけれど、この第1話より気に入る話は最終話までついぞ出て来ず。ノスタルジーを感じるホラーというよりも、もう少し新しい印象を受けます。あとがきを見てみると、著者の意向のみで書いたというよりは、テーマを与えられて書いたものが多いよう。

    『夜市』のほうが好きとはいうものの、やはりこの著者の文体には引き込まれます。昭和、平成、それぞれのキャッチフレーズを考える。

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    2022年07月28日
  • 白昼夢の森の少女

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    2022年、3冊目は、恒川光太郎の編集モノ。単著未収録の短編、掌編、11編収録(3編は、アンソロジーで既読)。自分はランダムに読みススめました。

    今回は、気になったモノを幾つか紹介。

    白昼夢の森の少女:表題作。植物に侵食された少女の話。人と植物(樹木)との時間感覚、死生感の違い。

    傀儡の路地:ドールジェンヌ、彼女が抱えた人形の言葉には、どんなに理不尽でも、抗うコトが出来ない。個人的感覚だが、ラストに向かい、主人公の切なさが増して行く。

    銀の船:あらすじ割愛。コレは既読作で、もぅ5回以上再読してる、何度読んでも色褪せない大好物。恒川光太郎との出会いの一編、その思い入れも含めて。

    ダーク

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    2022年06月11日
  • 白昼夢の森の少女

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    夜市を読んだあとはこれを読め!的な帯が目に入り、衝動買いしてしまった。

    11のお話が収録された短編集。ジャンル的には「ホラー」だが、貞子が出てきて人が死にまくるといった、誰もが想像するあのホラーではない。
    どの話も独特な世界観で、ふわってしているから合わない人には「なんじゃこりゃ」ってなるかも。

    個人的に面白かったのは『平成最後のおとしあな』。世にも奇妙な物語にありそうな、ちょっとコメディちっくでオチは割りと怖いやつ。作者さんの遊び心が文章に滲み出ていた。良作。



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    2022年06月08日
  • 白昼夢の森の少女

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    埋もれていた作品とアンソロジー収録作をまとめたものということで、良く言えばバラエティーに富んだ、悪く言えば統一感のない短編集。まあ、色々な作風が楽しめるのは悪くない。恒川さんらしい異界ものもいいが、ディストピア的世界観の表題作や、パニックSFミステリー風の「焼け野原コンティニュー」が気に入った。

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    2022年05月31日
  • 無貌の神

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    所謂リアリズムの範疇には収まりにくいことくらいしか共通項のない、様々な傾向の小説を集めた短編集。ハッピーエンドとは言えないように思うが、読後感が爽やかな「死神と旅する女」「カイムルとラートリー」の二作が印象的。

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    2022年05月10日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    坂東眞砂子さんの『正月女』と恒川光太郎さんの『ニョラ穴』が印象的。
    平山夢明さんと小林泰三さんのはもう何度も作品読んだことあるけど、相変わらず好き。

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    2022年04月17日
  • 雷の季節の終わりに

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    ネタバレ

    昔話のような、この独特の世界観。次元が違うどこかに存在する穏。閉鎖的で、ちょっと息苦しさを感じる。トバムネキの母親、そんな理由で鬼衆にお願いされちゃうとか、どんだけ閉鎖的なの。酷いよ。

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    2022年04月07日
  • 無貌の神

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    一時期よく読んでいたが、この作者の作品を読むのは久しぶり。6篇の短篇集。
    ホラーまではいかないが、怪談・寓話・民話・都市伝説の絶妙な混ざり合いが好き。
    裏表紙にある暗黒童話が言い得て妙。

    神と呪いは紙一重な「無貌の神」現代社会がチラ見えするところが逆にとても遠い場所にいるように感じられる。

    「死神と旅する女」日常生活を送るには劣っている者が持っている異様な素質、と書くと少年漫画のようだ。読んでいる時には思わなかったが。
    時を超えて歴史に干渉する話はどうにも好みである。

    「カイムルとラートリー」読後の切なさと爽快さが良い。途中の展開も読みたいところではある。

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    2022年02月13日
  • スタープレイヤー

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    ワクワクした反面、恐怖を感じた。
    大人になったからだけど、自由に望みが叶うことは夢のようである反面、こわいことだなと思った。
    他人にもそれができるわけだし、自分が影響を与えてしまうかもしれない。
    それでも、いい緊張感とワクワクしながら読めました。

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    2022年01月28日
  • 竜が最後に帰る場所

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    恒川作品にはいつも癒されます。本のタイトルが、どの短編の題名にもなってないのであれ?と思いますが、ちゃんと出てきますね。

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    2021年11月18日
  • 金色の獣、彼方に向かう

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    再読。面白かったです。
    金色の獣、作中では鼬か鎌鼬っぽかったけど、「鼬行者は筒に入れてた」というので管狐を思わせたし、あるお話では巨大だったりしました。
    中国から窮奇という邪神が渡来してきたのが始まりなのかな。「異神千夜」は博多が舞台で元寇があるので身近でした。方言がそれほどおかしくないのは沖縄に住まれてるからかも。歴史に上手く怪異を組み込んだ作品が好きなので楽しく読みました。
    「風天孔参り」も好き。風天孔に入った人はどうなるんだろ…救済なのか永遠の絶望なのか単なる消滅なのか、明らかにされないところが死と同じで気になりました。
    4篇とも獣は出てくるけど、それぞれテイストが違っていました。気付い

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    2021年10月31日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    あまり好みの内容ではなかった。

    ただ、正月女の話はばあちゃんに聞いたことある話に良く似ていた。「正月」という所が「西の女」という話だった気がするけど、昔話なんてそんなもんか。ちょっとゾッとしたけど。

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    2021年09月26日
  • 夜市

    購入済み

    幻想的な異界

    「イーフィーの植物図鑑」で異才を放った作家さんのダークなファンタジー。

    本当に暗かった。
    でもじめっとした暗さではなく、
    人間の希望のことを反対側から描いてるような暗さ。

    霊的な次元のことが曖昧ながらも描かれている。

    個人的にはイーフィーの明るい世界の方が断然好き。

    #ダーク #シュール #ドロドロ

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    2021年09月25日
  • 雷の季節の終わりに

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    ネタバレ

    ここではない、どこか。

    にんげんではない、なにか。

    世の中に潜む穩の仕事人。
    今日狙われたりして。
    明日意外に強い自分が生まれたりして。

    すごい想像力。
    別の本も読んでみよう。

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    2021年09月21日
  • 無貌の神

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    文通仲間との、文通読書会の今回の課題図書。
    短編集で、どれも異界のものがしっかりとした存在としてこの世に存在する。
    顔のない神様は人を食べ、その神様を倒したときは神様を食べる人たち。彼らは神様とひとつになることを麻薬のような救いに感じている。
    無罪の罪で島流しにあった男は、差し入れられた青天狗の面をつけ、虐げた武家の人間を人外のものに憑かれたように襲っていく。
    女の子が出会った男は、世界の流れを変えることで絵を描く。彼女に小刀を渡し、77人を切れば家に返すと、約束した。彼女はたくさんのさまざまな人間を斬り、そして彼女は未来、戦争で焼かれなかった東京の土を踏む。
    廃墟と化したマンションに落ちてき

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    2021年03月20日
  • 竜が最後に帰る場所

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    まだ2冊目なのでつかみ切れていないのですが、皆が口を揃えていう「異世界に連れていかれる」という言葉に納得してしまう作品でした。
    気に入ったしちょっと怖かったのが「夜行の冬」異形の者について行ったばかりにパラレルワールドを旅し続ける事になった者たち。もっと良い世界を望んで今ある幸せで満足出来ない辺りは分かるかも。
    「ゴロンド」は竜と言われる爬虫類が、どじょうのような幼体から、逞しい竜になり旅立っていく物語で。壮大で可愛らしく、夢中で読みました。この話が題名の元になっているんですね。

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    2021年02月22日
  • 雷の季節の終わりに

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    3.5

    普通の人間は行くことができない、地図に載っていない町、穏(おん)

    穏やかな町だから、穏。
    この閉鎖された町で暮らすのは果たして幸せなのか。

    話を読み進めていくうちに、この町に行きたいか行きたくないかわからなくなってきます。

    ちなみに私は行かないです笑

    とある人が死んだところからガラッと展開が変わって面白かった。

    時系列とか話してる人がコロコロ変わるから、理解力がある程度必要。

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    2021年02月02日
  • 異神千夜

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    4本の短編集。どの本も生と死の狭間にいるような…不思議な話だった。金色の毛に白い筋が入った美しい鼬が共通で出てきてそれがまた神の使いなのか?夢使い?とにかく死の世界との懸け橋とも言うのか…感じたことを伝える文章力がないことがもどかしいが、とにかく現実世界にいるようで異世界にいるような本当に不思議な話。

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    2021年01月05日
  • 秋の牢獄

    購入済み

    タイムリープ目当てだったが…

    タイムリプ作品を探して発見したが、ホラー作品だった。どれも後味が良くない作品で、自分にはあまりはまらなかった。どこか超自然的な内容があって世にも不思議な物語のような感じもした。

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    2020年12月06日
  • 雷の季節の終わりに

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    相変わらず独特の世界観で細かな段落で構成されているので時間を掛けても読み易かった。 残酷なシーンも淡々と描かれていて、妙に引っ張らないというか大げさに表現しない所がとても好感が持てる。 只、他作品と比べて惹き込まれるような感覚はなかった。 この作家の本を続けて読みすぎたからか。 でもまだ読んでない本があるので他作品も読み進めようと思う。

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    2020年10月22日