恒川光太郎のレビュー一覧
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ネタバレ後半からぐんぐん面白くなって引き込まれていくストーリーが良かった。ファンタジーと現実が混じり合い、この先どうなっていくのだろうと思った断片が繋がっていくのが面白かった。
隠のなかは平和だというが、異端が強制的に排除されていくような場所が平和なわけがない。隠は、私の知っている世界とはまた別の閉鎖的な残酷さに満ちていて、そのなかで次第に逞しくなっていく主人公・賢也が心強かった。
一度はトバムネキに奪われた人生だが、人々の助けもあり最終的には自分の力で取り戻したことに救いを感じた。同じく、家を出る選択肢しかなかった茜に、立ち上がる強い気持ちがあることにも。
いつかは大人にならなきゃいけない、自ら選ん -
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読んだ最初の感想は、藤子F不二雄のSF(少し不思議)ワールドの読後感に似ている、だった。
ホラーだと思って読んだのだが、民話のようでもあり、SFのようでもあり、何というか少し不思議な世界だった。
文体も寓話的なので残酷なシーンも静かで清潔な印象を受ける。感情的にもなりすぎない淡々としていながら登場人物の孤独が伝わってくる。
村上春樹が藤子不二雄のノベライズをしたら、こんな感じかもしれない。
三話とも主人公に共通するのが、「持ってしまった者の孤独」。
・秋の牢獄
普通の女子大生が同じ一日をループする世界で、同じ境遇の仲間と出会い、別れる話。
・神家没落
空間を異動する屋敷の主にされてし -
Posted by ブクログ
ネタバレ再読。今回もひんやり涼しく、楽しく読みました。
小さな島なのかと思っていましたがかなり広いトロンバス島。コミュニティが小さくないからおおらかなのか、ユナを始めとして不思議な存在がたくさんあるから、今更変わった事があっても…みたいになるのか。いいな、南の島。
トロンバス島が舞台じゃないお話もあってそちらは時代が違うけれど、その他は「こう繋がるんだ…」というゾクッと感があって良かったです。
「まどろみのティユルさん」が今回も好き。ソノバのご先祖、「穏」の出身なのか。あの町から離れたら、一処に留まれずこの世界を巡り廻る定めなのかもしれない…と思ってしまう。それはそれとして、ティユルさんはこれからも大 -
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☆4.0
ゆるくつながる七編が収録されている。
語り口は淡々としているが、そこには確かに叙情が滲む。
南国の架空の島、トロンバス島が主に舞台となっているが、いつの間にか現実との境界を越えてあちらへ行ってしまいそうになる気持ちを体験した。
「南の子供が夜いくところ」
一家心中による死を迎えようとしていた一家が、訪れたバスの露店で出会ったのは、120年生きている呪術師の女性ユナだった。
息子のタカシはユナに連れられていったトロンバス島で生活しながら、別々の島で働いているという両親を待っている…
自分の知らぬところで自分のことが決められ、目まぐるしく振り回されたタカシが、本当の意味でトロンバス -