恒川光太郎のレビュー一覧

  • 竜が最後に帰る場所

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    最後の話で心がじんわり温かくなった。
    いつか、遥か昔(わたしたちが想像も出来ないくらい昔)に竜は居たかもしれない。
    今年は辰年だったことを読み終わってふと思い出して、今年読むべくして読んだのかなあとありもしないことを思った。
    竜も、他の絶滅した生き物たちも、もしかすると本当にそういった風に言葉を知っていたり、あるいは人間に近しい形で生活をしていたのかもしれないと思うととてもあたたかいきもちになる。
    人生の中でまた読み直したい本のひとつ

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    2024年12月24日
  • 秋の牢獄

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    「夜市」が とても好みでしたので
    恒川さんの小説を読みたいと思っておりまして

    「秋の牢獄」
    ある年の11月7日を繰り返す人々
    どんな変化をつけても11月7日の朝がやってくる
    時間による拘束世界

    「神家没落」
    ある山中の民家から 翁の代わりとなって出られなくなってしまう男
    そこは神域 場所による拘束世界

    「幼は夜にに成長する」
    幼児期ある教団に誘拐され監禁生活を強いられた少女 解放されてからも幼術にとらわれる

    拘束される世界だけれど
    当事者達には そこが生きる場所となりつつあり

    恒川さんの 古民家ホラーやっぱり好きです

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    2024年12月23日
  • 雷の季節の終わりに

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    恒川光太郎の世界観が大好きなのですが、今作もしっかり一気読みしてしまいました。ジャンルとしてはホラーとのことですがファンタジー要素が強く、読んでいて少し切なくなる読み味。
    ラストが少し駆け足で、伏線というか人物の掘り下げがなかったりもう少し余韻が欲しかったですが、その物足りなさも恒川ワールドにマッチしているような気になるのが不思議です。
    「風わいわい」がかわいい。

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    2024年12月16日
  • ヘブンメイカー

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    ネタバレ

    1作目の方が個人的には好みだったかな。
    でも、とても面白く読めた。
    1作目もだったけど、なんでも叶えられる特典を与えられた人間は、いずれ達観・悠然・虚無とでもいうのか、そういう状態になるのかって思ったw
    フリーレン的なw

    前作の登場人物もちゃんと出てきたりして、良かったな。個人的には「幽さん」を出してほしかった。
    マキオにしても幽さんにしても、いろんなキャラクターにスポットライトを当てると、それだけで1作の物語が描けてしまいそう。続編が楽しみです。

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    2024年12月16日
  • 滅びの園

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    初版の単行本は2018年のもの。持ち運びやすい文庫で読んだ。
    『金色機械』『スタープレイヤー』シリーズに通じるような、
    それぞれのキャラクターの視点を渡り歩きながら進んでいく大きな物語。
    結局、究極の悪というものはなく、
    その時の状況で選択した結果がそれぞれに積み重なり交錯して世界が動かされていく。
    今作も、未知の存在がもたらす異様な世界の設定の中に、
    人間のもつ普遍的な要素がいたるところに絡んで、リアリティを生んでいく。
    魅力的な登場人物が次々と出てきて、それが遠く繋がりあう。
    結果を出したあとに詳細が語られる形も、
    より重層的に話が絡み合い、読む側の気持ちを複雑に混ぜていく。
    恒川さんの本を読んでいていつも思うのは、設定よりも人間の怖さの方だ。
    そして使う言葉のちょうどいい、加減。
    だから私は続けて読んでいけるんだよねー。

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    2024年12月05日
  • スタープレイヤー

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    3.7

    なろう系の上位互換とは言い得て妙。
    良質な異世界転生物として普通に楽しめた。
    次作(ヘブンメイカー)読みます

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    2024年11月16日
  • 金色機械

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    「夜市」とは系統が違うけど、異世界に連れて行かれてるような不思議な気分になるのはやっぱり恒川さんの作品の特徴なのかな、、、
    金色様は結局なんだったんだろう。余韻がすごい。

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    2024年11月15日
  • 猫ミス!

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    今まで4作品くらい"猫のアンソロジー"を読んでいるけど一番面白かったかも。

    ただ、
    ミステリーというよりイヤミスっぽかったり、
    ホラー要素もある作品もあるので、表紙のポップさには似つかわしくないかな。

    後半の作品が特に楽しかった。
    個人的には、『オッドアイ』が好きかな。
    『呪い』の嫌な後味の終わり方も好き。

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    ↓以下、大まかなあらすじ。

    ●新井素子『黒猫ナイトの冒険』
    ⇒日常ほんわか系。
    まだ子猫で元野良、黒猫(ナイト)目線の話。
    カラス(キング)との戦い。

    ●秋吉理香子『呪い』
    ⇒日常~イヤミスへ。
    猫好きな大学生…ぼく
    猫好きなおばさん…荻野さん
    役所の動物管理課…瀧本さん
    ⇒異色の野良猫見守り隊!
    責任を持って地域ねこの世話をしていたが、それでもよく思わない人が現れて…。

    ●芦沢央『春の作り方』
    ⇒日常ほっこり系。
    亡くなった祖母が毎年作っていた桜の塩漬け。
    それを毎年楽しみにしている祖父。ぼくが不注意で塩漬けの入った瓶を割ってしまう。友人の少年名探偵にアイデアを貰い、こっそり作り替えようとするが…。

    ●小松エメル『一心同体』
    ⇒もろイヤミス。
    わたし(茜)と葵はいつも一緒だった。
    でも性格は全く違う。茜のが勉強はできるが、どこか抜けた所のある葵はイジメてきた相手とも友人になれた。そんな葵はずっと猫になりたがっていた。人間の葵がある日いなくなり、猫になって帰ってきた。でも本当の理由は…。

    ●恒川光太郎『猫どろぼう猫』
    ⇒怪奇ホラー系。
    架空の妖怪"ケシヨウ"は、人間社会の中に化けて溶け込み、猫・犬・人間などを食べる。
    ある日、空き巣をしていた女が、ケシヨウを長年追う変な老人に出会ってしまい、更に偶然が重なり悲惨な結末へ。

    ●菅野雪虫『オッドアイ』
    ⇒日常ほっこり系。
    行方不明になった飼い猫のオッドアイと、あだ名で「死神」と言われる友人の冬路。川原で死んでいた猫をつかんだのを見られたのがキッカケで死神という嫌なあだ名をつけられてしまったが、それには優しい訳があって…。

    ●長岡弘樹『四月のジンクス』
    ⇒少しイヤミス~ほっこり系。
    縁起が悪いことが嫌いな主人公(高齢女)
    長年、隣に住む同級生だった加寿子とは競いあってきた。どちらもボロ屋に住む単身高齢者。
    ある日、加寿子の飼っていた猫を預かることになったが縁起の悪いと思っている黒猫で…。

    ●そにしけんじ『猫探偵事務所』マンガ

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    2024年11月12日
  • 真夜中のたずねびと(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ゆらりと繋がる短編5作品。少し不思議な要素はあるけれど、どちらかというと現実的な内容だった。話がどこに向かうのかわからない不安があった。
    理不尽な目に遭っていたり、逃れようのない不幸に見舞われている人たちを見ているのは苦しかった。災害や事故や家族の問題など、自分ではどうにも回避できないことが世の中にはあるし、それで人生の道すじが決まってしまうこともある。後ろ暗い部分を抱えてひとり彷徨っている様子は、自由でサッパリとしていて究極の孤独だった。
    悲観的な雰囲気ではないものの、あまりに不幸なのでもっとほかの人生があったのではないかと考えると気の毒になる。でもこの人々の世界はどこかで繋がっているのだと感じられて、それがささやかな慰めになった。みんなきっとどこかで強く生きている、と思えることは心強い。
    もう見つかることのない家族の姿を捜していたアキが人捜しを職にしたことは、もうアキの生き様すべてな気がして胸が締め付けられた。

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    2024年11月08日
  • 金色機械

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    時代小説に「金色様」の存在。そんなのありか、とまず思った。ファンタジーの要素は多々あれど、それが時代小説と噛み合わずに白けてしまうことなく、うまく溶け合っている。
    物語のすべての要素が有機的に絡み合いながら結末へ至る。あるべき形に物語が収まっているように感じた。

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    2024年11月07日
  • スタープレイヤー

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    先にヘブンメイカーを読んでの感想。本作を読んで思ったことは(フラットでそこまで深く考えなくても楽しめるな)だった。ヘブンメイカーを先に読んだ自分にとって、より重くて衝撃的な展開を期待していただけに残念な点もあったが、読み物として楽しむことができた。

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    2024年10月25日
  • 秋の牢獄

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    『夜市』に次いで2作目の恒川光太郎。
    この方の本、読み尽くしたい。やはり好きだ。文が。表現が。世界観が。
    表題作含めて短編3作なのだけど、どれも好きなので一番が決められない。
    何度も同じ日を繰り返す「秋の牢獄」、突然現れる神の家に、たまたま閉じ込められてしまう男の話「神家没落」、幻を見せる力を持った祖母に育てられた女の子の行く末を描いた「幻は夜に成長する」。
    どれも不思議なことが起こっているのに、この世のどこかではあるかもしれない気がしてくる。いや少し昔に戻ればあったかも…?なんて。
    読みながら不穏な雰囲気を背中に感じているのに、もっと知りたくなってしまうような、少し先から手招きされてるような。
    恒川光太郎が生み出す世界に、もっと迷い込みたい。

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    2024年10月20日
  • 雷の季節の終わりに

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    ネタバレ

    『夜市』『秋の牢獄』に続いて読んだ、恒川光太郎さんの作品です。
    正直、その2作にはホラー要素はあまり感じられなかったのですが、今回初めてホラー感を味わいました。
    虐待や人殺しなどの描写が怖かった点と、ラストでムネキの心臓が閉じ込められて、今もどこかで封印された缶がごとごと鳴っている、という点です。

    この先もし、うごめく缶を見つけたとしても、わたしは絶対開ける勇気はないです((((;゚Д゚)))))))

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    2024年10月07日
  • 月夜の島渡り

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    相変わらず独特の雰囲気と距離感で、なんとも言えない、ざわざわとした怖さを感じさせる。
    沖縄という、より異界と近い土地を効果的に使用している。「月夜の夢の、帰り道」「私はフーイー」以外は、魔に飲み込まれていく話。唯一「月夜の夢の、帰り道」だけは魔を跳ね返す力強さがあって、特に好きだった。
    こんな稀有な作家、恒川光太郎にはもっと作品を出してもらいたい。

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    2024年09月28日
  • 金色機械

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    ネタバレ

    面白かった!

    結局新三郎の指を切った人は誰だったの??
    あと、熊悟朗を襲った灰色の熊と善彦の親襲った熊って同じ熊??

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    2024年09月27日
  • スタープレイヤー

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    私が恒川光太郎さんを好きだと言ったら、知り合いが「代表作なんでしょ?一緒に読む!」と買ってきてくれたこの本。私はまだ未読だったため、大急ぎで(2日で)読み切った感想を書きます。
    結論から言うととても面白かった。恒川さんの特徴の一つだけど、とても読みやすい。文章が平易でスルスル読める。重厚な印象もとっきにくさもなく、創世のファンタジーを読み切ることができた。
    主人公がある種俗物的な点があるのも大きなポイントで、一般人の我々読者は主人公に共感することができる。
    復讐のために貴重な願いを使うこともあるが、最終的には人のために願いを使うようになる、成長も読み取れた。
    楽しい読書でした。

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    2024年09月21日
  • スタープレイヤー

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    少しの制約はあるが、ほぼ全てのどんな願いでも、10個だけ叶えられる力を得たら?
    異世界に飛ばされて、そんな力を得た人の話。
    ラストがとても良かった。

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    2024年09月21日
  • 秋の牢獄

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    『秋の牢獄』『神家没落』『幻は夜に成長する』の3作品が収録されていて、特に『神家没落』が好きでした。

    恒川光太郎さんはどの作品も着想が面白いというか、独特のルールを設けられた世界が魅力的なのですが、『神家没落』の移動式の家は、わたしも一度住んでみたいと思いました。

    主食がマンゴー芋と美味しい水でよければ自給自足で暮らせるし、何より人間関係に悩む事なく生きられるのがいいなぁと思いました。
    寂しくなる時もあるかもしれませんが、たまに迷い込んできた人とお話しできればそれで良いかな、と
    d( ̄  ̄)

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    2024年09月10日
  • 無貌の神

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    ネタバレ

    【収録作品】無貌の神/青天狗の乱/死神と旅する女/十二月の悪魔/廃墟団地の風人/カイムルとラートリー

    「無謀の神」顔のない神がいる村。時折、赤い橋を渡ってよそ者が来る。橋を渡って向こう側へ帰ることができるのは、ある条件を満たさなかった者だけ。ホラー。
    「青天狗の乱」流人島を舞台とした時代もの。
    「死神と旅する女」死神にさらわれた無垢で空っぽの少女・フジ。約束を果たして戻り、二児の母となった彼女の元に再び死神が現れる。世界線が分かれる話で好み。
    「十二月の悪魔」記憶を失いつつある老人のアイデンティティ・クライシス。近未来小説、か。考えると怖い。
    「廃墟団地の風人」空からおちたゴーストと転校してきて居場所のない少年。孤独な少年たちの友情譚がいい。
    「カイムルとラートリー」人語を解する崑崙虎・カイムルと下半身の不自由な、千里眼もちの姫・ラートリーとの出会い。淡々と語られる冒険譚が豊か。

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    2024年09月08日
  • 滅びの園

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    ネタバレ

    鈴上誠一は自分の事しか考えておらず嫌いだったが、もしあのような現実ともいえる生活、妻子との幸せな日々を送っていたら、自分は核を破壊する行動に出れただろうか。
    たぶんそれはNoで、8年もそのような生活を送っていたらどちらが現実かと言われたら現在の妻子のいる生活が現実の世界にしか見えない。
    情も妻子の方に湧くし、地球の事は考えはするが行動には移せず誠一と同じことをしそうだ。

    自分がどう生きるかが大切だな。

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    2024年09月01日