恒川光太郎のレビュー一覧

  • 箱庭の巡礼者たち

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    この小説は季刊誌『怪と幽』に掲載された5つの短編(といくつかの幕間)からなる。著者の作品ではあるあるなのだが、特に本作はホラー要素がほぼないので怖い話が苦手でも問題ない。

    本作は次元が異なるさまざまな世界を描いたSF作品。少しずつ人物やアイテムがリンクしており、繋がりのある壮大な物語になっている。
    時空を飛び越える変なアイテムがない世界線に生まれてよかったなぁなどとトンチンカンな感慨に耽った。

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    2023年06月22日
  • 箱庭の巡礼者たち

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    ネタバレ

    面白かったー!
    色んな物語があって、ビミョーに繋がっててどれも内容が濃すぎてあんまり覚えない!笑
    やけど「スズとギンタの銀時計」が一番面白く印象に残った!

    特にガヤガヤした色んなものに追いかけられるのが忘れられない!
    良かった!!!

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    2023年06月10日
  • 箱庭の巡礼者たち

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    単純な輪廻の話ではない。不死の者たち(人じゃないものも含めて)が命あるものを導き、失い、また面影を見つけて哀愁の気持ちを持つという流れやその表現が心に残った。

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    2023年06月09日
  • 真夜中のたずねびと(新潮文庫)

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     恒川さんの作品の中でも、かなり現実的、かつ、ホラーよりもサスペンスに寄った、少し珍しい短編集。連作やシリーズものではないものの、各作品の雰囲気が似通っていたり、いずれも「家」や「旅」や「家族関係」にフォーカスされていたり、同じ人物が複数にわたって登場したりと、一冊のまとまりとして楽しめました。
     内容は現実的とは言え、そこはやはり恒川さんで、ぞくりと寒気を覚える少しの「非現実」要素や、生々しくも美しい自然描写は健在です。
     話はいずれも大変重く、結末も後味がいいとは決して言えないのですが、読んでいて不快感をもよおさないのは、文章の巧みさゆえでしょうか。とは言え、どれもしっかり怖かった(涙)

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    2023年05月20日
  • 無貌の神

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    赤い橋の向こう、世界から見捨てられたような場所に私は迷い込んだ。そこには人を癒し、時に人を喰う顔のない神がいた。(表題作)

    童話やファンタジーのような、ホラーやSFのような不思議で残酷で美しい話が6話収められた短編集。
    どの話も寂しく静かでとても素敵なのですが、表題作の『無貌の神』が一番好きでした。世界から見捨てられたような場所。神の屍を食らったものは、もう元の世界に帰れない。ヨモツヘグイ的な、共食信仰(=同じ釜の飯を食う事は、同じ仲間となったという事)の考え方が織り込まれた寂しい集落の雰囲気がとても良かったです。宗教的共食の雰囲気や考え方には何だか惹かれるものがある。

    『死神と旅する女』

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    2023年05月03日
  • 雷の季節の終わりに

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    ホラーファンタジーにやや残虐さ

    同じ作者の「夜市」や「夜行の冬」で際立っているリリカルで繊細な雰囲気がこの作品全体にも漂っている。ただ他の作品と比べるとむき出しの暴力や殺人が描かれていて、私として今ひとつしっくりこない。やはりこの作者は、長編よりは中.短編で余韻を持って話をまとめたほうが落ち着きが良いのではないかと感じた。

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    2023年05月02日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    小林泰三『人獣細工』、怪奇趣味的でもありSF的でもあり。
    すごいなこれ。惜しい人を亡くしたって改めて思った……

    他の作品もどれも良かったけど恒川光太郎『ニョラ穴』が特に好き。
    程よく謎が謎のまま残ってて余韻のゾワゾワ感ヤバい。やっぱホラーはこういう読後感が残ってこそですよね!

    ジワジワ怖い、ゾッとする不気味な印象の話が多め。
    同シリーズの『再生』とは毛色の違ったアンソロジーに仕上げてきたなーって感じ。

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    2023年03月20日
  • 猫ミス!

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    ネタバレ

    猫を撫でながら読みたくなる本かと思ったら全然そんな事なかった笑

    秋吉さんの「呪い」と菅野さんの「オッドアイ」が良かった!!



    ・黒猫ナイトの冒険 ★★★★
    新井素子さんという初めて読む作家さんの話。
    カラスのキングとの関係が良い!

    捨て猫だったのを保護されたけど、あったかいものを助けにまた迷い猫に。
    その後カラスのキングのおかげ?で元のお家に戻る事に。

    飼い主さんの心配な気持ちがクソわかる〜
    最後はほっこり。


    ・呪い ★★★★★
    イヤミスの女王、秋吉理香子さんの話〜
    この前の話がほっこり系やったしこの本はそーゆー系の短編かと思ったら通常通りの秋吉さんの話やった。
    大好き!!


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    2023年03月03日
  • 箱庭の巡礼者たち

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    豪雨の後の泥の中から拾った大きな黒い「箱庭」。女友達の絵陰(エカゲ)は、殺人鬼に捉えられた少女たちを救うために箱庭の世界に入っていった。革命を起こして英雄となるエカゲ。異次元を繋ぐ次元鉄道、AI シグマ、時間を進ませる銀時計、八千年周期で再生する世界…「この世界は幽霊のようなもの。だがとても美しい幽霊。」6つの物語が大きな環でつながるSFファンタジー。読み終わると空を見てぼんやりしてしまった。今いる世界もどこかへ繋がっているのか。吸血鬼ルルフェルと時間と空間を超えた旅をしてみたくなった。

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    2023年02月26日
  • 箱庭の巡礼者たち

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    良いですね。
    収められた5つの短編は雑誌に掲載された物のようです。その短編に間に「物語の断片」と題される5つの掌編を挟み込み、3つの世界、5代+数万年にわたる壮大な舞台をまとめあげています。壮大なのだけど飛散はせず、密度が濃いのです。
    少年少女を主人公にした異世界冒険譚です。様々なファンタジー要素~主人公の相棒で動物の血で生きる吸血鬼、タイムワープ機能を持った銀時計、意識を獲得したAI、不死の薬など~が出てきます。羅列すると安っぽく見えてしまいますが、恒川さんの手にかかるとしっとりして、どこか哲学的ですらある良い雰囲気です。
    ファンタジーなので重要なのはその世界でどこまで入り込めるかですが、ど

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    2023年02月24日
  • 箱庭の巡礼者たち

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    帯にもあるけれど、多元世界もの。
    私たちの過ごしているであろう世界。
    ファンタジーの世界。
    SFの世界。ディストピア。不死の世界。
    少しずつ交わる別ものたち。

    途中までよくできたエンタメとして読み込んでいたのに、洞察者あたりからもっと深いところに潜り込んできた。
    映画観てたはずなのに、気が付いたら胃カメラ飲んでたような。
    短時間接着剤あたりか予感はしてたけど。

    けどそれも、どんなに共感できても、別の物語であって、わたしの物語ではない。
    どちらかというと問いかけに近いから、自分に照らさずにエンタメとして読み切ることもできると思う。

    広さが違うだけで、わたしたちの世界も、この物語たちの世界も

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    2023年02月19日
  • 夜市

    匿名

    購入済み

    ジャンルとしてはホラーだがそこまで怖くないので、初めてのホラーにオススメ!
    そして、世界観が幻想的で美しい。
    ノスタルジックで少し切なくなるような作品が好きな読者に読んでいただきたい。

    #切ない

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    2023年02月14日
  • 竜が最後に帰る場所

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    夜市に続く2冊目の短編集。5つの短編が収録されていて、1つ1つは本当にすぐ読み終わる短さ。
    読んでいて、不思議な感じのする世界観に引き込まれてどんどん先を読みたくなるものの、最後は「あれ?結局どう言う話だったの?」という感じで終わるものが多かった印象。
    ただ、読んだ後の、このちょっと取り残された感はある意味癖になりそうな、この作者の短編作品における特徴なのかなと思った。
    ただ、最後のゴロンドのドキュメンタリーのような話は本当に何だったのだろう…?笑 とても不思議だった。

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    2023年01月05日
  • 箱庭の巡礼者たち

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    壮大だった。

    始まりは一つの箱なのに終わりは世界の終わり。

    章ごとに世界が変わり時代も変わり混乱するところもあったけど、全てつながりがある。
    ラルスの生まれ変わりはルルフェルなのかな。
    シグマ怖かった。
    日本と箱の中の別世界が繋がっていると最初は思っていたけど、もしかして箱の中の世界はすごく先の未来?
    考察は色々考えられる。
    私としては久々の読書だったけど夢中で読めた。
    これまでの恒川光太郎作品とはなにかが違うような…それが何かうまく説明できないけど。

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    2023年01月02日
  • 箱庭の巡礼者たち

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    一章からは想像もできないほど壮大な物語になっていく。
    読み終えたとき、1冊の本を読んだだけとは思えない、長編冒険譚を読み終えたような達成感を感じた。

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    2022年12月26日
  • 白昼夢の森の少女

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    表題作がとても好きだけど、他の作品もとても面白くまんまと恒川ワールドに引き込まれ、のめり込んでしまいました。

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    2022年12月20日
  • 雷の季節の終わりに

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    前回は「夜市」を読み、もうひとつ読んでみようかと思いこれを手に取った。そして面白かった。

    何がどうと説明は出来ないけど、出だしのプロローグがとてもいい。すぐに引き込まれていった。

    もう少ししたら、他の作品も読まずにいられない。

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    2022年11月07日
  • 雷の季節の終わりに

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    序盤は世界観に引き込まれながらも、これどう展開していくんだろうと言う感じが結構続いた。
    終盤のハラハラ感ある急展開、並行して進んでいた別々の視点からの話が繋がる感じが面白かった。

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    2022年11月01日
  • 無貌の神

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    不気味な雰囲気に完全に呑まれながら読んだ。
    恒川さんの物語はすごく自然に異世界へと誘う。それと気付かないほどさりげなく。

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    2022年10月15日
  • 箱庭の巡礼者たち

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    箱庭のお話がいちばんワクワクした。循環しているようでどれが始まりでもないかもしれないが、やっぱり物語の始まりがいちばん心躍る。最後はいつもの恒川作品と同じく、全てひっくるめて美しかった、と切なくなる。

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    2022年10月05日