恒川光太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本、夜に一人で読むとちょっと不思議な気分になる。
一応ホラーらしいのだが、読んでみると全然違う。夜の闇に浮かぶ古い提灯のような、静かで美しい幻想の物語だった。
普通のホラーみたいなぞっとする怖さはまるでなく、ただただ情景が心に染みて、ふっと息が止まる瞬間が何度もあった。
「夜市」と「風の古道」の二編は、どちらも言葉の織りなす空気が不思議で、読み進めているうちに現実と夢の境目が溶けていくような気がする。
派手な仕掛けはないのに、なぜか胸の奥に重いものが残る。
生きることの業のようなものを、静かに、でも確かに感じさせられた。うまく説明できないけれど、ただ美しいだけではない、切ない余韻があ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ異世界転生の「新しい形」を見た。
路上で、全身真っ白な男から提示されたクジを引き、1等の「???」を引き当てた主人公・斉藤夕月(34歳・無職)。眩い光に包まれて目が覚めると、見知らぬ異世界に飛ばされていたという、なんとも脈絡のないスタートを切る。
異世界ものにありがちな「目の前にメニュー画面が開く」といったシステムはあるものの、ここで与えられるのは戦闘スキルなどではなく、「制約はあるが、何でも10個の願いを叶えられる権利」だった。
この世界では、別の世界からやってきてこの権利を持つ者を「スタープレイヤー」と呼び、願いの残数を「スターが10個残っている」と表現する。
この「願い(スター) -
Posted by ブクログ
ネタバレ「秋の牢獄」
久しぶりに、読みましたが、恒川ワールド全開の作品でした。大学生の藍は、11月7日を何回も繰り返すリプレイヤーになりますが、そのリプレイヤーは何人もいました。妻に浮気されている犬飼や、藍に転機をもたらすことになる隆一など、色々な人と出会います。最初は、リプレイヤー同士で会ったり、一緒に遊んだりしていましたが、北風伯爵という異形の存在がリプレイヤーを飲み込んでいくという事実を知ります。1人1人藍の側から、リプレイヤーは消えていきますが、大学の知人である由利江が新しくリプレイヤーになったように、リプレイヤーは、更新されていきます。オチとしては、藍が北風伯爵に飲み込まれていく形で、終わっ