恒川光太郎のレビュー一覧
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収録されてる2作はどちらも好きだけど、
風の古道がとても好き。
物語全体の雰囲気はもちろん、
たまに見える美しい情景に憂いがある素晴らしい作品
不思議と懐かしさを感じる。
多くの人間にあった「あの永遠の夏」の匂いがする。
この世で一番好きな作品。
2025/11/1
久しぶりに読み返した。
夜市では、特に語られることなく、
すぐさま物語に没入するような展開のスピード感が素晴らしい。
オチは読めず、久しぶりに読んだこともあり忘れていた。
新鮮に楽しめた。
風の古道では、まさかの以前住んでた街の話だった。
本作を読んだのは高校生の時だったが、
武蔵野市や、多摩湖自転車道は以前住んでいた場所 -
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これは見事、名作。世界観としては恒川光太郎作品においてさほど新しいとは感じなかったが、構成が素晴らしい。
物語全体は、歴史物とまではいかないが、長い年月を含んだ壮大なストーリーである。これを複数の人物の視点から(時系列でなく)描き、そのどれもを主役級に厚く描写している。どのストーリーも面白いが、こちらの移入度が高まったところで、複数のストーリーが繋がりを見せるので、また一段と興奮が増す。
時代設定やホラーファンタジー的な要素も相まって、京極夏彦作品と共通するものも感じた。時代小説は苦手で読まないが、そういった人でも問題なく楽しめるのでは。 -
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Posted by ブクログ
終始、レン兄と蘇芳のイチャコラっぷりに目が洗われるどころか腐り落ちる勢いでした。
神とか妖怪とかそういう世界観が大好きなのでとても面白かったです。
蛇に怯えてガクブルしてる蘇芳さんがほんと可愛くて…やばいです。
ともすれば、目を抉られたレン兄にペロって…ペロって…なんのサービスですか。
レン兄は2回ほど目を抉られてますが、その都度超絶可愛いんですけど。
2回目なんか体が縮んじゃって蘇芳にぎゅって…
結局、蘇芳がなんでレンについてんのかの理由は語られませんでしたが、、レン兄が可愛くてしょうが無かったという解釈でいいですか。
これが打ち切りだなんて悲しすぎます。
もっと長い期間ゆっくりとこの世界 -
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古道。
そこは神々が渡り、
妖怪たちが住まう道。
心を残した死者が通り、
生ある者を脅かす場所――
次世代気鋭作家コラボで描く、
幻想ジャパネスク・ホラー!!
▼第3話/呼祭(4〜8)
▼呼祭拾遺/〜鳴神
▼第4話/ 黒沼御前(1〜5)
●主な登場人物/
レン(妖怪たちに「母親殺し」と恐れられる謎の少年)、
蘇芳(犬神。普段は若い男の姿をしている)
●あらすじ/
雪恵を追って古道を彷徨ううち、
かまきり女の宿に迷い込んでしまった聡と菜摘。
女は、自分の子供を産む力をつけるため聡を喰おうとする。
蘇芳が助けに駆けつけるが、
宿には結界が張られ手が出せないでいた。
そんな絶体絶命の中で…!? -
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古道。
そこは神々が渡り、
妖怪たちが住まう道。
心を残した死者が通り、
生ある者を脅かす場所――
次世代気鋭作家コラボで描く、
幻想ジャパネスク・ホラー!!
▼第1〜3話/魄を喰らう肉(1〜3)
▼第4〜6話/隠し神(1〜3)
▼第7〜9/呼祭(1〜3)
●主な登場人物/
レン(妖怪たちに「母親殺し」と恐れられる謎の少年)、
蘇芳(犬神。普段は若い男の姿をしている)
●あらすじ/
5年前に亡くした兄・数久の代わりに医者を志す女子高生・百合は、
この頃、数久の夢を頻繁に見るようになっていた。
そんなある朝、百合は祖母に「数久に会ってもついていってはいけない」と
謎めいた忠告をされる。
その -
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ネタバレ大好きな恒川光太郎の長編。読んでみたかったけど前まで長編が苦手だったからずっと読めずにいたのを、とうとう読んだ!最後の願い何にするのかなって思ってたら、「願いをとっておくこと」だったのが、すごく良い!!しかもそれって自分で叶えられることだから、スターを消費しない願いの叶え方でもある。夕月は、今後の人生で実際にスターを消費せずに終わっても別に構わないとも最後には思っていて、それがなんというか、あんた強くなったね…!って言いたくなった。笑 願う→叶えるの段階から、また一段階自由になった感じの解放感があって、願い続けながら生きることの素晴らしさもあるなって思えた。しかもちょうど夕月と同じ年齢のこのタ
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マヤ文明を舞台にしたファンタジー。神への生贄、凄惨な戦争など残虐と思えるシーンがかなり多いのにもかかわらず、いい意味で案外と軽く読める作品でした。
生贄の運命から救い出されたスレイ。百戦錬磨の戦士シベリア。聡明な神官フォスト、と魅力的なキャラクターがいっぱいです。それぞれの運命に翻弄され、しかしそれに抗い自分なりの道を貫こうとするさまは、誰も彼もがカッコよくて。生贄の文明や命のやり取りをする儀式戦争も、今の世の中からすると野蛮で残酷としか思えないのだけれど。世界観としては必要なものとしてすっと頭に入ってくる印象でした。
やがては滅亡へと向かっていくエルテカだけれど、悲嘆というよりはすっきりした