恒川光太郎のレビュー一覧

  • 竜が最後に帰る場所

    幻想の世界へ。

    特に印象深かったのは、「迷走のオルネラ」と「ゴロンド」でした。
    「迷走のオルネラ」で、つきあっていた頃は煩わしかったコジマアヤカの「君はどう思う?」が、後に手紙で見た時、もの凄く懐かしく嬉しく感じたのに自分でも驚きました。
    「ゴロンド」は、何世代にもわたり最後に帰る場所へと飛び続ける竜という、と...続きを読む
  • ヘブンメイカー

    面白かった!

    前作、スタープレイヤーを読んですぐこちらも読みました。
    今回も面白くてあっという間でした!大掛かりな願いをかなえるスタープレイヤー、逸輝がお話のメインです。大好きな女性を復活させる時のやり方は確かにズルいところがありましたが、逸輝なりに一生懸命考えて色々したのが分かっていたので恋が終わる時はとても...続きを読む
  • スタープレイヤー

    とても面白かった!

    大好きな恒川先生の本!すっごく面白く、最後までノンストップでした。
    夕月の、外見を美しくするという願いは絶対自分もやっちゃうと思います(^^)宝石だらけのキラキラ庭園も!異世界トリップものは、異世界に行ったら外見が絶世の美男美女に変わっていた話が多い気がしますが、自分でやっちゃうと親近感がわきます...続きを読む
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション
    角川ホラー文庫ベストセレクション第二弾。全部読んだことがあるので再読かな。しかし何度読もうと、どれもこれも文句なしの名作です。
    何度読んでも恐ろしいのは坂東眞砂子「正月女」です。どこからどこまで全部怖い。柱時計の音が怖い。登場する人たちもみんな怖い。可哀想に思えるヒロインのキャラも、実はなかなかの恐...続きを読む
  • ヘブンメイカー
    スタープレイヤーのあと、すぐ読み始めた。ずっと前に2冊買って積みっぱなしだったから。
    スタープレイヤーよりなんとなく悲しみが深くて、読み始めは時間がかかった。それでもこの世界観がめっちゃ面白いから結局あっという間に読んでしまった。
    シリーズなのに、きっちり一冊で世界がまとまってるの、ほんと素敵だ。
    ...続きを読む
  • 南の子供が夜いくところ
    3冊目の恒川光太郎作品に選んだ一冊。
    今回もとっても素敵だった…!
    まるで古くから語り継がれてきたおとぎ話を、大切にひっそりと読み聞かせてもらっているみたい。

    とある南の島に来た東洋人の少年タカシと、彼を見守る不思議な女性のユナ。彼らを軸にして時代も空間もあっという間に飛び越えては縦横無尽につない...続きを読む
  • 滅びの園
    『夜市』で惚れてしまいすぐ2作目として手を出した恒川光太郎作品。一気に読み切ってしまった。ファンタジー?SF?を読むのは久しぶりだったし群像劇とのことで頭が付いていくか不安だったけど全くの杞憂であった。短編も長編も変わらぬ強さでグイグイ読ませてくる。
    誰にとっての救いで、希望で、絶望で、破滅なのか。...続きを読む
  • 金色機械
    恒川光太郎『金色機械』
    短編で名を馳せる作者ですが、本作は長編です。
    江戸時代を舞台に、金色様という謎の生命体を媒介として、幼少期に両親を殺された流民の女と遊郭街の頭領の男が出会った時、彼らの運命の歯車が動き出します。
    複雑な時間軸が終盤にかけて収束していく様式美には感服しました。
  • 秋の牢獄
    面白かった!文書が自分と合ってたのか読みやすい
    秋の牢獄が1番好きかな。いやどれも好きだな
    秋の牢獄の最後の一文で人生じゃんって思った
  • 竜が最後に帰る場所
    恒川光太郎氏の独特な世界観が、様々な形で表されてる
    どの短編も面白いが、夜行の冬と鸚鵡とオルネラが好み
  • 無貌の神
    「神」と「風」をテーマとした作品集。筆者はハッピーともバッドとも、何とも言えないような結末を迎える作品が多い中、「死神と旅する女」はこれ以上ない結末であり、爽快であった。しかし、筆者の文章が持つ独特の余韻は失われることはなかった。そして最後の短編「カイムルとラートリー」は筆者屈指の名作である。「竜が...続きを読む
  • 異神千夜
    短編連作ではないが、金色の鼬を媒介とした四作品を収録している。雰囲気は【夜市】に近く、中でも表題作の【異神千夜】は著者の作品の中でも傑作と言える。読んでいると、頭の中で著者が描く風景が構築されていく。この読者に風景を想起させる幻想的な文章は比類ないものであり、数々の賞を受賞していることも頷ける。次の...続きを読む
  • 滅びの園
    自分好みの世界観で一気読み、と言いたい面白さだったが、正確には三気読みでした。

    地球外生命体(未知なるもの)が地球に寄生したことで、地上にはプーニーが出現。
    プーニーは牛乳プリンのような謎の生物で、突発的に増殖する。動物が誤って取り込むと、その動物もプーニー化、抵抗値の低い人間だと近づくだけで拒否...続きを読む
  • 滅びの園
    他人の不幸の上に成り立つ幸福は否定されざる得ないものなのか?

    人類に破滅をもたらす物に取り込まれた唯一の人間は夢のような世界で新たな家族と幸せを育みながら暮らす。

    一方、破滅へ向かう人類は起死回生の一手を模索する。

    破滅へ向かう人類の中で耐性を持つ人間達

    其々の立場から生まれる葛藤
    其々の正...続きを読む
  • 南の子供が夜いくところ
    連作短編であるが短編間に深い繋がりはなく、著者の「草祭」のような作品が好きな方にはおすすめである。とある島で起きた時空を超えた幻想的な物語が様々な人物の語り口で展開される。最初の短編を読んだ際、今作は微妙かもしれないと感じたがそれは杞憂だった。全ての短編を読み終えた時に最初の短編を読み返すと変な笑い...続きを読む
  • 滅びの園
     ある日突然、上空に表れたい未知の存在。
     
     その日から白いぷにぷにとしたものが地球を吞み込もうとしている。

     その未曾有の危機に立ち向かうもの。逃げるもの。思いがけずにその核になってしまったもの。

     その様々な人間模様がとてもよかったです。
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    角川ホラー文庫ベストセレクション。というだけのことがあって、本当にもうどれをとっても大傑作のホラーアンソロジーです。お気に入りがどれかだなんて選べません。もう全部大好きすぎる作品でした。
    ほぼ既読だったので、雰囲気に浸りながらじっくりと再読。福澤徹三「五月の陥穽」だけ未読だったかな。これ、凄まじく怖...続きを読む
  • 夜市
    ジャンルはホラーなのだけど、入り込んだ世界が幻想的で、読んでいるうちに不思議で美しく妖しい別世界に迷い込んだような気持ちになっていました。
  • スタープレイヤー
    こんなに爽快なファンタジー小説は初めてです。10個の願いという制限が、物語にスリルとドラマ性を生み出していると思う。恒川さんはノスタルジックなホラーを書くという印象があったけれど、こんなに明るくワクワクするような話も書けるのかと意外に思った。
  • 金色機械
    何て面白いんだ! 京極夏彦「嗤う伊右衛門」の心がキリキリする感じと宮部みゆき「悲嘆の門」のドキドキ感が混ざった素晴らしい内容。 物語自体がとても面白く構成も良く出来ていて又とても読み易い文体で書かれているので内容がすっと入ってくる。 「夜市」があまりに衝撃的だったので期待半分、不安半分で読み進めたが...続きを読む