恒川光太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
各ストーリーの登場人物同誌の関係性が薄めの連作短編集。
単行本発売時の「好書好日」のインタビューでも語られているが、これまでの恒川作品の最大の特徴といえば、幻想、ホラーファンタジー。デビュー作「夜市」から続く安定のスタイルを今作品は敢えて角度を変えて現実を描いている。(エッセンスとして多少 非現実的な要素は含まれている。)
どこにでもいるような普通に生きている人間が、ある日突然何かのキッカケで生活が反転するかもしれない可能性。各主人公が背負う重たく影を持つ現実と、再生へ向かう心理描写がどこかキッパリと清々しく、その対比が絶妙なバランスで読みやすかった。
とはいえ、個人的にはやっぱり従来の -
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Posted by ブクログ
ファンタジーだけど自分が知らないだけで実際にはあることなのかもしれない。そんな短編集。とてもきれいな文章で読みやすく、きつい内容のものもあるのに穏やかで水彩画のようだと思いました。
風を放つ
比較的日常に近いところでのファンタジー。マミさんがなんだか本当に存在しているのかわからないふんわりした妖精のような感じなのと読後感もなんだかふんわり。
迷走のオルネラ
DVが物語の中心なのでやや手に汗握る展開からスコーンと静かな蒼い月に意識を持っていかれる。最後は春の暖かな空気にまた持っていかれるがラストは考えさせられる。
夜行の冬
絵画的でもありホラー的でもあり。冬の美しさとグロテスクな闇とパラレ -
Posted by ブクログ
南の島に伝わる伝承のような短編。
全ての短編において現実世界の中に怪異がふと顔を覗かせている。
全て全く違う話ではあるもののキーワードでは繋がりを感じる。泉や、胡弓、山羊など。そして共通項として死が深くストーリーに絡まっている。
生という日常の対立効果として死という未知なる異界・存在が際立つことで、この不思議な話に引き込まれていく。
この小説の色は黒に近いグレーかな。
そもそもホラー文庫から出発されてはいるけれど、恒川作品の中では明るい話が少なくて、個人的には星3つ。
・弥勒節
ある楽器で弥勒節を引いたらヨマブリが吸い取られる。
ヨマブリは瘴気みたいなもの?
ヨマブリに触れたり当たったりし -
Posted by ブクログ
2022年、3冊目は、恒川光太郎の編集モノ。単著未収録の短編、掌編、11編収録(3編は、アンソロジーで既読)。自分はランダムに読みススめました。
今回は、気になったモノを幾つか紹介。
白昼夢の森の少女:表題作。植物に侵食された少女の話。人と植物(樹木)との時間感覚、死生感の違い。
傀儡の路地:ドールジェンヌ、彼女が抱えた人形の言葉には、どんなに理不尽でも、抗うコトが出来ない。個人的感覚だが、ラストに向かい、主人公の切なさが増して行く。
銀の船:あらすじ割愛。コレは既読作で、もぅ5回以上再読してる、何度読んでも色褪せない大好物。恒川光太郎との出会いの一編、その思い入れも含めて。
ダーク