恒川光太郎のレビュー一覧
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自分はどちらだろうか考えながら読みました。
未曾有の危機に陥った世界の中で、救う力を持った人たち、その危機を無意識に起こしてしまった人。
世界中が滅ぶと聞いても、自分にとっての世界が別にあるのなら、どうなってもいいと思うのかもしれない。そう思わせたのは周りであり、彼自身なのかもしれない。
人を救うために行動に移せる人たちも、人と同じ姿をした何かを殺すのは普通の神経では出来ないはずで。
正しさって何だろうと最後に思わされます。みんなにとって幸せの定義も悪の定義も違う限り、ぶつかるのは必然で、わかりやすい大義名分をつけて、どっちを優先するか、ということになるのでしょうか。
やり切れないラストです -
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ホラーだけどあまり怖くはない。
急に脅かしてきたり幽霊が出てきたりはしません。でも、ジンワリ怖いというか切ないというか…独特なホラーでした。
今年は読んだことのない有名作品を読もうと思っていて、ずっと気になっていたこちらの作品を読みました。単行本は2005年刊行ということで、20年以上前の作品なんですね。恒川さんの著書を読むのは『ジャガーワールド』に続いて2作目。ホラー作品としては初めて読みます。本書に収録されてる2作品とも不思議な独特の雰囲気…ちょっと乙一さんぽいとも思ったけど、でももっと淡々としているかな…。他のホラー作品も読んでみたいです。 -
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恒川光太郎は失敗の作家である。
↑暴言! 大暴言!
失礼ながらそう思った。
しかし「失敗作を生み出す」ではなく、「失敗した作家」でもない。
ホラーが好きなのだろう。
SFも好きなのだろう。
しかし、ことごとく「失敗」しているように見受けられる。
作品からは恐怖ではなく、知的興奮でもない何かがじわりと滲み出してしまう。
これは勝手な想像だが、当人もそれに薄々気づいているのではないだろうか。
真っ直ぐ走らせてるつもりが、なぜか気がつくと曲がってしまうような感覚。
そんなふうに読むと今作の初めの三作は苦労の跡が見受けられる。
ぶつっと切れてしまう。
まるで作者が勝手に曲がってしまう自身の癖を抑 -
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ネタバレ表題の「白昼夢の森の少女」がよかった。現実では人間が植物に取り込まれたと、大変なことになっているのに、当の本人たちはどこか他人事のようで、自分と距離を置いて話していて、どこかふわふわしている。他の緑人と意識が繋がっており、1/1人はなく1/数千人の意識だからなのかと思うが、不思議な雰囲気。
「焼け野原コンティニュー」も印象に残る。プラズマドラゴンにより焼け野原になった世界で、主人公は記憶を失い甦る。当てもなく歩く中で出会う人、見たものから記憶を少しずつ思い出すが、また命を失い「コンティニュー」となる。なぜ記憶を失い甦るのか、これはいつまで続くのか、読み終わった後に虚しさが残る。 -
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作品紹介・あらすじ
書物、人形、恋ごころ。人の噂も燃え盛る。炎ゆらめく25編!
『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』『これが最後の仕事になる』『だから捨ててと言ったのに』『新しい法律ができた』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第六弾!
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25編からなるショートショート集。
Mephisto Readers Club(MRC)が贈る大好評シリーズ第6弾とのこと。第1~5弾までは未読。とりあえず最新作から読んでみようと思い手に取った。
最初の一文は必ず「それはそれはよく燃えた」で -
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☆2.5 女性なろう系、ただしファンタジー
何でも願ひを叶へられる――ただし10個まで。
ファンタジーの皮をかぶってゐるものの、はじめから有利な条件で無双する、異世界チートものと設定が変らないやうにも思へる。
主人公は最初、その願ひを私利私欲のために費やしてしまふが、むしろ読み味はそこではない。読者がストーリー上の架空世界の地図をえがいて楽しむのが本筋だらう。
なんとなれば、作者の恒川光太郎がはじめてファンタジーにあたり、自由に空想したのをそのまま書いたやうな、都合の良さが見え隠れしてゐる。さういぢわるして言ふこともできる。幽とかフルムメアとかね。
ちなみに恒川さんは村上春樹の『 -