恒川光太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
傑作『夜市』から続いてきた異郷を舞台にした作品群から一転。伝説、民話、神話、怪談という民族心理に根付いた寓話を一つの舞台で語られる短編集として構成、展開しようとした恒川光太郎の意欲作。
絶望の淵からの再生と復活をテーマに7つの話が語られてゆく。表題の『南の子供が夜いくところ』は、この短編集のプロローグ的な話であり、主人公のタカシ少年と大呪術師ユナが南洋に浮かぶトロンバス島との関わり合いと、この島にまつわる奇談で読者を現代、過去、異界へ縦横無尽に駆け巡る異世界へと誘う構成と飽きることなく一気に読ませる「技」は見事。日本人の深層心理にある「南国望郷論」に基づくユートピア「トロンバス」。大自然の不思 -
Posted by ブクログ
ネタバレ全体的に読み手に委ねる結末が多かった。綺麗さっぱり終わるよりも、余韻が残るように感じられた。
『迷走のオルネラ』
冒頭のくだりから場面が変わって、最後にどうまとまるのかなと思ってたら、話がどんどん展開されてそれでもちゃんと着地しててすごい。
『夜行の冬』
並行世界を渡り歩くという物語。どことなく和風ファンタジー?ホラー?な雰囲気が好みだった。最後は縮毛の娘と一緒になる世界線という解釈でいいのかな
『ゴロンド』
最初はこの生き物は何だろうと思ったけど、竜だったのか!と途中で気づいた。タイトルでもある「竜が最後に帰る場所」っていう言葉も出てきて、腑に落ちた。最後の解釈については、何が正解なん -
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ネタバレ甘い羊羹食った後に苦いお茶をいただいた気分。
もちろん古道がお茶ね。
短く、簡潔で必要以上に語らない印象。構成、会話、結末もシンプル。
ファンタジーを描写しつつ設定にホラーに盛り込んだ感じがする。
唯一無二だったであろう描写は今ではシンプルかもしれん......でも登場人物の描写の引き出しの多さには驚いたな、それでさえ必要以上に書かないから「あぁ、いい描写だな」でひたすら楽しい。
まあやっぱり書き出しはインパクトありますね。序盤からファンタジーをぶちかましてきた!って感じ。読者がファンタジーの脳に切り替えやすい。
結末は予想できないなぁ。夜市も古道も復讐劇が織り込まれてたね。あと、頼りに -
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Posted by ブクログ
久しぶりに(私が思う)恒川さんらしい作品。
かつていた『キ』と呼ばれる人々の痕跡を探す、学者・鶯谷玄也。
新政府軍との闘いで敗れた二本松藩の少年部隊の生き残り・松野滝次郎。
二人の物語が描かれる中で、『キ』の姿に迫っていく。
『キ』とは何なのかという問いかけから始まる物語だが、結局のところ『キ』が何なのか、正確に言い表す言葉は見つからないままだった。
だがそこが良いのだろうと思うし、定義してしまうような存在ではないのだろうとも思う。
最初は裏の仕事を請け負う闇の集団かと思ったが、誰でも入れるわけでもないらしく、『御屋形様』に認められなければならない。
狒々のような人ではない存在の話も出て