町田康のレビュー一覧

  • 口訳 太平記 ラブ&ピース

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    町田康による、ユーモアと人間味のある語りの『太平記』。原典の序盤、鎌倉幕府末期の動揺期を舞台に、後醍醐天皇の討幕の企てとその失敗が描かれる。

    楠木正成の登場以降がとくに印象的で、最後は彼が良いところをすべてさらっていく。

    金剛山には何度も登っているが城跡には寄ったことがなく、次は立ち寄ってみたい。正直なところ、楠木正成がどんな人物かを、今回初めて知った。

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    2026年02月11日
  • 告白

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    ネタバレ

    19世紀末に実際に起きた殺人事件をモデルに、殺人犯となった一人の男の生涯を描く怪作。圧倒的なボリュームで「人はなぜ人を殺すのか」が描かれる。
    主人公の熊太郎は自分の思考を言語化することがとにかく苦手で、幼少期から大人に至るまで他者とのコミュニケーションを上手に取ることができない。決して頭も性格も悪いわけではないのに社会の中で生きづらさを感じている。現代でいうところの発達障害のような描かれ方だが、当時は誰にも理解されない。そんなわけで、熊太郎はろくに働きもせず博打ばかりに日常を費やしている。
    そんな男が大量殺人に至るまでの過程を、圧倒的な心理描写で描き切る。作品全体を通じて河内弁の独特の文体が徹

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    2026年02月06日
  • 宇治拾遺物語

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    坊主も貴族も上下関係なく、うんこ、ちんこ、すけべのオンパレード。教科書では「説話集」と習ったけれど、よもやま話にも程がある(褒めている)。

    なんだよ、「チンポ外し。娯楽の王様です」ってw

    町田康訳の古典、クセになりつつある。

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    2026年02月03日
  • 告白

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    本作品を薦める声をいくつか拝見したのがキッカケ
    河内弁のやり取りに多少の読みづらさを感じるものの、ずっと落語を聞いているかのようなテンポで読んでいて楽しさと遊びを感じる。
    主人公である熊太郎のネガティブな心情を多彩な表現で言語化しており、読んでいて共感や身に覚えがあるかも…と感じてしまう。
    最後の最後に、タイトルの意図みたいなモノが見えて震える作品で、常に自分自身に問いたい。あかんではないか-

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    2026年01月30日
  • 告白

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    人より思案しすぎてしまいうまく言葉が紡げない熊太郎の生涯を辿った。
    良くない部分はあるけど、8割くらいは熊太郎に同情というか、共感できた。
    反面教師にしたいわけじゃないけど、最後の最後で後悔しないように生きなきゃ。
    すごく言語化が難しい気がするから、丁寧に読み返したい。
    読後にタイトルを振り返ると、ちょっとしみじみした。

    文章そのものについては、時代小説的表現でわかりづらいものがあるが、思考をそのまま言葉にしたようで汲み取りやすいと感じた。
    当時の時代感に混ざる外来語的表現が絶妙で、違和感なく面白く読めた。

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    2026年01月24日
  • 告白

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    河内音頭の『河内十人斬り』のモチーフとなった
    実際に起きた事件!
    熊太郎と弥五郎の気持ちの動き、心の声、世の中への不満、生き辛さ、もの凄く分かるし刹那くなります。
    悪い人達、ズルい人達が得をする、現在と変わらない社会の闇を鋭く描いています。
    842ページの長編ですが、是非読んでみてください。

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    2026年01月15日
  • 口訳 古事記

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    おもろ。
    オーディブルで読み聴いた。神や大王の関西弁会話は、耳で聴くと笑えてしまう。そういうわけで、慣れない関西弁で行ってみると、オモロ。

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    2026年01月12日
  • 入門 山頭火

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    ネタバレ

    町田康さんははじめて読んだ。独特な感じで最初は色々気が散って読みにくい気がしたけど、慣れてくれば気にならない。「分け入っても分け入っても青い山」「まっすぐな道でさみしい」など好き句についての話は面白い。

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    2025年12月21日
  • 口訳 太平記 ラブ&ピース

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    最初、関西弁のやり取りがかなりコッテリ過ぎて、関東人の私には無理かも、と思ったけど、頑張って読んでる内に、なんかエセ関西人になりそうな感じで、本読んで無い間も、脳みその中エグい関西弁で考え事してまんな。
    登場人物が多すぎて、少なく見積もっても3桁はいるやろうし、家族や一族だとやたら名前が似てるし漢字が難しくて次のページでルビが無くなると途端に読めなんくなるし、誰と誰が戦ってるのかとか、イマイチよく分かんまま、関西弁のエエ感じに流されて読んでしもうた。
    何だかんだで文句は言いつつも、結構おもろうなってきよって、次どうなるんやろって感じでどんどんワールドにハマっていき、電車の中で思わずぐへっとか笑

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    2025年12月18日
  • 告白

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    「あかんかった」までの800ページ越の思弁に詰まる熊太郎の人生に感服!
    地の文も会話も思弁も説明しすぎているが、その喋りに運ばれ語られる物語は濃厚!壮大な、ではなく濃厚でした!
    獅子頭をかぶり自己と他者の間に虚無が現出するように生きてきた熊太郎は、当事者本人であるのに傍観者の立ち位置として他者と本当に交わる事なく、己の思弁が自らの感覚にのみ閉じ、語られる思弁に少しの疎ましさと親近感を覚える。

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    2025年12月14日
  • 俺の文章修行

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    文章を上手く書くコツが記されているけど、結構抽象的な表現が多くて難しかった。それよりも言葉遣いとかコテコテの関西弁とかが面白くて、ふふ、と笑ってしまい、もっとこの人の文章を読みたい、という気持ちだった。それでも頑張ってそこから少しずつ溢れてくるこの本の内容というか著者が伝えたいことをすくいとって、なるほどこんな技法があるのか、とか、これは無意識にやってたな、とか思ってふむふむした。この本に書いてある通り、何度も何度も読めばもっと深く理解できるかな。

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    2025年12月05日
  • New Manual

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    めちゃくちゃオシャレな一冊。目が眩むような。読んでてテンション上がる。アンソロジーとあるけど雑誌みたい。写真も文章も装丁も、完成度高すぎた。

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    2025年11月26日
  • ふたつの波紋

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    題材となる人物の知識が全くなくても、難しい話題で理解が追いつかなくともとても面白く読める。そしてそれらを読んでみようと思わされる。町田康のファンではあるが伊藤比呂美さんは知らず、これも読んでみたいと思った。
    あれだけ個性の強い町田康がどんな想いで文を書いているのか見えたこともとても面白い。


    石牟礼道子
    種田山頭火、村上護
    太宰治、中原中也

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    2025年11月18日
  • 告白

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    ネタバレ

    結局、熊太郎の怠惰が招いた結果では…?となってしまい、あまり感情移入はできんかった。松永一家の行いが酷いのはもちろんなんだけど(やったれ!と思ってしまった。子や奥さんまでは納得いかないけど)、結婚後も碌に家におらず家族らしい行いもせずなら…他の人に心が移るのも仕方ない。勝手に神様だと理想を押し付けて、理想から外れたら殺すのは身勝手すぎる。

    後半の怒涛の描写は好きだった。覚悟を決めて穏やかになってる2人の描写や、「平たい土地に松の木が生えている〜」の文章特に好き。分かります。1番好きかもしれんこの文章。

    独特な理屈の中に、ちょっと分かるなあみたいな部分もあって、同情はできないんだけど、遠くも

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    2025年11月01日
  • きれぎれ

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    特別に面白い展開はなくても文章の面白さでぐいぐい読めた。リズムが気持ちいい。主人公はダメダメだけど育ちがいいからところどころで教養が滲み、ユーモラスで惨めで憎めない。お見合いを滅茶苦茶にするシーンなんか最高だった、馬鹿で不細工。
    解説で池澤夏樹が、(類似作家としてよく挙げられる太宰と違って)町田康は没落者ではなく、日本全体が没落したのではと指摘してて興味深かった。「泡沫景気が崩壊して、自信を失い、目標を失い、当惑している。何かが終わってしまって、次が始まらない。教養はあるけれどその使徒がない」。きれぎれを読んでいて何となく他人事ではないと焦るような気持ちになったのは、作中を漂う空虚さが限りなく

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    2025年10月29日
  • 口訳 太平記 ラブ&ピース

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    始まり方、暗っ!こんなんで始まってどうするんだ……なんて思ってたらあれやあれやと、話が相変わらずどんどん面白くなっていく。
    承久の乱おもろ、などとなり、思わず友人知人にそんな昔の北条氏の話をしたくなってしまう。歴史を習っていた頃に読んだら人生変わったかもね、おほほ。それで正成ちゃんはどうなったのかしら……

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    2025年10月27日
  • 記憶の盆をどり

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    はじめて読んだ町田康作品。
    文体が独特。
    短編どれも面白かった。
    特に気に入ったのが『付喪神』。
    さるかに合戦のようなお伽噺のようなファンタジー。
    クセになる。
    他の町田作品も読んでみたい。

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    2025年10月15日
  • 真実真正日記

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    もうなんなんよーつかれるよー
    って感覚のおもしろさ
    読み終わってからすぐ再読中、再読は更にゆったり味わえて面白い
    初めはエッセイかと思ったけどフィクションにつかれたマイナー作家の日記ということ
    嘘は書いていないと冒頭にあるけどハチャメチャな世界です

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    2025年10月13日
  • 告白

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    文庫で800ページある長編、第41回谷崎潤一郎賞受賞作。
    町田康の作品を「くっすん大黒」「きれぎれ」「告白」と読んで来た。くっすん大黒は「くっすん大黒」と「河原のアパラ」の2作品が収められ、「きれぎれ」は「きれぎれ」と「人生の聖」の2作品、「告白」は長編大作。

    河内十人斬り、という河内で十人を殺害した実際に遭った事件の実行犯の、城戸熊太郎という男の人生が、そのまま物語になっている。400ページ位までちょっと退屈なストーリー展開だったけれども、後半物語が動き出して面白くなってきた。

    安政4年生まれの、河内の国、水分(すいぶん)村に生まれた熊太郎は、要するに百姓仕事が性に合わず、ほかに仕事

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    2025年09月25日
  • くっすん大黒

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    二篇所収
    ・「くっすん大黒」4⭐️⭐️⭐️⭐️
    野間文芸新人賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作品。

    怠惰で仕事を辞め、妻にも出て行かれたダメ男の主人公楠木正行。部屋にある無用の置物・大黒様、これが不安定で設置困難。楠木はこれを捨てようと行動するが、登場する人物たちも、特に女性が一癖ある人達で、物語の展開が面白く読んでいて楽しい。

    ・「河原のアパラ」5⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
    「くっすん大黒」が面白かったので、これ以上はないだろうと思っていたら、「河原のアパラ」がより最高に楽しかった。

    町田康という人がデビューしたのは、日本に一人の才能が現われたのだと思う。

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    2025年09月25日