町田康のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
山頭火のことは、昔「まっすぐな道でさびしい」という漫画を読んで(最後まできちんと読み切ったか自信はない)なんとなくそういう人だと知った。それ以前にも有名ないくつかの句は知っていたようには思う。
その程度の知識だったが、町田康さんがお書きになったものなら読んでみたいと思った。何年か前、講演で町田さんが山頭火の「行乞記」を今読んでいるという話をされていたのも記憶にあった。その時「ぎょうこつ」という言葉を初めて知り、漢字も全く浮かばず、ただ話の流れで意味はなんとなくわかったのだが、全く知らない言葉ってあるもんだととても印象に残った。
評伝エッセイというのか、町田さんの地が現れて、とても読みやすく面 -
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Posted by ブクログ
町田康さんて何者? パンクロッカー、俳優、詩人、小説家、大学特任教授…、更に芥川賞を始め、多くの文学賞を受賞してますね。『告白』に衝撃を受け、デビュー作の本書を手にしました。
作風や文体はもちろん、『告白』の主人公に似た「あかんやないか」的な登場人物まで、共通点と言うか原点を見た気がします。太宰に通ずる?
表題作は、怠惰で仕事を辞め、妻にも出て行かれた楠木正行が主人公。部屋にある無用の置物・大黒様、これが不安定で自立困難…。楠木はこれを捨てようと行動(梶井基次郎の『檸檬』?)しますが、登場する人物たちもほぼダメな人たちばかりです。
終盤の友人のセリフ「楠木だけに"くっすん& -
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Posted by ブクログ
文体がなんか前のを少しいじったぐらいかなーと思って読み進めていくが、全然そんなことない、と思う。そんなことよりも水を飲むようにして文章がどんどん入ってくる。んで、マジックリアリズムというのかちょっと現実的でないことが不意に起きて、(例えば頭皮が垂れてきて口の中に入るとか)気づいた時にはってな感じ。何も考えずに、一筆書きのようにビャァーッて書いたような文章で、癖になる。これは適当に書いてできる代物ではない、はず。
意外とここまで細かく丁寧に描写している小説はないのではないかと思うほどに、細かい、と思いきやいつのまにか場面が変わっていたりなど、とにかく他の作家とは視点が違う。描くポイントが完全に違 -