町田康のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
町田康さんて何者? パンクロッカー、俳優、詩人、小説家、大学特任教授…、更に芥川賞を始め、多くの文学賞を受賞してますね。『告白』に衝撃を受け、デビュー作の本書を手にしました。
作風や文体はもちろん、『告白』の主人公に似た「あかんやないか」的な登場人物まで、共通点と言うか原点を見た気がします。太宰に通ずる?
表題作は、怠惰で仕事を辞め、妻にも出て行かれた楠木正行が主人公。部屋にある無用の置物・大黒様、これが不安定で自立困難…。楠木はこれを捨てようと行動(梶井基次郎の『檸檬』?)しますが、登場する人物たちもほぼダメな人たちばかりです。
終盤の友人のセリフ「楠木だけに"くっすん& -
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Posted by ブクログ
文体がなんか前のを少しいじったぐらいかなーと思って読み進めていくが、全然そんなことない、と思う。そんなことよりも水を飲むようにして文章がどんどん入ってくる。んで、マジックリアリズムというのかちょっと現実的でないことが不意に起きて、(例えば頭皮が垂れてきて口の中に入るとか)気づいた時にはってな感じ。何も考えずに、一筆書きのようにビャァーッて書いたような文章で、癖になる。これは適当に書いてできる代物ではない、はず。
意外とここまで細かく丁寧に描写している小説はないのではないかと思うほどに、細かい、と思いきやいつのまにか場面が変わっていたりなど、とにかく他の作家とは視点が違う。描くポイントが完全に違 -
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なんというか、聞いた話などを書き残しているものだから、内容が雑誌に載っている小話の連作、という感じだった。
なので、何か学びになるとか、含蓄があるとかということはあまりなくて、むしろただそれを楽しむ、という雰囲気のもの。
町田さんの、『古事記』などで見かけた奇天烈な訳は控えめだったけれど、それでもだいぶ読みやすく楽しく読み通した。
序文で『宇治大納言物語』の話が出ていたのでそれもぜひ読みたい、と思い検索したが見つけられぶにいたら、どうもそれは散逸し(あるいはそもそも書かれてない?)現代では見つかっていないということが解説にあった。そういう事情も含めて面白い。
今回200話中30話のみの抜 -
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ネタバレ池澤夏樹の日本文学全集、読むつもりはなかったのですが笑、「宇治拾遺物語」はめっちゃ面白い!と言われたので手に取りました。超訳でゲラゲラ笑っていたけれど、これはどこまで創作が入っているんだ、、?とはずっと気になっていました笑
一番好きなのは一番最初の「道命が和泉式部の家で経を読んだら五条の道祖神が聴きに来た」。史実では道命と和泉式部は関わりがなさそうらしいですが、和泉式部のイメージに付随するエロさ、みたいなところが私は好きでした。和泉式部が好きなのでこれが一番好き!みたいな感じ。
「そして、ただいい女というだけではなく、そそる女だった。色気のある女だったのである。それもただの色気ではなく、壮絶 -
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定期的にやってくる日本史学び直したい病の一環で購読。
日本昔話や芥川龍之介などでお馴染みの話もあれば、日本史で出てきた話など町田康の超訳で読める楽しい一冊。文庫版は町田康のあとがきが二つ載っていてそのどちらも面白い。
こんな千年以上前の説話がずっと残っていることも驚きだし、この現代語訳がブルースをそのまま自分たちの音楽に作り上げたストーンズやZepみたいだなあなんて思いました。P-Vineで昔出たZeppelin ClassicsとかRolling Stones Classicsを聴いた時のような感覚になりました。
次は日本霊異記とか今昔物語の現代語訳を読んでみようと思います。 -
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町田康が種田山頭火の生涯・人間性を独断と偏見で語る一冊
それはもう本当に『わしはこう思う』で書かれた一冊
でも、町田康自身のパンクロッカーとしての経験だったり、酒に溺れていた過去だったりだとかと重ね合わせて語ってくれるので、なるほど!と思わせる説得力があります
ただ(後半は特に)さすがにこれは好意的に捉えすぎ、山頭火を擁護しすぎでは……ってな部分も見え隠れするので、もうちょい厳しい視点での意見も読んでみたかったかな
山頭火の生涯を語ってはいるのだけど、没年まで追っているわけではないです
ので、巻末に掲載された山頭火の略年譜を見ると「ほえー、このあとこんなことしてたんかー」とか「んでこのあ -
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ネタバレただ大黒を捨てるだけの話なのに、併録の『河原のアバラ』含めて、なんだか事態が予測もつかないような面倒ごとに巻き込まれていく。青春小説ではないものの、友人とバカやってふざけたり、騒動に巻き込まれたりっていうのが面白いし、良いなと感じさせられる。
最初の服屋でアルバイトするくだりはほぼコントである。チャアミイとおばさんの癖の強さ。と思えば上田を追うドキュメンタリー映画の女も癖が強い。うどん屋の天田はま子も癖が強いし、うどん屋のちゃっちゃっちゃがやりがいっていうのは何となく頷ける。作中、うどんの曲作ってるアーティストなんてどうかしてる、みたいなくだりがあるが、町田康自身『犬とチャーハンのすきま』で