町田康のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「義経記」「古事記」に続く、町田康の古典口訳シリーズ。
読む前から面白いだろうなと思って読み始めたら、案の定面白い!
ゲラゲラ笑って読む「太平記」ってなんなの?
「口訳」の真骨頂は、日野俊基が鎌倉へ送られるときに詠んだ(とされる)以下の歌にも示されている。
桜吹雪がえげつなく/道に迷うた交野の春も
紅葉の錦を着て帰る/日が暮れ秋の嵐山
一夜の宿りすらだにも/げっさしんどい仮の宿
だのにそやのに連日の/旅寝は鬱にそらなるわ
長年住んだ京の町/ほなさいならと旅立って
愛し可愛いの妻や子も/置き捨てひとりトボトボと
思いもよらぬ長の旅/実際マジでしんどいわ
ますます磨きのかかった古典の「口訳 -
Posted by ブクログ
訳者の町田康自身が、数ある宇治拾遺物語のお話のなかでこれらを選んだのかな?
オチにガッツリ教訓がある話、なんとなくスン、、と終わる話、いろいろだけどどれも、町田康節が爆発している。
出てくる登場人物がほぼ、良い人でもめちゃくちゃ悪い人でもなくグレーな人なところ。教科書に掲載されている宇治拾遺物語の勧善懲悪の印象だった宇治拾遺物語の、本当の姿が浮かび上がってくる。
人間ってそうやんな、完璧に善な人も悪な人もあんまりいなくてグレーな人がほとんどで、世の中なんとかそれで廻ってる。時の上皇であってもそれはこの本の中では同じで。時代は変われど人間の本質は何も変わらない。欲も諦めも喜びも悲しみも愛も。
小 -
Posted by ブクログ
沖永良部島から薩摩への帰路、嵐に見舞われて遭難し朝鮮へ漂着してしまった藩士安田義方の日記を基に書かれた長篇小説。話す言語が違うので遣り取りのすべてにおいて漢文の筆談を強いられ、漸く通じ合ったと思えば相手国役人の“役人らしい生真面目”な繰り返しの確認作業に煩わされて帰郷の段取りは遅々として進まず、そのうえ法律のせいで上陸が許可されず生活(藩士船人合わせて二十五名)は半ば崩壊して水浸しの船の上。詩の達人と勘違いされてはやたら次韻や評を求められ、鼻持ちならない役人や細々とした問題へのひとり奔走。と書出せばキリが無い過酷の連続はもし自分だったら正気を保てそうになく、漠然とやっぱり武士って凄いなという感
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Posted by ブクログ
ネタバレ19世紀末に実際に起きた殺人事件をモデルに、殺人犯となった一人の男の生涯を描く怪作。圧倒的なボリュームで「人はなぜ人を殺すのか」が描かれる。
主人公の熊太郎は自分の思考を言語化することがとにかく苦手で、幼少期から大人に至るまで他者とのコミュニケーションを上手に取ることができない。決して頭も性格も悪いわけではないのに社会の中で生きづらさを感じている。現代でいうところの発達障害のような描かれ方だが、当時は誰にも理解されない。そんなわけで、熊太郎はろくに働きもせず博打ばかりに日常を費やしている。
そんな男が大量殺人に至るまでの過程を、圧倒的な心理描写で描き切る。作品全体を通じて河内弁の独特の文体が徹