町田康のレビュー一覧

  • 俺の文章修行

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    ネタバレ

    めちゃめちゃおもしろい。町田康による文章の書き方だが、当然真正面から行かずさまざまなボケやギャグをはさんで進むのだが、これも町田の作品をそれなりに読んだことがない人にとっては、何を言っているのかわからないのではないか。そういう意味では客を選ぶ本だ。何回でも読み返したくなる本。

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    2026年02月06日
  • 宇治拾遺物語

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    何百年も前の人たちも、同じようにウンコやチンチンでゲラゲラ笑ってたんだな…って思うと、親近感がわきますね。

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    2026年01月29日
  • くっすん大黒

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    狂人。町田康という狂人が文学という媒体を介して、私たちに開示してくれたような印象を受けた。堕落したところに見れる人間の狂気はかなり好み

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    2026年01月24日
  • 宇治拾遺物語

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    池澤夏樹=個人編集で出た同作の文庫版。拾遺というだけあって教訓もクソもないエピソードだらけ。読後感としては兼好法師の中年男性じみたお説教パートだけを差し引いた『徒然草』という感じで、非常に素晴らしい。陰嚢に陰茎を隠して「私は性欲を自ら振り切った聖人です。お金をください」と乞食する詐欺師の話や、陰茎を奪い取る秘術を学ぶためになぜか山で猪と戦う話などが白眉だった。てかチンポ多すぎだろ。そんでまあチンポっつったら町田康なんだよな。坂道を無軌道に転げ落ちるような軽妙で激烈な文体にこそ名もなき民草の俗気も宿るというもの。

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    2026年01月20日
  • 浄土

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    50-60年代内向世代の閉塞した厭世的気配と、SFの様な要素も垣間見える、これまでと一線を画す雰囲気の短編集。
    文壇を化かしている様な口語と、明晰な言語化を備えた作者の文体の特殊性は、ブラックジョーク・ナンセンスな本作のテイストと合わさり一つの到達点と感じた。特に社会人を体系的に描写した『自分の群像』は、感心する程のリアルと既視感を覚える出色の出来だった。

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    2026年01月19日
  • 猫にかまけて

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    猫を知る者は必読の書である。
    猫を飼ってる人なら誰でも分かるが、猫にも一人一人の個性や性格がある。そして不思議なことに、猫と長く寄り添うとその猫がいま何を話しているのかが分かるようになるのだ。実家にも猫が2人(マルとユズ)いるのだが、マルはココアで、ユズはゲンゾーに似ていた。

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    2026年01月19日
  • 宇治拾遺物語

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    町田訳、とてもよい。現代の砕けた表現が、物語のノリにマッチしている。すごく腹に落ちて笑える。

    それにしても...昔から人間はおちんちんやうんちが大好きなんだね。

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    2026年01月13日
  • 口訳 太平記 ラブ&ピース

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    あの読みにくい軍記『太平記』の、町田康による融通無碍自由闊達口訳(台詞は基本的に現代大阪弁訳)! めちゃくちゃ分かりやすくとっつきやすい。まず冒頭、大覚寺統・持明院統の二統迭立が生まれ、やがて後醍醐帝践祚に至るまでの流れ、寿永元暦の争乱から鎌倉幕府成立、そして北条氏の権力掌握、得宗家の確立、北条高時政権に至るまでの歴史の流れの描き方が秀逸。どんな歴史学の書よりも分かりやすい。  そこから『太平記』原典に基づき口訳がはじまるのだが、その文体・語り口の面白いこと面白いこと! 自分ある程度古典・古文の素養があり、その上で生粋の大阪生まれ大阪育ち大阪弁ネイティブでほんと良かった。例えば、文観上人が訊問(拷問)役の武士を見て思う。「厭な奴ら。まるで泉佐野のヤンキーですやん」 こんなん大阪以外の人に分かるかw しかもこんな語り方なので何も知らないで読むと、翻案だと思うだろうが、さにあらず。実は町田康は原典に忠実に(語学的に忠実というわけではなく、内容的に忠実に)訳している。原典に書いてあることは基本すべて、さらに洞察力と想像力により、書いていないことまでも言語化している。お見事。ゆえに、この作品も『ギケイキ』と同様、原典を少し読み、それに対応する町田口訳を読み、あの短い叙述をこれだけ分かりやすく行間を埋めて語るか~と舌を巻き、しかもこんな語り方するか~げらげらと爆笑するのが正解。と気付いたのが、巻の半ば。残念! しかし、本書、実は『太平記』全四十巻のうちの巻三までの内容。果たして『ギケイキ』と同じく、続きが出るのか。出てほしい

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    2026年01月08日
  • 猫にかまけて

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    私自身も、ずっと「猫にかまけて」いる人生なので、(現在も3"頭"と暮らしている)読んでいて猫たちの気持ち、表情、行動、また著者と猫との会話も「わかる!!わかる!!」と親近感を持ちながら読みました。

    ヘッケちゃんの所は大泣きしました。
    見たくなかった「白血病」という文字。発症したら数ヶ月で亡くなってしまう事は理解してましたから...。しかし、それでもヘッケちゃんの生きたいという強い生命力と、ご夫婦の懸命な看病で、わかってはいながらも、期待して読んでました。でも辛かった。

    ココアちゃんの最期も、最近まで同じく22歳まで生きていた愛猫がいたので気持ちがとても分かりました。
    猫との別れはとても辛いけれど、この先も敢えて自ら「猫にかまけて」いくんだろうな、、としみじみ思いながら読み終えました。

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    2026年01月07日
  • 告白

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    小川哲さんが勧めていたので読んだ。圧倒された。久しぶりに臓物をえぐられた読書体験。中盤以降、休憩ができず夜中まで読み耽った。出会うべきタイミングで出会うべき本と出会えた。新年早々に今年の過ごし方の指針になった、ありがとう熊よ。。。

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    2026年01月04日
  • どつぼ超然

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    超然とするべく熱海を散歩。
    著者自身の脳内がこれでもかというほど緻密に描かれている。
    旅行エッセイのような内容かと思いきや、自殺願望が常につきまとい、首をくくれそうな木を探したり、海を見て波に呑まれる想像をしたり⋯最後はどうなってしまうのだろうとハラハラしながら読んだ。
    ただ、超然とする境地に至るには、「自分は近々死ぬ」という将来の不安やストレスから解放されるような決断をしないと難しいのかもしれない。
    おほほ、善哉善哉。と受け流せる強さを自分も持ちたい。

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    2025年12月31日
  • ギケイキ③ 不滅の滅び

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    言わずと知れた義経記の本歌取ノベル。この武勇伝が、現在のサラリーマンや芸能界の動きになぞらえられて笑わずに読むのが難しいかったです。初めは面白おかしく読んでいましたが、やがて読者の私が中だるみ。しかしまたその中毒がぶり返し思わず最後まで引き込まれました。そんな中でもちゃんと血湧き肉踊るのは筆者の力量。完結編が待ち遠しいです。

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    2025年12月26日
  • くっすん大黒

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    ネタバレ

    何が起こったかよりも、その人が何を考えているかに興味がある私にとって、この本は面白かった。

    『くっすん大黒』
    大黒様の置物のせいで、バイト先の店主とその客に振り回される2人の若い男性のお話。
    リアリズムを持ちながら自由に生きている人ってこんな感じなんだろう、と思った。

    『河原のアバラ』
    大抵のことはなんとかなるらしい。遺族に渡そうとした遺骨を、全然関係ない人にまかれてしまっても。又貸しされた車を盗まれても。

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    2025年12月14日
  • 告白

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    明治時代に起きた「河内十人斬り」をモデルとした、主犯熊太郎の一生を追った800p超の巨作。
    圧倒的破滅主義であり、一方決して芯から悪人では無い主人公が幼少から暴力的とも言える克明さで描かれ、彼のあまりの生きづらさ・社会不適合さに胸が詰まる場面がしばしば。
    中上健次を彷彿とさせる本作の熱量は、煮え滾る様な饒舌体・近畿方言も相まり読み手を相応に選ぶ筈だが、このような作品が社会的に評価を得、広く読者支持を獲得している事に強い喜びを感じる。

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    2025年11月12日
  • 告白

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    ネタバレ

    最高に面白かった。関西弁、特に河内弁がわかることでこれほど文学作品を楽しめることがあるとは思いもしなかった。小さな頃から親しんだ吉本新喜劇のヤクザの言葉や、富田林出身の父が友人とふざけて話していた言葉が、なんとも言えず心地よいリズム感で繰り出されて読むのがやめられなかった。

    口下手で、経済力も文化的資本も持たない声の小さな存在が、持てる人間にいいように言いくるめれ、掠め取られ、尊厳を踏み躙られる様子は、現代の日本をみていても本質的には大きく変わっていない。だからこそ、これを読んで熊太郎の心情につい肩入れしてしまうんだろう。

    作風は違うものの、芯にある硬質な視点は以前読んだ小川洋子の「ことり」と同質なものがあるように思った。

    熊太郎が殺害した葛木ドールと弟モヘアはなぜ2人だけカタカナの名前、英語名だったのだろうとずっと考えながら読んだ。

    江戸から明治に時代が変わった時期に、熊太郎は新しい社会や時流に軽快に乗り換えることをしなかった、できなかった、働いてお金を儲けて蓄え、資金力の多寡に価値を置いて生きる、そういう価値観をどうしても受け入れられなかった、そんな暗示をしているのだろうか、など色々考える。

    とにかく、面白くて、笑えて、哀しくて、胸が痛んで、本当に良い読書だった。



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    2025年10月22日
  • 口訳 太平記 ラブ&ピース

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    ネタバレ

    町田康による『太平記』。
    いつもながら「王法と仏法のツープラトン攻撃」やら「死ぬ前に何人殺せるか、のコーナーあああっ」やら、穏やかでないワードが勢い良く飛び出て来るから、登場人物が多く長大な物語であっても読みやすい。前半部分で長々と語られる、南北朝の複雑怪奇な権力闘争も、思いのほか分かりやすく書かれていて話に入りやすかった。
    楠木正成は終盤で活躍を始めたばかり、尊氏もまだ名前だけの登場で、これからの展開が楽しみ。いつまで掛かるか分からないけれど、ダイジェストにすることなく最後まで書ききってほしい。

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    2025年10月19日
  • 俺の文章修行

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    ネタバレ

    相変わらずの町田さん節に浸れた。
    終始難解で容易に理解できるものではなかったが、ここに書いてあること全て脳裏に焼き付けたいと渇望するほど面白い内容だった。

    ・面白い文章を書くにはとにかく読書をする。
    ただあらゆる書物を貪るのではなく、少々難解だと感じた本を繰り返し読む。
    ・文章の書き方を教わったところで、内蔵型の変換装置は身につかない。
    外付けと内蔵のバランスを保ち、高尚なことを述べねばと肩肘張らず、心中に蠢く糸クズを探る。

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    2025年10月02日
  • くっすん大黒

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    上田は某Nとか、某オレンジみたい。去勢をはって飲まれて自分がいなくなってる。ロッカーは服従するバカが嫌いね。というより脳無しか、自分で判断なんかしないやつら。楠木たちはそれをガハハって、偽らないしバカじゃないから。

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    2025年09月30日
  • 浄土

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    本音街だけ読んだ。お前本音全然言わないやん!今だろ今!てなる。これ、読んだあと自分に対してもそういうここ本音のいいどころだろってのが出てきて超面白い。

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    2025年09月29日
  • 告白

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    ネタバレ

    最初の一歩で躓いた人間なんだと自暴自棄になり、しかしその躓きは自分の思い込みで、自分は思い込みに怯えて人生を棒に振ってしまったのではないか

    こここそが引き返し不能地点だ、と思っていたところは実は楽勝で引き返せる地点だった

    行き止まりだと思ってぶち当たった壁は紙でできていて、その先には変わらぬ世界があった

    もしや自分は取り返しがつかないことをしてしまった、もう元の自分には戻れないと気づいた瞬間の沈んでいくような恐さと、それでも世界は終わってくれないことに対する驚愕に近い絶望感
    最後の山で過ごした熊太郎の心境を想像すると切なくなった

    思弁的な熊太郎が何を考えているのか読者は知っているし、「こいつおかしいぞ」と思うところもあれば普通で常識的なところもある、むしろそっちの方が多いということもわかる。共感もできるし村民の中では一番こちら側に近い人間だとも感じさせる
    ただ、その熊太郎の思弁を知らない村民からしたら、熊太郎はどんな人物に見えていただろう
    大量殺傷事件を犯した人の中にもしかしたら熊太郎のような人間がいるのかもしれないと思うと怖い
    境界線というのがやっぱりわからない…

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    2025年09月04日