町田康のレビュー一覧
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「ぼくはなんか重大な使命を負ってる、なんて考えない方がいいよ。そういうのをね、袂君、教えてあげよう。自意識過剰、っていうんだよ。若い人に多いのだが、稀に、ごく稀に、君のような三十半ばを過ぎてもまぁそんなことを言っている人が居るんだ。多くは不幸な人生を送っている。」
「啓示というと、なんか神からの重要なメッセージ、みたいな感じがしますが、余のようなアホバカ恩知らずの、脳髄がゼリー状に溶けて正常な状況判断ができなくなっている三文小説書きは、啓示るという言葉を口にするだけで罰が当たって死にます。」
「まさか。余のごときものが祝福されるはずがないじゃないですか。余は全人民に笑われながら六千億年苦し -
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どれもこれも思い当たる節のあるストーリーで心が痛い。「表層的なハッピー感に拘泥する」ゴランノスポンは就活でよく聞く「仲間に感謝」の行にインスパイアされてる?しかし表層ハッピーは続けられない。一点の綻びから本性があらわになる。
一般の魔力も思い当たる節があってつらい。自分を棚に上げて他人を批判、自分に非があることはすぐ忘れる。自分の嫌な気分を相手に察っしさせたい。この感情は普通なこと?
先生との旅は相手の能力を過大に評価して身動きが取れなくなってしまう物語。自分の中の普通と相手の普通が違うと思い込んでいることが元凶である。そこに至るまでのなんだかんだ理由をつけて断りのメールという嫌なことを先延ば -
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ネタバレこれはもう、発表された時の衝撃度は、ホンマに本当に、でえれえものがあったのでしょうね。
町田康さんの文章!としか言いようのない、あまりに独特の文体。頭の中の、いまこの瞬間の一瞬一瞬に思い浮かべている気持ちを、そのまんま、ホンッマにそのまんま、地の文にした感じ。言葉と気持ちと文章が、全部直結してる感じ。
でも、それが決して読みづらいわけではなく、ああ、わかるわかる!って、こうこうこの感じ!って、納得できちゃう感じ。なんなんでしょうね、このシックリくる感。まさにコレ!って思えちゃう感。
町田さんが、めちゃめちゃ推敲に推敲を重ねて、吟味に吟味を重ねてこの文章を生み出しているのか、それとも脊髄反 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本を読みながら、急に笑い出したり泣いたりするわたしを、冷静なまなざしで見つめるねこがふたりいる(わたしはねこをひとり、ふたりと言う、物書きではないので虚栄心はない)。名を矢三郎となつめという。
ココアやヘッケの最期のときを読むと、側で平和の象徴のように寝ているこの子たちの姿と重ねてしまい、顔がびっちょびちょになる。エマージェンシー。生き物である以上、別れは必ず訪れること、そういうことも全て引き受けていることをこの本で再確認し、そして何よりも、わたしたちのもとに来てくれて本当にありがとう、という気持ちがむくむくと大きくなる。こんなときハグのひとつくらいさせてくれてもいいのに、矢三郎は近づくと