町田康のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレこれはもう、発表された時の衝撃度は、ホンマに本当に、でえれえものがあったのでしょうね。
町田康さんの文章!としか言いようのない、あまりに独特の文体。頭の中の、いまこの瞬間の一瞬一瞬に思い浮かべている気持ちを、そのまんま、ホンッマにそのまんま、地の文にした感じ。言葉と気持ちと文章が、全部直結してる感じ。
でも、それが決して読みづらいわけではなく、ああ、わかるわかる!って、こうこうこの感じ!って、納得できちゃう感じ。なんなんでしょうね、このシックリくる感。まさにコレ!って思えちゃう感。
町田さんが、めちゃめちゃ推敲に推敲を重ねて、吟味に吟味を重ねてこの文章を生み出しているのか、それとも脊髄反 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本を読みながら、急に笑い出したり泣いたりするわたしを、冷静なまなざしで見つめるねこがふたりいる(わたしはねこをひとり、ふたりと言う、物書きではないので虚栄心はない)。名を矢三郎となつめという。
ココアやヘッケの最期のときを読むと、側で平和の象徴のように寝ているこの子たちの姿と重ねてしまい、顔がびっちょびちょになる。エマージェンシー。生き物である以上、別れは必ず訪れること、そういうことも全て引き受けていることをこの本で再確認し、そして何よりも、わたしたちのもとに来てくれて本当にありがとう、という気持ちがむくむくと大きくなる。こんなときハグのひとつくらいさせてくれてもいいのに、矢三郎は近づくと -
Posted by ブクログ
さすがは並みいる男性作家が選んだ作品集である。全部面白い。
「ちょっとちょっと…」と傍で話しかけられるような親しげな語り口と
抜群のリズム感が心地いい。特に気に入ったものを少し…。
「道化の華」
ラスト3行でいきなり視界がぱあっと広がり、ぞくっと怖くなる。
視点のトリックで読者を驚かせるのが上手い。
「彼は昔の彼ならず」
心の本質が似通った人間が近くにいると、お互いに感応してしまうのだろう。
口先三寸のペテン師のような男を非難している主人公の男もまた、
親の遺産で遊び暮らす怠け者。
才能ある芸術家のパトロンになりたいという、
彼の下心を見透かしたペテン師の作戦勝ち。