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神を否定する本、ではない
タイトルから勘違いしがちですが、神の実在を否定することがこの本の目的だというわけではありません。「神がいるのかいないのか」を問う内容ではなく、むしろ「神」なるものをめぐる人間の営みに目を向けています。
現代日本ではともすれば「うさんくさい」「古い」などといった偏見の目で見られがちな宗教というものを、人間くさく、いじらしく、またいかなる宗教の枠組みも超えて誰にでもある営みとしてとらえ直すことができます。
形式については、著者のなだいなださんの得意技ですが、対話形式をとっているので、話に沿って自分も考えながら読み進めていくことができます。同一著者による「権威と権力」「民族という名の宗教...続きを読む