町田康のレビュー一覧

  • くっすん大黒

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    一見どうしようもない主人公は何も変わっていないように思えるが表面ではなく深いところの何かは確実に変化しているのだと気づいたときに感動が押し寄せてくる
    オバハンの描写が強烈で鮮やかに浮かび上がってくる

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    2025年03月02日
  • 100万分の1回のねこ

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    『100万回生きたねこ』からインスパイアされた短編集。色々な作者の思う「ねこ」を感じられた。猫は色っぽくて好き。

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    2025年03月01日
  • しらふで生きる 大酒飲みの決断

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    子供が受験なので、親としてできる事は限られているので、せめて禁酒しようと再読。
    酒から曲がりに曲がって本質にたどり着くさまにドキドキ。

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    2025年01月17日
  • きれぎれ

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    芥川賞受賞の表題作を含む中篇2作収録。
    既に己の作品世界を圧倒的に確立していた作者だが、中上健次にも通ずる煮詰まった文体とブッディズムに加え、妄想・現実の境が意図的に取っ払われた一人称視点と、表題作は芥川の枠に収まらないと感じた。
    明確に読者を選ぶモノローグ作品だが、はぐれ者を描く視座が大きく変化した『人間の聖』も非常に読み応えがあった。

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    2024年12月31日
  • しらふで生きる 大酒飲みの決断

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    酒を飲むことの正気と酒を飲まないでいることの狂気
    心底共感した。面白すぎて刺激が強いので時間をかけて丁寧に読んだ

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    2024年12月27日
  • しらふで生きる 大酒飲みの決断

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    ネタバレ

    以前から気になっていた断酒エッセイ。購入して読んでみた。

    今まで読んできた断酒本と違うのは、酒飲みの正気は酒を呑みたいという自然な欲求に従っているのだから、断酒は狂気故というところから始まること。故にまずは正気パートとして前半は酒飲みのグダグダのようなことばかり描かれている。

    中盤、「幸福にはなる権利などない」というあたりから流れが変わってくる。「幸福でなければならない」と考えるから安易に多幸感を得られる酒を選び、幸福感を続けたいから酒浸りになる。

    「人生楽しまないといけない」と考えれば楽しいことなど訪れない、何故なら義務感を持つ以上そこに楽しさが無くなるから。義務の辛さを忘れるために酒を呑み楽しいような感じを味わう。

    自分を普通以下のアホと思え。と言っても自分を卑下するのではなく、普通のハードルを上げる。自分が偉いと思うから腹が立つストレスも感じる。自分がアホやと思えば、学びも得られる成長もできる。

    かといって卑下しすぎない、普通の基準を作る時他人と比較しない。他人基準で無ければ卑屈になることもなく、他人を卑下することもない。

    中盤のこのあたり、断酒を行う時の心構えとして非常に大切なことで、他の断酒本では細かく書かれていない項目なので目が鱗だった。

    後半の断酒による効果効能の部分もよく読むこととはいえ、やはり励みになるし良かった。町田康節もさく裂し面白く読めるだけでなく、切り口の独特さで何度か読み返したくなる名著。購入して良かった。

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    2024年12月06日
  • きれぎれ

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    名古屋へ行くのに持たせてくれた、休憩室の鞄の下に置かれてる、少しの間のお守りがわり。
    薄くて読みやすいよって言ってたけれど、なかなかどうだむずかしい、わたしにとって話し言葉は吹き抜ける風、見えない。
    読みながら、日記が影響を受けてた。

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    2024年12月05日
  • 100万分の1回のねこ

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    100万回生きたねこは、読んだのですが、(割と最近)登録してません。

    そしてこの短編をそれぞれの作家さんが書いています。
    とても面白かったです。せつなかったり、かなしかったり、ひどかったり・・・・

    もういちど100万回…を読まねば…

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    2024年12月04日
  • つるつるの壺

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    ネタバレ

    餓鬼とか自死とか阿保とか殺してやるとか、そんな言語のパンク歌手が、喫茶店の斜め前の席で喋りかけてくれてる、くらいの距離感の本書。
    トゲトゲのある言葉を放ちながらも、繊細でやさしい方だってことが滲み出ていて、微笑ましかった。(22歳の私よりだいぶ年上のはず、すみません笑)もっともっと彼の本を読みたいと思った。
    ロック、パンク、かっけえ。きゃは。

    ーーー
    以下、書籍より引用

    - パーソナルコンピュータは、一瞬、一瞬を決定・整理させていくための道具
    - 紙とボールペンは、一瞬、一瞬をなるべく混乱させる、決定を先送りするための道具
    - 本には、善いことも悪いことも書いてある
    - 生活への意欲を捨てることはなかった
    - だいたいにおいて文字というのは威嚇的である
    - うるる うふふ イエイ ゥワァオ わちゃあ きこきこ うう
    - 自分が権力的に振る舞える場所は家庭。いまの社会に対して、人間本来の原始的な感情がむき出しになる唯一の場所
    - ロックは負け音楽であるべき
    - やけくその愛と勇気とガッツとファイト

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    2024年12月01日
  • 宇治拾遺物語

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    読んでてニヤニヤしちゃった。言い回しがいちいちオモロくて「笑ける」!

    「宿業が前世からキャリオーバー」
    「綺麗な女の人とぐしゃぐしゃして…」
    「チンポのなくなり」
    「チンポ取る取る」
    「けれども孔子は大聖人なので、もちろん、そんな中小企業のワンマン社長や田舎代議士のようなことは言わず、あくまでも辞を低くして」

    仏やら神やら信じてるのか信じてないのか分からん間抜けさがすごくいいと思う。

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    2024年11月19日
  • 宇治拾遺物語

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    ネタバレ

    『宇治拾遺物語』全197話のうち33話を抜粋した町田康による現代語訳。著者自らによる朗読を聴いて、大笑いさせられたので、紙でも手に取ってみた。
    スピード感のある文体、真面目くさった顔をしたところに、ふと挟まれるテンポの良い罵倒、感情が乗り過ぎて意味が分からなくなっている台詞など、いつもながらの町田康節で面白い。
    よく知られた話もあれば初めて読む話もあり、内容も勧善懲悪ものがあれば、ただ面白いだけのものも、人を食ったような話もあり、バラエティに富んで飽きなかった。「奇怪な鬼に瘤を除去される」「雀が恩義を感じる」「長谷寺に籠もった男が利得を得た」などがお気に入り。

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    2024年11月12日
  • ギケイキ2 奈落への飛翔

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    超絶に面白いな、この本。1もそうだし、おそらくこれから続く3もそうなのだろう。
    いわゆる歴史小説でありながら、網野さんの書くような市井の人の市井の話ではなく、所謂その時代の役者が本音を語り、本音で生活し、本音で戦うというような本で、こんな歴史物読んだことなかったから、もう楽しくて仕方ない。

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    2024年09月29日
  • ギケイキ 千年の流転

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    鎌倉殿の13人の菅田のイメージで読んでたが、弁慶は、誰のイメージも湧かなかったな。
    小学生の頃から歴史は好きで、否、歴史というより義経が好きだったんだろうと思う…だからもうざっくりしか覚えていないストーリーを前提に、この本を読むとそんなこと知らなかったなという話がゴロゴロ出てきて、特に弁慶の弁慶になった顛末なんかは全く知らなかったから、なんで弁慶なのにこんなにページ数が多いんだ、いつになったら義経に遭うんだ?と思いながら読んでいたけど、後から思えば、さもありなん。
    鎌倉殿のスピンオフで、原作町田康、菅田主演義経で、ドラマか映画、やってくれないかなあ。

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    2024年09月16日
  • きれぎれ

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    町田康の文体は、もはや町田康以外には考えられないぐらい確立されている。何作かしかまだ読んではいないが、社会に馴染めず、金もない、どうしようもない自堕落な青年を主人公とした作品が多い印象で、そのキャラクターとこの文体が完全にマッチしていて、素晴らしいの一言。ストーリーはもはや必要のないレヴェルで読書が進む進む。
    文章が語り口だから、音楽的。意外とこんな文章読み慣れてないから、ちょくちょく内容が入ってこなかったりするが、その体験すらもたのすぃ。
    今作は1ページ目から、度肝抜くような始め方だが、一見シュールレアリズム的かと思いきや、そうではなく、ファンタジーの要素の方が俄然強い。現実すらもファンタジーのようになる魔法がこの文体にはある。癖になる。作者のユーモアのセンスもあってこその芸当。喝采。
    きれぎれの方が断然好みだし、完成度も高いと思う。が、人生の聖の方が作者が好き勝手に書いて、作者の人生や実体験が色濃く反映されているような印象を受けた。

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    2024年09月07日
  • 宇治拾遺物語

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    高校などでちょっとでも古典文学をかじってて、「なんか小難しいけどアホみたいな話もあるな」という程度に面白みを見出だせていたらこの本を楽しめるんじゃないかと思う。古典文学の小難しい部分を取り除いてアホな部分だけを抽出したのが今作。ヘラヘラ笑いながら読めた。
    ただ意訳の度合いが強すぎるので町田康を知らずに読むと拒否反応が出るかもしれない。
    文章ではなく笑いの感性を現代訳している。

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    2024年09月01日
  • ギケイキ③ 不滅の滅び

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    ネタバレ

    町田康による『義経記』の翻案、『ギケイキ』第3巻。主に前半は鈴木忠信、後半は静御前の死に様と生き様を描く。忠信の最期の凄まじさは特に圧巻。
    第1巻のときも思ったけれど、いつもの町田康節の無常観は市井の一般人を主役にしたら辛過ぎるときもある。しかし今作は英雄や人智を超えた芸能者が主役だから、いつもより距離を取って読みやすく、言うなればひとつの「神話」として楽しむことができる気がする。

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    2024年08月05日
  • 宇治拾遺物語

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    シモの話が酷い 笑 とりわけコブ取り爺さんの現代語訳は出色の出来なのでホントにこれだけでも読んでほしい。これを無料公開した河出もすごい。

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    2024年07月28日
  • 宇治拾遺物語

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    ぐわっははははは、うぎゃー、げーげー、ゴホゴホッ。(←笑いすぎてむせた様子)
    あーもう一冊の本でこんなに笑ったのは久しぶりだよ。まったく町田さんたら、面白すぎるじゃないの。『ギケイキ』も良かったけど本作も甲乙つけがたい、自分比では最高レベルの古典新訳だ。
    堅苦しいイメージの古典作品が、町田さんお得意のグルーヴ感のある文体によって、作品が元々包含していた生々しさがいい意味で指数関数的に爆発している。いやあ凄いわ。これぞまさしくプロの技。
    自分は高校時代、古典が苦手でちゃんと授業を聞かない落ちこぼれだったんだけど、もし当時これを読んでたらもう少し真面目に古典に向き合っていたかもしれない、なんてことを思った。過激すぎて学校の課題図書や推薦図書には絶対あがらないだろうけど。

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    2024年07月28日
  • ギケイキ2 奈落への飛翔

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    ネタバレ

    『義経記』を町田康節で語り直す『ギケイキ』第2巻。義経と頼朝との出会いから、義経と静との別れまで。

    土佐坊正尊との戦いで突如登場する喜三太の活躍が眩しい。原文と同じ流れながら、豪傑としての姿だけではなく、人間のいじらしさといったものを感じさせられる。

    これで全8巻中5巻の途中まで描かれたことになる。ここからは義経の没落がさらに進むけれど、この後も、ただ暗いだけの話にはならないだろうと思わせてくれるのは有り難い。

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    2024年07月22日
  • 私の文学史 なぜ俺はこんな人間になったのか?

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    ネタバレ

     創作に向かう姿勢が大いに語られていてとても面白い。小説とは何か、文学とは何かを追求し続けている。先日読み終えた保坂和志の『書きあぐねている人のための小説入門』と同じだ。行きつくところは違っていても、同じ姿勢で追求し続けている。

     去年見た『ザ・ホエール』という映画の主人公が大学でエッセイの書き方を教えていて、繰り返し語られるエッセイで重要なことが、町田さんと全く同じで驚く。

     表現に自覚的な人は考えていることが似てくるのだろうか。たまたま最近読んだり見たりしたものに共通点があっただけだろうか。

     自分は漫画家なので、漫画について「はたしてそれが漫画なのか」と追及することがあるかと言えば全然ない。だからこの体たらくなのか。素晴らしい作家の皆さんがそうなので、もっと気にしたほうがよさそうだ。

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    2024年07月12日