町田康のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本家である『義経記』については、子供向けにアレンジした作品を小学校低学年ぐらいに読んでいました。うろ覚えですが、スーパーヒーロー源義経の活躍に胸躍って楽しんだように記憶しています。
そして本作。町田さんのことだからきっと普通の現代語訳じゃないんだろうなとは思っていましたが・・・やっぱりやってくれました。義経の霊魂が1000年の時を超えて現代に蘇り、現代人というか都会育ちのヤンキー口調で義経記を振り返るという設定がとにかく素晴らしいです。ハルク・ホーガンのくだりや義経が「マジですか」「面倒くせー」「うざっ」って喋るのは序の口。まあ、とにもかくにも読んでみてください。めちゃくちゃ面白いですから。
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Posted by ブクログ
ネタバレカネを稼ぐのは辛く苦しく、カネを遣うのは楽しくて気色がよい。カネを稼ぐために蓄積した鬱を霧消するために、主人公はホームセンターで鎌を買い、中華鍋を買い、はたまた宝くじを買い、結果なぜか鬱が溜まった。
他に鬱を消す方法がないかと趣味を持とうとする。カメラにのめり込んでからは、鬱の計算もしなくなるのだが、最後に行き着くのは「カメラを使うたびに鬱が溜まっていく」という事実であった。最後の降り積もる鬱は最高に美しい!!
資本主義の世界では、何でもかんでも価値の尺度は金額で換算される。お金をかけさえすれば楽しいことが待っているのか。お金さえあれば幸せなのか。そういうものから解放されたくて東京を去 -
Posted by ブクログ
仏法説話集4作品を集めたもの。
仏教の教えに基づき、どう生きるかなどのテーマをわかりやすく説話形式に。
4編とも何となく似ていたり、同じテーマがあったりして、読んでいるうちに自分がどれを読んでいるのか分からなくなってきた(笑)
読みながら日本が仏教でなく神道が主流になったらどのような説話集になったのだろう?と思った。仏教説話集だと「被害者になったのも因果応報」「お経を唱えて死ねば極楽に行ける」という結論なのでちょっと消極的と感じてしまうことも。
いくつか「ラテンアメリカ文学で読んだぞこのテーマ」と思ったら巻末の解説でも描かれていました。距離と時代が隔たっていても人が語る物語は似るのだろうか。
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ネタバレこの世界は虚妄だと訴える新興宗教の腹ふり党とそれに対峙するパンク侍の物語?
最後の方は(最初からか)無茶苦茶だけど、全体を通して、藩のメンバーやら言葉を理解する猿やら、インチキくさいやつばかりが出てきて、インチキ臭いことばかりする。
だいたい主人公の最初の言動もおかしい。
最終的には、主人公は世界がインチキというか虚妄であることを認めるんだけど、それでもその中でどうやって生きていくか、みたいなのがテーマになっているようななっていないような。そんなまっすぐな話じゃない?
だって、たとえ世界が虚構であろうと虚妄であろうと、僕は生き延びる、なんてかっこよくのたまった次のシーンで死んじゃうんだも -
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「ぼくはなんか重大な使命を負ってる、なんて考えない方がいいよ。そういうのをね、袂君、教えてあげよう。自意識過剰、っていうんだよ。若い人に多いのだが、稀に、ごく稀に、君のような三十半ばを過ぎてもまぁそんなことを言っている人が居るんだ。多くは不幸な人生を送っている。」
「啓示というと、なんか神からの重要なメッセージ、みたいな感じがしますが、余のようなアホバカ恩知らずの、脳髄がゼリー状に溶けて正常な状況判断ができなくなっている三文小説書きは、啓示るという言葉を口にするだけで罰が当たって死にます。」
「まさか。余のごときものが祝福されるはずがないじゃないですか。余は全人民に笑われながら六千億年苦し -
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どれもこれも思い当たる節のあるストーリーで心が痛い。「表層的なハッピー感に拘泥する」ゴランノスポンは就活でよく聞く「仲間に感謝」の行にインスパイアされてる?しかし表層ハッピーは続けられない。一点の綻びから本性があらわになる。
一般の魔力も思い当たる節があってつらい。自分を棚に上げて他人を批判、自分に非があることはすぐ忘れる。自分の嫌な気分を相手に察っしさせたい。この感情は普通なこと?
先生との旅は相手の能力を過大に評価して身動きが取れなくなってしまう物語。自分の中の普通と相手の普通が違うと思い込んでいることが元凶である。そこに至るまでのなんだかんだ理由をつけて断りのメールという嫌なことを先延ば