町田康のレビュー一覧

  • 猫のよびごえ

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    他の小説作品からは読み取れない町田康の生の人間性に触れられるエッセイ。
    猫にかまけてから続くシリーズ最終巻。
    相変わらずの町田康らしい独特な言い回しや比喩表現がありながら、常に自分より猫を上の立場に置き、猫のための苦労をなんやかんや言いながらやってあげる愛情の深さ、優しさ。
    町田康を知らない人にも勧めやすい作品ではないでしょうか。

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    2019年01月08日
  • ギケイキ 千年の流転

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    ネタバレ

    ギケイキとは「義経記」のこと。源義経による語り下ろしというスタイルで、その生涯をファンキーに綴った快作。
    続編の文庫化が待ち遠しい。

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    2018年10月24日
  • ギケイキ 千年の流転

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    本家である『義経記』については、子供向けにアレンジした作品を小学校低学年ぐらいに読んでいました。うろ覚えですが、スーパーヒーロー源義経の活躍に胸躍って楽しんだように記憶しています。
    そして本作。町田さんのことだからきっと普通の現代語訳じゃないんだろうなとは思っていましたが・・・やっぱりやってくれました。義経の霊魂が1000年の時を超えて現代に蘇り、現代人というか都会育ちのヤンキー口調で義経記を振り返るという設定がとにかく素晴らしいです。ハルク・ホーガンのくだりや義経が「マジですか」「面倒くせー」「うざっ」って喋るのは序の口。まあ、とにもかくにも読んでみてください。めちゃくちゃ面白いですから。

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    2018年10月21日
  • バイ貝

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    ネタバレ

     カネを稼ぐのは辛く苦しく、カネを遣うのは楽しくて気色がよい。カネを稼ぐために蓄積した鬱を霧消するために、主人公はホームセンターで鎌を買い、中華鍋を買い、はたまた宝くじを買い、結果なぜか鬱が溜まった。
     他に鬱を消す方法がないかと趣味を持とうとする。カメラにのめり込んでからは、鬱の計算もしなくなるのだが、最後に行き着くのは「カメラを使うたびに鬱が溜まっていく」という事実であった。最後の降り積もる鬱は最高に美しい!!

     資本主義の世界では、何でもかんでも価値の尺度は金額で換算される。お金をかけさえすれば楽しいことが待っているのか。お金さえあれば幸せなのか。そういうものから解放されたくて東京を去

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    2018年08月21日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    なにがすごいって、町田康による宇治拾遺物語。身も蓋もないというか、人間ってこんなもんなんだなとげらげら笑える。

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    2018年08月06日
  • ギケイキ 千年の流転

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    すごいすごい!
    これは朗読音読がマストだ、と言いつつ普通に黙読したのだが。
    早く続きが読みたい。

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    2018年06月26日
  • ギケイキ 千年の流転

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    義経について知識がまったくない私でも楽しく読めた。とてもありがたい。町田康さんの小説、いつもながら読者を楽しませるサービス精神がすごい。心情の描写も事細かで、あるある、という心情を的確に描いていて面白い。早く続きが読みたい。

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    2018年06月09日
  • 夫婦茶碗

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    鬼気迫る日本語の波に飲まれること必至だし、ひとつの頁に同居するハイテンション&淋しさのアンバランスが見事だし、なにより解説が筒井康隆。90.91頁は額に入れて飾りたい。

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    2018年05月24日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    仏法説話集4作品を集めたもの。
    仏教の教えに基づき、どう生きるかなどのテーマをわかりやすく説話形式に。
    4編とも何となく似ていたり、同じテーマがあったりして、読んでいるうちに自分がどれを読んでいるのか分からなくなってきた(笑)
    読みながら日本が仏教でなく神道が主流になったらどのような説話集になったのだろう?と思った。仏教説話集だと「被害者になったのも因果応報」「お経を唱えて死ねば極楽に行ける」という結論なのでちょっと消極的と感じてしまうことも。
    いくつか「ラテンアメリカ文学で読んだぞこのテーマ」と思ったら巻末の解説でも描かれていました。距離と時代が隔たっていても人が語る物語は似るのだろうか。

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    2018年02月11日
  • 真実真正日記

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     彼の作品を全て読んだわけではないが、今までに読んできた作品の中では一番面白かった。
     星五つはちょっと甘いかも知れないけど、四つ星半には辿り着いていると思う。
     いつもの町田節とはちょっと違う感じも受けるが、それは日記形式という構成によるものなのかも知れない。
     そのいつもとちょっと違う印象が実にいい(なんて書くといつもの町田節が悪い、といっているようだがそうではない)。
     ふざけているようで、鋭い観察力で批判精神を随所に発揮している。
     日記を書いている人物の正体を明かす最後は「うーん、ちょっとどうなんだろう」と思ってしまったけど……。

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    2018年01月06日
  • パンク侍、斬られて候

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    ネタバレ

    この世界は虚妄だと訴える新興宗教の腹ふり党とそれに対峙するパンク侍の物語?

    最後の方は(最初からか)無茶苦茶だけど、全体を通して、藩のメンバーやら言葉を理解する猿やら、インチキくさいやつばかりが出てきて、インチキ臭いことばかりする。
    だいたい主人公の最初の言動もおかしい。

    最終的には、主人公は世界がインチキというか虚妄であることを認めるんだけど、それでもその中でどうやって生きていくか、みたいなのがテーマになっているようななっていないような。そんなまっすぐな話じゃない?

    だって、たとえ世界が虚構であろうと虚妄であろうと、僕は生き延びる、なんてかっこよくのたまった次のシーンで死んじゃうんだも

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    2017年12月14日
  • この世のメドレー

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    「ぼくはなんか重大な使命を負ってる、なんて考えない方がいいよ。そういうのをね、袂君、教えてあげよう。自意識過剰、っていうんだよ。若い人に多いのだが、稀に、ごく稀に、君のような三十半ばを過ぎてもまぁそんなことを言っている人が居るんだ。多くは不幸な人生を送っている。」

    「啓示というと、なんか神からの重要なメッセージ、みたいな感じがしますが、余のようなアホバカ恩知らずの、脳髄がゼリー状に溶けて正常な状況判断ができなくなっている三文小説書きは、啓示るという言葉を口にするだけで罰が当たって死にます。」

    「まさか。余のごときものが祝福されるはずがないじゃないですか。余は全人民に笑われながら六千億年苦し

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    2017年10月17日
  • 猫にかまけて

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    順番的に「猫のあしあと」の後になってしまったが、やはり面白く、やがて悲しき文庫だった。ヘッケの最期に涙があふれ、ココアの最期はウルウルきたが長寿をまっとうして良かったという思いの方が勝った。しかし、一緒に暮らしてきたものとしては逆なんだろうな。著者は10数年ココアと暮らし、本当にかけがえのない家族だったんだと思う。

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    2017年08月30日
  • スピンク日記

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    著者の猫エッセイが良かったので本書も購入。犬・スピンクの視点で描かれる日常なのだが、よくここまで主人・ポチを第三者目線で書けるものだ。本当にスピンクの気持ちを理解しているようで、何の違和感もない。キューティーも写真を見ていくと、美徴さんのお蔭で健常に成長したようで安心した。生体販売の中に潜む悪徳業者の問題は、もっと語られても良いと思う。町田家は猫と犬とは交流しないで育てているんだね。ちょっと残念。本書では猫は完全な脇役で、二階でがすん、どすんと音をさせる場面のみ。

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    2017年08月29日
  • 猫とあほんだら

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    初っ端から笑いが溢れる作品だった。帯にあるとおり捨て猫を保護したことによるドタバタが、まさに「いつもどおり」なのであり、本作はそんな2匹シャンティーとパンクを主役に進行するのである。我が家の猫も、捨てられていたところを保護した時に、猫風邪をひいて目のあたりが化膿しており、家人の介護で事なきを得たことを思い出した。本作では、また一匹の猫シャアとの永遠の別れも描かれているが、とてもさばさばとした描かれ方で、何となく拍子抜けした感がある。足元で先住猫と戯れる白とびブチの走るさまを見。

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    2017年08月29日
  • 猫のよびごえ

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    猫エッセイ最終巻だそうだ。こんなにも無私の精神で猫に隷属する著者が信じられない(良い意味で)。今回は人間に馴れているグループの話が中心だったが、それでも先住猫と新参猫とが繰り広げるドタバタが楽しい。カバー写真のビーチの雰囲気が、柄をサバトラにしたら我が家の猫とそっくりなので笑ってしまった。

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    2017年08月17日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    昔話は大好きで、若かりし頃岩波文庫なんかで、多少エロいやつなんかを読んで、感心したりしたものだった。
    やはり、町田康の宇治拾遺は期待を裏切らない報復絶倒の内容で楽しかった。しかし、同じような内容でも福永武彦の今昔物語は芳香が漂うようで不思議。

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    2017年04月05日
  • ゴランノスポン(新潮文庫)

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    どれもこれも思い当たる節のあるストーリーで心が痛い。「表層的なハッピー感に拘泥する」ゴランノスポンは就活でよく聞く「仲間に感謝」の行にインスパイアされてる?しかし表層ハッピーは続けられない。一点の綻びから本性があらわになる。
    一般の魔力も思い当たる節があってつらい。自分を棚に上げて他人を批判、自分に非があることはすぐ忘れる。自分の嫌な気分を相手に察っしさせたい。この感情は普通なこと?
    先生との旅は相手の能力を過大に評価して身動きが取れなくなってしまう物語。自分の中の普通と相手の普通が違うと思い込んでいることが元凶である。そこに至るまでのなんだかんだ理由をつけて断りのメールという嫌なことを先延ば

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    2017年02月27日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    ネタバレ

    あんまりおもしろいので、もう少し、もう少しと読み進んでしまい寝れなくなる。
    伊藤比呂美訳が面白く、ドライなところが素敵。
    福永武彦訳はとても読みやすく、するすると入ってきます。
    町田康訳は異様に親しみやすいのですが、時代背景や流れを考えるとなるほど、こうなるなという……
    ストーリーの妙をストレートに楽しめる妙訳ばかりでした。

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    2016年11月05日
  • バイ貝

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    自分の鬱レベルを金額で表現する可笑しさ。鬱レベルを下げるために好きなことをしたい、もしくは悩みの種を解決したい→それにはお金がかかる→お金を稼ぐためには働かなければならない→働くと鬱が溜まる、というあまねく人類がぶち当たる人生の命題が描かれていて面白い。

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    2016年09月12日