町田康のレビュー一覧

  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    仏法説話集4作品を集めたもの。
    仏教の教えに基づき、どう生きるかなどのテーマをわかりやすく説話形式に。
    4編とも何となく似ていたり、同じテーマがあったりして、読んでいるうちに自分がどれを読んでいるのか分からなくなってきた(笑)
    読みながら日本が仏教でなく神道が主流になったらどのような説話集になったのだろう?と思った。仏教説話集だと「被害者になったのも因果応報」「お経を唱えて死ねば極楽に行ける」という結論なのでちょっと消極的と感じてしまうことも。
    いくつか「ラテンアメリカ文学で読んだぞこのテーマ」と思ったら巻末の解説でも描かれていました。距離と時代が隔たっていても人が語る物語は似るのだろうか。

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    2018年02月11日
  • 真実真正日記

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     彼の作品を全て読んだわけではないが、今までに読んできた作品の中では一番面白かった。
     星五つはちょっと甘いかも知れないけど、四つ星半には辿り着いていると思う。
     いつもの町田節とはちょっと違う感じも受けるが、それは日記形式という構成によるものなのかも知れない。
     そのいつもとちょっと違う印象が実にいい(なんて書くといつもの町田節が悪い、といっているようだがそうではない)。
     ふざけているようで、鋭い観察力で批判精神を随所に発揮している。
     日記を書いている人物の正体を明かす最後は「うーん、ちょっとどうなんだろう」と思ってしまったけど……。

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    2018年01月06日
  • パンク侍、斬られて候

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    ネタバレ

    この世界は虚妄だと訴える新興宗教の腹ふり党とそれに対峙するパンク侍の物語?

    最後の方は(最初からか)無茶苦茶だけど、全体を通して、藩のメンバーやら言葉を理解する猿やら、インチキくさいやつばかりが出てきて、インチキ臭いことばかりする。
    だいたい主人公の最初の言動もおかしい。

    最終的には、主人公は世界がインチキというか虚妄であることを認めるんだけど、それでもその中でどうやって生きていくか、みたいなのがテーマになっているようななっていないような。そんなまっすぐな話じゃない?

    だって、たとえ世界が虚構であろうと虚妄であろうと、僕は生き延びる、なんてかっこよくのたまった次のシーンで死んじゃうんだも

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    2017年12月14日
  • この世のメドレー

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    「ぼくはなんか重大な使命を負ってる、なんて考えない方がいいよ。そういうのをね、袂君、教えてあげよう。自意識過剰、っていうんだよ。若い人に多いのだが、稀に、ごく稀に、君のような三十半ばを過ぎてもまぁそんなことを言っている人が居るんだ。多くは不幸な人生を送っている。」

    「啓示というと、なんか神からの重要なメッセージ、みたいな感じがしますが、余のようなアホバカ恩知らずの、脳髄がゼリー状に溶けて正常な状況判断ができなくなっている三文小説書きは、啓示るという言葉を口にするだけで罰が当たって死にます。」

    「まさか。余のごときものが祝福されるはずがないじゃないですか。余は全人民に笑われながら六千億年苦し

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    2017年10月17日
  • 猫にかまけて

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    順番的に「猫のあしあと」の後になってしまったが、やはり面白く、やがて悲しき文庫だった。ヘッケの最期に涙があふれ、ココアの最期はウルウルきたが長寿をまっとうして良かったという思いの方が勝った。しかし、一緒に暮らしてきたものとしては逆なんだろうな。著者は10数年ココアと暮らし、本当にかけがえのない家族だったんだと思う。

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    2017年08月30日
  • スピンク日記

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    著者の猫エッセイが良かったので本書も購入。犬・スピンクの視点で描かれる日常なのだが、よくここまで主人・ポチを第三者目線で書けるものだ。本当にスピンクの気持ちを理解しているようで、何の違和感もない。キューティーも写真を見ていくと、美徴さんのお蔭で健常に成長したようで安心した。生体販売の中に潜む悪徳業者の問題は、もっと語られても良いと思う。町田家は猫と犬とは交流しないで育てているんだね。ちょっと残念。本書では猫は完全な脇役で、二階でがすん、どすんと音をさせる場面のみ。

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    2017年08月29日
  • 猫とあほんだら

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    初っ端から笑いが溢れる作品だった。帯にあるとおり捨て猫を保護したことによるドタバタが、まさに「いつもどおり」なのであり、本作はそんな2匹シャンティーとパンクを主役に進行するのである。我が家の猫も、捨てられていたところを保護した時に、猫風邪をひいて目のあたりが化膿しており、家人の介護で事なきを得たことを思い出した。本作では、また一匹の猫シャアとの永遠の別れも描かれているが、とてもさばさばとした描かれ方で、何となく拍子抜けした感がある。足元で先住猫と戯れる白とびブチの走るさまを見。

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    2017年08月29日
  • 猫のよびごえ

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    猫エッセイ最終巻だそうだ。こんなにも無私の精神で猫に隷属する著者が信じられない(良い意味で)。今回は人間に馴れているグループの話が中心だったが、それでも先住猫と新参猫とが繰り広げるドタバタが楽しい。カバー写真のビーチの雰囲気が、柄をサバトラにしたら我が家の猫とそっくりなので笑ってしまった。

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    2017年08月17日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    昔話は大好きで、若かりし頃岩波文庫なんかで、多少エロいやつなんかを読んで、感心したりしたものだった。
    やはり、町田康の宇治拾遺は期待を裏切らない報復絶倒の内容で楽しかった。しかし、同じような内容でも福永武彦の今昔物語は芳香が漂うようで不思議。

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    2017年04月05日
  • ゴランノスポン(新潮文庫)

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    どれもこれも思い当たる節のあるストーリーで心が痛い。「表層的なハッピー感に拘泥する」ゴランノスポンは就活でよく聞く「仲間に感謝」の行にインスパイアされてる?しかし表層ハッピーは続けられない。一点の綻びから本性があらわになる。
    一般の魔力も思い当たる節があってつらい。自分を棚に上げて他人を批判、自分に非があることはすぐ忘れる。自分の嫌な気分を相手に察っしさせたい。この感情は普通なこと?
    先生との旅は相手の能力を過大に評価して身動きが取れなくなってしまう物語。自分の中の普通と相手の普通が違うと思い込んでいることが元凶である。そこに至るまでのなんだかんだ理由をつけて断りのメールという嫌なことを先延ば

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    2017年02月27日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    ネタバレ

    あんまりおもしろいので、もう少し、もう少しと読み進んでしまい寝れなくなる。
    伊藤比呂美訳が面白く、ドライなところが素敵。
    福永武彦訳はとても読みやすく、するすると入ってきます。
    町田康訳は異様に親しみやすいのですが、時代背景や流れを考えるとなるほど、こうなるなという……
    ストーリーの妙をストレートに楽しめる妙訳ばかりでした。

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    2016年11月05日
  • バイ貝

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    自分の鬱レベルを金額で表現する可笑しさ。鬱レベルを下げるために好きなことをしたい、もしくは悩みの種を解決したい→それにはお金がかかる→お金を稼ぐためには働かなければならない→働くと鬱が溜まる、というあまねく人類がぶち当たる人生の命題が描かれていて面白い。

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    2016年09月12日
  • 夫婦茶碗

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    すごいわ、これは。確かに太宰治的ではあるけれども、この文体は、なんだろう、本当に強烈で、天賦の才を感じざるを得ないです。はまっていろいろ読んでいるけど、はまるのも怖い。

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    2016年08月25日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    宇治拾遺物語しか読んでないけど実に良かった。文章に芸があるから、こういう皆が名前だけ雰囲気だけ知っている作品をリライトすると相乗効果で作品が映える。

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    2016年06月11日
  • パンク侍、斬られて候

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    2日ほどかけてバーッと一気に読んだ。クッソ最高に良かった。裏側に重厚なものが煮詰まり煮詰まり果てた末にその表層に奇形的な美しさを生み出してしまったというか。

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    2016年06月03日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    ネタバレ

    どの説話もとても面白かったです。「瘤取り爺さん」のように私の世代の人ならだれでも知っている話も収録されていました。昔は日本人は性に対して開放的であったことがうかがいしれました。なにより笑ってしまったのは『宇治拾遺物語』の町田氏の訳文です。大阪弁のどぎつく、汚いことはなはだしい。「新妻が平仮名の暦を作って貰ったら大変なことになった話」ぶっ飛んでいます。ハチャメチャが楽しいです。でも、宇治って京都ですよね。この際そんなことは気にするな、って言われそうですが。『発心集』は仏教そのものですね。

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    2016年04月16日
  • スピンク合財帖

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    スピンクの口調が面白い。本当にわんこが思ったことをかいているような感じ。ポチとの掛け合いがたのしく、辛い過去をもつわんこ達に愛情いっぱいのご主人たちに感動。

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    2016年03月18日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    ネットで読んだのだと思うけど、どこかに「これは宇治拾遺物語の再発見だ」と書かれていて、まさにその通り! と膝を打った。
    ただ単に面白おかしく書かれているのではなく、原文の面白味を充分活かしていると知った時の衝撃たるや! 堅苦しいと思われていた古典がこんなに愉快によみがえるとは思いもしなかった。

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    2016年02月17日
  • 夫婦茶碗

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    ネタバレ

    これはもう、発表された時の衝撃度は、ホンマに本当に、でえれえものがあったのでしょうね。

    町田康さんの文章!としか言いようのない、あまりに独特の文体。頭の中の、いまこの瞬間の一瞬一瞬に思い浮かべている気持ちを、そのまんま、ホンッマにそのまんま、地の文にした感じ。言葉と気持ちと文章が、全部直結してる感じ。

    でも、それが決して読みづらいわけではなく、ああ、わかるわかる!って、こうこうこの感じ!って、納得できちゃう感じ。なんなんでしょうね、このシックリくる感。まさにコレ!って思えちゃう感。

    町田さんが、めちゃめちゃ推敲に推敲を重ねて、吟味に吟味を重ねてこの文章を生み出しているのか、それとも脊髄反

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    2016年09月09日
  • 夫婦茶碗

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    ネタバレ

    昭和の貧乏な夢みる若者夫婦の話。
    だいぶ前に読んだのでうろ覚えですが、夫は元ミュージシャンで現無職。この物語の中で一時、職に就いて働くことに喜びを感じる瞬間もあるが、ニヒルな性格から再びふりだしへ。
    一時裕福になった時、デパートで物色する夫婦のシーンがなんともほほえましかった。共に生きるということは浮いたり沈むこともあるってこと。と良いように解釈しましたが、おそらく作者自身のダメな部分を作品化したものかと(笑)
    憎めない…。

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    2017年02月11日