【感想・ネタバレ】真実真正日記のレビュー

あらすじ

我と我が嘘に疲れ果てた作家が誰にも見せないと決めて書いた本当のことだけを綴った日記。僕は作家だ。だが執筆中の小説はまったく進まない。たまには本当のことを書きたい。これはフィクションに疲れたマイナー作家の、ささやかな休暇としての日記だ。誰にも見せないのだから嘘は書かない。そういう意味で、僕はこの日記を真実真正日記と名づけよう。虚と実のあわいを絶妙に描き出す慟哭の記録。(講談社文庫)

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

 彼の作品を全て読んだわけではないが、今までに読んできた作品の中では一番面白かった。
 星五つはちょっと甘いかも知れないけど、四つ星半には辿り着いていると思う。
 いつもの町田節とはちょっと違う感じも受けるが、それは日記形式という構成によるものなのかも知れない。
 そのいつもとちょっと違う印象が実にいい(なんて書くといつもの町田節が悪い、といっているようだがそうではない)。
 ふざけているようで、鋭い観察力で批判精神を随所に発揮している。
 日記を書いている人物の正体を明かす最後は「うーん、ちょっとどうなんだろう」と思ってしまったけど……。

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2018年01月06日

Posted by ブクログ

町田氏の作品の中で上位を競う面白さ。
最初から最後まで、本当か虚なのか判然としない。少なからずとも著者の実体験も混ざっているに違いないが、登場人物の名称が兎に角いつもながら馬鹿馬鹿しく、冷笑してしまう。
ラスト数行の下りで、えっ?そうだったの?と狐に摘ままれた様な感覚になる。 人を欺く天才だと思う。

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2012年08月17日

Posted by ブクログ

もうなんなんよーつかれるよー
って感覚のおもしろさ
読み終わってからすぐ再読中、再読は更にゆったり味わえて面白い
初めはエッセイかと思ったけどフィクションにつかれたマイナー作家の日記ということ
嘘は書いていないと冒頭にあるけどハチャメチャな世界です

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

”世間の人は本当のことを知りたがり、世の中には本当風のことが溢れている。でもそれらは全部嘘、単純なストーリーだ。人々は本当に本当のことは知りたがらない。なぜなら本当のことは疲れるし、本当の本当のことは誰にもわからないから。”

再読

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2016年06月18日

Posted by ブクログ

【本の内容】
僕は作家だ。

だが執筆中の小説はまったく進まない。

たまには本当のことを書きたい。

これはフィクションに疲れたマイナー作家の、ささやかな休暇としての日記だ。

誰にも見せないのだから嘘は書かない。

そういう意味で、僕はこの日記を真実真正日記と名づけよう。

虚と実のあわいを絶妙に描き出す慟哭の記録。

[ 目次 ]
日記の書きはじめ/比々さん/文差点の騒動
新店コンドル/矢村の素晴らしい文学/暴動の予感
猿の不安/執筆の停滞/鈍くさい店でスカタン
ブライトな若者/コンドルの不始末/花火と爆撃狂
嫉妬の感情/撮影所見学/鰻の食べ過ぎで苦しい
言葉が通じない/海もどきの怪/農業の勉強
寂しいおっさん/頭のなかの猿/辺多子さんの「茶漬節」
僕は幕下/バンド名決定/地獄の忘年会
奴隷制復活論/メッセージソングの失敗/串カツ屋で大喧嘩
縁起をかつぐ癖/ふわふわの兄ちゃんとオガタ/比々さんを招待〔ほか〕

[ POP ]
作家町田康が、「真実真正」をうたいつつ、その生活の虚実をつづった「日記」。

引っ越し挨拶に「螺子」という漢字を聞いてくる男や、アイドルグループとの討論会兼演奏会に漂う気まずい空気。

そして「犬とチャーハンのすきま」という名のバンドの顛末など、世間を怒りつつも恐れる男の日々がものがなしい。

[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2014年09月20日

Posted by ブクログ

タイトルからしてエッセイかと思いましたけれども、実際は日記風の小説、といったところですかね。主人公はなんとなく町田氏を連想させますけれども、やっぱしフィクション上の人物なのであるからして、町田氏とは別の人物、と考えた方が吉かもしれないですね。

ヽ(・ω・)/ズコー

なんというか、平坦な日常の中にも時折見せる鬱屈とした感じが妙にリアルで、そういや、ボキもこういった気持ちになる時あんなぁ…みたいな共感・共鳴を呼んだのであるからして、少なくとも僕的には良作であった!

ヽ(・ω・)/ズコー

最近の著者の作品はエッセイみたいな小説が多い…という印象を僕は抱いているんですけれども、今作はその中でもかなりずば抜けた! 魅力ある著書に仕上がっているんじゃなかろうかと個人的には思いました。おしまい。

ヽ(・ω・)/ズコー

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2013年05月08日

Posted by ブクログ

帯に騙され、裏表紙の文言にも騙され、結末で初めて騙された事を知り、そして本を閉じた瞬間表紙の写真にぎゃっとなり。凡そこの本の仕掛けの全てを楽しみ尽くした感がある一冊。

町田康の慟哭エッセイがそのまま小説になったようで、ファンには堪らないのではなかろうか。

作家・長薗安浩による慧眼の解説も素晴らしく、過去の町田作品を引っ張り出して読んじゃう読んじゃう。

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2012年06月17日

Posted by ブクログ

ノンフィクション風フィクション。
でも、作中の気持ちは、本当に町田さんが感じたことがあるんじゃないかな?
と思ってしまった。

基本悪態ついてるんだけど、
いいように周りにぶん回されていて面白い。
独特の言い回しとか、私はこれ好きだね!

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2012年05月07日

Posted by ブクログ

日記にある内容のどれが「私」に本当にあったことでどれが妄想なのかもわからない。
また作家でバンドマンである「私」の日記には、町田康自身の真実がどのくらい含まれているんだろうか。
でもそれは明らかにする必要はないと私は思う。

読んでいて舞城王太郎『暗闇の中で子供』の一文を思い出した。

 ある種の真実は、嘘でしか語れないのだ

めちゃくちゃな出来事を一心に綴った「私」の文章は嘘でかためられているれど、その文章の奥に、何かを訴えてくる真実の存在を確かに感じる。

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2011年08月22日

Posted by ブクログ

嘘と真実のようなものが入り交じった中編作品のようなエッセーを伸ばしたようなもの。小さな規模のジェットコースターに乗った気分になりました。

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2012年09月27日

Posted by ブクログ

町田康らしい文体、文章で、カオスな世界観にそろそろと盛り上がりを見せてきて、おほほ、面白ろ。なんてなことを思っていた途端の、あのオチは如何なものか。途中まで良かったのに惜しいなあ。というのがワタクシの感想でございます。おわり。

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2012年01月03日

Posted by ブクログ

町田康の日記風エッセイ…かと思いきや、その内容は町田康の日記風フィクション。
日記風なので例えば「犬とチャーハンのすきま」とか「悦楽のムラート」とか、
物事の変化が描かれているのが面白い。声に出して笑える箇所あり。流石。

MVP:柄下くん

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2011年04月24日

Posted by ブクログ

町田康の日常を綴ったエッセイのようなものだろうと読み始めたら…何かがおかしい。
嘘の出来事と真実の思考がごちゃ混ぜになった不思議かつ混沌とした日記小説。

地震後の日本と重なる部分があるような、なければいいなと思ったりして、ゾッとした。
時間がたつことか世の中か、何か背中が冷やっとした。
犬とチャーハンのすきま、のバンド名の理由がよくわからなくて心に残ってる。面白い。

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2011年03月29日

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