町田康のレビュー一覧

  • 宇治拾遺物語

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    池澤夏樹の日本文学全集、読むつもりはなかったのですが笑、「宇治拾遺物語」はめっちゃ面白い!と言われたので手に取りました。超訳でゲラゲラ笑っていたけれど、これはどこまで創作が入っているんだ、、?とはずっと気になっていました笑

    一番好きなのは一番最初の「道命が和泉式部の家で経を読んだら五条の道祖神が聴きに来た」。史実では道命と和泉式部は関わりがなさそうらしいですが、和泉式部のイメージに付随するエロさ、みたいなところが私は好きでした。和泉式部が好きなのでこれが一番好き!みたいな感じ。
    「そして、ただいい女というだけではなく、そそる女だった。色気のある女だったのである。それもただの色気ではなく、壮絶

    0
    2024年07月15日
  • 宇治拾遺物語

    Posted by ブクログ

    定期的にやってくる日本史学び直したい病の一環で購読。

    日本昔話や芥川龍之介などでお馴染みの話もあれば、日本史で出てきた話など町田康の超訳で読める楽しい一冊。文庫版は町田康のあとがきが二つ載っていてそのどちらも面白い。

    こんな千年以上前の説話がずっと残っていることも驚きだし、この現代語訳がブルースをそのまま自分たちの音楽に作り上げたストーンズやZepみたいだなあなんて思いました。P-Vineで昔出たZeppelin ClassicsとかRolling Stones Classicsを聴いた時のような感覚になりました。

    次は日本霊異記とか今昔物語の現代語訳を読んでみようと思います。

    0
    2024年06月23日
  • 入門 山頭火

    Posted by ブクログ

    町田康が種田山頭火の生涯・人間性を独断と偏見で語る一冊

    それはもう本当に『わしはこう思う』で書かれた一冊
    でも、町田康自身のパンクロッカーとしての経験だったり、酒に溺れていた過去だったりだとかと重ね合わせて語ってくれるので、なるほど!と思わせる説得力があります

    ただ(後半は特に)さすがにこれは好意的に捉えすぎ、山頭火を擁護しすぎでは……ってな部分も見え隠れするので、もうちょい厳しい視点での意見も読んでみたかったかな

    山頭火の生涯を語ってはいるのだけど、没年まで追っているわけではないです
    ので、巻末に掲載された山頭火の略年譜を見ると「ほえー、このあとこんなことしてたんかー」とか「んでこのあ

    0
    2024年06月03日
  • くっすん大黒

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ただ大黒を捨てるだけの話なのに、併録の『河原のアバラ』含めて、なんだか事態が予測もつかないような面倒ごとに巻き込まれていく。青春小説ではないものの、友人とバカやってふざけたり、騒動に巻き込まれたりっていうのが面白いし、良いなと感じさせられる。

    最初の服屋でアルバイトするくだりはほぼコントである。チャアミイとおばさんの癖の強さ。と思えば上田を追うドキュメンタリー映画の女も癖が強い。うどん屋の天田はま子も癖が強いし、うどん屋のちゃっちゃっちゃがやりがいっていうのは何となく頷ける。作中、うどんの曲作ってるアーティストなんてどうかしてる、みたいなくだりがあるが、町田康自身『犬とチャーハンのすきま』で

    0
    2024年06月02日
  • 入門 山頭火

    Posted by ブクログ

    山頭火のどうしようもない人生と町田康の文体の相性がいい。タイトルに「入門」とある通り、気楽に読める。続編が出る?

    0
    2024年06月02日
  • 口訳 古事記

    Posted by ブクログ

    天と地の始まり 
     高天原(たかあまのはら)に属する 身を隠す五柱の特別神が命じ
     神世七代の一柱 伊耶那岐神(いざなき)と妹伊耶那美神(いざなみ)ペア
     天の浮橋に立ち ドロドロのところに天の沼矛を下して かき回してみた
     ブヨブヨが矛の先から雫となって垂れ固まって島になった淤能碁呂島(おのごろ)
     二柱一体化し 大八島国と十柱の神・・・合計十四の島と三十五柱の神を生み出す
     火傷で死んだ妹伊耶那美神に会いに黄泉国(よもつくに)へ行くがその姿に・・
     戻り、穢れを拭い去ると次々と神が生まれ・・

    須佐之男命(すさのおのみこと)と 八岐大蛇(やまたのおろち)
     海洋の支配を父 伊耶那岐神から命

    0
    2024年06月01日
  • 宇治拾遺物語

    Posted by ブクログ

    町田康による現代語訳の『宇治拾遺物語』。最適な訳者という気がするほどに『宇治拾遺物語』の作風と町田康の文章、文体があっていて見事に現代に蘇っているという感じ。
    解説の小峯和明氏によれば『宇治拾遺物語』は200話近くあるようだけれど、本書はそのうちの33話とのこと。解説者と同様、町田康にはその他も訳して欲しいと思った。

    0
    2024年05月05日
  • パンク侍、斬られて候

    Posted by ブクログ

    いやあめちゃくちゃ面白かった。相変わらず天才的で圧倒的な文章。自由奔放、縦横無尽。ただ面白かったのは文章なんだよなあ。あと俺気づいちゃった町田康って漫画で言ったら吉田戦車とか漫⭐︎画太郎みたいな不条理・ナンセンスな作品を描く作家とおんなじだなと。インパクト凄くてびっくりして大笑いして、でもまあ物語の深みとか感情移入とかではないんだなと。癖になる作家だけど、飽きるのも早そうだなあ。口訳古事記を買ってあるのでそれ読んでからまた考えよう。

    0
    2024年04月22日
  • 宇治拾遺物語

    Posted by ブクログ

    電車の中など人のいるところでは読めない。
    おもしろすぎる。
    読むに従って、有名な冒頭、「これも相当昔の話。」と言う部分だけで笑ってしまう。

    宇治拾遺物語は、今では古典の教科書の中の作品になってしまったが、昔の人にとっては楽しい娯楽だったのだなと実感できる。
    名訳であるし、言葉の持つ力を実感する。

    町田康氏は町田町蔵だった頃から知っていたが、作家デビュー当時は卓越した才能がありつつ若さゆえに奇を衒ったところも勿論あり、どう転ぶか、と思っていた。
    今唯一無二の作家になっていることを嬉しく感じる。

    「正しさ」を金科玉条の価値観とする風潮の中、普通に面白いことしようか、と言う肩の力が抜けた感じが

    0
    2024年04月07日
  • ギケイキ③ 不滅の滅び

    Posted by ブクログ

    この3巻目で終わりかと思っていたらまだ4巻目が出る予定なんですね〜、嬉しい。
    前2作よりも泣けるシーンが多くて。
    あと、家臣の1人が主の義経を逃すために体張って戦うところと、そして彼の死に様が凄まじい。
    そして美しく賢い静御前の最期。
    この3巻目、余韻がすごい。


    0
    2024年03月30日
  • ギケイキ2 奈落への飛翔

    Posted by ブクログ

    ギケイキ2巻目。頼朝との再会から確執への流れがメインのストーリーなので、1巻目の千年の流転よりも読んでいて苦しい。
    どうしても義経側に立って読んでしまうので、梶原景時にムカついてしゃーない。
    んで、壇ノ浦の合戦が見どころとして語られると完全に思っていたのに!なんと自慢になるから言わない、だと!オモロイやないかい!!
    個人的には合戦時の卑屈な景時の様子と義経の勇ましいさまを見たかったのはあるけど。
    前巻から続くファッションの説明、ちょっとしつこいなーと思ってきたん私だけ?斬新やしええねんけど、毎回想像するの楽しいっちゃ楽しいけど、先に進むのにタイムラグあんねんそこで。
    義経の内面、というか町田康

    0
    2024年03月28日
  • ギケイキ 千年の流転

    Posted by ブクログ

    本家の義経記は読んだことないけど
    こちらの本は、過去から来た?まだ生きてる?義経が自ら自分の人生を語りながら進んでゆく形式。
    源氏の本家で都育ちのボンボンらしい語りの義経が可愛らしい。彼を取り巻く関東の武士や寺社関係者たちの語り口や、ものの考え方との対比も細やかに書かれており、読んでいて楽しい。当時の人たちも、当たり前だが現代の私達と同じように置かれている立場によって右往左往したり、上から目線の人もいればその逆に、上司にペコペコな人もいたんやなと改めて思う。
    3巻に渡る長い小説で、まだ1巻目。
    勢いと面白さでグイグイ読ませてくれる。
    最後のページまでダレることなく読めるのは間違いなく町田康の才

    0
    2024年03月28日
  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

    Posted by ブクログ

    文章には人柄が出るということがわかった。それぞれの作者(何人かの本は読んだことがあるけど)の素性は一切わからないけど、質問に答えていく回答文自体が自己紹介をしているようだった。
    そして、私が普段よく思っていることが、忠実に言語化されていて勝手に爽快な自分を味わった。


    個人的には、「人と人とが関係を結ぶときは、もしかしたら美点によってかもしれない。けれどその関係を深めていくのは、美点ではなく欠点なのではなかろうか。また、私たちが人間くささを感じるのは、どういうわけだか美点ではなく欠点である。」

    「私は今現在『早めに終わらせ、夏休み最後まで何度も見直す派』なのだが、もちろんそんなことは言わな

    0
    2024年03月18日
  • しらふで生きる 大酒飲みの決断

    Posted by ブクログ

    面白かった。
    好きなバンドのボーカルの方が町田康さんが好きというのをどこかで見かけたので、初めて町田康さんの本を読んだ。

    小説を読むのが基本的に苦手で(これは小説といっていいのか?エッセイ??)、小説を楽しく読み切るという成功体験をした記憶がないので読む前まで不安だったけど杞憂に終わってよかった。
    ずっと面白かった。

    「自分を普通以下のアホと思う(意訳)」からの、「自分を客観視できている自覚から、他人を見下すことがある(意訳)」という部分でめちゃくちゃ耳が痛かった。
    私そういうとこめっちゃあるぞ…。

    何より学術書以外のものを楽しく読めるんだという発見が嬉しくて楽しかった。

    0
    2024年03月07日
  • 入門 山頭火

    Posted by ブクログ

    前半の少し謙虚?遠慮がち無い町田康の語りからはじまり、途中からだんだん山頭火考察に熱がこもってゆく。後半はまるで山頭火が町田康に乗り移ったかのよう。熱い!そしてパンク!
    山頭火の人生観のなかに自分と同じものを見てしまう。その結論に至るまでの、町田康の世の中に対する、ちょっと捻くれた(でも私はとても正直だと思う!真っ直ぐで気持ちいい!)見方や物言いに私自身がハッとさせられ、自分のことをぐさっと言われている気がして。むちゃくちゃ突き刺さってきた。

    恐ろしく粗暴な語り口と、自由な文体とこれぞ生けるパンクな町田語りにどっぷり浸かっていると、いつもやけどなんか元気もらえる。
    口の悪い兄貴、でもちゃんと

    0
    2024年03月06日
  • ギケイキ③ 不滅の滅び

    Posted by ブクログ

    「義経記」全ハ巻のうち、巻五と巻六をカバー。
    次の「ギケイキ4」でおそらく完結。

    義経の吉野山逃避行とその忠臣佐藤忠信の活躍、静御前の白拍子の舞がハイライト。

    そもそもが「口承文学」なのだから、テキストよりもリズムやビート、グルーブ感がキモ。
    町田の「新訳」それを現代に伝えようという果敢な試みといえる。

    楽しめる人は楽しめるけど、このノリについてこれない人は「ふざけるのも大概にしろ!」と怒るのかも…。

    0
    2024年03月06日
  • くっすん大黒

    Posted by ブクログ

    面白え。二編目の「河原アバラ」は大笑いしながら読んだ。なんだろなーこの世界観。支離滅裂で捨て鉢な危うさとシュールなおかしみのバランスが最高だなあ。めちゃくちゃ文章うまい。

    0
    2024年03月03日
  • 入門 山頭火

    Posted by ブクログ

     山頭火。旭川発の美味しい塩ラーメンのことではない。「分け入つても分け入つても青い山」で有名な俳人の種田山頭火のことである。そんな山頭火の生涯を楽しく辿り語ったのが町田康氏による『入門山頭火』。本書の執筆2週間前から山頭火の勉強を始めたというから驚きである。お金に困りながら放浪し、酒も絶てずに俳句を作り続けた山頭火。著者自身だったらこう行動するのに、と余計な文を入れながら現代に照らし合わせた解釈もあって、愉快に読み進められる。町田節炸裂。こういうスタンスの伝記もいいものである。

    0
    2024年02月29日
  • きれぎれ

    Posted by ブクログ

    な、なんだこの小説。文章がめちゃくちゃ面白いだけで内容なんにもないぞ。でもなんかかなり強烈な印象を残してくな。こんな異様に体言止めの多い文章ってか小説は初めて読んだ。この文章は俺の知ってる散文の範囲をギリギリ超えてる。散文の可能性を破綻しないながらも新しく規定してるようにすら思える。自由奔放で天才的な語彙の選択と唯一無二のリズム感で書かれる文そのものがエンターテイメントだわ。大笑いしちゃうよ。しかし、くんくんに、とか、げっつい、とか聞いたことないよ町田語??まあ、先に読んだエッセイの方が文章も洗練されてて内容も面白かったかな。

    0
    2024年02月18日
  • ギケイキ③ 不滅の滅び

    Posted by ブクログ

    時勢は暴力と言葉で築かれていく。暴力は相手を傷つけることで勝敗、優劣、生死を隔てる。言葉にもその要素はあるが、慈愛や救済、共感へと向かうコミュニケーションの素晴らしさも兼ね備えている。そんな言葉を礎にする政治は、武力を行使する武士や僧侶が己の体裁や自尊心によって保身する愚行録でもある。政(まつりごと)は古今東西さほど変わらぬ人の愚かさを露呈する。もちろんそこで悲観して関心を失ってはいけない。人はその恥部をさらけ出し認めてこそ成長する。とその前にあほらしやと踊り出すかもね。

    0
    2024年02月12日