町田康のレビュー一覧
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ネタバレ池澤夏樹の日本文学全集、読むつもりはなかったのですが笑、「宇治拾遺物語」はめっちゃ面白い!と言われたので手に取りました。超訳でゲラゲラ笑っていたけれど、これはどこまで創作が入っているんだ、、?とはずっと気になっていました笑
一番好きなのは一番最初の「道命が和泉式部の家で経を読んだら五条の道祖神が聴きに来た」。史実では道命と和泉式部は関わりがなさそうらしいですが、和泉式部のイメージに付随するエロさ、みたいなところが私は好きでした。和泉式部が好きなのでこれが一番好き!みたいな感じ。
「そして、ただいい女というだけではなく、そそる女だった。色気のある女だったのである。それもただの色気ではなく、壮絶なほどの色気で、彼女を見た男は貴賤問わず頭がおかしくなり、また、ムチャクチャになった。死んだ者も少なくなかった…」やばすぎw
最後の「という訳で、お経を読む際は、ちょっと仮読みするときでも、身を浄めて読むべきである。「念仏・読経。四威儀をやぶること勿れ」と恵心僧都も言っている」
急に出てきた恵心僧都にまた笑う。
「奇怪な鬼に瘤を除去される」
この暗闇から、この不気味な顔を、ぬっ、と突き出したら、それこそ変化のものと思われて撲殺されるかも知れない。なので近くまで来たら、小声で自分は奇妙な顔ではあるが人間である、と説明しながらそっと出て行こう、と思ったのである」とか、もうリアルすぎて、いや現代すぎる笑となったり、「みんなが喜んでくれたのはすごく嬉しいんですけど、自分的にはまだ納得できてない演技がいくつかあって、今回、急だったんでアレですけど、気に入ってもらって、また、呼んでもらえるんだったら、次こそ完璧な演技をしたいんで」の急なオタク感めちゃ笑った -
Posted by ブクログ
定期的にやってくる日本史学び直したい病の一環で購読。
日本昔話や芥川龍之介などでお馴染みの話もあれば、日本史で出てきた話など町田康の超訳で読める楽しい一冊。文庫版は町田康のあとがきが二つ載っていてそのどちらも面白い。
こんな千年以上前の説話がずっと残っていることも驚きだし、この現代語訳がブルースをそのまま自分たちの音楽に作り上げたストーンズやZepみたいだなあなんて思いました。P-Vineで昔出たZeppelin ClassicsとかRolling Stones Classicsを聴いた時のような感覚になりました。
次は日本霊異記とか今昔物語の現代語訳を読んでみようと思います。 -
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町田康が種田山頭火の生涯・人間性を独断と偏見で語る一冊
それはもう本当に『わしはこう思う』で書かれた一冊
でも、町田康自身のパンクロッカーとしての経験だったり、酒に溺れていた過去だったりだとかと重ね合わせて語ってくれるので、なるほど!と思わせる説得力があります
ただ(後半は特に)さすがにこれは好意的に捉えすぎ、山頭火を擁護しすぎでは……ってな部分も見え隠れするので、もうちょい厳しい視点での意見も読んでみたかったかな
山頭火の生涯を語ってはいるのだけど、没年まで追っているわけではないです
ので、巻末に掲載された山頭火の略年譜を見ると「ほえー、このあとこんなことしてたんかー」とか「んでこのあと○○年ののちにお亡くなりになるわけですねー」とか、色々と感慨深いものがあります
年表の数行を読んだだけでその時の人生に思いを馳せる事が出来るという、ちょっと不思議な体験も面白かったです -
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ネタバレただ大黒を捨てるだけの話なのに、併録の『河原のアバラ』含めて、なんだか事態が予測もつかないような面倒ごとに巻き込まれていく。青春小説ではないものの、友人とバカやってふざけたり、騒動に巻き込まれたりっていうのが面白いし、良いなと感じさせられる。
最初の服屋でアルバイトするくだりはほぼコントである。チャアミイとおばさんの癖の強さ。と思えば上田を追うドキュメンタリー映画の女も癖が強い。うどん屋の天田はま子も癖が強いし、うどん屋のちゃっちゃっちゃがやりがいっていうのは何となく頷ける。作中、うどんの曲作ってるアーティストなんてどうかしてる、みたいなくだりがあるが、町田康自身『犬とチャーハンのすきま』でうどん全面推しの楽曲群をリリースしている。
何か壮大な出来事があって解決していくわけでなく、問題や引っ掛かりを抱えて終わる描写が多いものの、なんやかんやあって過ごしていくんだろうという、物語と言うより生きている中での一つの出来事、期間を抜き出して描いているような、非日常的な日常感が良い。 -
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電車の中など人のいるところでは読めない。
おもしろすぎる。
読むに従って、有名な冒頭、「これも相当昔の話。」と言う部分だけで笑ってしまう。
宇治拾遺物語は、今では古典の教科書の中の作品になってしまったが、昔の人にとっては楽しい娯楽だったのだなと実感できる。
名訳であるし、言葉の持つ力を実感する。
町田康氏は町田町蔵だった頃から知っていたが、作家デビュー当時は卓越した才能がありつつ若さゆえに奇を衒ったところも勿論あり、どう転ぶか、と思っていた。
今唯一無二の作家になっていることを嬉しく感じる。
「正しさ」を金科玉条の価値観とする風潮の中、普通に面白いことしようか、と言う肩の力が抜けた感じが好きだ。
だからこそ素直に笑える。
声高で無いことは、信念の強さの裏返しであると思う。 -
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ギケイキ2巻目。頼朝との再会から確執への流れがメインのストーリーなので、1巻目の千年の流転よりも読んでいて苦しい。
どうしても義経側に立って読んでしまうので、梶原景時にムカついてしゃーない。
んで、壇ノ浦の合戦が見どころとして語られると完全に思っていたのに!なんと自慢になるから言わない、だと!オモロイやないかい!!
個人的には合戦時の卑屈な景時の様子と義経の勇ましいさまを見たかったのはあるけど。
前巻から続くファッションの説明、ちょっとしつこいなーと思ってきたん私だけ?斬新やしええねんけど、毎回想像するの楽しいっちゃ楽しいけど、先に進むのにタイムラグあんねんそこで。
義経の内面、というか町田康の言い分が多めで話脱線してるけど、そこがこの本の深みなんかなと思ったり。
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本家の義経記は読んだことないけど
こちらの本は、過去から来た?まだ生きてる?義経が自ら自分の人生を語りながら進んでゆく形式。
源氏の本家で都育ちのボンボンらしい語りの義経が可愛らしい。彼を取り巻く関東の武士や寺社関係者たちの語り口や、ものの考え方との対比も細やかに書かれており、読んでいて楽しい。当時の人たちも、当たり前だが現代の私達と同じように置かれている立場によって右往左往したり、上から目線の人もいればその逆に、上司にペコペコな人もいたんやなと改めて思う。
3巻に渡る長い小説で、まだ1巻目。
勢いと面白さでグイグイ読ませてくれる。
最後のページまでダレることなく読めるのは間違いなく町田康の才能だなあ。
今すでにこれを書いてる時点で3巻目に突入してますが、それぞれ巻ごとに違う雰囲気で本当に読み飽きることがない。
登場人物の人間考察にこれだけ徹しているのは、作者ならではという気がしました。 -
Posted by ブクログ
文章には人柄が出るということがわかった。それぞれの作者(何人かの本は読んだことがあるけど)の素性は一切わからないけど、質問に答えていく回答文自体が自己紹介をしているようだった。
そして、私が普段よく思っていることが、忠実に言語化されていて勝手に爽快な自分を味わった。
個人的には、「人と人とが関係を結ぶときは、もしかしたら美点によってかもしれない。けれどその関係を深めていくのは、美点ではなく欠点なのではなかろうか。また、私たちが人間くささを感じるのは、どういうわけだか美点ではなく欠点である。」
「私は今現在『早めに終わらせ、夏休み最後まで何度も見直す派』なのだが、もちろんそんなことは言わない。そんな模範的な回答、まわりの人たちは白けるだけなのだ。『もちろんぎりぎり派だよ』、これは会話のマナー。」
の2つはまさに私の脳内の言葉をそのまま書き写しているようで驚いた、とともに似た考えを持つ人がいて安心もした。 -
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面白かった。
好きなバンドのボーカルの方が町田康さんが好きというのをどこかで見かけたので、初めて町田康さんの本を読んだ。
小説を読むのが基本的に苦手で(これは小説といっていいのか?エッセイ??)、小説を楽しく読み切るという成功体験をした記憶がないので読む前まで不安だったけど杞憂に終わってよかった。
ずっと面白かった。
「自分を普通以下のアホと思う(意訳)」からの、「自分を客観視できている自覚から、他人を見下すことがある(意訳)」という部分でめちゃくちゃ耳が痛かった。
私そういうとこめっちゃあるぞ…。
何より学術書以外のものを楽しく読めるんだという発見が嬉しくて楽しかった。 -
Posted by ブクログ
前半の少し謙虚?遠慮がち無い町田康の語りからはじまり、途中からだんだん山頭火考察に熱がこもってゆく。後半はまるで山頭火が町田康に乗り移ったかのよう。熱い!そしてパンク!
山頭火の人生観のなかに自分と同じものを見てしまう。その結論に至るまでの、町田康の世の中に対する、ちょっと捻くれた(でも私はとても正直だと思う!真っ直ぐで気持ちいい!)見方や物言いに私自身がハッとさせられ、自分のことをぐさっと言われている気がして。むちゃくちゃ突き刺さってきた。
恐ろしく粗暴な語り口と、自由な文体とこれぞ生けるパンクな町田語りにどっぷり浸かっていると、いつもやけどなんか元気もらえる。
口の悪い兄貴、でもちゃんと分かってくれてて、本当は芸事も人も大好きで、正直で、誰かを救えたらと思ってそうな(ご本人はその意識はないかもやけど)、そんな兄貴に会ったみたいな気持ち。
山頭火も町田康もすっっっごい素敵な人だと思う。かっこいい。絶対真似できひんけど。