町田康のレビュー一覧

  • 入門 山頭火

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     山頭火。旭川発の美味しい塩ラーメンのことではない。「分け入つても分け入つても青い山」で有名な俳人の種田山頭火のことである。そんな山頭火の生涯を楽しく辿り語ったのが町田康氏による『入門山頭火』。本書の執筆2週間前から山頭火の勉強を始めたというから驚きである。お金に困りながら放浪し、酒も絶てずに俳句を作り続けた山頭火。著者自身だったらこう行動するのに、と余計な文を入れながら現代に照らし合わせた解釈もあって、愉快に読み進められる。町田節炸裂。こういうスタンスの伝記もいいものである。

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    2024年02月29日
  • きれぎれ

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    な、なんだこの小説。文章がめちゃくちゃ面白いだけで内容なんにもないぞ。でもなんかかなり強烈な印象を残してくな。こんな異様に体言止めの多い文章ってか小説は初めて読んだ。この文章は俺の知ってる散文の範囲をギリギリ超えてる。散文の可能性を破綻しないながらも新しく規定してるようにすら思える。自由奔放で天才的な語彙の選択と唯一無二のリズム感で書かれる文そのものがエンターテイメントだわ。大笑いしちゃうよ。しかし、くんくんに、とか、げっつい、とか聞いたことないよ町田語??まあ、先に読んだエッセイの方が文章も洗練されてて内容も面白かったかな。

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    2024年02月18日
  • ギケイキ③ 不滅の滅び

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    時勢は暴力と言葉で築かれていく。暴力は相手を傷つけることで勝敗、優劣、生死を隔てる。言葉にもその要素はあるが、慈愛や救済、共感へと向かうコミュニケーションの素晴らしさも兼ね備えている。そんな言葉を礎にする政治は、武力を行使する武士や僧侶が己の体裁や自尊心によって保身する愚行録でもある。政(まつりごと)は古今東西さほど変わらぬ人の愚かさを露呈する。もちろんそこで悲観して関心を失ってはいけない。人はその恥部をさらけ出し認めてこそ成長する。とその前にあほらしやと踊り出すかもね。

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    2024年02月12日
  • ふたつの波紋

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    ここまで激しい対談集は初めて(笑)。
    お互いにメンタルが強くないとやってられない。
    古典を現代語訳したお二人の作品を読んでみたいと思いました。
    太宰治についての解釈も面白かった。

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    2024年02月08日
  • ギケイキ③ 不滅の滅び

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    イケイケな意訳の義経記シリーズ3作目。
    毎回、間が空いて出版されるのでどんな場面からの続きなのか忘れ去った状態で読み始めますが、前後のつながりとかどうでもいいくらい面白いです。

    今回は、前半は主に佐藤忠信、中盤は勧修坊、終盤は静の話で展開します。
    義経もたまに登場するものの、ほぼ神の視点からのナレーション役でした。

    よく登場する表現は「えぐい」と「えげつない」。
    頼朝やその家臣の保身と昇進、自分のことしか考えてない心理描写には爆笑です。
    戦中にそんなに喋る?ってぐらい長々と会話したかと思うと、面倒な出来事を人に伝聞するときは「こうこうこうこうこうで」と話をさせたことにして適当に済ますのがジ

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    2024年02月02日
  • 猫にかまけて

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    最初は取っ付き難い文章に思えるけど、町田康節がどんどんクセになってくる。「ちょらちょらと歩く」等の独特な言い回しが大好き。

    猫たちに翻弄される町田さんの泣き笑いの日々に、思わず「はは、おもろ」と笑ってしまう。
    間に挟まれている写真がまた、良いなぁ。猫達がとても幸せそう。
    ヘッケの章は、一緒に暮らしていた先代猫の事を思い出し、悲しくなった。
    町田さんはそうは思わないと言うけれど、たとえ少しの期間だとしても、ヘッケは町田さんと奥さんの元で過ごし、愛情を浴びることが出来て幸せだったんじゃないかと思う。
    町田さんの猫愛に暖かい気持ちになる一冊。
    猫様との時間をもっと大事にしたくなった。

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    2024年01月30日
  • きれぎれ

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    ネタバレ

    目次
    ・きれぎれ
    ・人生の聖

    主人公(語り手)の脳内だだ洩れの一人称小説は好きだ。
    好きなんだが、好きなはずなんだが。
    これには苦戦しました。

    SFもファンタジーも好きだけど、マジックリアリズムが苦手。
    輪郭のくっきりはっきりした世界の中で突拍子もないことが起こるのは好きだけど、世界の輪郭ごととろとろ掴みどころがなく嘘か真か妄想かわからないまま話が進むのが苦手。
    この融通の利かなさがまさしく私なのだと、図らずもこの本から突きつけられてしまったわけだけど、そういうわけで、全く理解できませんでしたとしか言いようがない。

    文章のリズムが良いところは好きだ。
    けれどそれは、あくまでも黙読している

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    2024年01月28日
  • 夫婦茶碗

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    ・芸人永野が紹介していたことから手に取ってみた本。
    ・パンクバンド「INU」のボーカルとして活躍していた
    作者。
    ・夫婦茶碗、人間の屑という2部作。200ページ程の薄
    い本であるが読み応えがあった。
    ・全体を通して、作者の針小棒大に日常の小さなことを洞察する観点が面白い。またそれでいて小さなことを膨らませても本筋にしっかりつながり、その様はさながらDJのような滑らかさであると思った。

    ・2作とも堕落しきった人間が主人公であり、そこには
    自分を客観視できていない人間の面白さ、流される人間の面白さを感じられる。
    ・思わず声が出る展開や最後にはしっかりウルっとする場面もあり、なかなか良かった。

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    2024年01月28日
  • 口訳 古事記

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    いなばの白うさぎくらいまでの話は子供向けの神話の絵本などでなんとなく知っていたが、それ以降の話も町田さん節の文章のおかげか、楽しく読めた。しかし神様達のお名前がなんと読みにくく覚えにくいことか⁉︎騙したり意地悪したりなんと人間くさいことか⁈ちょいちょい出てくる「いやよー」が好き。

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    2024年01月13日
  • 浄土

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    面白い〜
    本のタイトル、浄土とはよく言うたもんや。
    人に迷惑かけたり悪いことばっかりしてたらええ死に方しませんよ、ていう昔話みたいな短編集やなぁて。
    とにかく出てくる男どもが屑中のクズばかりで腹立つ腹立つ。どれも身近にいそうなムカつく奴のステレオタイプな奴が勢揃いて感じで、読んでるこちらまで過去の迷惑かけられた、嫌な思い出まで思い出してしまいイライラする始末。
    特に最後の自分の群像というお話に出てくる温田という男。具体的に1人の人物と被ってしまい自分でも嫌になるくらい腹たったし。
    でも町田康という人は、すごく優しい人でもあるんだなといつも感じる。どんなに汚くて嫌な人間を登場させても、誰か1人は

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    2024年01月12日
  • 入門 山頭火

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    確かYouTubeで山頭火の解説してたし詳しいんだろうと思ったら、「よく知らない」という出オチでズッコケた。(さっき調べたら本書の元になった連載に絡んだ企画だった)
    「ようわからんけど、こんな感じなんちゃう?」って調子のダラダラした書きっぷりが町田先生らしい。パンク歌手がパンク歌人を語るとあって町蔵時代のパンチラインまで引っ張り出してくるのもミソ。
    私はこれを読んだところで俳句のことは相変わらずよくわからないんだけど、このまま町田先生の小説のキャラクターとして登場しても違和感なさそうだし、令和に転生したらバンド組んでX(Twitter)やらせたら面白いことになりそうな人だという理解をした。

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    2024年01月07日
  • 私の文学史 なぜ俺はこんな人間になったのか?

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    北杜夫作品を笑いながら読んでいたら「そんなの読んだら頭おかしくなる」と親に心配された。というエピソードを取り上げられていましたが、私は町田先生の作品で同じ経験をした人間です。

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    2024年01月07日
  • 湖畔の愛(新潮文庫)

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    腹抱えて涙出るほど笑った箇所があった!
    それ以外にも随所に笑いが落ちまくり。電車の中で読んだりしたけど、本読みながらニヤニヤしてるの、絶対誰かに見られてたやろな。
    ホテルの支配人の新町と、あっちゃんこと圧岡嬢の2人のことが大好きになった。口は悪いが人間らしくて本当は心の優しい2人。
    たまに優秀なホテルマンを忘れて、地の大阪弁が出る瞬間が気持ちいいくてめちゃくちゃオモロイ笑
    このホテル、めちゃくちゃ泊まりたい〜
    ほんでもまぁほんまに!おもろかったわ、新町がロビーで1人、踊る場面。漫画でなく文章で書いた方がめちゃくちゃオモロくなる所作ってあんねんな

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    2024年01月05日
  • ゴランノスポン(新潮文庫)

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    ネタバレ

    短編集
    楠木正成、末摘花の歴史をなぞった短編は自分の知識量が足りないのもありついていけなかった。
    「一般の魔力」「尻の泉」はどんな人生を歩み、どんな心理状態になればこんなぶっとんだ発想の小説を書けるのか笑いながらも驚くばかり。

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    2023年12月22日
  • ギケイキ 千年の流転

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    ネタバレ

    地の文も会話文もリズムが良くてすらすら読めちゃう。
    平安時代の雰囲気が分かりやすかった。出来事そのものよりも、何を重視していたか(寺の立ち位置や朝廷との関係)、何を気にしていたかなど。
    具体的には呪術や霊威の存在が現在よりも重視されてるのが面白かった。いきなり火を吹いちゃうところとか。

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    2023年12月08日
  • ギケイキ2 奈落への飛翔

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    あとがきにもあるが、義経が平家を滅ぼすあたりから頼朝が義経を疎んじるまでの話がほとんど描かれないので、頼朝の行動原理が理解しずらい。平家物語で補完するしかないのかな。

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    2023年11月28日
  • きれぎれ

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    イカれ徒然草。すごい。
    あまりにもとりとめのない脳内イメージを、厳密に明確に克明に文章に落とし込んでいる。文体も相まってスルスルと脳内にインストールされてしまう。

    あんまり深入りしすぎると自分の口調とかも影響受けそう、日常に悪影響が出そう。危険。

    読書になにか意味を求める人には向かない。ただの暇つぶし、エンタメだって思える人なら楽しめると思う。

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    2023年10月26日
  • 猫のあしあと

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    町田康さんの猫への愛に泣けた。
    面白おかしく書いているが、こんなに沢山の、しかも病気を持った猫を受け入れるという事は普通はできない。
    我が家にも1年目になる猫が1匹いるが、よりその猫へ愛情を注ごうという気持ちになった。

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    2023年10月23日
  • くっすん大黒

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    「しらふで生きる」「人間小唄」を読んですっかり町田先生の文章の虜になってしまったので、その源流とも言えるデビュー作のこちらを読んでみた。
    なるほど、デビュー作の時からこの世界観がすでにあったのか。
    大したお話ではないが、次から次に起きる訳のわからない展開から目を話せない。そして笑ってしまう。
    「くっすん大黒」の中で、古着屋でバイトするくだりはひたすら笑った。
    ただただ堕落して生きているような人をこんなにも面白おかしく表現できるのか、という事に驚く。
    この人はどんな題材でも、どこまでも話を広げて面白く表現することができるのだろうな、と感嘆しました。
    ただ、この小説から何か感銘を受けるとか感動する

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    2023年10月12日
  • しらふで生きる 大酒飲みの決断

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    クセのある文体で序盤はなかなか読みづらかったのですが、途中から心地よくなってきて、終盤にはまんまと断酒するべく決意をさせられた。阿呆だからな。

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    2023年10月09日