町田康のレビュー一覧
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文庫で800ページある長編、第41回谷崎潤一郎賞受賞作。
町田康の作品を「くっすん大黒」「きれぎれ」「告白」と読んで来た。くっすん大黒は「くっすん大黒」と「河原のアパラ」の2作品が収められ、「きれぎれ」は「きれぎれ」と「人生の聖」の2作品、「告白」は長編大作。
河内十人斬り、という河内で十人を殺害した実際に遭った事件の実行犯の、城戸熊太郎という男の人生が、そのまま物語になっている。400ページ位までちょっと退屈なストーリー展開だったけれども、後半物語が動き出して面白くなってきた。
安政4年生まれの、河内の国、水分(すいぶん)村に生まれた熊太郎は、要するに百姓仕事が性に合わず、ほかに仕事 -
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二篇所収
・「くっすん大黒」4⭐️⭐️⭐️⭐️
野間文芸新人賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作品。
怠惰で仕事を辞め、妻にも出て行かれたダメ男の主人公楠木正行。部屋にある無用の置物・大黒様、これが不安定で設置困難。楠木はこれを捨てようと行動するが、登場する人物たちも、特に女性が一癖ある人達で、物語の展開が面白く読んでいて楽しい。
・「河原のアパラ」5⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
「くっすん大黒」が面白かったので、これ以上はないだろうと思っていたら、「河原のアパラ」がより最高に楽しかった。
町田康という人がデビューしたのは、日本に一人の才能が現われたのだと思う。
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ミルクティー飲みたい やつは変えてないよ。さんがお勧めしていた作家さんなので、手に取りました。
絡んだものが絡んだまま、なにかそこから察して感じて!というような書き方で、オチはここだったのかな。そもそもオチはないのかな?と読み終わった後に考えていました。
最初の短編、「エゲバムヤジ」がとても気に入って何回も読みました。
題名になっている「記憶の盆踊り」。これも面白く、もしかして主人公は死んでる?と予感させる終わり方。幽霊になったら、なにもかもがぼんやりとしか思い出せないのかな?などと、あちら側からみたこっちの世界に想いを馳せました。
少し異色で面白い作家さんで気に入りました。他の本も読 -
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種田山頭火は漂泊の俳人と呼ばれる
仏門に帰依して僧侶となった彼は
いわゆる行乞、托鉢をやって
少量の食べ物や金銭を恵んでもらいながら
旅する合間に俳句をつくっていた
しかし元々、俳人としてそれなりに人気のあった彼は
各地のファンに援助してもらったり
時には別れた妻の…かつての自分の家に転がり込んで
必ずしもストイックとは呼べない
どちらかといえば自堕落に思える人生を歩んだ
それでありつつ息子の将来に思い悩んでみたりなど
なんつうか、しょうのない人だった
なぜそんなことになってしまったのか
幼少時に母親が自殺したことや
家業の造り酒屋を潰してしまったことなど
不幸な挫折はいろいろあったが
本人に -
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900ページ近くある分厚さになかなか読む気力が起きず何年も積読として眠らせていたこの小説。こんなに分厚い文庫本は初めて読んだ。
思弁的すぎる上にその思いをなかなか言語化できない。思考と言動は一致することはなく、そんな熊太郎を周りの人間は「また熊太郎がおかしなこと言うとるわ」と馬鹿にする。明治時代の河内の百姓ごときに熊太郎の渦巻く思想を理解できるものなどいるわけもなく。己の性質と、理解者など一人もいない農村という環境が熊太郎を苦しめ続け、堕落し、ドツボにはまり、破滅の道を歩む。
なんでそうなるの?と思わず突っ込んでしまいたくなるほど不器用で、きっと熊太郎は生きることが下手すぎた。
自問自答し続