町田康のレビュー一覧
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「どつぼ超然」「この世のメドレー」に次ぐシリーズ第3段にして完結編。
超然と生きるはずだった主人公の「余」は、死に場所を求めて彷徨った挙句、生を肯定する境地に達し、最後に土俗神・龍神沖奈と対決します。
帯にある「町田文学の最高峰」は言い過ぎとしても(最高峰は誰が何て言っても「告白」です!)、町田ファンには待望の作品には違いない。
だって、たとえば、次のような文章なんて、今の文学界で町田さんくらいしか書けないしょ。
「オレオレ詐欺。という。そんなものはもう旧い。これから必要になってくるのは君君詐欺だ。あんた誰ですか。君だよ。俺は君だよ。え? 君って俺なの。そうだよ。君君。君だよ。I am you -
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あとがきにあるように、最後の数行にやられました。なんだ、この読後の爽快感は…!
資本主義経済に疲弊して、なんだか金銭価値だけで物事が動くことに違和感と少々の吐き気を覚えていた頃、この本に出会いました。
読みすすめてみると、町田康臭炸裂の面白日記な感じで、パンチの効いたリズミカルな日本語にただただ興ずることができました。しかし、意外なクライマックスに心が打ち震えました…。
この世のあらゆるものは、実は「一般的等価形態」だけで量れるものではないのだ、と筆者が気づくのとほぼ同時に、その概念がわたしにもストンと腑に落ちる感覚がありました。
あとがきが素晴らしく、その部分だけでも二度拝読い -
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眠くなってきたので手短に。
去年、池澤夏樹さん個人編集の「日本文学全集08」を読みました。
ほかでもない、十数年追いかけている作家、町田康さんの「宇治拾遺物語」が読みたかったから。
いや、爆笑しました。
古典を読んでこんなに笑ったのは初めて。
中学、高校時代に出合っていたら、古典が好きになっていたに違いありません。
本当は古典って面白いものだと思うんです。
それを恐らく研究者や学者たちが、無用に格調高いものにしてきたんでしょうなぁ(恨み節)。
あ、で、本書はその日本文学全集で各作品の新訳を手がけた作家たちによる講義集。
もちろん、町田康さんの「宇治拾遺物語」の講義も含まれています。
私は、町田 -
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ネタバレ町田さんの文章にはよく「例えば」とか「もし」の話でだだだーっと1文が超長い虚構のような名文が出てくるのだが、今回読んだ中の神文↓
『自分はちっとも悪くないのに襟首をつかまれ怒鳴られた猫は、もっと怒って、
「なにが、なにさらすだ。シャアアアアア」と言って怒って全力で抵抗、意外な抵抗にあって虚を衝かれ、呆然としているおっさんの額を引っ搔いて逃走したのである。
おっさんの額がざっくり切れ、鮮血がほとばしった。』
これは町田さんが幼少のころ、とある家の前に憤怒の表情で立っていたおっさんの額にある赤くて太い1本の傷と、玄関から走り出てきた1匹の猫を見て推測した状況を書いたものなんだが、この最後の1 -
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池澤夏樹編集の日本文学全集を何冊か読んだので、気になって買いました。
『古事記』『日本霊異記』辺りは、男女の……とレビューでは言えないようなワード満載で、初っ端からこの勢いか!とビックリする。
でも、そんな赤裸々な『古事記』が日本のどこか源に流れているような気がして、ちょっと好き。
森見登美彦『竹取物語』も、読んだけれど、後から考えるとまだ大人しい。
かぐや姫の「地球に対するツン」発言は笑った。
どんな業を背負っているかは、地球人ごときが知る由もないこと、という解釈の仕方(ごめん、ごときとは仰ってませんが)は割とマトモで好き。
輪廻転生、盲点でした。
からの、町田康『宇治拾遺物語』!
そ -
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ネタバレ他人のアイディアを勝手に引用し、「センスがいい」日本語を綴っていた糺田両奴に、小角(蘇我臣傍安)の天誅が下される。
「一、短歌を作る。二、ラーメンと餃子の店を開店し人気店にする。三、暗殺」。糺田の文学を根底から破壊するべく、これらのミッションに挑ませる。
「全体としてはよくわかんないけど、けっこう笑えたし、まあいっかー」と言って終わりかけてたけど、解説を読んで再度パラパラと読み返すと、これはなんやすごい作品なんではないかと思えてきた。人間は謙虚に生きなければならない。傲慢であってはならない。あらゆる表現者への警笛とも言える作品。