町田康のレビュー一覧

  • へらへらぼっちゃん

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     町田康氏作家初期のエッセイ集。
     いくつか読んだ氏の小説には、狂った人が多く登場する。ペンキ塗りに才を見出す男(ただしすぐ飽きる)、大きな冷蔵庫を買わない男(飯の予定が組まれてしまうことを恐れて)、呑んだくれのパンク歌手。全部自身の経験に基づいていたんだなあ。はは、やっぱ狂ってる。
     善人と悪人とあほとかしこの分析。言葉のビート。最高。

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    2017年04月17日
  • 猫のあしあと

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    町田さんの文章にはよく「例えば」とか「もし」の話でだだだーっと1文が超長い虚構のような名文が出てくるのだが、今回読んだ中の神文↓

    『自分はちっとも悪くないのに襟首をつかまれ怒鳴られた猫は、もっと怒って、
    「なにが、なにさらすだ。シャアアアアア」と言って怒って全力で抵抗、意外な抵抗にあって虚を衝かれ、呆然としているおっさんの額を引っ搔いて逃走したのである。
     おっさんの額がざっくり切れ、鮮血がほとばしった。』

    これは町田さんが幼少のころ、とある家の前に憤怒の表情で立っていたおっさんの額にある赤くて太い1本の傷と、玄関から走り出てきた1匹の猫を見て推測した状況を書いたものなんだが、この最後の1

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    2017年03月17日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    【献本】平家物語とセットで頂いたけどこちらは読みやすくて、しかも相当面白いからボリュームの割りにすらすら読めました。R15か!?と思うほど露骨で卑猥な言葉が頻出して吹き出すこともしばしば。特に町田康さん訳の宇治拾遺物語は抱腹絶倒。これは読まれることをお勧めしたい。馴染みのある昔話の出展はここか、と改めて読んでみれば曖昧な記憶が甦り、そして煩悩の恐ろしさを痛感するばかり。発心集は心持ちの貴い人がやたら乞食になり、素性が知れると行方をくらます物語。ただ今を生きる私達にも通じる深い考えが根底にありました。

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    2017年03月09日
  • 珍妙な峠

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    金がなくなり歳末の濁流に押し流され珍妙な峠を彷徨うこととなった主人公。珍妙な峠では、金を払って何かしようと思った瞬間、まるでこちらの頭の中を覗き込んだように、それを商う店が現れる。どこからともなくお金が現れ、お金というくびきからは解放されたが、煩悩という心のくびきに支配され始める。東の空にはどす黒い雲がかかっており、その雲から逃れるように西へ西へとひた走るも、決して越えることができないのが珍妙な峠。最終的にいきついた果てが個人の意識を変容させること。表面的なものに惑わされない確かな目と確かな心の大切さをしみじみと実感させられた。

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    2017年02月18日
  • 人間小唄

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     他人のアイディアを勝手に引用し、「センスがいい」日本語を綴っていた糺田両奴に、小角(蘇我臣傍安)の天誅が下される。
    「一、短歌を作る。二、ラーメンと餃子の店を開店し人気店にする。三、暗殺」。糺田の文学を根底から破壊するべく、これらのミッションに挑ませる。
    「全体としてはよくわかんないけど、けっこう笑えたし、まあいっかー」と言って終わりかけてたけど、解説を読んで再度パラパラと読み返すと、これはなんやすごい作品なんではないかと思えてきた。人間は謙虚に生きなければならない。傲慢であってはならない。あらゆる表現者への警笛とも言える作品。

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    2017年02月14日
  • 宿屋めぐり

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    ながい…長い…。
    主人公の口語的スタイルで話しが進んでいくのにちょっと慣れが必要だった。
    ほかにも読みたい本やまほどあるというのにかかりっきりで読んだくらい面白かった。
    キタナイ、できれば目を背けたい、自分にはそんなところありませーんっていい人ぶっていたいような見たくないところを、見せられる、何度も。
    でもそれが良いのだった。

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    2017年02月04日
  • きれぎれ

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     カオス!!!!!!!!!!氏の小説の中でも突き抜けてカオス。おいてけぼりとはまさにこのこと。。
     第123回芥川龍之介賞受賞作。

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    2017年11月14日
  • 珍妙な峠

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    今、まさしく炊飯器を購入するか悩んでいる折、壱万円程度のものから拾万円のものまでありその違いは何なのかわからずに購入に踏み切れずにおり、そしてホームベーカリーに至ってはすでになくてはならぬ家電になっているので、うまい具合に焼ける遣り方を伝授してやりたくもあり、はたまた自宅リホームもあれやこれやと思い至ること多く、さすが町田先生、私のツボをしっかり押さえて離さない、のではあるけど、最近物語の最後に必ず訳のわからない疾走をするのには、先生の心中を察して切なくなるのですが、あまり突飛過ぎて好のみではないので、もちっとキレイにならんものか

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    2016年12月03日
  • ゴランノスポン(新潮文庫)

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    町田康の小説は、その他大勢の群衆に埋もれて生きるひとの決して尊くない哀しみが、ぱっと見、明らかに哀しいのに読めば読むほど哀しみに思えず、哀しみであることを忘れさせる。
    ページを閉じたあと、もやもやとした形で「哀し…」と脳内を哀しみのもやもやで薄く埋め尽くす、その清々しい脱力というか諦念が堪らない。
    そして、でも結局はフィクションなんだよなと、心置きなく離れられる軽さ。
    丁度よい悲壮。
    短編小説だからこその軽さであって、長編小説では、拭っても拭いきれない後味が残る。
    それはそれで、またいいんだけれど。

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    2016年11月06日
  • 実録・外道の条件

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    これ、小説っていうか、実話体験エッセイよね?ホンマにあった話、町田さんが実際に経験しちゃったノンフィクションやろうなあ、きっと。

    という感じの、実話モノ、って言ったらいいんでしょうかね。でも、一応、小説の体裁。で、バッチバチおもろいです。

    全4編の短編集なのですが、それぞれ、1995年5月~1998年7月、まで、日付が付記してあるので、この時期に、町田さんは、こんなにとんでもねえ目にあってたんだなあ、とか思う次第ですね。ホンマに、ご本人にどれだけ大変だったのか、質問してみたいですね、うんうん。

    で、まあ、芸能界という世界には、とんでもねえ外道なかたがたが、たっくさんたっくさんいるんだろう

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    2016年11月02日
  • 夫婦茶碗

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    『夫婦茶碗』
     働かないと金がない。金がなければ夫婦の会話が成り立たない。会話がなければうるおいがない。高度資本主義の社会では、働かない男は人間ではないとも言えるような世知辛い話である。
     主人公の男はある日一発逆転の活路を見出す。ずばりメルヘン執筆。メルヘン業界への参入。メルヘン作家になってこます。小熊のゾルバの冒険物語、構想段階でえらいことになっていき、文字を追うわたしの頭もグラグラしてくる。
     夫婦茶碗に茶柱を立ててこます。

    『人間の屑』
     演劇→パンクロッカー→ニート(愛猫家)→ヒモ→餃子屋(売れない)→うどん屋→ナイトクラブ(アナルインパクト)→港湾労働者→・・・
     金に女にドラッ

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    2016年10月26日
  • 猫にかまけて

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    これは、猫を飼ったことのある人なら特に好きになざるをえない本じゃないかな。
    そして笑いと涙なしでは読めない本だなぁ。

    そうそう猫ってそういうことするよね、と笑いがこみあげてきてしまう。声出して笑っちゃったよ。
    昭和調な文体も、町田さんが聞こえてる猫の声も、全てがあたたかくて、面白くて、なんだか一緒に見守ってるお母さんのような気持ちにさせる。

    でも、動物と生きることで必ずぶちあたる葛藤も赤裸々に、直球に綴られている。心臓がわしづかみにされたんじゃないかって位苦しくなって、泣いてしまったよ。

    良い本だった。

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    2016年09月01日
  • きれぎれ

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    初めて読んだ夫婦茶碗に比べて強烈で、特に人生の聖はついていけないかも、とも感じたが、何れにせよ、凄い作家だと改めて思いました。

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    2016年08月25日
  • パンク侍、斬られて候

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    独特な世界観。
    時代設定は昔だけれど、言葉遣いが現代のギャップがおもしろい。
    自分が見ている世界は真実なのか?

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    2016年06月24日
  • 真実真正日記

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    ”世間の人は本当のことを知りたがり、世の中には本当風のことが溢れている。でもそれらは全部嘘、単純なストーリーだ。人々は本当に本当のことは知りたがらない。なぜなら本当のことは疲れるし、本当の本当のことは誰にもわからないから。”

    再読

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    2016年06月18日
  • くっすん大黒

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    『告白』で知った町田氏。
    『告白』は読みきってはおりませんが、他の作品は読みおえたことがあり、その独特のユーモアのセンスがなんだか癖に。
    こちらの『くっすん大黒』にもにやにやさせられっぱなしでした。
    男女差別をするのはあれですが、ユーモアたっぷりの独特の発想は男性ならではのものだなぁと思わせられます。
    内容はこってりとしているのにあっさりと読み終えられる。
    そんな1冊。
    個人的に面白おかしい小説を読みたくなったら、森見氏、万城目氏、町田氏を選ばせて頂きます。
    町田氏、次は『告白』を読みきるのが目標です。

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    2023年10月26日
  • パンク侍、斬られて候

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    パンク侍ということで、すごく会話が現代に近いのだが、あとからあとから話が訳分からなくなる。主人公を訳分からなくなってる。だからいいのかも。

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    2016年04月24日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    町田康、いらない文章が散見。覚める部分。不必要な敬語とか。バランスが大事。彼はしょせん自意識の病の中にある。
    その上で、「陰茎を検査した半裁」「鐘を打たせようとした話」「娘婿の変態行為の話」は格別に面白い。

    しかし福永武彦の訳は端正で美しい。
    天狗に狂った染殿の后の話は、鬼が白昼堂々と侵入し、夫の目の前で淫行に至る描写が生々しく恐怖。

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    2016年03月16日
  • 猫とあほんだら

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    猫エッセイ第3弾。前作につづいてまた増えていく猫、亡くなる猫が登場。

    今度は伊豆に猫ともども引っ越し、また新しい猫(パンクとシャンティー)を拾う。

    読みやすくてあっという間に読み終わった。

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    2016年01月26日
  • スピンク合財帖

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    「スピンク日記」の続編です。スピンクとキューティーのほかにシードが加わり、ほのぼのかつドタバタな毎日が続いていきます。事件は数多あるのですが、事件の詳細よりもその際の主人ポチの様子などが仔細に語られていて、さすが犬は主人をよく見ているなと思わされます。犬のほうが優れていると言いたいわけではなく、どちらかといえば相対化している印象。スピンクがトレーニングに行くくだりではそれが崩れるかと思いきやそうはならず、ホッと胸をなで下ろしました。犬も人間もほかの生き物たちも、みな精一杯生きている。生きることはただただ素晴らしい。そんな生き物讃歌だと思いました。

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    2016年01月15日