町田康のレビュー一覧

  • 掌篇歳時記 秋冬

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    物語ではなく、読書そのものと、日本の繊細な四季の移ろいを味わう一冊。初めて読む作家さんもいて楽しかった。

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    2019年12月05日
  • 生の肯定

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    ますます冴えわたる町田節。
    でもこの魅了を人に伝えるのはなかなか難しい。
    途中、アホらしくても、「ふざけんな!」と思っても、どうか最後まで読んでほしい。
    教訓も救済もないが、不思議な心の平安が訪れるから。

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    2019年09月16日
  • ゴランノスポン(新潮文庫)

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    「楠木正成」
    楠木正成はいくさの天才で、いくさに命をかけている
    それゆえ、つねにやばい状況へと吶喊をかけずにはいられない
    そういう人なんだと思う
    平和ボケしてロマンチストな現代人たる語り手は
    ミーハーな気分でそれに近づき
    適当にあしらわれた挙げ句、流れ矢に当たって死ぬ
    複雑な南北朝時代の動きを
    まあまあわかりやすく解説してくれた語り手だったのに…

    「ゴランノスポン」
    偽の村上春樹みたいな文体でエコだのロハスだの言い
    関係性の広がりが人間を高めるとかいったポストモダンな希望を謳い
    それでいて狭い身内の外に対しては極めて冷酷な
    そういうナルシストの偽善が
    ひとりの仲間の自死によって露呈してしまう

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    2019年06月10日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    説話、物語が抜粋でまとめられている。仏教の話も楽しめた。『宇治拾遺物語』が訳がキュートなこともあり、特におもしろかった。性に関してもおおらなであっけらかんとしていて、みだらな感じがしなかった。

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    2019年03月20日
  • ゴランノスポン(新潮文庫)

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    ネタバレ

    あー面白かった。
    ゴランノスポンというタイトルからしてまず感動した。
    ご覧のスポンサーの提供でお送りしました。これを幼少期のわたしは、ゴランノスポン、サーノテーキョウでお送りしました、だと思っていたので、このことばをこんな所でみるとは…!!と、幼少のみぎりのぼんやりとした記憶を呼び起こすとともに衝撃を受けた。

    中身も本当に面白かった。どれも胸糞悪くて嫌な気持ちになる読後感でとてもよかったけど、特に一般の魔力がすごい。こいつこそクズ男だよなー、ていうそこら辺にいそうな普通の人で、でも愛猫家愛犬家の町田康がどんな気持ちでこの話書いたんやろうと考えてしまった。
    求めていた胸糞悪さがどの話にもあるか

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    2019年01月20日
  • 夫婦茶碗

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    2作とも、ふざけてて軽率で考え無しの主人公が、自己憐憫、他力本願で、それが読んでいて楽しいところから始まるのが、同じトーンで進みながら周りがそれを許さないような深刻な状況になっていき、同じ語り口なのに笑えなくなる、という展開。だんだん主人公の軽い思考が浮いていき違和感になっていく。

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    2018年12月21日
  • 猫にかまけて

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    小説ではなく、町田康が猫と過ごした日々や、その時の行動、想いを丁寧に綴った日記のような作品
    猫に対する深い愛が等身大で描かれ、作者の繊細な人間性が感じられる良作

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    2018年12月18日
  • ギケイキ 千年の流転

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    前回4巻で完結していないだなんて全く知らずに読み終えてから、気がつきましたよ。
    早く続きが読みたいです、よ。

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    2018年12月03日
  • 宿屋めぐり

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    みんながおれを悪党だというが
    なにもおれは悪党になりたくてなったわけじゃない
    わざとじゃないんだ、わざとじゃ
    だからおれは絶対に謝らんぞ
    といったような、ちんけなプライドに根ざす傲慢さを抱えながらも
    わたしはけっして根っからの悪党じゃない
    だからつねに、そんなわたし自身の自己防衛的ないいわけについても
    懐疑的でありつづけているのです
    だからおれは本質的には善人であるわけだ
    絶対に謝らんぞ
    といった具合に、おれとわたしが無限増殖をしている
    といった具合で、たくさんの我を背負っている
    それ故にむしろ我ありということがいえるのではないかしら?
    などとそのように
    己を正当化するための欺瞞的信仰まで持ち

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    2018年11月29日
  • 宿屋めぐり

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    『パンク侍』や『告白』のあたりで芸風がすっかり固定したようだ。相変わらずの目くるめく町田節。特にこの本は、主人公の道中のドタバタぶりや、展開の目まぐるしさが際立っている。ページをめくらせる力はめっぽう強い。

    「主」(最初は「あるじ」かと思っていたが、やっぱり「しゅ」と読むんでしょうな)という存在が、この波乱万丈の物語を唯一つらぬく背骨になっている。しかし、いったいなんなんだろうなこれは。こんな話をよく次から次へと書けるものだよ。

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    2018年11月05日
  • パンク侍、斬られて候

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    ネタバレ

    キャラクターから喋り方からストーリーまで、自由に突っ走り風刺のきいたアクの強さがある。
    映画を先に見たのであらすじは知っている状態だったが楽しめた。細かい部分の改変はあれど、原作に忠実な脚本だったことが分かる。
    後半、登場人物が呆気なく死んでいき、淡々とナレーションされていくのが物悲しかった。殺し合いってこういうものだよなと思いつつ、突然プツリと途断える命がやけに響いた。
    色々あって結局なんだったのか分からないけど、何か頭に残る作品。

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    2018年10月24日
  • 権現の踊り子

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    ネタバレ

    たまに町田氏の描く作品が文学なのかただの悪ふざけの言葉の羅列なのかわからなくなることがあるが、やはりこの短篇集を読んで、これは文学なのだと思った。

    地獄から出られそうで出られない、もがけばもがくほど深海にはまりこんでゆく、そこもまた、日常。
    この理不尽さが不快過ぎてたまに読むのが辛い。特に「ふくみ笑い」の胸糞の悪さ!

    『ゼリーのような感触がして酸と便が混ざったような匂いがしたのも、目の前が白くなったのも一瞬、その一瞬の間に俺は、こんなことになったのも俺がみんなに対してエゴイスティックに振る舞い、仕舞には傷害や殺人をしたからだ。みんな自業自得だ、と思おうとした。俺は納得して死にたかったのだ。

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    2018年09月09日
  • 実録・外道の条件

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    よくわからない。よくわからないけど町田さん。
    地獄のボランティアの話は、オリンピックのボランティア募集の話を思い起こさせる。

    マーチダさん。

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    2018年09月03日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    「日本霊異記」(伊藤比呂美訳)

    訳者あとがきで、伊藤比呂美さんはこの書に惚れ込んだ理由をこう記す。「なにしろエロい。グロい。生き死にの基本に立ち戻ったような話ばかりである。しかしそこには信仰がある。今のわれわれが持て余しているような我なんてない。とても清々しい。しかも文章が素朴で直裁で、飾りなんか全くない。性や性行いについても否定もためらいも隠し立てもない。素朴で素直で単純で正直で明るく猟奇的である。」(469p)

    何しろ雄略天皇のセックスをたまたま見た小姓に向かい、天皇は場を取り繕うために「雷神を連れて来い」という話もある(15p)。これが、​奈良県飛鳥の里に今もある「雷の岡」​の謂れだ

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    2018年08月25日
  • ギケイキ 千年の流転

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    ネタバレ

     義経記の現代語訳、というか町田康版。義経が千年の時を経て、幽霊なのかはたまたそのへんに魂が揺蕩ってるのだろうか、現代の視点から一人称で語る室町時代。とにかく古典なんて絶対読めない無知な私でもスイスイ読めたのは、いきなりハルク・ホーガンとハルク判官から始まるその突拍子のなさと独特のグルーヴ感のおかげである。

     全4巻を予定しているらしいが、1巻だけでも内容が濃い。義経の出生→鞍馬寺→平氏打倒を決意し奥州へ→退屈になり京都へ戻り→弁慶と出会い→ともに兄頼朝の元へ、というのが大まかなストーリー。ここからは軍記物語らしくなっていくのだろうか。

     ところで、木曽義仲は板東さんですか?町田康の天才ぷ

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    2018年08月18日
  • 浄土

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    まあ、分からない。
    分かったら、じゃあどうだっていう感じでもあるが。
    ただ、一つひとつの文章は、とてもよく分かる。
    心理学の本?ってくらいに、自己とはなんぞというエッセンスが散りばめられている。
    だからどうだっていうね。

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    2018年07月20日
  • パンク侍、斬られて候

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    序盤はど正論の応酬。後半はそんなど正論をうるせえ!とひっくり返すような超展開。時代小説ってそんな風に書いていいんだ!と度肝を抜かれる作品でした。
    他の作品も読んでみたいけど、再読はお腹いっぱいでしばらくいいかな………

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    2018年07月09日
  • パンク侍、斬られて候

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    映画化の話を知ってから読んだこともあり、予めクドカン脚本での映画化を前提に書かれたのでは、と思うほど映像が想像できる。

    全然違うんだけど、なぜかロードス島戦記を思い出した。

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    2018年07月01日
  • パンク侍、斬られて候

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    高橋源一郎の解説が見事すぎて、今度の映画化も若干楽しみにしているがこの内容を映像にすることが本当にできるのだろうかとも思う。監督は少し酷ではある。観に行って確認してみたい。

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    2018年06月27日
  • ギケイキ 千年の流転

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    義経とか弁慶の話をあまり掘り下げて読んだことがないので、町田康の手によって生まれ変わった本作で触れてみることに。本一巻では、二人が出逢うまでの少年期が中心に描かれている。”こんなん、無敵やん”っていう義経の早業をはじめ、荒唐無稽な場面も頻出するけど、徹底的に遊び心を盛り込むことで、完全なエンタメ作品として生まれ変わっている印象。崩れ過ぎてて読みづらく感じるところもありはするけど、逆にここまでいききっているからこそ、スイスイ読めるってのはメリット。

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    2018年06月19日