町田康のレビュー一覧
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ネタバレこれ、小説っていうか、実話体験エッセイよね?ホンマにあった話、町田さんが実際に経験しちゃったノンフィクションやろうなあ、きっと。
という感じの、実話モノ、って言ったらいいんでしょうかね。でも、一応、小説の体裁。で、バッチバチおもろいです。
全4編の短編集なのですが、それぞれ、1995年5月~1998年7月、まで、日付が付記してあるので、この時期に、町田さんは、こんなにとんでもねえ目にあってたんだなあ、とか思う次第ですね。ホンマに、ご本人にどれだけ大変だったのか、質問してみたいですね、うんうん。
で、まあ、芸能界という世界には、とんでもねえ外道なかたがたが、たっくさんたっくさんいるんだろうなあ、とか思う次第なのですが、そんな外道な人にとっては、多分、外道その人・自分自身こそが正常で、町田さんの方が「融通きかんおもろないヤツ。ちゃんと仕事してくれないヤツ」っていうように、映っているのでしょうねえ。「悪いのは俺じゃない。相手だ。ぜってえ。それはもう間違いないぜ」という思い。それは、とてつもなく、怖いものなのだなあ。
いやしかし、この世の中に、どれだけ沢山の人々が生きていることか。そんな世の中には、人間の数だけ真実があり、人間の数だけその人だけの価値観があるのだな。すっげえなあ、とか思いますね。なんだか、生きる勇気が湧いてくるのは、何故かしら。
まあとにかく、この小説も、いつもの町田節炸裂の素晴らしい文体ですので、面白い事は間違いない。ホンマ、すっばらしい文章だよなあ。
あと、町田さんの小説の登場人物、ものすっげえ適当な名前、っていいますか、普通、小説の登場人物にそんな名前つけませんでっしゃろ?っていうね、滅茶苦茶なネーミングセンスなのですが、小説の登場人物に、こんなハチャメチャな人名を名づける人って、町田さん以外知らないのですが、コレもある意味、町田さんの発明なんだろうか?だとしたら、ほんま、凄いお人やなあ、とね、思う次第です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『夫婦茶碗』
働かないと金がない。金がなければ夫婦の会話が成り立たない。会話がなければうるおいがない。高度資本主義の社会では、働かない男は人間ではないとも言えるような世知辛い話である。
主人公の男はある日一発逆転の活路を見出す。ずばりメルヘン執筆。メルヘン業界への参入。メルヘン作家になってこます。小熊のゾルバの冒険物語、構想段階でえらいことになっていき、文字を追うわたしの頭もグラグラしてくる。
夫婦茶碗に茶柱を立ててこます。
『人間の屑』
演劇→パンクロッカー→ニート(愛猫家)→ヒモ→餃子屋(売れない)→うどん屋→ナイトクラブ(アナルインパクト)→港湾労働者→・・・
金に女にドラッグに、都合が悪くなったら逃げて逃げまくるまさに「人間の屑」のお話。最後の娘に当てたビデオレターで、等身大の自分を自覚するシーンは印象的。ほんまに清々しい屑やねんけど、猫を愛でている姿なんかはいとおしい。
個性的、という言葉では表し足りない。町田康にしか書けない文章、物語だ。なんでこんなおもろいん。最高かよ。 -
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「スピンク日記」の続編です。スピンクとキューティーのほかにシードが加わり、ほのぼのかつドタバタな毎日が続いていきます。事件は数多あるのですが、事件の詳細よりもその際の主人ポチの様子などが仔細に語られていて、さすが犬は主人をよく見ているなと思わされます。犬のほうが優れていると言いたいわけではなく、どちらかといえば相対化している印象。スピンクがトレーニングに行くくだりではそれが崩れるかと思いきやそうはならず、ホッと胸をなで下ろしました。犬も人間もほかの生き物たちも、みな精一杯生きている。生きることはただただ素晴らしい。そんな生き物讃歌だと思いました。
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# 夫婦茶碗
## 夫婦茶碗
働かない、働いてもすぐやめる、どうしようもないダメ人間の話。統合失調症か?と思うほど幻覚のようなわけのわからない描写がよくでてくる。一人称がわたしになったり僕になったりするのは何か意味があるのか。最後の茶柱のシーンで妻のことを気遣っているのかと思わせるが、本文中からはとてもそうは読めない。
## 人間の屑
こちらもダメ人間の話だが、妙に活き活きしている。演劇、バンド、餃子なんでもすぐやめるが、とにかく止まることなく動き続けるところは、その辺のニートなんかよりよっぽどマシに思えてしまう。身ごもった女を置き去りにしたり、覚せい剤に手を出したりは、論外だけど。しかしこんな狂った行動ばかり取っていればいつかは行き詰まるというのが、最後の謎の銃撃戦なのかな。
どちらも読んでいてとても面白いが、一体なんなんだという感じはある。