町田康のレビュー一覧

  • 宇治拾遺物語

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    古典とは言え、元が庶民対象の説話集。堅苦しい話ではなく笑い飛ばせる話が満載。下ネタやら権威をくさす話しが多いので、町田康のノリの良い訳がピッタリハマる。
    まさに町田康が宇治拾遺物語に新しい息吹を吹き込んだ。
    解説子による宇治拾遺物語の成立過程の考察も分かりやすく、その上でこの説話集の性格を考察すると町田康のこの文体がピッタリくるのがよく分かる。
    抄訳なので、できれば全197話の全訳を読んでみたい。町田康さんお願いします。

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    2026年06月19日
  • 夫婦茶碗

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    めちゃくちゃ笑って細かいことがどうでも良くなった。筒井康隆の解説にあるとおり「常識があるからこそ、どこからが非常識であるかが判断でき、だからこそ、非常識が描けるのだ」

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    2026年06月16日
  • 夫婦茶碗

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    夫婦茶碗
    妻はいるけれど、やっぱり捨てられそうな堕落的主人公。妻と仲良くしようと奮闘するも、妻は自分の欲よりも家のことを考えていて、それに落胆する。しかしそんな妻も実は自分を裏切っていて、それでも仲良くあろうと茶柱を立てようとする。立ってね。茶柱。立てこます。

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    2026年06月11日
  • 告白

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    バキ童チャンネルで紹介されていて読んでみた本。
    思いの外時間がかかり、読み終わるまでに1カ月以上かかりました。

    なぜそれほど時間がかかったのか。自分のメンタルが弱っていた時期だったことも一因ですが、なにより熊太郎の言動にどこか自分自身を感じるところがあり、「ウッ!」と胸を締め付けられて、気持ちを整理してからでないと読み進められなかったからだと思います。

    6割を過ぎたあたりからは一気に読めたのですが、前半の「心に違和感を抱いているものの、自分自身の言語化能力が足りないために不快感を解消できず、それゆえコミュニケーションがうまくいかない」あたりは、かなり来るものがありました。

    具体的に自分自

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    2026年06月07日
  • 告白

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    『太平記 ラブ&ピース』から、町田康作品2冊目。
    発明ともいうべき独特の文体と軽妙な河内弁のリズムに乗って進んでゆくのが心地よく、割とさくさく読んでいたのだが、残り200ページという辺りから暗雲が立ち込め、そして最後はすべてのツケを払うかのように崩壊してゆく。特に何も解決せず、誰かが救われるということもない。

    「他人には自分のことを理解できるはずもない」という思いと、「誰かに理解されて救われたい」という思いを同時に抱きながら、拗れに拗れた結果、最期の最期は「なんらの言葉もなかった。なんらの思いもなかった。」である熊太郎の孤独。
    読後のなんとも言えない寂しさ、遣る瀬無さ。

    もしかしたら自分は

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    2026年05月31日
  • しらふで生きる 大酒飲みの決断

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    酒をやめるテクニックの本ではなく、町田さんらしい独特の文体で、ユニークに人生そのものの考え方まで深く入り込んでいるので酒飲みや,断酒しようと思ってない人でも読むと面白いです。

    人生は酒を飲んでも飲まなくても寂しい。
    自分を高く見積りすぎてしまうと、幸せを取り戻そうとして酒で帳尻を合わせようとしてしまうので、自分は普通以下のアホだと思うこと。
    酒徒が酒を飲まないということは常に正気で居続ける狂気を引き受けること。

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    2026年05月31日
  • 口訳 太平記 ラブ&ピース

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    あまりに面白く、久しぶりに「マジで読み終わらんといて欲しい」という気持ちになった。南北朝時代は日本史の中でも特に複雑だと感じていて、歴史ものを読む時も敢えて避けていたので、序盤は天皇が多過ぎて頭おかしくなると思ったが、90ページ前後くらいから急にスルスルっと頭に入ってきて爽快だった。さくさく読み進められるタイプの本ではないけど、あの独特の文体が全てを補って余りある程に面白くさせている。もはや発明だと思う。

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    2026年05月30日
  • 浄土

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    ここまで滅茶苦茶阿呆な短編集をつくれる作家は町田康しか居ないだろう。個人的には、町田康の中で『パンク侍斬られて候』に並んで、一番好きな一冊。

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    2026年05月21日
  • きれぎれ

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    脳内と現実が入り乱れる町田康感溢れる作品。特に曼荼羅の描写はかなり印象に残る、個人的にお気に入り。きれぎれというタイトルについて、飛行機が裂いた青空に対する言葉ではあるが、当時の社会に対するメッセージだったり、実は弱気だった主人公の心情だったり、重ねることができる

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    2026年05月20日
  • ゴランノスポン(新潮文庫)

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    最高 火事になってもこの本持って逃げるもん
    タイトルは「ご覧のスポンサーの提供で…」の「ゴランノスポン」で、惰性で流していたテレビの電源を突然切る瞬間を切り取ったもの。そのセンスも好き!
    騙し騙し帳尻合わせして後で納得できるように意味付けして意味もなく大変だと騒いでみたりしていたら一気に現実に戻される、その瞬間に心当たりがある人、またはその瞬間の訪れを認知して怯えながらその瞬間を待っている人、たくさんいるんじゃないかな

    ダメな成功体験を積み重ねて増長した変な自信のせいで後戻りできないくらい社会的に破滅する瞬間が来るはずだとずっと思っていて、最近ゆっくり人生が破滅しているのを感じているからこの

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    2026年05月12日
  • くっすん大黒

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    ネタバレ

    5年前に上司に薦められた本。電子書籍にて購入。作者は元ミュージシャンでパンクロックバンドのボーカル、ってのが納得なぐらい文章が尖っていた。読むパンクロック。会話文が多いし長い、強烈なおばさんが出てくる、とんでもない罵詈雑言が出てくる。あと見た事もない言葉が出てくる。吝嗇、我利我利亡者とか初めて見たし読み方と意味調べながら本読んだの久々だった。作中に出てくるAVの「淫乱バスト・秘密の大戦略」ってワードが意味もなく何回も出てくるところ、亀爆発させるところ、ぶっ飛んでて読んでて笑ってしまったし今思い返しても笑えてくる。くっすん大黒も河原のアパラも主人公ゴミクズで明らかに悲惨なのに本人やその友達はなん

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    2026年05月10日
  • 宇治拾遺物語

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    ネタバレ

    本当にくだらなくて(※誉め言葉です)笑える説話集。
    町田さんの現代語訳を読むのは「古事記」に続いて二作目ですが、古事記同様、訳がかなりぶっ飛んでて笑ける。
    宇治拾遺物語は説話集とはいえ、教訓じみた内容がメインというわけではなく、庶民的な俗っぽい話や下ネタが多いところに、町田ワールド炸裂の現代語訳ですから、面白くないわけがありません。
    こぶとりじいさん、雀の恩返しなどの有名な話や、鼻、芋粥など芥川龍之介の短編小説の題材になった説話も収録されており、鮮やかな現代語訳で物語が蘇ります。
    ということで、いくつか町田訳を抜粋して紹介しておきます。

    ・踊りまくったお爺さんがフィニッシュのポーズを決めて一

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    2026年05月01日
  • 宇治拾遺物語

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    古典新訳コレクション23
    宇治拾遺物語
    訳:町田 康
    出版社:河出書房新社
    河出文庫 ま 17-5

    散逸している宇治大納言物語に含めることができなかった話をまとめたものという意味なのか、拾遺=侍従という意味で名づけられたものなのかはわからないと冒頭にある

    本書は口語訳なので、古典本来の趣はないが、サクサク手軽に読める

    全体を通貫して読んだわけではないが、下ネタが多い。宇治大納言物語に収めるをためらった話を、拾遺として集めたのではないかと思ってしまう

    高僧や、大将軍といえども、人の子なわけであり、恥じらいもあれば、見栄もある。高位の人間の失敗を説話として笑い飛ばすのがおもしろいので、当代

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    2026年03月24日
  • くっすん大黒

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    この一冊だけで、町田康が好きになってしまった、、

    友人と嫌な女を罵りあう時の言葉のセンスに声を出して笑ってしまった!
    たまたま古本屋で手に取って良かった!

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    2026年03月30日
  • 朝鮮漂流

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    ネタバレ

    言葉も文化も違う相手も、誠実をもって対すれば自ずと心通じるものがある。太守との別れは我が身のように辛かった。この壮大な漂流記を現代に蘇らせてくれたことに感謝。安田がする詩の訳が面白い。軽妙な文章で書かれているけれど、船人たちの苦労は並大抵ではなかったと思う。 国の土地を踏めなかった川上を悼む。

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    2026年03月19日
  • 告白

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    歴史に埋もれた中にもそれぞれの人生がある。現代にも語り継がれる凶悪な事件の中にも省略された細部に人の想いと価値観が存在している。人はなぜ自分の想いを言葉にできないのか。なぜ社会と自分は折り合えないのか。文学の主要テーマを語りながら唯一無二の文体で圧倒的な分量を読ませる力強さを感じた。

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    2026年03月19日
  • きれぎれ

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    ネタバレ

    主人公が絵描きの屑人間なんですけど、借金したり放蕩したり生活が行き当たりばったりで、どうしようもない人間だなってところがまず好きだし、特に好きなのが、自分は趣味で絵を描いてるんですけど、あいつの描く絵より俺の絵のほうがイイだとかあいつは大衆に媚びてるだとか、この自意識分かるなぁ〜と。で、この自意識が強い人間って、絵をあまり描かないんですよ。サボってる。自分の描くものよりも先に目が肥えていくものなので、これってあらゆることでそうで、そこから脱するためには忙しく手を動かす以外にないんですよね。誰かを負かすために絵を描くところとか、正直分かるんですよ。邪道。自分もこうなってしまわぬようにちゃんと作品

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    2026年03月08日
  • 告白

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    今まで読んできた本と毛色の異なる文体/展開で、
    ページ数もありかなり読み応えがあった。

    熊太郎の思案が深いが故に言葉がうまく紡げない様の表現が秀逸だと感じた

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    2026年03月06日
  • 猫にかまけて

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    写真がたくさんあってかわいい
    ココア、ゲンゾー、ナナ、ヘッケ、みんな個性的
    しかも猫たち、めちゃくちゃ偉そう。
    「気分がすぐれぬから雨をやませろ」とか
    「何がかしこいじゃぼけ」とか理不尽すぎる笑
    でも町田康がすいませんって猫に素直に謝ってるのが可愛いおもしろい
    「猫好き&最近町田康ファン」のわたしとしてはあの町田さんの強そうなイメージと違う面が垣間見れて嬉しかった

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    2026年03月01日
  • 告白

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    ネタバレ

    ⭐️5
    落語や漫談をみているような感覚
    読み終えるのに1週間かかったが、読後に得られるかけがえのない充足感
    圧倒的な文量と独特な言葉はあるが、不思議と読みにくさは全く感じないテンポの良さ
    一つの出来事が遺恨となり、心の楔となり、周りから置いて行かれてしまう熊太郎
    思弁癖があり、臆病で実直なそんな熊太郎の一生を追いかけて触れる人の業
    自分の心の心すら本当にわかっているのかと問いかけられ、感情を揺さぶられる

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    2026年02月28日