町田康のレビュー一覧
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バキ童チャンネルで紹介されていて読んでみた本。
思いの外時間がかかり、読み終わるまでに1カ月以上かかりました。
なぜそれほど時間がかかったのか。自分のメンタルが弱っていた時期だったことも一因ですが、なにより熊太郎の言動にどこか自分自身を感じるところがあり、「ウッ!」と胸を締め付けられて、気持ちを整理してからでないと読み進められなかったからだと思います。
6割を過ぎたあたりからは一気に読めたのですが、前半の「心に違和感を抱いているものの、自分自身の言語化能力が足りないために不快感を解消できず、それゆえコミュニケーションがうまくいかない」あたりは、かなり来るものがありました。
具体的に自分自 -
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『太平記 ラブ&ピース』から、町田康作品2冊目。
発明ともいうべき独特の文体と軽妙な河内弁のリズムに乗って進んでゆくのが心地よく、割とさくさく読んでいたのだが、残り200ページという辺りから暗雲が立ち込め、そして最後はすべてのツケを払うかのように崩壊してゆく。特に何も解決せず、誰かが救われるということもない。
「他人には自分のことを理解できるはずもない」という思いと、「誰かに理解されて救われたい」という思いを同時に抱きながら、拗れに拗れた結果、最期の最期は「なんらの言葉もなかった。なんらの思いもなかった。」である熊太郎の孤独。
読後のなんとも言えない寂しさ、遣る瀬無さ。
もしかしたら自分は -
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最高 火事になってもこの本持って逃げるもん
タイトルは「ご覧のスポンサーの提供で…」の「ゴランノスポン」で、惰性で流していたテレビの電源を突然切る瞬間を切り取ったもの。そのセンスも好き!
騙し騙し帳尻合わせして後で納得できるように意味付けして意味もなく大変だと騒いでみたりしていたら一気に現実に戻される、その瞬間に心当たりがある人、またはその瞬間の訪れを認知して怯えながらその瞬間を待っている人、たくさんいるんじゃないかな
ダメな成功体験を積み重ねて増長した変な自信のせいで後戻りできないくらい社会的に破滅する瞬間が来るはずだとずっと思っていて、最近ゆっくり人生が破滅しているのを感じているからこの -
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ネタバレ5年前に上司に薦められた本。電子書籍にて購入。作者は元ミュージシャンでパンクロックバンドのボーカル、ってのが納得なぐらい文章が尖っていた。読むパンクロック。会話文が多いし長い、強烈なおばさんが出てくる、とんでもない罵詈雑言が出てくる。あと見た事もない言葉が出てくる。吝嗇、我利我利亡者とか初めて見たし読み方と意味調べながら本読んだの久々だった。作中に出てくるAVの「淫乱バスト・秘密の大戦略」ってワードが意味もなく何回も出てくるところ、亀爆発させるところ、ぶっ飛んでて読んでて笑ってしまったし今思い返しても笑えてくる。くっすん大黒も河原のアパラも主人公ゴミクズで明らかに悲惨なのに本人やその友達はなん
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ネタバレ本当にくだらなくて(※誉め言葉です)笑える説話集。
町田さんの現代語訳を読むのは「古事記」に続いて二作目ですが、古事記同様、訳がかなりぶっ飛んでて笑ける。
宇治拾遺物語は説話集とはいえ、教訓じみた内容がメインというわけではなく、庶民的な俗っぽい話や下ネタが多いところに、町田ワールド炸裂の現代語訳ですから、面白くないわけがありません。
こぶとりじいさん、雀の恩返しなどの有名な話や、鼻、芋粥など芥川龍之介の短編小説の題材になった説話も収録されており、鮮やかな現代語訳で物語が蘇ります。
ということで、いくつか町田訳を抜粋して紹介しておきます。
・踊りまくったお爺さんがフィニッシュのポーズを決めて一 -
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古典新訳コレクション23
宇治拾遺物語
訳:町田 康
出版社:河出書房新社
河出文庫 ま 17-5
散逸している宇治大納言物語に含めることができなかった話をまとめたものという意味なのか、拾遺=侍従という意味で名づけられたものなのかはわからないと冒頭にある
本書は口語訳なので、古典本来の趣はないが、サクサク手軽に読める
全体を通貫して読んだわけではないが、下ネタが多い。宇治大納言物語に収めるをためらった話を、拾遺として集めたのではないかと思ってしまう
高僧や、大将軍といえども、人の子なわけであり、恥じらいもあれば、見栄もある。高位の人間の失敗を説話として笑い飛ばすのがおもしろいので、当代 -
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ネタバレ主人公が絵描きの屑人間なんですけど、借金したり放蕩したり生活が行き当たりばったりで、どうしようもない人間だなってところがまず好きだし、特に好きなのが、自分は趣味で絵を描いてるんですけど、あいつの描く絵より俺の絵のほうがイイだとかあいつは大衆に媚びてるだとか、この自意識分かるなぁ〜と。で、この自意識が強い人間って、絵をあまり描かないんですよ。サボってる。自分の描くものよりも先に目が肥えていくものなので、これってあらゆることでそうで、そこから脱するためには忙しく手を動かす以外にないんですよね。誰かを負かすために絵を描くところとか、正直分かるんですよ。邪道。自分もこうなってしまわぬようにちゃんと作品