町田康のレビュー一覧

  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    ネットで読んだのだと思うけど、どこかに「これは宇治拾遺物語の再発見だ」と書かれていて、まさにその通り! と膝を打った。
    ただ単に面白おかしく書かれているのではなく、原文の面白味を充分活かしていると知った時の衝撃たるや! 堅苦しいと思われていた古典がこんなに愉快によみがえるとは思いもしなかった。

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    2016年02月17日
  • 夫婦茶碗

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    ネタバレ

    これはもう、発表された時の衝撃度は、ホンマに本当に、でえれえものがあったのでしょうね。

    町田康さんの文章!としか言いようのない、あまりに独特の文体。頭の中の、いまこの瞬間の一瞬一瞬に思い浮かべている気持ちを、そのまんま、ホンッマにそのまんま、地の文にした感じ。言葉と気持ちと文章が、全部直結してる感じ。

    でも、それが決して読みづらいわけではなく、ああ、わかるわかる!って、こうこうこの感じ!って、納得できちゃう感じ。なんなんでしょうね、このシックリくる感。まさにコレ!って思えちゃう感。

    町田さんが、めちゃめちゃ推敲に推敲を重ねて、吟味に吟味を重ねてこの文章を生み出しているのか、それとも脊髄反射のように、思い浮かんだ言葉を文章にしているのか、それは私にはわからないのですが、とにかうもう、自分の気持ちそのものを伝えるには理想の文章だと思います。

    日本語を理解できて良かった。日本語ってこんなに表現力豊かなんだ、それを心の底から知らしめてくれたのが、僕にとっては、町田さんの小説なのです。本当に、この文章は文体は、素晴らしい発明だと思います。

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    2016年09月09日
  • 夫婦茶碗

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    ネタバレ

    昭和の貧乏な夢みる若者夫婦の話。
    だいぶ前に読んだのでうろ覚えですが、夫は元ミュージシャンで現無職。この物語の中で一時、職に就いて働くことに喜びを感じる瞬間もあるが、ニヒルな性格から再びふりだしへ。
    一時裕福になった時、デパートで物色する夫婦のシーンがなんともほほえましかった。共に生きるということは浮いたり沈むこともあるってこと。と良いように解釈しましたが、おそらく作者自身のダメな部分を作品化したものかと(笑)
    憎めない…。

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    2017年02月11日
  • 猫にかまけて

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    ネタバレ

     本を読みながら、急に笑い出したり泣いたりするわたしを、冷静なまなざしで見つめるねこがふたりいる(わたしはねこをひとり、ふたりと言う、物書きではないので虚栄心はない)。名を矢三郎となつめという。
     ココアやヘッケの最期のときを読むと、側で平和の象徴のように寝ているこの子たちの姿と重ねてしまい、顔がびっちょびちょになる。エマージェンシー。生き物である以上、別れは必ず訪れること、そういうことも全て引き受けていることをこの本で再確認し、そして何よりも、わたしたちのもとに来てくれて本当にありがとう、という気持ちがむくむくと大きくなる。こんなときハグのひとつくらいさせてくれてもいいのに、矢三郎は近づくと一目散に逃げていくのだ。しゅん。
     町田家の愛すべきねこたちはとってもおしゃべりでユーモアに溢れている。その会話全てに愛が溢れていて、まさにねこにかまけている著者がますます好きになった。

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    2016年05月24日
  • 猫とあほんだら

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    前の2冊と比べてだいぶ平和やった。
    じっとしとっても勝手にねこが寄ってくるなんて…なんてすてきな環境なの!!

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    2015年09月29日
  • 猫のあしあと

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    何でねこ好きの人って、ねこに屈服したい願望があるんだろうね。何をかくそうわたしもそうです。
    最後ちょっとないた。

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    2015年09月29日
  • 猫にかまけて

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    だいぶ前から積んでたのを読んだ。
    ねこと同居している人が経験するねこあるある満載で夜中に笑けながら読んだ。ヘッケとココアのとこは読むのしんどかったけど引き込まれる文章でぐいぐい読んでしまった。

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    2015年09月15日
  • 権現の踊り子

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    大好きです。
    もうみんな言ってるけど、「ふくみ笑い」がすごい。
    「何で俺ばかりがこんな目に」とかゆって。もーねどれ読んでもそんなんばっかりやで。

    鶴の壺とか逆水戸もよかった。

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    2015年05月19日
  • 男性作家が選ぶ太宰治

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    さすがは並みいる男性作家が選んだ作品集である。全部面白い。
    「ちょっとちょっと…」と傍で話しかけられるような親しげな語り口と
    抜群のリズム感が心地いい。特に気に入ったものを少し…。

    「道化の華」
    ラスト3行でいきなり視界がぱあっと広がり、ぞくっと怖くなる。
    視点のトリックで読者を驚かせるのが上手い。
    「彼は昔の彼ならず」
    心の本質が似通った人間が近くにいると、お互いに感応してしまうのだろう。
    口先三寸のペテン師のような男を非難している主人公の男もまた、
    親の遺産で遊び暮らす怠け者。
    才能ある芸術家のパトロンになりたいという、
    彼の下心を見透かしたペテン師の作戦勝ち。

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    2015年06月05日
  • 宿屋めぐり

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    ネタバレ

    700ページを超える長編は、読み進むに連れ町田康ワールドがヒートアップし、やがて全開へ。これだけ広げて、いったいどう収拾するのだろうと心配になるくらい(なるほど、そういう結末か)。「パンク侍」の小説が面白いのは、やはり優れたリズムの文体にありと再認識した。
    独特の文体や世界観から読み手を選ぶ町田康作品だけど、「小説好き」「落語好き」な人には、ぜひ一度読んでもらいたい(今作ややグロいところもありますが)。
    巻末の笙野頼子の解説が、暴走&空回りしています(笑)

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    2015年03月01日
  • 猫のあしあと

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    「猫にかまけて」を読みたかったのだが、大型SCの書店になく、代わりにあったのが本書だった。読んでいて思ったのが、内田百閒の『ノラや』と通じるものがあるということ。著者は保護団体が連れてくる元々無縁な猫たちを次々と受け入れて、その猫達との悪戦苦闘するさまが淡々とした面白味があるのだ。2014年の正月から我が家にも保護シェルターから連れてきた猫と暮らすようになったが、まだまだ人に慣れようとせず、時折シャーッと私を威嚇する姿が重なった。最後のゲンゾーとの別れのくだりは涙があふれてきて仕方なかった。

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    2015年02月25日
  • 浄土

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    町田康の傑作短編集

    小説でここまで声をあげて笑ってしまったのは初めてです。
    ユーモアのセンスではピカイチな作家だと思います。
    オススメです。

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    2015年03月26日
  • 夫婦茶碗

    購入済み

    可笑しいのに寂しい

    紙の本も持ってるんですが、好きすぎる作品なので電子書籍でも買いました。声をあげて笑っちゃうのに、どうしてこんなに寂しいんだろう。

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    2015年02月15日
  • 浄土

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    町田康独特の文体で繰り出される不条理がつまった短編集。
    中学生の時に初めて出会った町田康の作品で、これ以来虜になりました。

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    2015年01月18日
  • 笛吹川

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    戦国時代、山梨県甲府の近くに流れる笛吹川の川沿いに住み、武田家に仕えた百姓の話。時代小説は町民やお役人、武士を描いてるモノばかり読んできた中で、この小説は昔の貧しい百姓の暮らしぶり、人の生き死にが淡々と描かれていると思う。死生観も大きく変わったような気がする。昔々人の死は自然の一部であった頃のお話し。これを読むと数々読んだ養老猛司の著書にシンパシィを感じる。

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    2015年12月01日
  • どつぼ超然

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    今までにも増して、脳味噌をぐぢゃぐぢゃに掻き回されたような読後感。
    私の脳が「余」のとりとめのない思考と、洪水のように溢れ出す
    訳のわからん言葉に浸食、いや侵略されそうだ。
    やばい、やばい。
    うかうかしていると町田康に脳を乗っ取られかねない。
    中毒性のある麻薬のような言葉は、もはや快感。
    ツボすぎて自分が怖くなる(笑)

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    2014年06月02日
  • ゴランノスポン(新潮文庫)

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    痛快!現代をひたすら皮肉る。最新から最後までにやにやして、たまに声出して笑ってしまう短編集。
    「末摘花」は源氏物語のアンソロジーにも収録されていて、多分3回目ぐらいなんだけど、毎回同じ場所で笑う。一番気に入ったのは「尻の泉」。町田康特有のリズムで綴られるいかれた意識の流れ。くだらなさ。尻から泉が出る体質のせいでシャブ中にまで落ち込むどうしようもない主人公の悲しさ。各作品オチが秀逸でした。

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    2014年05月09日
  • 人間小唄

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    『こいつを潰すのは俺の使命。俺の勇気。そして希望。青雲。ラララ、君が見た光。』

    『思考における二股はひとりの人間を複数の人間にする。その好例がエグザイルだ。』

    『もう口惜しくって口惜しくって、手に持っているグラスを握力の力で握り割って、割れたガラスで掌を切り、鮮血を迸らせ、その鮮血の迸る手で寿司を握り、真面目で冷静な声で、「へい。お待ち。血の握りです」と言って配って歩きたいような気持ちになった。』

    「もう、あいつはやきもののこととなるともう、きちがいだからね。ね、そうだよね、未無ちゃん」
    「きちがいです」
    「だよね。まあ、それ以外のことについても大体、きちがいなんどけど、まあそういう僕も実際はきちがいみたいなものなんだけど。そうだよねよね、未無ちゃん」
    「きちがいです」

    「君はいま頭の痛みに苦しんでいるのかも知れないが、そんなものはこれからの苦しみに比べたら練習のようなものだ。ウグイスの交尾のようなものだよ。」

    「や、やめて…」
    「なにが、やめて…、じゃ、ぼけ。おまえは処女か。あのなあ、あのさあ、俺はおまえが帰ったらどうなるかを呆れるほど克明に説明したよねぇ。してない? した? 未無、どっち?」
    「呆れるほど克明に説明してました」

    『もちろん俺たちに隙はない。明日もない。あるのはいまだけ。』

    「おまえを葱で殴りたいような気持ちを常に心の中心に抱いて、その葱の臭みを、それは臭みじゃないでしょう、むしろ、それを臭いと思う消費者のほうがよっぽど臭いんとちゃうんけ、と思いながら!」

    『屋上の草原はごみごみした地上と違ってとても気持ちがいい。こんな気持ちがいいところで暗殺の練習ができるなんて、本当にうれしい、気持ちいい。感謝。』

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    2014年02月12日
  • 人間小唄

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    勤勉な作者のお巫山戯。絶え間ない向上心、集中力、アップデート。
    ここまで噛み砕いて差し出されているのだ。若者よ、もっと文学を読まねばならぬ。傑作。

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    2014年02月01日
  • 権現の踊り子

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    古本で購入。

    町田康の小説は精神が下向いてるときに読まない方がいい。
    「夢とか希望って何ですか?」とでも言うような、湿った、黴臭い、底辺感が滲み出ていてきついのだ。

    でも言葉のリズムに乗ってズンドコ読み進んでしまうのはさすが。
    書き手のリズムと読み手のリズムが一致したときの感覚はなかなか心地いい。

    収録されてる「ふくみ笑い」の終盤、
    「半分は嘘。半分は本当、ところが、わははははは。また全員がしらこい虚わらい。あぱぱの踊り、福祉餅」
    とかね。
    このキチガイじみた感じが実にたまらん。

    この「ふくみ笑い」の破滅感と「逆水戸」の狂騒ぶり。ステキだ。

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    2013年08月16日