町田康のレビュー一覧

  • 作家と楽しむ古典 古事記 日本霊異記・発心集 竹取物語 宇治拾遺物語 百人一首

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    学生のときに古文をかじっていたから楽しく読めた。勉強していて良かった。
    古文を古文のままで理解できない自分としては、現代語訳に頼ったり自分なりに訳したりしながら読むわけだけれど、どうしても型にはまった蓄語訳は分かるのやら分からないやらはっきりとしないと言うことが起こる。そこが楽しむことを目的として古典を読む際の障りとなってしまうので、こういう訳者のカラーが表れている現代語訳は面白い。
    古文って行間を読む楽しさが詰まっているのだと分かる。町田康はやりすぎの感もあったが。
    自分は森見登美彦、妻は町田康が好きなので、両者の需要が一致した一冊だった。
    両作家が現代語訳を手がけた作品の方はまだ買ってない

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    2020年05月03日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』の中には、こんなにもおもしろい話が載せられていたのかと、あらためて目を開かさる思いであった。確かに、ここに掲載されているような、特に性愛に関する説話の類は、中高生の古典学習の教材として取り上げるわけにはいかないであろうが、もしもこのような話が載せられているということを知ったなら、いつか読んでみようと興味を持つ?中高生もいるのではないか。
    『今昔物語集』の福永武彦訳もよいが、出色は『宇治拾遺物語』の町田康訳。適度に関西弁が混じって、それがまた絶妙の味わいを出している。

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    2020年05月02日
  • 人間小唄

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    ネタバレ

    脳が動く。読むより飛ぶ。その意味で詩的。
    言葉の揺らぎによって、小角、未無、ほか人物が狂っているように思える。おかしくみえる。対して糺田の言葉がいわゆる一般的な感覚に近いことで、読み手の拠り所になっている。よって狂った世界に振り回されることになる。巻き込まれる。
    とにかく言葉が、思考が飛び回る。軽やかな文体。若くてユカイ。ダイヤモンド。振り切りたいなと思える文章。自分も文章を書きたくなった。

    ストーリー。小角が糺田を陥れるために短歌を書いて送りつける。見事罠にハマったので未無に手伝ってもらい、拉致して異世界へ行く。異世界で①短歌を書かせ、②ラーメン屋を出させ、③暗殺をさせようとする。小角の理

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    2020年04月03日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    皆さん書いているけど、町田康の訳が本当に面白い。
    声出して笑えるくらい。
    中学高校の時こんな訳に出会えていたら、もっともっと古典が好きになっていた気もする。

    日本霊異記は真面目な感じ。教科書のよう。
    今昔物語は、受験生の時に死ぬほど読んだものがちらほら。
    宇治拾遺物語は大人のエロさもあって、R20な感じが好き。
    発心集は、興味がなかったのでとりあえずスルー。

    この本好きだなぁ。何度も読みたい。

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    2020年03月09日
  • 浄土

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    まさかINUの町田さんが小説家だとは知らなかった。
    初めて読んだけどいい意味で下らなくて笑えた。本音が言えてない本音街が最高に好き。

    あぱぱ踊りの話が通じない男がたまーにいるお客さんみたいで読んでてイライラした(笑)

    自分の偶像の終わり方も好き。

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    2020年03月05日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    短編小説。
    中には情景がぼんやりしたまま終幕になったものもあるが、大半は程よく心地良い作品。
    日本には暦のほかにこんなにも豊かな四季の表現があると温かさも得た。

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    2020年02月09日
  • ギケイキ 千年の流転

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    中学生くらいの頃に義経にハマっていたことがあるわたしからしたら、町田版義経記なんて避けて通れないじゃないかーと購入したのやけど、読めば読むほどこれは原典からどれほど近い内容なのかさっぱりわからないな…?町田康の解釈がどんくらい入っとんやろ?と疑問に思いながら読み進めてしまった。だってずーーっと町田節なんだよ。
    でも解説まで読んで、原典からそんなに遠くないらしいことが分かりましたよ。解説面白かったよ。町田康が音の文学ていうのはそうなんやけど、義経記もそうなんよな。平家物語とかそーゆーのも町田康が書けばめちゃくちゃ面白くなるんやないかな。
    音がどうこうだけでなくて、政治的な話や、人間関係なんかのや

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    2020年02月03日
  • 猫にかまけて

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    大学時代にノートにつけてた記録を転記。

    (あらすじ)
    作者の家で共に暮らす、ココア、ゲンゾー、ヘッケ、奈奈、それぞれの猫との日常を描いた、笑いあり、涙あり、考えさせられることあり、の、色とりどりな猫記録。

    (評価)
    猫(特にゲンゾー)の気持ちの代弁時の台詞がツボに入る。猫好きなら共感できるはず。作者の主張が色濃すぎる部分(人間はおごり高ぶりすぎだ、など)があとがきにあり、少し疲れた部分もあったので4星。

    (内容)
    それぞれの猫が生き生き描かれていて良い。ゲンゾーのお茶目さ、ココアの高飛車な性格、ヘッケの無邪気なふるまい、奈奈の暴れん坊加減。本当に猫を良く観察している作者だからこその愛情が

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    2020年01月06日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    12名の著名な作家の短編が72候の解説と一緒に読める、ある意味で贅沢な本だ.重松清の鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)は父親としての最後の旅行で息子の翔太を見つめる親心がうまく描写されている.筒井康隆の蒙霧升降(ふかききりまとう)は戦後の風物詩を散りばめた彼独特の文章でしっかり意見を述べているのが良い.堀江敏幸の熊蟄穴(くまあなにこもる)は菱山の取材活動のなかで村の古老たちとの奇妙な会話が面白かった.

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    2019年12月08日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    物語ではなく、読書そのものと、日本の繊細な四季の移ろいを味わう一冊。初めて読む作家さんもいて楽しかった。

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    2019年12月05日
  • 生の肯定

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    ますます冴えわたる町田節。
    でもこの魅了を人に伝えるのはなかなか難しい。
    途中、アホらしくても、「ふざけんな!」と思っても、どうか最後まで読んでほしい。
    教訓も救済もないが、不思議な心の平安が訪れるから。

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    2019年09月16日
  • ゴランノスポン(新潮文庫)

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    「楠木正成」
    楠木正成はいくさの天才で、いくさに命をかけている
    それゆえ、つねにやばい状況へと吶喊をかけずにはいられない
    そういう人なんだと思う
    平和ボケしてロマンチストな現代人たる語り手は
    ミーハーな気分でそれに近づき
    適当にあしらわれた挙げ句、流れ矢に当たって死ぬ
    複雑な南北朝時代の動きを
    まあまあわかりやすく解説してくれた語り手だったのに…

    「ゴランノスポン」
    偽の村上春樹みたいな文体でエコだのロハスだの言い
    関係性の広がりが人間を高めるとかいったポストモダンな希望を謳い
    それでいて狭い身内の外に対しては極めて冷酷な
    そういうナルシストの偽善が
    ひとりの仲間の自死によって露呈してしまう

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    2019年06月10日
  • 日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集

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    説話、物語が抜粋でまとめられている。仏教の話も楽しめた。『宇治拾遺物語』が訳がキュートなこともあり、特におもしろかった。性に関してもおおらなであっけらかんとしていて、みだらな感じがしなかった。

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    2019年03月20日
  • ゴランノスポン(新潮文庫)

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    ネタバレ

    あー面白かった。
    ゴランノスポンというタイトルからしてまず感動した。
    ご覧のスポンサーの提供でお送りしました。これを幼少期のわたしは、ゴランノスポン、サーノテーキョウでお送りしました、だと思っていたので、このことばをこんな所でみるとは…!!と、幼少のみぎりのぼんやりとした記憶を呼び起こすとともに衝撃を受けた。

    中身も本当に面白かった。どれも胸糞悪くて嫌な気持ちになる読後感でとてもよかったけど、特に一般の魔力がすごい。こいつこそクズ男だよなー、ていうそこら辺にいそうな普通の人で、でも愛猫家愛犬家の町田康がどんな気持ちでこの話書いたんやろうと考えてしまった。
    求めていた胸糞悪さがどの話にもあるか

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    2019年01月20日
  • 夫婦茶碗

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    2作とも、ふざけてて軽率で考え無しの主人公が、自己憐憫、他力本願で、それが読んでいて楽しいところから始まるのが、同じトーンで進みながら周りがそれを許さないような深刻な状況になっていき、同じ語り口なのに笑えなくなる、という展開。だんだん主人公の軽い思考が浮いていき違和感になっていく。

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    2018年12月21日
  • 猫にかまけて

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    小説ではなく、町田康が猫と過ごした日々や、その時の行動、想いを丁寧に綴った日記のような作品
    猫に対する深い愛が等身大で描かれ、作者の繊細な人間性が感じられる良作

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    2018年12月18日
  • ギケイキ 千年の流転

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    前回4巻で完結していないだなんて全く知らずに読み終えてから、気がつきましたよ。
    早く続きが読みたいです、よ。

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    2018年12月03日
  • 宿屋めぐり

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    みんながおれを悪党だというが
    なにもおれは悪党になりたくてなったわけじゃない
    わざとじゃないんだ、わざとじゃ
    だからおれは絶対に謝らんぞ
    といったような、ちんけなプライドに根ざす傲慢さを抱えながらも
    わたしはけっして根っからの悪党じゃない
    だからつねに、そんなわたし自身の自己防衛的ないいわけについても
    懐疑的でありつづけているのです
    だからおれは本質的には善人であるわけだ
    絶対に謝らんぞ
    といった具合に、おれとわたしが無限増殖をしている
    といった具合で、たくさんの我を背負っている
    それ故にむしろ我ありということがいえるのではないかしら?
    などとそのように
    己を正当化するための欺瞞的信仰まで持ち

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    2018年11月29日
  • 宿屋めぐり

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    『パンク侍』や『告白』のあたりで芸風がすっかり固定したようだ。相変わらずの目くるめく町田節。特にこの本は、主人公の道中のドタバタぶりや、展開の目まぐるしさが際立っている。ページをめくらせる力はめっぽう強い。

    「主」(最初は「あるじ」かと思っていたが、やっぱり「しゅ」と読むんでしょうな)という存在が、この波乱万丈の物語を唯一つらぬく背骨になっている。しかし、いったいなんなんだろうなこれは。こんな話をよく次から次へと書けるものだよ。

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    2018年11月05日
  • パンク侍、斬られて候

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    ネタバレ

    キャラクターから喋り方からストーリーまで、自由に突っ走り風刺のきいたアクの強さがある。
    映画を先に見たのであらすじは知っている状態だったが楽しめた。細かい部分の改変はあれど、原作に忠実な脚本だったことが分かる。
    後半、登場人物が呆気なく死んでいき、淡々とナレーションされていくのが物悲しかった。殺し合いってこういうものだよなと思いつつ、突然プツリと途断える命がやけに響いた。
    色々あって結局なんだったのか分からないけど、何か頭に残る作品。

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    2018年10月24日