江戸時代。ある晴天の日。街道沿いの茶店に腰かけていた牢人は、そこにいた、盲目の娘を連れた巡礼の老人を、抜く手も見せずに太刀を振りかざし、ずばりと斬り捨てた。居合わせた藩士に理由を問われた牢人・掛十之進は、かの老人が「腹ふり党」の一員であり、この土地に恐るべき厄災をもたらすに違いないから事前にそれを防止した、と言うのだった……。圧倒的な才能で描かれる諧謔と風刺に満ち満ちた傑作時代小説!!
Posted by ブクログ 2015年02月20日
再読。学生時代にこの本をジャケ買いしなければ、自分は今も本を読む人間になっていなかったでしょう。とにかくもうべらぼうに、阿呆なまでに面白い。まずは明晰過ぎて空回りするが故に会話の流れを全て独白してしまう、この能ある鷹が頭も尻もさないズル剥け具合な台詞回しでご飯何杯でもいけちゃうね。それが腹ふり党が跋...続きを読む