【感想・ネタバレ】口訳 太平記 ラブ&ピースのレビュー

あらすじ

圧倒的な面白さ!!南北朝の動乱を描いた日本最大の軍記物語が、唯一無二の文体と圧倒的な面白さで生まれ変わる!大反響ロングセラー『口訳 古事記』に続く〈町田日本史〉、新たなマスターピース!

「どえらいことになりました。主上御謀反です」「マジか」 「マジです」――
利権を求めて誰もが争い、混沌を極める世の中。なんでこんな事になってしまったのか? 鎌倉時代末期、権勢をふるう執権・北条高時に対抗し、武家政権の転覆をめざす後醍醐天皇の謀略はあえなく失敗。窮地に陥った帝の前に、天才戦略家・楠木正成が現れる――。智謀と裏切り、欲得と愚行と涙にみちた人の世の実相を、破天荒なスケールで描き尽くす、壮大な〈歴史人間絵巻〉!

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Posted by ブクログ

あの読みにくい軍記『太平記』の、町田康による融通無碍自由闊達口訳(台詞は基本的に現代大阪弁訳)! めちゃくちゃ分かりやすくとっつきやすい。まず冒頭、大覚寺統・持明院統の二統迭立が生まれ、やがて後醍醐帝践祚に至るまでの流れ、寿永元暦の争乱から鎌倉幕府成立、そして北条氏の権力掌握、得宗家の確立、北条高時政権に至るまでの歴史の流れの描き方が秀逸。どんな歴史学の書よりも分かりやすい。  そこから『太平記』原典に基づき口訳がはじまるのだが、その文体・語り口の面白いこと面白いこと! 自分ある程度古典・古文の素養があり、その上で生粋の大阪生まれ大阪育ち大阪弁ネイティブでほんと良かった。例えば、文観上人が訊問(拷問)役の武士を見て思う。「厭な奴ら。まるで泉佐野のヤンキーですやん」 こんなん大阪以外の人に分かるかw しかもこんな語り方なので何も知らないで読むと、翻案だと思うだろうが、さにあらず。実は町田康は原典に忠実に(語学的に忠実というわけではなく、内容的に忠実に)訳している。原典に書いてあることは基本すべて、さらに洞察力と想像力により、書いていないことまでも言語化している。お見事。ゆえに、この作品も『ギケイキ』と同様、原典を少し読み、それに対応する町田口訳を読み、あの短い叙述をこれだけ分かりやすく行間を埋めて語るか~と舌を巻き、しかもこんな語り方するか~げらげらと爆笑するのが正解。と気付いたのが、巻の半ば。残念! しかし、本書、実は『太平記』全四十巻のうちの巻三までの内容。果たして『ギケイキ』と同じく、続きが出るのか。出てほしい

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2026年01月08日

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ネタバレ

町田康による『太平記』。
いつもながら「王法と仏法のツープラトン攻撃」やら「死ぬ前に何人殺せるか、のコーナーあああっ」やら、穏やかでないワードが勢い良く飛び出て来るから、登場人物が多く長大な物語であっても読みやすい。前半部分で長々と語られる、南北朝の複雑怪奇な権力闘争も、思いのほか分かりやすく書かれていて話に入りやすかった。
楠木正成は終盤で活躍を始めたばかり、尊氏もまだ名前だけの登場で、これからの展開が楽しみ。いつまで掛かるか分からないけれど、ダイジェストにすることなく最後まで書ききってほしい。

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2025年10月19日

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全然日本史を知らないので勉強になった。厳密に関西弁の区分とかよくわからないので実際は違うのかもしれないけど、全員禅院直哉の喋り方をしてた。特に、資朝が最初の方めちゃめちゃイキリキャラとして登場したので禅院直哉か?と思ったけど、最期は従者にも妻にもめちゃめちゃ愛されていて2人は資朝のために一生を捧げるくらい資朝を慕っていたので全く禅院直哉ではなくて、禅院直哉って最悪なんだな……。と思った。幕府の隠蔽体質!悪い!年貢制度!悪い!日本ってもしかしてあんまりこの時代から進歩してない……?強くてイケてる武士がみんな活躍してたのはアツかった。

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2026年04月23日

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「義経記」「古事記」に続く、町田康の古典口訳シリーズ。
読む前から面白いだろうなと思って読み始めたら、案の定面白い!

ゲラゲラ笑って読む「太平記」ってなんなの?

「口訳」の真骨頂は、日野俊基が鎌倉へ送られるときに詠んだ(とされる)以下の歌にも示されている。

桜吹雪がえげつなく/道に迷うた交野の春も
紅葉の錦を着て帰る/日が暮れ秋の嵐山
一夜の宿りすらだにも/げっさしんどい仮の宿
だのにそやのに連日の/旅寝は鬱にそらなるわ
長年住んだ京の町/ほなさいならと旅立って
愛し可愛いの妻や子も/置き捨てひとりトボトボと
思いもよらぬ長の旅/実際マジでしんどいわ

ますます磨きのかかった古典の「口訳」、次は何が俎上に乗るのか、実に楽しみ。

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2026年04月19日

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太平記の中でも、鎌倉時代末期の後醍醐天皇の重した謀反を中心とした部分を大胆に口訳している。原典はおそらく歴史的な記述に重きを置かれているが多くの場面で物語としての矛盾や、ご都合主義的展開が多く含まれているのだろう。この口訳ではそれをいい加減な語り手を登場させることによって違和感を消すという点が発明だと感じた。登場人物の名前が聞き馴染みなく、次から次へと登場するが、その人物関係を把握せずに読み進めても、台詞回しやリズムの気持ちよさと、そのユーモアで楽しく読めた。

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2026年04月07日

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安定の町田節。先日イヌイジュンさんのライブに行って、2026/4/19渋谷のライブのメンバーに町田さんが入っていることを知った。いやあ、この文体はパンク歌手町田町蔵の背景あってこそなんやわ、と確信する。近年町田さんは、京山幸太さん演ずる浪曲の演目も手がけておられるし。「口訳」というからには、やはり声に出して読む、「音読」が楽しいのではないか。音楽も浪曲も、文学は文字面を追うだけじゃないねん。おまえら、声出して読めよ!と言われている気もする。

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2026年03月29日

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歌の様にリズムある文書に感じる。独特でハマらない人もいるんだろうな。あと「豚は横ちょにかぶれ」ってちょっと日常使いで使ってみたい。無理か。

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2026年03月16日

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人は利権を欲する、体裁や自尊心を優先する。他人の情けなんてこれっぽっちも考えない。自己責任論、それは不安定な情勢で顕著に現れる。こっちについたほうがええかな、いやそっちって損するがな、いくんやったらおまえだけ行きぃな。そんな押し問答は昔も今も変わらない。え?そうだよ、情勢不安定進行形じゃん、だから "安心安全" って対義語で誤魔化してるやん。"優しくない&イっちゃってる" 現世だからこそ "ラブ&ピース"。

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2026年02月16日

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町田康による、ユーモアと人間味のある語りの『太平記』。原典の序盤、鎌倉幕府末期の動揺期を舞台に、後醍醐天皇の討幕の企てとその失敗が描かれる。

楠木正成の登場以降がとくに印象的で、最後は彼が良いところをすべてさらっていく。

金剛山には何度も登っているが城跡には寄ったことがなく、次は立ち寄ってみたい。正直なところ、楠木正成がどんな人物かを、今回初めて知った。

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2026年02月11日

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最初、関西弁のやり取りがかなりコッテリ過ぎて、関東人の私には無理かも、と思ったけど、頑張って読んでる内に、なんかエセ関西人になりそうな感じで、本読んで無い間も、脳みその中エグい関西弁で考え事してまんな。
登場人物が多すぎて、少なく見積もっても3桁はいるやろうし、家族や一族だとやたら名前が似てるし漢字が難しくて次のページでルビが無くなると途端に読めなんくなるし、誰と誰が戦ってるのかとか、イマイチよく分かんまま、関西弁のエエ感じに流されて読んでしもうた。
何だかんだで文句は言いつつも、結構おもろうなってきよって、次どうなるんやろって感じでどんどんワールドにハマっていき、電車の中で思わずぐへっとか笑ってしまう始末。
ラブ&ピースってほんまなんやねん。
めっちゃどつきたくなるけど、これ中毒性あるけ、ヤバい本掴んでもうた。

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2025年12月18日

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始まり方、暗っ!こんなんで始まってどうするんだ……なんて思ってたらあれやあれやと、話が相変わらずどんどん面白くなっていく。
承久の乱おもろ、などとなり、思わず友人知人にそんな昔の北条氏の話をしたくなってしまう。歴史を習っていた頃に読んだら人生変わったかもね、おほほ。それで正成ちゃんはどうなったのかしら……

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2025年10月27日

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ものすごく癖になる文章で面白かった。
町田康さんの他の本も読みたくなった。

室町時代の南北朝の対立の様子がよく分かる。
皆一族の利権のことしか考えていなかったのもよく分かった。

今も昔も対して人は変わらない。
ただ、今と違って神仏の力が現実に物凄く強かったのを実感した。

太平記がかなり長い作品なので、こちらの作品もかなり長く感じた。
なのに、え?これで終わり?と物語が何も一段落していない状態であっけなく終わったので、星3。

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2026年04月13日

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町田康氏の口訳による、スーパー砕けた太平記。
以前、同様の古事記も読みましたが、こちらも面白かったです。
武士や公家のやり取りが面白おかしくて、クスッとするものの、その連続で、ストーリーはいまいち覚えてないです。日本史で習った鎌倉の頃だな〜みたいな。

人々の会話が面白いですが、戦のシーンは謎に1人にスポットを当てだすときがあり、詳細に描かれているとけっこうむごいです。

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2026年02月01日

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ギケイキで知った町田康さん。扱ってる題材的にギケイキの方が楽しく読めるかな。でもたまにクスッと笑ってしまうところはあった。

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2026年01月04日

Posted by ブクログ

いやぁ、何と言いますか・・・
「悪ふざけ」と「ニュータイプ」のどっちなのか。
かなり、面白く読んだ。

ただ、これは続編があるのかな。楠木正成が出てきたところで終わってしまってますが・・・。

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2025年10月27日

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