町田康のレビュー一覧

  • 猫にかまけて

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    町田さんの愛猫エッセイ。
    ただ単に「うちの猫かわいい!」なエピソードだけでなく、
    動物と一緒に生活する上で引き受けなければならない
    めんどうくさい事・つらい事もひっくるめて書いている所が
    誠実でとても好感が持てる。

    ヘッケの話はうすうす結末が分かりながらも一気に読んでしまった。

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    2013年08月23日
  • きれぎれ

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    古本で購入。

    また町田康を読んでしまった。
    読んでしまうのである。

    「俺」の独白で語られる現実と思惑のズレ、齟齬スパイラル。
    妄想と現実の境が曖昧なままに突っ走った果ての唐突な結末。

    この唐突な、と言うより暴力的に話が断ち切られて終りを迎える感じが好きだ。
    「でも人生ってそんなもんかも」などとわけのわからんことを思わせるような、無闇なパワーがある。
    そのへんの感じは、特に『夫婦茶碗』(新潮文庫)に濃い。

    ストーリーには爽やかさと言い感動と言い欠片もないのだけど、そのなまぐささとエグさが癖になる。
    この本に収録されている連作(?)『人生の聖』なんて、キチガイじみていて意味はわからない。

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    2013年08月16日
  • どつぼ超然

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    熱海と思われる場所に移り住んだ「余」が、周辺をうろつくという話。強烈なボケもあっておもしろい。社会の底辺のパンク歌手の物語を書くことで金を稼ぎ、とうとうリゾート地に住んじゃったプチセレブ(に見える)な自分の現状について、ちょっと複雑な心境があるのかなという気がした。

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    2013年07月14日
  • 権現の踊り子

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    ネタバレ

    莫迦(バカ)とか鹿唐(シカト)とか躑躅(つつじ)とか優婆夷(うばい)とか、難しい漢字やら当て字を並べ立て、その合間にぎょんべらむ、とか意味の分からん語句をぶっ込んでくる。相変わらずの町田康。

    短編読んだのが久々なせいか、いつもにましてとっ散らかった世界観で、ちょい入り込めない感じはあった。

    さんざんかき回して、最後はやけにさっぱり、虚無の中に放置される感覚、毎度おなじみ。

    工夫の減さん、ふくみ笑い、逆水戸がツボ。

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    2013年10月02日
  • 真実真正日記

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    タイトルからしてエッセイかと思いましたけれども、実際は日記風の小説、といったところですかね。主人公はなんとなく町田氏を連想させますけれども、やっぱしフィクション上の人物なのであるからして、町田氏とは別の人物、と考えた方が吉かもしれないですね。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    なんというか、平坦な日常の中にも時折見せる鬱屈とした感じが妙にリアルで、そういや、ボキもこういった気持ちになる時あんなぁ…みたいな共感・共鳴を呼んだのであるからして、少なくとも僕的には良作であった!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    最近の著者の作品はエッセイみたいな小説が多い…という印象を僕は抱いているんですけれども、今作はその中

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    2013年05月08日
  • 権現の踊り子

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    『「猫の子をひろったので見に来て下さい。とても可愛い。名前をつけてください。今年の冬は厳しいキツイ、ピース」と書いており、ピースの後に、Vサインをする手の絵が書いてあった。減さんはたったこれだけのことを白紙に書き封筒に入れポストのところまで歩いていって投函したのだ。俺は減さんに電話をかけた。
    「別に電話でもいいよ」』

    『つまり貯蓄するためにいろいろの工夫をして節約するのだけれどもその工夫が一定の効果を上げぬため、精神が鬱屈・内向、これを散じるために入費がかかり、その入費が工夫によって節約した金高を常に上回っていたのであり、減さんが貧乏をしているのはなまじ貯蓄をしようとしたからであるといえるの

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    2013年05月05日
  • 宿屋めぐり

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    「パラ…、なんだいそりゃ?」と尋ねたのはのび太。それに答えたのはドラえもん。

    「パラサイト」なんて言葉があるね。寄生って意味なんだけど、要するに独力では如何ともしがたい低級な能力しか持っておらぬ存在がために、より上級な存在におべんちゃらを使って、胡麻を摺り摺りして、ご厚恩にあずかるというか、ま、あずかるというよりも甘えるだよね、これは、うん、って違う違う、そげなこと、ドラえもんは答えていないよ。

    じゃあ、「パラダイス」。楽園というか極楽というか。まあ、何かよくわからないけれど、とりあえずハッピーなんだよね。昔、スーパーファミリーコンピューターで『ワギャン・パラダイス』なるソフトがあって、ワ

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    2013年04月19日
  • 宿屋めぐり

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    700ページ超の大長編。

    主人公、鋤名彦名の独白形式。
    “主”に命じられた大刀奉納の旅の道中、くにゅくにゅに飲み込まれてはじまる苦行のような日々。
    自分の都合の良いように言い訳ばかりして、どんどん落ちぶれていく主人公。
    結局残るものは何もなかった気もするが、読後の感覚が忘れられない。

    読書脳を活性化させられた。

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    2013年03月25日
  • 猫のあしあと

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    生き物を飼うということの責任の重さを考えさせられる本。それでいて町田さんのボソボソと心の言葉を紡ぐような文章のお陰で重苦しい印象はない。

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    2013年03月09日
  • 猫にかまけて

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    町田家に住むココアとゲンゾー、仕事場に拾ってきた衰弱した子猫ヘッケ、そして新顔の奈奈。猫達との日々を写真と文章で描いた1冊です。
    猫達が町田さんに話しかけてくる内容で笑い、看病するところでは たらちゃん思い出して泣きました(ノ_・。)

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    2013年01月16日
  • 権現の踊り子

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    ボチボチって感じでした。
    町田節はここでも炸裂はしていますが、他の初期作品の方が凄いと思う。それでも、純粋に評価は高いです。

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    2013年01月08日
  • 実録・外道の条件

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    主人公の名前は「マーチダ・コー」
    職業はパンク歌手で作家。
    自伝的な小説なのか、「マーチダ・コー」は町田康なのか…
    っていう、主人公が作者本人と思わせるっていう小説のテクニックを知った思い出深い一冊。
    周りに振り回されてごたごたなってぐちゃぐちゃんなるお話。なんだかいつも収拾つかない。
    ところで表紙の町田康いけめんすぎ

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    2012年12月21日
  • この世のメドレー

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    「どつぼ超然」の待望の続編。毎度のことながら、独特のビート、言葉をチョイスする才能に痺れます。町田康さんは別の本で、「人間の無意識を書くのが文学だ」とおっしゃっていたと記憶していますが、たとえばこんな個所。
    「腹に穴があいたような顔をしてじとっとした雰囲気を醸成していた。腹の突き出たちょび髭をはやかした男が図面を手に俯いてじっとしていた。マラカイボ油田、という言葉が頭に浮かんですぐに消えた」(P30)
    なぜ、「マラカイボ油田」なんて言葉が突然出るのでしょう。でも、なぜか「ああ、こういうことってあるよな」と腑に落ちるんです。
    凡百の作家にはとても出来る芸当ではありません。
    ただ、何度も申し上げる

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    2012年09月17日
  • この世のメドレー

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     「どつぼ超然」の続編らしい。今回、超然たる“余”が流離うのは、なぜか沖縄。
     生意気な若造を伴っての沖縄道中では、なんとロックバンドのヴォーカルを務めることになるのですが、そのバンド、ポコランポコランズの楽曲での歌詞が秀逸であります。
     相変わらず言葉と思考のセンスに痺れる作品なのですが、特にこの歌詞のアホらしさにはうならされる。やはり、町田は詩人であります。

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    2012年09月03日
  • この世のメドレー

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    前半の熱海駅前?のようなところで食事をしているシーンまでは、笑いっぱなしでしたが、那覇まで飛んでいってしまったあとは、しばらくおどろおどろしい展開でした。年齢を重ねても超然とするって、結構難しい。塵芥だよね、とは割り切れない金をはじめ、我々にはとらわれているものがありすぎだと思いました。

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    2012年09月01日
  • 宿屋めぐり

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    長かった!
    不幸が起こると、何故自分だけこんな目に会うのか、好転するとこれは主の思召しだ、人殺しや盗み放蕩的な態度を全て贋の世界だからとなんたかんだと理由をつけて自分自身を納得させる。全てが因果応報という事も気付かずに。
    そんな人間の弱さやズルさを宿屋で会う奇怪な人に依って暴かれ、そんな時、人はどんな対応をするのかで人間性が問われる。人は嘘を着く唯一の動物だけど、他人には通じる嘘でも自分自身には決して通用しない。主はその自分自身を戒める本来の自分だったのかも。所々で、あっ、と思わせる。さすが町田さんです。

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    2012年09月04日
  • きれぎれ

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    ふざけた文体や内容がまさに世の中に対する強い批判であり、天邪鬼な人たちの気持ちを代弁しているように感じます。

    主人公の心の奥にある暗い感情が妄想を生み暴走していくのだけれど、しかいながら現実に生きているというジレンマをどのように消化していけばいいのか?みんな持っている心の叫びのように感じます。そして、みんなぎりぎりで消化しているだけなのでしょう。

    最後の一文
    「穴の手前で振り返ると、青空。きれぎれになって腐敗していて。」
    を読んだとき愕然した気持ちになりました。
    暗闇から覗く青空の美しさの描画の美しさに加えて、腐敗していてというギャップ。何より本の内容を集約した表現に胸が苦しくなり、余韻が

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    2012年08月13日
  • きれぎれ

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    凄いの一言。全然面白くなかったのに、その凄さだけで4点。

    この文章がどういう意味で、次にどう繋がり、如何にオチをつけるか、という小説脳で読もうとしても、多分4頁くらいでやめたくなります。私は何度もやめました笑

    言うなれば「きれぎれ脳」、とにかく文を追っている最中は文自体を楽しもうとすれば、徐々にですがハマってしまうのが言いようもなく新鮮です。
    そして個人的に1番印象的だったのが、上述のようにハマり出したまさにその瞬間、ほくそ笑むかのようにブツンと物語が終わる、その感覚。
    いくつか短編が入っていますが、そのどれもがそう。いやー凄い

    あ、あともいっこ。
    ひらがなを駆使した独特の擬音語が面白い

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    2012年07月30日
  • 宿屋めぐり

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    摩訶不思議、数奇奇天烈。時代考証滅茶苦茶のストーリーが章立てもなく続く。町田氏ならではの飄逸諧謔が随所に鏤められており厭きさせない。騙され追い落とされ七転八倒する主人公。虚偽欺瞞が何のひっかりもなく横行する現代に、正しい倫理観を打ちたてようと煩悶する著者そのものを見る。

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    2012年07月29日
  • 宿屋めぐり

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    ネタバレ

    こういう小説は初めてだ。何と名づけていいのか。一種のパロデイ小説か。はたまた、妄想小説と呼ぶべきか。これは純文学になるのか。前例を求めのなら、筒井康隆の小説にはちゃめちゃな小説があったと思う。言葉遊びの中で妄想が広がって行き、現実か夢か区別がつかなくなってくる。石松の金毘羅詣りを元にパロディ化しているのだと思う。ページはかなりあるのだが、最後まで読めきったのは、何かがあるのだろ。

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    2012年07月28日