【感想・ネタバレ】残響―中原中也の詩によせる言葉のレビュー

あらすじ

わずか30歳にして夭折した詩人・中原中也。その遺された詩の一篇一篇から喚起された世界を、“現代最強のパンク詩人”である町田康が自らの言葉で紡いでいく。「ダダの中也」と「パンクの町田」の時空を超えた饗宴!

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Posted by ブクログ

教科書でお馴染みの帽子を被った童顔の青年とは裏腹に実は喧嘩にからきし弱いタコ八郎のようなどうしようもない酒乱のダダイスト中原中也…しかし詩歌においては斬れ味鋭く言葉を思うがままに操る元祖無頼派の天才であったことは今更言うまでもないだろう。
それゆえ単独で読むにはあまりにも毒気が強過ぎて胃もたれを起こしてしまうのだがダダイズムにルーツを持つ現代のパンクの騎手町田某とコラボすることでそれがいい具体のツマとなってサクサクとそのマインドを堪能することが出来るのが本書の特徴、企画の勝利だろう。
思春期に居眠りしながらも受けた国語授業での衝撃をいい大人になってからまた味わってみるのも良いもんだぜ

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2015年04月03日

Posted by ブクログ

知っている詩がある。結構たくさんある。
そうだ、こんな詩を読んで、こんな詩に惹かれていたのだったな、と思う。
勘違いして覚えていた詩もある。「月夜の浜辺」など、「月夜のボタン」というタイトルだとずっと思っていた。ボタンではなく、浜辺のほうが主役なんだな。

時空を超えて、2人の言葉が響き合う。セッションのようだ、と言いたいところだけれど、たぶんそんなサッパリした形容は似合わない。
ごつごつしている。ごつごつが響き合う。
この世との相容れなさ、身の置き所のなさ、だろうか?

町田の言葉は古風だし、中原のそれは若々しく、青々しい。どちらが今の人か?と思うほど。

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2011年12月21日

Posted by ブクログ

中原中也は大好きなんだけど、現代に中也まんまのスタイルで詩を書く人がいたら、中二病と言われるだけだろう。

実際、中也の詩はじめじめしていて、不必要に暗かったり、そのまんまランボーのパクリのようなこともある。だけど、暴力的なくらい正直で純度が高い。

その中原中也の詩の数十編に、町田康が呼応する形で、詩を書いた本。どちらもリズムが素晴らしく音楽的で、正しく残響というタイトル通り。

一見してスタイルは違うが、今の時代に中原中也の詩がはらむものを伝えるには、町田康の、落語のようでなぜか暴力と哀しみが垣間見える詩と組むことは、確かに合っている。

とりあえず、最後の四行詩に呼応した、町田康の七行詩は珠玉の出来で、大笑いしました。

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2011年11月27日

Posted by ブクログ

中原中也にアテラレタ。今も昔も変わらない心象風景がある。
風化しない詩がある。町田康さんの毒気が感じられない程の中原中也の言葉の力。

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2011年10月25日

Posted by ブクログ

「タバコとマント」「冬の日の記憶」が好き。
「サーカス」「汚れちまった悲しみに」は、知っている詩だからこそ町田康の文章が面白かった。
詩って時々心に響くものを見つけられるから不思議。たまーに読みたくなる。

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2020年03月09日

Posted by ブクログ

町田康、あまり知らないが、中島らもの追悼ライブで「KYOKO」を歌っていたのだけ覚えている。
やはり先ず中原中也のことを少しは知らねばならん、と思えて、この本は中断。いつ戻るか未定。

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2019年07月19日

Posted by ブクログ

中也の詩の解説でもなく、オマージュというわけでもなく、共鳴するままに言葉に置き換えていったという具合です。マーチダさんが中也の詩に対する残響をさらに読み手の私が受けて…残響の残響は、この詩なんだったっけ?と思うことしきり。

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2011年08月14日

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